カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

【日記】木の香り

養護学校(名古屋市では特別支援学校を今でもこう呼ぶ)高等部に入学したカイ。
レベル別で教えてくれるのが、とても合っているのでしょう。とても元気にうれしそうに毎日通っています。

大好きなのは「作業」の火曜日。一日作業訓練(ものづくり)をする。
園芸・紙工・手工芸・縫製・織物・窯業・木工と数ある中で、カイが何を選んだかというと──

木工でした。

とても意外でした。さおり織りやスウェーデン刺しゅうは経験があるから、それかな?と予想したのですが、木工が一番気に入ったようだという先生の見立てを信じて、木工を選択。

のこぎりの音も気にせずに、やすりをかけたりしているらしい。
どうやら、けずった木の香りが好きみたい。
そうか。カイはにおいフェチだけど、木の香りも好きだったのか。

とにかく火曜日はウキウキで、先週は駅の階段でスキップして足をぐきっとやってしまい、一気にブルーになったりしたほどです。

好きなことで少しずつスキルアップできるといいな、将来につながるといいな、なんてついつい期待してしまうけど、まずは、好きなことが増えにくいカイに好きなことが増えたことをよろこびたい。

見つけてくれた先生方に感謝です!

失ったものが自分を形作る

わたしの趣味のひとつに、海外ドラマを観ることがあります。
いろいろな状況で語られるセリフから、啓示を得たりしています。

紹介したいのが、「ブラザーズ&シスターズ」第5シーズンで、ノラ(母親)が、夫を失ったキティー(娘)に語りかけたことばです。
悲しくて当然なの。
あなたが失ったのは、夫だけではなく、思い描いた人生も失った。
未来を失って悲しいの。
心の中にあった計画や夢もすべて消えてしまった。

失った人生はあきらめるの。別の人生があなたを待っている。
人はあきらめて成長していくの。

様々なものを失っては前に進んでいく。
失ったものが自分を形作る。

〜ブラザーズ&シスターズ第5シーズン第5話より〜

2006年の記事「苦痛は3分の1でいい」のなかで、わたしはこう書きました。
私は、カイの障害がわかった時、「喪失感=未来イメージの死」がつらかった。

赤ちゃんができてから、妻と「子育ての方針」なんておおげさなものじゃないけれど、「どんなふうに育てたいか」の夢を語り合っていた。結論としては、「自分たちが育ててもらったように、育てたいね」ということでした。クラブ活動とかがんばったりして、うまくいったり、失敗したり色々な経験をして育っていってくれたらいいな!なんて思っていました。

それが、自閉症とわかったときに、崩れてしまった。その後に築く「新しい未来のイメージ」を築けなくて、空虚で殺風景で孤独で不安で先がない追い詰められた気持ちになった。何のきっかけもなく、涙が出て困ったりしていました。

ゴールデンウィーク中に「長い休みに思い出す」を書いてから、昔のことをよく思い出します。わたしにとって「障害の受容」(好きな表現ではないが"通り"がいいので使います)は大きなテーマなんだなとあらためて思います。

2011年に「受容には2つある」という重要な記事を書いています。@naokonagataさんが教えてくださったことばをそのなかで紹介しています。

受容には二つあるのではないかと・・・。一つは子供の障害の受容。もう一つは、「障害のある子を授かった自分自身の傷つきの受容」。私は二つめの部分が認められず、自分に頑張ることを強いていました。

わたしは、この記事で、

・「ありのままのわが子でOK」ということと、
・「未だ傷が癒えない自分」は、共在する──ことに気づきました。この2つを区別ができず、葛藤した時間がものすごく長かった。

そして、いつまでも傷が癒えず、ぐずぐずと感情にしこりが残る状態に対して、
失った人生はあきらめるの。別の人生があなたを待っている。
人はあきらめて成長していくの。

様々なものを失っては前に進んでいく。
失ったものが自分を形作る。

ノラのことばが、厳しくも、優しく響きます。

わたしのなかでは「失った」ということが「失敗=悪いこと」として認知されていたんだ。
でも違う。「失った」ことは「失った」だけで、「失敗」ではない。

別の人生が待っているんだ。
現実になっていくこの人生が、わたしの人生。
失わなければ、目の前に現れてこなかった。
失ったものが、わたしを形作っている。

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2013-12-04

本当の気持ちがわからなくなる…

昨日書いた「困っていることやできないことはありますか?」に対して、「たしかにそう」「目からウロコが落ちた」という共感の反応をいただきました。みなさんそうなんですね。何が苦労か、不便か、わからなくなっている。

わたしたちは、その時その時の状況のなかで、可能な限りのベストのくらしを成り立たせようとして努力をしています。
が、その努力は、「苦労を苦労と思わないようにする」=本当の気持ちを抑えこむ、精神的不感症になる──面もあると気づきました…

40歳代の息子さんをお持ちの先輩お母さんが、先日、障害者差別解消法について話していた時に、

「私の年代だと、長年の暮らしで、差別を差別と感じないところもある」

と悲しそうにつぶやくのを聞きました。

このことばが胸に刺さりました。ずっと大変な苦労をしてきて、差別を受けたときでもじぶんたちが遠慮することが”当たり前のもの”と、されてきたからですよね。

そんなことを言わなくてもよい世界に変えていきたい。
いっしょに変えていきましょう。

「困っていることやできないことはありますか?」

Facebookで障害の区分判定のエピソードに出会い、なるほど!と思ったことを紹介します。

■困っていることはありますか?

障害の区分判定の検査の際に、「困っていることやできないことはありますか?」と尋ねられて、ハイティーンの自閉スペクトラムの子を持つ親御さんは、思いつかず、答えられずにいたそうです。すると、

「周りの同年代の子にはできていて、お子さんにはできないことは全部そうなんですよ」と説明されて、そういうことかと合点がいきました。

障害の子をもつ家族は、何年もかけて、学び、サポート体制を整えて、日々平穏に暮らせるところまでどうにか、たどり着きます(たどり着けず苦しみが長年続く場合もあります…)。

だから現時点では、日常のくらしについて「困りごと、できないこと」を訊かれても、とっさに何を聞かれているのかわからなかったりします。

■ひとりでできますか?

でも、たとえば同年代の子にはできることで言うと、
休みの日に親は外出をして、高校1年生の子どもがひとり留守番をする日に、「お昼は自分で食べてね」とお金を置いていったとします。

同年代の子どもは
・出かけて
・店を選んで入り
・席に案内してもらい
・メニューを読んで
・食べたいものを決めて
・注文をし
・食べて
・レジへ行き
・お金を出して
・釣り銭をもらい
・帰ってくる
これだけのことを「ひとりで」できるでしょう。

うちの子の場合は、ことごとくハードルがあり、「ひとりで」行うことは不可能です。
「外食して帰ってくる」を実現するためには、「付き添い」が必要です。
けれども、「付き添い」を得て、「外食をして、美味しかったと満足する」結果はおなじように得ることができています。困ってはいない。

それは、「支援があれば」困ってはいない、ということです。

■どれだけの支援が必要ですか?

障害程度を判定する目的は「どれだけの支援があれば困らないか」を知るため。
だから、「支援を外した」単独状態で、できること/できないことを評価するんですね。

そこを、周りにいるわたしたちは理解しておく必要がありますし、
判定にかかわる専門家は、「支援を組み立てて、生活を成り立たせている人」に対して、「支援がないとしたら、何が不便か? 何ができないか?」と伝えて欲しいと思いました。

それから、しぶとく、たくましく、くふうをして、くらしを成り立たせている家族たちを、ねぎらってもらえたら本当にうれしいです!

【日記】トントントントン

トントントントン ひげじいさん
トントントントン こぶじいさん
トントントントン てんぐさん
トントントントン 手は上に

10数年前に保育園で習った手遊びうたを、今になって急に歌い出すカイ。
当時は、無反応だったのに
記憶は不思議だ。

トントントントン 手は上に

かわいらしい声
幼いカイが、今の姿に重なる。

【日記】綾鷹

昨夜はねむれずに、つぶやきを書いた。
ふだんカフェインをとらないようにしているが、昨日はひとからもらった綾鷹のペットボトルを1本飲んだせいか。

実はあるブログから刺激を受けて、「ブログ書きたい!」衝動がめずらしく高まっている。
「ブログ書きたい」「毎日書きたい」「いろいろ書きたい」

書きたいことはたくさんある(ような気がする)。伝えかけて途中になっていることもあるし。
でも、完成やクオリティを気にするとアップまで時間と集中が必要で、
現状のわたしにはむずかしかったりする。

インターバルがあくと、ますます書けなくなってくる。

なので、

せっかく昨夜恥ずかしい、しょうもない記事を公開できたので、
「日記」カテゴリにして、日常のたわいもないことをちょこちょこ書いていきたい。

そのうちコーヒーのかわりに綾鷹が覚醒の友になるかもしれない。

ぜんぜん書いてないけど

けっこういくつも
密度が高い
濃度も濃くて
それでいて読後さわやかな
そんな記事を書いていた
脳内で

毎朝たくさんの
良記事のシャワーを浴びて
シェアしてひとことコメントつけて
頭よくなった気になって満足しちゃう

おれがこの世につけくわえることはないくらい
いい情報があふれているから

でもさ

生きて
息をするみたいに
ことばを吐き出すのが
おれの自然

きらくにいこう

無理はしなくていい

ゴールデンウィークの間に書いた記事が、Facebookでシェアされて、とても多くの方々に読んでいただきました。

コメントで、「昔を思い出しました」という反応をもらいました。「こんなふうな声かけを、診断直後にかけてほしかった」という声もありました。

シェアしていただけたのは、周りにいる人たちから、ショックを受けている親への声かけのヒントとして広めていただけたのかなと思います。

静かに、けれども力強く、広がっていく──それがこのように伝わってくるから、ブログを続けてきてよかったと心から思えるんです。ありがとうございます。

わたしも近ごろは「先輩親」として、若い親御さんから相談を受けることが時々あるようになってきたこともあって、カイが自閉症の診断を受けた頃のことを思い出す機会が増えてきました。相談を受け、なにかを言おうとするとき、立ち返るのはじぶんの経験だからです。

こうすればうまくいく。
というアドバイスはできなくて。

過去のじぶんに立ち返って(というか過去の自分に向かって)、出てきたのは、

「無理はしなくていい」

ということばでした。

先の記事の最後にこう書きました。
だから焦らなくてだいじょうぶ。
問題を「解決」しようとしなくてだいじょうぶ。
そもそも「問題」なんかじゃないことに気づくから。

このことばの意味するところは、また機会をあらためて書きたいと思っています。

【告知】5月30日開催「障がいのある人のくらしとお金」セミナー

<残席少なくなってきています>
5月30日開催「障がいのある人のくらしとお金」

又村あおいさんが、使える制度、必要な費用を具体的な例を挙げてわかりやすく解説してくださいます。
「うちの場合はどうかな?」を考えるためのシートもご用意しています。
ぜひこの機会に、将来設計を立ててみませんか?

・日時:平成27年5月30日(土)13:30〜17:00 (受付13:00より)
・会場:なごや人権啓発センター研修室
・参加定員:50人(先着順) 
・申込期限:5月23日まで
・参加費:愛知県自閉症協会会員 1,000円  会員外 2,000円

詳細・お申込はこくちーずからどうぞ♪
http://kokucheese.com/event/index/286001/

つぼみプロジェクト部「本人のベストインタレスト」セミナー報告掲載しました

2015年1月11日に開催された『本人のベストインタレスト?〜親、支援者は本当にわかっているの?』の報告記事がつぼみプロジェクト部ブログに掲載されました。(告知記事はこちら

・【開催報告】『本人のベストインタレスト?〜親、支援者は本当にわかっているの?』
http://tubomiproject.blog.jp/archives/29277004.html

読み返して、大切なことをかみしめています。
何度も立ち返り、かえりみなければいけないと思いました。

わたしはこの時2週つづけて、佐藤彰一先生の成年後見制度についてのお話とこのセミナーを聴いて、じぶんが考えていた「本人のベストインタレスト」は、実は「親からみたベストインタレスト」に寄り過ぎていると痛感して、うまく言葉にできなくなったのでした。

悩みながら、考え続けることをやめてはいけない。そう思います。
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