カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

しあわせな白紙〜障害がわかるまでの2年間


「定型発達の赤ちゃんが到達する発達段階(の時期)との比較で、自閉症スペクトラムを早期発見しましょう」という親向けの動画(英語)です。
わが子の昔の姿に、いちいち当てはまって、うなずいてしまいました。

わたしたちの場合──

・2歳の時の健診まで、「やたらと育てにくい」とは思いながらも、「障害」を疑ったことは1ミリもなかった。
・初めての子だということもあり、定型の発達段階も全く意識していなかった。
・ナチュラルボーン親ばかなので、「大器晩成」「男の子は言葉が遅い」「こんなきれいな顔をしている」と心配はしていなかった。

あれだけ典型的な自閉症の症状を示していたのに、「知らないとこうなんだな」とふりかえって思いますが、わたしたちの場合は、「これでよかった」と今は思うのです。

障害がわかるまでの2年間。苦労はしたけれど、希望も持って、愛し、育んだこと。「障害」に注目するのではなく、「カイ」そのものを見つめてきたこと。
それは、わたしたち家族にとって、かけがえのない財産です。

今は情報があふれ、ネットでも「自閉症チェックリスト」のたぐいが目に飛び込んできます。昔のように、「しあわせな白紙」の状態で子育てを始めることは難しいかもしれません。
大切なことは、わが子をわが子として見つめ、愛を育むことだと思います。愛は、初めからそこにあるものではなくて、0歳から日々少しずつ育っていくものだから、親と子の間のストレートな関係を阻害するものは、少ないほうがよいと思うのです。

もっとも、「極端に育てづらい」原因が障害にあることを知らずに、親が自分の育て方の問題だと追い詰められ、思いつめてしまう危険性もあります。また、環境整備が遅れ、不適切な関わりを続けられることは、子どもに対する(意図せぬ)虐待です。だから、難しいのですが…。わたしたちの場合でもこれが2歳ではなく、3歳だったら? 4歳だったら?──

過剰な情報に惑わされずに、わが子を「観る」こと、
それは親だけではとても難しいので、伴走してくれるサポーターがいてくれたらいいですね。
他に二人といない、いろいろなものをあわせもった特別なわが子を、育めるように。
カイ ミニカーを整列
ミニカー整列!(過去記事

【報告】つぼみプロジェクト部企画会議 in 豊橋!

愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部の企画会議 in 豊橋を開催しました。
今回は、14名が集まりました。5名の方が初参加でした。これもうれしかったです。

タイムテーブルはこんな感じです。
<前半>
1 チェックイン(自己紹介)
2 プロジェクト部紹介
3 6月8日権利擁護入門勉強会ふりかえり(4への導入)
4 能力に応じた教育を受ける権利グループワーク
休憩
<後半>
5 新企画ワークショップ
(1)新企画提案を提案者がプレゼン
(2)企画ごとに話し合いたい人が集まり、会議
 ・おやおや交流会
 ・権利擁護
 ・教育(4に引き続き)
(3)全体共有
6 次回の日程のアナウンス(9月にやります)
7 チェックアウト(今日の感想)

写真日記風に紹介♪

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名古屋から新幹線に乗り込み

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田園風景をたのしみ

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お約束の豊橋カレーうどん!うどんの中にとろろご飯が!?うまー

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前日まで資料作ってたから、会場のコピー機でせっせと印刷

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豊橋市民センター大会議室広い!でも安い!名古屋の大体5分の1のお値段

前半は、「能力に応じた教育を受ける権利」の実現についてを全員で議論。
このワークはどこへ向かうのか?ハラハラドキドキで、ライブ感に満ちて、全員がゴール目指して力を合わせていく一体感にしびれました。
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その子に合った教育を受ける権利をどのようにして確保するか?花島さんが体験を基に、現状を端的に分析し課題を明らかにします。

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トリガーワードは「教師を育成しようにも、センスの有る無しがある。ここでいうセンスとは何か?」
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学校の先生の「子どもの能力、特性を見極める力」の向上には何をしたらよいか?
参加者の意見をこうままさんが板書しながらまとめていきます。お見事です!
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今回の成果。ここに知恵がつまっています。

今回、親だけではなく、現役の教師、福祉関係者、元市会議員など多様な経験を持つ方々が参加し、真剣に話し合えたことが大きかったです。視点が異なっていて、新鮮な気づきがありました。
教育のパートは、わたしは流れに任せて参加していました。場を信じて任せるって、ステキです。
この場にいる人たちは皆「来るべきして来た人たち」だから、化学変化の起きるライブ感。全員が、一点に集中していく感じ。鳥肌が立ちました。

こうままさんのレポートはこちら。

・こうくんを守れ!!!:一体感
http://koumama.seesaa.net/article/401626097.html

後半は、新企画の提案です。
Facebookグループ「プロジェクト部メンバーズ」で募ったアイデアをカイパパから紹介した後、親どうしの経験共有の場づくり「おやおや交流会」の企画提案です。
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おやおや交流会企画のきっかけbyらじおっくん

前半のボリュームが大きかったため、新企画の話し合いの時間はわずか10分間しかとれませんでしたが、有意義な意見交換が行われました。
(1)おやおや交流会班では、「最初からいきなり本題ではなくて、インタビューゲームなどで参加者がお互いを知り合う時間をとるといいね」など具体的なアドバイスが得られました。
(2)権利擁護班は、セミナー、勉強会企画の目的・ゴールはどこにあるのか?つぼみの会ならではの権利擁護プロジェクトは何か?使命について確認をしました。
(3)教育を受ける権利班では、現役教員の方との相互的な意見交換ができました。

わかってるんです、プロジェクト部の企画会議に参加するって、ものすごくハードルが高く緊張するってこと。
だからこそ、参加してくださる方を、「管理」するのではなく、信じて、一緒につくりあげていける。
誰かが困ったら、誰かが立ち上がり助ける。わからなくなったら、みんなで考える。時間がなくなったら、手分けして片付ける。

会の初めのチェックインの時のみんなの緊張した表情と最後のチェックアウトの時の晴れ晴れしたカオのコントラストに、いつも感動してしまいます。

今日わたしたち14名は、一緒に「今ここにしかない場」をつくりあげました。
次回の企画会議は9月に開催します。よかったら参加してみませんか?

お楽しみの懇親会パート♪

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イングリッシュ・パブ「BROWNS」素敵なお店でした。

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花男子がお迎え(嘘)※この花男子は豊橋駅にいます。

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腹の底から笑い、本音でトーク。プライスレス

7月12日にプロジェクト部企画会議を開催します

7月12日に豊橋で、愛知県自閉症協会・プロジェクト部の企画会議を開催します。

参加受付中です♪

お申し込みはこくちーずからお願いします。
http://kokucheese.com/event/index/176271/

プロジェクト部が、何を、どのようにして活動していくかを自由に話し合う企画会議を行います。
プロジェクト部メンバーになろうと思う方(一度参加してみてから決めたい方)もぜひ気軽にご参加ください。今回は、懇親会もありますよ♪
・日時 2014年07月12日(14:00-17:00)
・開催場所 豊橋市民センター(カリオンビル) 大会議室 (愛知県豊橋市松葉町二丁目63番地)
・参加費 500円
・内容(予定)
 1 チェックイン(自己紹介)
 2 プロジェクト部の紹介
 3 6月8日開催権利擁護入門勉強会の結果報告
 4 企画会議(プロジェクトの企画のもちより会議です)
 5 チェックアウト(本日のひとこと感想)


※プロジェクト部は、愛知県自閉症協会・つぼみの会の組織です。メンバーは、愛知県自閉症協会会員(賛助会員含む)であることが条件です。
※当日参加してみてから、愛知県自閉症協会の入会申込みをしていただくこともできます。

今回は、豊橋での開催です。三河方面の方、この機会にぜひのぞきにきてくださいね。初参加の方も、気楽に参加できる場です。
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こんな感じで楽しく真剣にやってます

人生の午後2時

自分の歳を3で割ると、「人生の何時」かがわかるという簡単な方法があって。
生まれてから死ぬまでを24時間で換算(0歳=0時〜72歳=24時)するというわけ。

18歳で、やっと朝の6時。夜が明けて、活動本番。子どもが成長する年代を「眠っている」とたとえているようで、味わい深い。
72歳は、日本人の平均余命からすると少し短め(特に女性は)だけど、それ以降は「夜ふかしタイム」と思えばいいのかな? なかなかイメージのしやすい換算法だ。

わたしは42歳なので、3で割ると14時になる。午後のピークタイム、働きざかり。
午前中にやった仕事の成果も出始めていて、信頼できる仲間も増えた。
ちょっぴり疲れも感じ始めているが、あと5〜6年はそれほど心配はなさそう。

その後には、黄昏時がやってくる。なんだか、近ごろ時間がすぎるのがとても速い。
チクタクチクタク──
「やったほうがいいこと」に取り囲まれているけど、やっぱり、いちばん「大切なこと」を成し遂げるため、「やらないこと」を切っていかないといけないね。

カイはもうじき朝の5時。「これから」です。
我慢とか悔しさだとかつらいだとか、そんなことは減らして、
楽しい、うれしい、青春を謳歌して欲しい!
summer

市毛さんへカイパパより〜「市毛研一郎さんを偲ぶ会」

今日、ぶどう社の編集者であり社長であった「市毛研一郎さんを偲ぶ会」に出席させていただきました。
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わたしの会ったことのない40代(今のわたしと同年代)の市毛さん

以下は、わたしが、市毛さんへ贈ったメッセージです。長いですが、よかったら聴いてください。

カイパパです。2005年に『ぼくらの発達障害者支援法』という本を出しました。
この場で、お話させていただく機会をいただいて、何を話そうかと。毎日市毛さんのことを思い出すことができて、とても幸せでした。
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私が思ったのは、この場は「自分たちがどれほど愛されていたか」という事実を確かめ合う場なのかなということです。
市毛さんと一緒に、私たちは「本」という子どもを生み出しました。市毛さんがここにいなくても、いつか私たちもいなくなっても、「本」は残ります。
「本」を生み出すにあたって、市毛さんは親のような存在でした。だからここでは、「自分が愛されていた」という思いをわかちあい、市毛さんを偲びあえたらと思います。
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ぶどう社市毛さんが創った219冊

最初の出会いは2004年の夏でした。市毛さんが知多にいらした時に、初めて言葉をかわし、帰りの電車をご一緒して、別れ際に、「いつか、ぶどう社から本を出しませんか?」と誘われました。すごくうれしかった気持ちを今でも鮮明に覚えています。
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その時の貴重な映像 by 戸枝さん

何年も先になるだろうと思っていたのですが、発達障害者支援法成立に向けてのキャンペーンを、ブログでやっているさなかに、コンタクトがありました。「今カイパパブログでリアルタイムで、たくさんの親たちが真剣に思いを伝え合っている。これを本にしたい」と。
「ぶどう社は、自閉症のことをずっと先を走ってやってきた自負があるけど、最近は他の出版社もがんばっている」ともらしたことがありました。少し、焦りもあったのかもしれません。「ぶどう社らしい、発達障害の本をカイパパと作りたい」と口説かれました。

この本づくりが、これほど大変なものになるとは二人とも思っていませんでした。とにかく情報とノウハウを盛りだくさんに詰め込んで。法の施行から遅れては、タイミングを逸してしまうから、タイムリミットがありました。

最後まで粘る私に、さすがの市毛さんも「この期に及んで、ここまでやるのは、ぶどう社だけですよ」とぼやきながら、一緒に粘って、完成させてくれました。
本チラシ
当時のチラシ(なつかしい…)

すごい熱量で、二人とも過集中状態で本を完成させた後、わたしは、
「いつか僕が市毛さんの物語を本に書くよ!」と言いました。そしたら市毛さんは、
「俺の想いは、今まで作ってきた本に全部込めてきたから、俺の本は要らないんだよ」と答えましたね。
それが、すごくカッコ良くて!
ぶどう社の本は、編集者一筋に生きた市毛さんそのものなんですね。

『ぼくらの発達障害者支援法』は、出版されてから反響を呼びました。今読み返しても、「いい本」です(*^_^*)



けれども、この凄さに、本で増幅された「カイパパへの期待」に、私は押しつぶされてしまいました。
講演活動などもやりましたが、違和感が大きくなって、やめました。ブログの更新も、止まってしまいました。
本を出したことで、「実物の自分」がとても小さく思えて、「他人の期待に応えられない自分」はダメな奴だと思いました。じぶんの本を見るのも嫌になってしまいました。

市毛さんとも、2006年の出版記念パーティー以降、会えなくなってしまいました。
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やっと再会できたのは、6年後の、市毛さんが病を得たとの知らせを受けてからでした。

──ここからは、今年3月に、私から市毛さんに出したメールを読ませていただきます。

市毛さんへ

ご無沙汰しています。2011年にブログを再開して、そこから長い「リハビリ」と模索の日が続き、2012年に、市毛さんにやっと再会ができました。あの日、二人で涙を流しながら、カイパパ本を出してからの苦悩を分かち合えたこと、そして、長い時間がかかったけれどもあの本と「和解」できたこと、市毛さんと対面ができるようになったことを、語り合いましたね。

二人の涙のあとの、すっきりとした笑顔を、さやさんに撮ってもらった。
その写真を、カイパパ通信に載せました。
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この3年間、わたしは、草の根ささえあいプロジェクトという、社会的孤立に陥っている人たちのことを考え、支える活動に参加してきました。
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2011年4月「穴を見つける会」第1回

この活動は、直接自閉症に関することではないと思っていたけど、知れば知るほど、社会的孤立と発達障害の関わりは深く、苦しみの根っこに障害があるのに本人も周囲も気付かずに長年放置された結果が、孤立だったということを知りました。これは、他人事ではない。だから、関わり続けようと思っています。

一方で、「親」という立場そのものに、しばられることのない活動は、他のメンバーとフラットに付き合えて、私にとっては良いリハビリでもありました。それを3年間続けて、色々な組織運営の方法やスキルを身につけることができました。成長できたと思います。
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2014年5月草の根ささえあいプロジェクト

そのおかげもあって、ようやく、親の会に、もう一度向き合い、自閉症の子を持つ親として、カイのために直接役に立つ活動を再開する覚悟と自信ができたから、
この4月から、愛知県自閉症協会に、新たに「プロジェクト部」を立ち上げて、部長として活動することに決めました。
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2014年5月プロジェクト部第1回企画会議

このことを、市毛さんに報告しようと思っていました。
本のあとの低迷を、自分にも責任があると悩み、思いやってくれていた市毛さんが、安心してくれると思って。

少し、タイミングが遅れてしまったけど、私が作った企画書を送るから、読んでください。ちょっと長いけど、もしわかりにくかったら、アカ入れてもらってもいいですよ。

【実は、このメールは、市毛さんに読んでもらうことができませんでした。市毛さんは、既に旅立たれた後で、そのことを知ってから、このメールを書き、市毛さんのメールアドレスに送ったんです。続きを読みます。】

どうかなあ?
機動性を持って、自由でしなやかな活動体にしたいと思っています。また、愛知に注目してほしいです。

この、プロジェクト部を始めるという報告が、間に合わなかったこと、とてもショックでした。
だけど、2月にこうままさんが市毛さんに、「カイパパと一緒に活動を始める」と報告してくれていたと聴いて、少し救われました。
でも、直接報告したかった。そして、市毛さんの深い声で、「カイパパの、そういうアイデアはどこから出てくるのかな…?」ってたずねて欲しかったな。

これからがいいところだから。見守っていてくださいね。

私は、空高く舞い上がり、イカロスのように地に落ちて、そこから、とぼとぼともう一度登ってきました。
昔より、おだやかに、優しく、そして弱くなりました。
つらいときには、『ぼくらの発達障害者支援法』を開いて、思い出します。
市毛さんが私に投げかけてくれた言葉、励まし、愛情を。

荒さん、さやさん、ぶどう社をよろしくお願いします。
私にできることは、ささやかだけど。市毛さんが心血を注いでくれた本の著者として、毎日生きていきます。

また、連絡しますね。ありがとうございました。

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あなたと一緒に創れたことを誇りに思う

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「統合」してスタート

6月8日にプロジェクト部「権利擁護入門勉強会」終わった後に書いた文章。ちょっと気恥ずかしいけれど、今の気持ちをあらわしているので、記しておきます。


2002年に「カイパパ」を始めてから、長い間、じぶんは「親」たち(そして自分の子ども)のことばかり考えてきた。

2011年に草の根ささえあいプロジェクトに出会い、自閉症だけじゃない、生きづらさを抱えているひとたちを近く感じるようになった。それと同時に、苦しいのは、「支援者」たちもだ。その事実に気づいた。

昔、「支援者との連携」とか「共同療育者」とか口にはしていたけど、根っこには、どこか信じ切れない、壁を感じていた。
だけど、心の底から信頼し、むしろ「親でもないのにどうしてそこまで…」と頭のさがる人たちと仲間になって、心の氷が溶けていったのだと思う。

だから、本気で、支援者たちとつながりたい、一緒にプロジェクトをしたいと思うようになった。

親としてのカイパパ(自閉症協会)と支援者としてのカイパパ(草の根ささえあいプロジェクト)、そして実名のわたしを「統合」したいと思った。2014年は、「統合」がテーマだと。

プロジェクト部の第1弾企画「権利擁護入門勉強会」を開催した。かなり難易度が高く、重いテーマの勉強会なのに、たくさんの笑顔があった。親だけじゃなく、支援者だけじゃなく、親も支援者も本人も、みんなが同じ場所で同じ時間を過ごした。
真剣に話し合い、心情をわかちあい、時には感情を揺り動かされることも。

本気で、信じてみようと思っている。
「プロジェクト部」というプロジェクトで、現実に良い影響を与えていけることを。
これまでずっと「親のエンパワメント」を考えてきたが、「みんなのエンパワメント」=ひとりひとりが自由で、しあわせに暮らせるために、じぶんの持つ力を信じて、発揮できる場と機会をつくっていきたい。

やっと、はっきりとこうして表現することができた。

仲間を集めて、一緒に考えて、苦しいときも乗り越えて、ひとつ達成できた、ここが、スタートだ。

権利擁護の取組みへのヒント(又村あおいさん語録)

6月8日に開催した愛知県自閉症協会・つぼみの会主催「権利擁護入門勉強会」(報告記事)において、カイパパが印象に残った又村あおいさんの発言のメモです。
脳みそテープによる語録なので、理解不足や誤解もあると思います。文責はあくまでもカイパパにあります。

<又村あおいさん語録>
■プロジェクト部のコンセプトについて


プロジェクト部のコンセプトを聴いて、感銘を受けた。
「やりたい人が目的を持って集まり、やって、解散する」
こういった柔軟性をもたせた活動が、全国の親の会組織で、なかなかできていない。

■親の会が「権利擁護」の旗を掲げることについて

従来、育成会でも顕著だったのが、「学校卒業後の行き場」をつくるために親たちがしゃにむに頑張ってきた。それは、社会資源があまりにも少なかったから。
現在は、(まだまだ不足しているが)一定の社会資源が整ってきた。
親の会のアイデンティティが問われる時代になってきている。
自分の知る範囲では、欧米、特に北欧では、親の会は、権利擁護(Advocacy)しかやっていない。家族・当事者として、権利擁護の取り組みだけをやっている。


■「自立トラップ」について

権利擁護は「その権利は誰のため?」を考えることが最初に来なければいけない。「親の権利」を「本人の権利」より優先していないか? 20歳以降は法律上「成人」となり、親とは独立の法人格を認められている。その意味にどれだけ自覚的になれているか不安がある。

そんななか、権利擁護が、「○○をするべき」と規範的な指導として進められるのは問題。
たとえば、「30歳になったから一人暮らしすべき」だとか「25歳なんだから働くべき」だとか。

そもそも、社会一般の「規範化」そのものが、障害のある人の暮らしにくさにつながってきたのではなかったか。にもかかわらず、権利擁護と言いながら、この「規範化」を強化する方向に進むと、たいへん息苦しいものになってしまう。

もちろん、自閉症の人が、社会の中で生きていくために、規範(ルール)を守ることは求められるし、心持ちの悪い人から身を守るという最低限の安全は求められるが…。

「その権利は誰のため?」を問い続けることが必要。
「ベスト・インタレスト」(本人にとって最もよい選択)と呼ばれる。
失敗すること、愚かな行いをすること、働きたくないことや親元から離れたくないことも、本人が望んでいる場合がある。にもかかわらず、「規範」によって、「自立とはこうあるべき!!だから○○しなさい」と無理やり押し付けてしまう──それが「自立トラップ」

■マイナス状態をゼロにする権利擁護から、ゼロからプラスの状態に持っていくための意思決定支援

権利擁護が前面に出てくるのは、「権利が侵害されたマイナスの状態をゼロに戻す」ときが多い。その時には、他人の権利とぶつかっている。誰かに被害を与えてしまったり。

しかし、それだけではない。意思決定が難しいひとの意思決定を支援する取組み。
幼い頃から「選択」の経験をつみ、「選択する能力」を育てていくことが重要。ゼロからプラスの状態に持っていく権利擁護も考えていきたい。

権利擁護入門勉強会、開催しました!

報告します!

6月8日に開催しました愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部の記念すべき第1回企画「権利擁護入門勉強会」は、主催者が驚くぐらい活発に進みました。
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この勉強会の目的を説明するこうままさん♪

又村 あおいさんが、冒頭から「やりたい人がやりたいことを持ち寄って、プロジェクトをやり、終わったら解散する活動は、とても良い。期待しています」と何度もエールを送ってくださったことに、じぶんたちはとても力づけられました。
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又村あおいさん(今日は時間がないのでジョーク少なめ)

又村さんの今回のグループワークの枠組みを与えるための、30分間の密度の濃い講義から始まりました。「権利擁護」が障害者基本法、障害者虐待防止法、障害者差別解消法、障害者総合支援法でどのように記述され、保障されているかを概観できました。

その後、6つの事例に分かれ、グループワークを行いました。
事例は、プロジェクト部メンバーの手作りです。又村さんからは「今日の事例は6つあるが、6グループに分かれてしまうのがもったいないぐらい、暮らしに近いリアルな事例。今後一つ一つをじっくり深めていくこともよいと思う」という過分なるお言葉をいただきました。

全体で話し合った内容を共有し、それに対して又村さんが的確な講評をつけてくださいました。
写真で雰囲気だけでもお伝えします。

・事例1:「障害者(知的・自閉症)、児童のための入所施設」
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・事例2:「能力に応じた教育を受ける権利」
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・事例3:「知的障害者の「万引き」「暴行」と取り調べ、逮捕」
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・事例4:「触法障害者の受刑終了後の地域復帰」
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・事例5:「グループホーム入居者のくらし」
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・事例6:「不要な携帯電話契約をしてしまった」
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最後に「プロジェクト部活動のこれから」に向けて、又村さんからコメントをいただきました。エールとともに、「自立トラップ」についての指摘があり、わたしはハッとさせらました(「自立トラップ」については別記事で紹介)。

プロジェクト部のみんなで企画したひとつひとつが、イメージした以上に、はまっていき、とてもとても心地よかったです。(タイムテーブルはこちら

開催できてよかった。ご参加いただいた皆さんへ、みなさんと同じ場所で同じ時間を過ごせて幸せでした!ありがとうございます。また集まりましょう*\(^o^)/*

こうままさんの紹介記事も合わせてどうぞ♪

次回のプロジェクト部ミーティング(企画会議)は、7月12日(土)に豊橋で開催します♪
お申し込みはこくちーずからお願いします。
http://kokucheese.com/event/index/176271/

この記事の続きです。
・権利擁護の取組みへのヒント(又村あおいさん語録)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52536894.html

明日、権利擁護入門勉強会を開催します

いよいよ明日、権利擁護入門勉強会です!(申込みは締め切りました。)
35名の方が参加されます。準備は万端!(のはず^_^;)

今回の企画は、構想してから、講師である又村さんとも打ち合わせを重ね(Facebookを活用)、自分たちなりに練り上げてきました。

参加者みなさんが、安心してそれぞれの思いのたけを出しあい、明日につなげていける場にできたら、と願っています。

明日は、こんな流れで、開催されます。
グループワークで、じっくりと自分たちで考える時間をとります。
この場で、何を感じるのか? それが楽しみです。
<構成とタイムテーブル>
◯開会(5分)14:00−14:05

◎第1部 又村さんからお話(30分)14:05−14:35
・権利擁護に関する基本となる考え方、視点、歴史
 →グループワークで議論をする際の枠組みとなるような内容

◎第2部 グループワーク(50分)14:35−15:25
・6事例で、参加者が興味のあるテーマに分かれて議論。
 →問題点、救済方法、予防方法について考える。
・模造紙に、全体共有のための内容をまとめる。

【休憩10分】〜15:35

◎第3部 全体共有・講評(30分)15:35-16:05
・グループワークの議論の結果を全体で発表
・又村さん講評(「現行制度では、このような救済が考えられる」など)
*1事例発表3分&講評2分 計5分✕6グループ=30分間

◎第4部 まとめ(15分)
(1)又村さんからまとめ(10分)16:05−16:15
「今何を考えて、行動していくべきなのか?」*制度による担保の重要性に加えて、意思決定支援について触れていただきたい。

(2)グループ内での感想シェア(5分)16:15−16:20
 グループの中で、全員が一言ずつ「今日の感想」をシェアする。

◯閉会、アンケート記入(5分)16:20−16:25
・次回ミーティング7月12日のご案内

今日Twitterで出会ったこの言葉が、とても響きました。

同じ人間、同じ状況はない。だけれども(だからこそ)、同じ時、同じ場所にいることを、感じられたら、それでいい。

盗人にも三分の理あり〜言葉と正当化

どこで読んだか、テレビで観たのか忘れたが。
高齢者に不要な物を売りつけたり、不要なリフォームを押し付けたりする訪問販売の会社で、「金は天下の回りもの!」と朝礼で連呼していた。
「金を溜め込んでる高齢者から自分たちが金を取って、つかう方が、『世のためになる正しい経済活動』だ」という理屈を取材に答えていた。

わたしが何を思ったかというと、「やっぱり人間は、自分の行為を正当化しないと、やれないんだ」ってこと。
はたからみたらおかしい理屈でも、とりあえず「自分の行為は正しい。世のためなんだ」と納得できるものをつくりあげてやっている。だから、行為する本人は「自分は悪人ではない」と自分自身を説得しているはずだ。

言葉の力はバカにはできない。
理屈はどんなベクトルにも作成可能。
そのベクトルの向きが、人を傷つけ、尊厳を損なうものではないか? 正しいと思う根拠はどこから来ているのか?──その検証がないと、後悔するハメになる。

逆から見れば、他人が取っている行動が「どんな言葉で根拠づけられているか」を観察することが肝腎で、根っこがわかれば、そこから対処法が見えてくるんだろう。

オウムの事件の頃に、「逆洗脳」という言葉を聞いた。それは、言葉によってハメられたワクを、言葉によってワクを外すというプロセス。ここでも「言葉」がモノを言う。

「正しさ」を志向するのが、人間で。
それぞれの「正しさ」を戦わせて傷つけあうこともあれば、自分が発した言葉の「正しさ」に囚われて動けなくなることもある。

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