カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

カイ3年間の結晶〜スウェーデン刺しゅう

なんと!びっくり!!

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カイの3年間の結晶です。

中学1年生から学校で始めたスウェーデン刺繍。わたしは、そんなものカイにできるわけないと思っていました。
3年かかってこのランチョンマットができました。

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下の方の荒い目は一年生の頃かな?

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上の方はピッシリ編み目がそろってる。成長の跡だね!

糸の色を自分で選んでコツコツとちくちく編んだそうです。
色の選び方に個性がでるようで、カイはカラフル好き。

きみのこと見くびって、できないと決めつけて悪かった。何度も反省してるのにダメだねぇ。
時々こうしてびっくりするような「贈り物」をしてくれる。きみの親でよかった!

日本自閉症協会「自閉症・ 知的障害者等の選挙権行使への支援を求める声明」

12月14日(日)に衆議院議員選挙があります。

昨年(2013年)5月に、成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律が成立、公布されました。

・総務省:成年被後見人の方々の選挙権について
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/touhyou/seinen/

障害のある人が、通常の方法で投票ができないからといって選挙権行使できないようでは、選挙権は絵に描いた餅です。
選挙権は固有の権利です。本人意思の確認が不可欠なことは言うまでもありません。
すべての投票所において、必要な支援を提供して、本人意思の確認を丁寧に行っていただくことを要望します。

日本自閉症協会から12月10日付けで「 自閉症・ 知的障害者等の選挙権行使への支援を求める声明」が出されています。12月7日に、自閉症・知的障害のある青年が期日前投票に行き、本人の意思を確認する方法が見いだせないとして、投票補助を断られたことを受けてのものです。

・日本自閉症協会: 自閉症・ 知的障害者等の選挙権行使への支援を求める声明(PDF)
http://www.autism.or.jp/action/2014/20141210.pdf

以下は抜粋引用です。
投票時に自書できない人には、2名の投票補助者がついて代理投票してもらえるが、投票補助者は投票所の事務員に限られるため、選挙人本人との意思疎通が重要である。

長年実施している東京都国立市では、まず公報紙全体を本人に見せ、次にゆっくり開いて指さしてもらう。指さしが不確実ならもう一度繰り返す。これで確定できないときには、付き添い者等との事前協議で、白紙投票としている。

2013年の総務省自治行政局選挙部長通知「成年被後見人の選挙権の回復等のための公職選挙法等の一部を改正する法律等の施行に伴う取扱いについて」には、「投票を補助すべき者が選挙人本人の意思を確認できないときは、投票できないものであること」と記載されている。
 総務省に「投票できない」の意味を質問したところ、白紙投票とするには本人意思の確認が必要なため、棄権扱いとなるとの回答であった。

しかし、本人意思を投票補助者が読み取れない場合は、それは本人意思が不十分なときもあろうが、逆に投票補助者が本人の意思を読み取る能力に欠けるときもある。総務省通知の「投票を補助すべき者が選挙人本人の意思を確認できないときは、投票できないものであること」という規定は、本人の選挙権を剥奪するものであり、容認出来ない。
 すでに本人が投票所に来ているのであるから、投票する意思があると解すべきであり、「棄権」ではなく「白紙投票」とすべきである。

詳しくは声明全文(PDF)をご参照ください。
ひとりの人として、選挙に参加することをあきらめさせないでください。

【告知】1月11日開催『本人のベストインタレスト?〜親は、支援者はほんとにわかっているの』

しわす。みなさん、今年はどんな一年でしたか?
わたしは、人生の転機となる出来事を体験し、儚くもろいLIFEひとつ、一日一日を愛し慈しみ生きようと決意しました。

そして、新しい年は、愛知県自閉症協会プロジェクト部の権利擁護セミナーでじっくり一緒に学び、語り合い、あらたな一歩を踏み出しませんか?

1月11日に、権利擁護セミナー第2弾「本人のベストインタレスト」を開催します。

セミナーに向けて、12月6日に事前勉強会・企画会議を開催しました。
専門的な勉強をしたわけではない親たちが、生活の実感から手探りでたぐりよせ、「ベストインタレスト=本人にとっての最善の利益」を実現するための「意思決定支援」ってなんだろう?と率直に悩みをシェアして語り合いました。
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これから、権利擁護の活動を行っていく、日々の暮らしで実践していくために、「意思決定支援が権利擁護の出発点だ」と、各人が確かな実感として持ち続けられるようになる──
「全部教えて解決して!」というものではなく、一緒に考えるヒントが得られる──
そのための機会・場にしたいと思い、現在企画を練っています!

わたしは、親と支援者が、同じテーブルで同じレベルで、本音を語り合い、建て前やきれいごとじゃなく、目の前の本人と一緒に、どうしあわせに暮らしていけるか? それを真剣に考える機会ひとつひとつが、権利擁護の実践につながると信じています。なぜなら、参加した一人ひとりが自ら啓発されて、意識が変わるからです。
( わたし自身、こんな制約的な発想をしてしまっているんだな。。。と反省することが多いです。)
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話題提供者 野崎さんのお話に真剣に聞き入るわたしたち

どなたでもご参加いただけます。お申し込みは、こくちーずからどうぞ♪
http://kokucheese.com/event/index/237628/
権利擁護セミナー『本人のベストインタレスト?〜親は、支援者はほんとにわかっているの』

【開催の目的】
 人が、自由にしあわせに生きることを阻害するものは何なのか? 自分の人生を生きるために、何が必要なのか? それを考え、実現していくために行動していくことが権利擁護だと思います。
 6月に開催した権利擁護入門勉強会では、事例検討の形で、何が課題で、現在権利を守るためのどんな制度があるのかという基本的なところを学びました。
 今回は、根源に立ち返り、本人のベストインタレスト(本人にとっての最善の利益)を守る、尊重するとはどういうことなのか? 「権利擁護」と言いながら、実は親や周囲のひとの都合や思い込み、おぜん立てによる「権利擁護(?)」になっていないか? 本気で本人の主体性を具現化するために不可欠な「本人の意思決定」を支援することを、現状の制度と実践のお話を聞いてから、本人と家族と支援者みんなで考えてみませんか?

・話題提供:
  又村あおいさん(前・全日本手をつなぐ育成会政策委員・編集委員)
  野崎貴詞さん(愛知県内に現場を持つ相談支援員)

・主催:愛知県自閉症協会・つぼみの会

・日  時:2015年1月11日(日)14:00−17:00

・会  場:なごや人権啓発センター(ソレイユプラザなごや)研修室
http://www.jinken.city.nagoya.jp/
(名古屋市中区栄一丁目23番13号 伏見ライフプラザ12階)
※ 地下鉄 伏見駅6番出口より南へ徒歩約7分
※ 駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用下さい。

・対  象:どなたでもご参加いただけます。

・参加定員:36名(先着順)*グループワークを行います。

・参加費:愛知県自閉症協会会員500円、会員外1,500円

・申し込み:こくちーずからお申し込みをお願いします。
http://kokucheese.com/event/index/237628/

障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見募集が始まりました

障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に対するパブリックコメントの募集が始まっています。

障害者差別解消法は、昨年6月に制定されています。施行は平成28年4月1日です。
⇒参考:内閣府:障害を理由とする差別の解消の推進
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html

施行まであと1年と5か月あるわけですが、その間に、実際にこの法律をどのように運用していくかを定めていくための基本方針の案を今回政府が作り、意見募集をしています。

・内閣府:障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見募集について
http://www8.cao.go.jp/shougai/kihonhoushin_iken.html
1.意見募集の目的

障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)については、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)に基づき政府が定めることとされており、この度、政府において基本方針の原案を取りまとめました。つきましては、同方針を策定する上での参考とするため、以下の要領により御意見を募集します。

(意見提出期限)
平成26年11月26日(水)〜12月25日(木)

原案そのもの(ルビありPDF)は、A4で12ページです。内容は、とっつきやすいとは言えませんが、ご自身の体験や普段から不安に思っている差別について、意見を寄せることはできそうです。

たとえば、法の「障害者」の定義の解釈として、基本方針(原案)には次のように書かれています。
これ(=法にいう障害者の定義)は、障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(難病に起因する障害を含む。)のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとのいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえている。したがって、法が対象とする障害者は、いわゆる障害者手帳の所持者に限られない。なお、高次脳機能障害は精神障害に含まれる。
どうです? おおっ、と思いませんか。「意見」というと「反対意見」のことが頭に浮かびがちですが、「方針のこの部分はいい。賛成」と賛意を表明することもまた貴重な意見です。

期限内に資料を読んで、考えて、文章にして、(こんなの意見出しても何も変わんないだろうー)という「あきらめの橋」を渡り越えて、意見を出すというのはとても大変な道のりです。

これまでも何度かパブリックコメントを出してきた経験から思うことは、
結局「じぶんごと」として考えられるか?問われている感じです。
法律や条例は否応なしにわたしたち全員に適用されることになるのだけれど、実際にじぶんに関して何かが起こるまでは、じぶんごとには思えないのがふつう。

パブリックコメントは、時間と空間を超えて、さらにはじぶん以外の「人びと」との間の連帯を意識して、(むつかしい!!)
じぶんも、法律や制度を創っていく「一員である」とコミットするための機会だと思っています。

今回わたしは、意見を出そうと思っています。

【感想】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』プロジェクト部メンバーレポート

プロジェクト部メンバーの花島さんがレポートを書いてくれました。
「なるほど。こういう観点から聴いてくれたのか」と気づきがありました。

プロジェクト部のFacebookページです。お読みいただけたらと思います。

<企画から参加して、医療セミナーの感想、重要と思ったポイント>(プロジェクト部 花島)
https://www.facebook.com/tubomiproject/posts/352691108258475

 カイパパのレポートと重ならない部分で印象的だったことを2つ具体的にあげます。

〔瑤慮きについてと薬をはじめたとき、やめるときの判断の仕方

・精神科の薬は、基本的に対症療法。症状を抑える薬だから、本人のおかれる環境が改善見込みなく、症状が悪化する時につかう。環境が改善したり、環境と上手く適合してくれば不要となる。

・認可されている薬の効果について。成分がない見た目だけの偽の薬(プラセボ)でも効果は出る。例えば何十人かで試験をして、プラセボで20人改善して、薬で23人改善したので、薬は効いていると認可される。だから、当然、効かない人もいる。

・発達障害の症状・調子は日によって変動する。薬を導入するときも、やめるときも2〜4週間は様子を見て判断する必要がある。

妊娠中のトラブルと自閉スペクトラム症発症の関連について。

・受精から出産までの健康管理やトラブルと自閉スペクトラム症の発生の関連の統計による研究がされている。

・妊娠時や出産時にトラブルが起きるのは、すでに胎児が自閉スペクトラム症であるために起きたトラブルである場合も含まれてしまう本質をもつ。

 統計、科学的な解釈の重要なポイント。データの意味することを部分的に捉えて一喜一憂しないことが大切。

 妊娠〜出産トラブルは、母親が自分を責めてしまいがち。でも科学的解釈の本質から考えるとそういうことだけではないことを気付かせてくれる。

 一生懸命調べて、知識の多いお母さん、お父さんでも、科学と統計の本質的な見方を理解している人は少ないし、分かりやすく説明できる人はもっと少ない。

  しかし、本質的な視点は医療と付き合いながら、いたずらに落胆したり、動揺しないためにすごく大切なこと。不安に付け込む、非科学的な方法に惑わされないためにも大切。

【感想】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)

医療セミナーを終えて。
「いろいろな時や想いを乗り越えてここまできたんだ」というしっかりとした実感がこの胸にある。うまく表現できないが、今の思いをつづってみる。

今回のセミナーの肝は、参加者からいただいた質問を、わたしを通して、聞く、「親と医者との対話形式」になっているところだった。

事前質問やふせんに質問を書いてもらった。その場で直接口頭での質問にしなかったのは、極めてプライベートなことを、みんなの前で発表することを避けるため。

わたしも自閉症の子を持つ親だから、親の立場を代弁する形で問いかけをした。
自閉症の原因のことや治療薬のこと。胸がざわざわする思いを抱えながら、みんなの質問に、わたしも知りたい気持ちを重ねて。

意外だったのは、もっと感情が揺れるかもしれないと予想していたのが、思ったよりもじぶんが平静だったことだ。
昔わたしは怒っていた。無力な医療に対して。福祉に対して。教育に対して。

今は怒ってはいない。
深いところで、絶望している。
それと同時に、「どの人も最善を尽くしている(だけどうまくいかない)」と思っている。
じぶんが何を努力して挫折してきたかを知っている。怒ってもどうにもならない。

僕は、何度も会場の参加者の表情を見回していた。本当に真剣な顔。心配をかかえた悲しげな顔をみんなしていた。僕は鏡を見ているような気分だった。

救いを求めたが、救いは与えられなかった。

微力なんだ。ぼくらは。
ひとりの人間がしあわせになるために必要なことは、万人の努力によって、ようやく見つかるかもしれない、かすかな、もろく壊れやすいもの。

医療は、必ず敗れる永遠の挑戦だ。少しでも、その人らしく暮らせるための努力。積み重ねてきたもの。

LIFEが、短すぎるんだ。不完全で欠けた器から、サラサラとこぼれつづける。直したり、手で押さえても、止められない。

じぶんでは、どうにもできない。そうわかっている絶望と。
できることを持ち寄って、つなぎ合わせて、少しのハッピーをつくりだす喜びと。

そのバランスを、サーカスの熟練した綱渡りのように、右に左にと取れるようになってきた人びと、いろいろな時や想いを乗り越えてここまできた、「同志」という存在を、あの場にいた人たちのなかに見出していたんだ、僕は。

ひとりじゃない、というのはこういうことだ。
そこで、その場で、言葉は交わさなくても、「同じ」苦しみをへて、「今の場所」にいる、「まだ苦しみは続く」、そのことを互いに知りながら。
空
「お達者で」

心の中で言いあって別れる。
無言で励まし合って。


以上で、11月16日に開催した愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポートを終わります。

内容については以下をご覧ください。

【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)
【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)
【感想】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)←今回

【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)

11月16日に開催した愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー。
自閉症、発達障害の原因から始まり、新しい診断方法の研究や新薬開発の手順、そして現在の薬物による対処療法など、参加者のみなさんからの具体的な質問に答えるかたちで、縦横無尽に話し合いました。
3回に分けてレポートします。

はじめに吉川先生から「話題提供」をしていただいた後、参加者からの質問をカイパパが聴き手となって対談スタイルでお聞きしていく2部構成で行いました。
内容のすべてを報告することは手に余るので、不完全ではありますが、どんな話題が出たのかだけでもお伝えできたらと思います。文責はカイパパにあります。

今回は第2回。対談スタイルで進めた「聞きたい、知りたい医療Q&A」を報告します。
第1回レポートはこちら

愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー
『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)


対談

■パート2 「聞きたい、知りたい医療Q&A」 吉川徹先生 (聴き手:カイパパ)
 事前にいただいた質問と会場からの質問を踏まえて、対談スタイルで進めました。内容を抜粋して紹介します。

(1)自閉症の原因 「話題提供」を補う形でのQA
 Q:「自閉症の原因は遺伝子にある」という説明だったが、親としては複雑な気持ちになる。それは確かなことなのか。
 A:「自閉症の発症には遺伝子が関与している」ということについては、自閉症発症に関与している可能性のある遺伝子として、100〜1000以上ありそうだという研究が出てきている。
 ただし、「発症に遺伝子が関与している」ことと、「親から遺伝する」ことは同じではないことに注意が必要。どういうことかというと──
・自閉症は、遺伝子の影響は強く受けている。
  • 両親からの遺伝子の「組み合わせ」でなりやすさが決まる。
  • しかし、突然変異は多い。(意外なほど、遺伝子はたくさんの変異(染色体変異、コピー数変異、ヌクレオチドの変異など)を含んでいる)
  • 環境の影響を受けている。(受精から周産期、生後にいたるまで子どもの遺伝子の働きなどへ影響を与える様々な要因がある)
つまり、いわゆる「遺伝病」と呼ばれる病気のように、<(どちらか一方の)親の遺伝子のなかに決定的な因子があってそれが自閉症を引き起こす>というものではないと考えられている。

【カイパパのメモ】
正直言って、「自閉症の発症には遺伝子が関与している」ということは、非常にデリケートで、あまり話題にしたくないことです。

しかし、このことは実は「自閉症の原因は、育て方によるものではなく、先天的なもの」と説明したときの暗黙の前提となっているのです。わたしたちは、それを薄々感じつつ、あえて「暗黙」にしています。その理由は、「悪い血はどっちの血筋だ」という犯人探しにつながるからだと思います。
今回のお話のなかで、「発症に遺伝子が関与している」ことと「親から遺伝する」ことは同じではないという言葉が印象的でした。また、両親からの遺伝子の「組み合わせ」でなりやすさが決まるということも、ある意味、夫婦共通の「救い」であると感じました。子どもの障害が原因で「どっちが悪い」と仲違いしたり、親戚との関係を悪くしたりすることは、科学的にもナンセンスだということです。(「組み合わせ」なんだから。この子は二人の子なんだから。)

「健康に産んでやりたかった」という思いは、誰にでもあります。どんな説明が得られたとしても、結果的に障害をもって生まれたことで、親が自分たちを責めてしまうことは避けがたいことでもあります。
「あなたのせいではない」とどれだけ言われたとしても、慰めにはならず、納得も出来ないかもしれません。
それでも、わたしは、周りのひとたちは「あなたのせいではない」と語りかけ続けてほしいと願います。本当に、小さな、ささいなきっかけが、影響を及ぼしていたとしても、その影響の本当のところは誰にもわからないし、わかっていたとしても避けがたいことだった──
遺伝子はとても傷つきやすく、「常に」といっていいほど、変異を含んでいる。それが、人間なんですよね。
生まれてきたこと自体が、かけがえのない、パーフェクトな人間だっていうことの証しなんだよ! わたしはそう伝えたいです。

(参考)
2014年5月30日開催「自閉症と遺伝」講演会と討論会の記事が、福祉新聞のサイトに掲載されています。
わかりやすいまとめで、非常に参考になります。

・【前編】自閉症の遺伝子診断は幻想 フランス分子生物学者が講演
http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/5128

(2)画像診断 「話題提供」を補う形でのQA
 現在、MRI、CT(形を見る)、fMRI、NIRS、PET(働きを見る) などの画像診断で、自閉症を診断できるか研究がされている。
 Q:診断に使える実用的なものになりそうか?
 A:自閉症と診断されている群と自閉症ではないとされる対照群との、画像を比較することで、診断をつけられないかを研究している。しかし、例えば平均値どうしを比べて統計学的有意差があるとわかっても、個別具体的に比較をした場合に、対照群と「重なる部分」がどうしてもある。おそらくは画像診断単独で、確定診断をつけられるようにはならず、組み合わせて活用されるようにはなるかもしれない。(下図参照)
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 Q:なんのために、画像診断を研究しているのか?
 A:診断という観点のみから言えば、自閉症の診断ができる医師の養成に大変なコストがかかっている。画像診断のような、生物学的診断指標ができれば、専門的養成がなくても診断をつけられるようになるメリットは大きい。

(3)オキシトシン 「話題提供」を補う形でのQA
(第1回レポートから再掲)
・話題になっているオキシトシンは、身体の中にあるホルモンのひとつ。既に製品化された薬があり、子宮収縮薬や陣痛促進剤として用いられている。
・現在、東京大学、金沢大学、名古屋大学、福井大学が共同で行っている「自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験」は、薬の「治験」でいうと第2相「少数の患者を対象に効果、安全性を調べる」段階に似ているが、「治験」そのものではない。
・オキシトシンに期待されている効果はこちらのページ参照

(4)薬
このパートの報告は、わたしの手に余るので項目と感想だけ記します。

 ・一般論→具体の抗精神薬→症例(感情アップダウン)→副作用
 ・薬を減らす、やめるプロセス、注意点
 ・個別質問(使用している薬の違い)
 ・てんかん治療との関係
 ・身体系の治療薬との関係、服薬管理

【カイパパメモ】
今回の質問では「薬」に関するものが一番多く、時間もかけて回答しました。

家族の立場の参加者が多く、日常のなかで悩まれていることが質問としてあがりました。
・「薬を常用していることの悪影響」を心配されている質問が多かった。
・「薬を減らしたい」「やめたい」という質問に対して、吉川先生は、「本人の状態がよい、やめどきと思われる時には、医師に相談の上、減らすところから始めてほしい。ただ、そのときの変化は、薬の種類にもよるが、せめて2週間ぐらい観察して結論を出してほしい。1日や2日だと、薬をやめた結果なのか他の要因なのか判別ができないから」とアドバイスがありました。

(5)全般〜医療との付き合い方
 ・自閉症の診断のタイミング(親への働きかけ)
 ・発達障害に詳しい医療機関の情報はどこにあるか?
 (カイパパから)「愛知県・名古屋市発達障害医療マップ」が参考としてあります。
 (吉川医師)口コミが一番あてになるでしょう。
 
(6)アドバイス
 ・効果が厳密に証明されていない「療法」が、全て効果が無いかというとそうとも言い切れない。が、効果が確かめられていないものは副作用も厳密には確かめられていないことに注意が必要。
 <標準的ではない療法を試す際に考慮すべき3つの基準>
 1 安全性が確かめられている。あるいは理屈で考えてどう考えても危険でないもの。
 2 値段が高くない。本人や家族の負担が大きくない。
 3 標準的療法を受けることを妨げないものであること。

──終了予定を10分延長してなお時間が足りなくて、今回お答えすることができなかった質問もありました。ごめんなさい。

アンケートには、日常生活のなかで、「医療について知りたいけれど、質問する機会がない」と書かれているかたが複数いました。「次回も医療セミナーを企画したら参加したいですか?」という質問に、「参加したい」という方がとても多かったです。

この企画は、ニーズがありますね。医療とよりよい関係を築いていくために。来年も継続して実施していきたいです。

次回は、セミナーを終えてカイパパが感じたことを書きます。

<全3回連載>
【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)
【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2) ←今回
【感想】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)

【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)

11月16日に愛知県自閉症協会主催の医療セミナーを開催しました。このセミナーは、プロジェクト部でやりたいと、1月からあたためていた企画。
10数年来の友人、吉川 徹医師と2人で食事しながらの会話がいつもすごく刺激的で「これはひとりじめはもったいない。いつかみんなにも聴かせたい」と思っていたことがついに実現しました。

自閉症、発達障害の原因から始まり、新しい診断方法の研究や新薬開発の手順、そして現在の薬物による対処療法など、参加者のみなさんからの具体的な質問に答えるかたちで、縦横無尽に話し合いました。
3回に分けてレポートします♪

第1回は、吉川医師による「話題提供」についてです。

愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー
『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)
<概要>
・日時:2014年11月16日(日)午後2時から4時
・会場:なごや人権啓発センター(ソレイユプラザなごや)研修室
・講師:吉川徹 氏(児童精神科医、愛知県心身障害者コロニー中央病院)
・聴き手:カイパパ(愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部)

<開催の趣旨>
「日々の生活で困っている「症状」を軽くする薬があるなら試してみたい。本人にとって、苦しみを取り除けるものがあるなら…」とニュースに接するたび、心がざわざわします。しかし、ニュースで報じられているような治療法が、実際に使えるようになるのはいつなのでしょう?
現在、医療が、薬にかぎらず、自閉症・発達障害に対して「できていること」は何なのでしょうか? 近い将来「期待されていること」は何か? 健康に関して気をつけなければいけないことは何か? そんな素朴な疑問をみんなで出し合い、吉川徹医師に答えていただきます。そして、今私たちが医療と上手に付き合う方法を見出したいと思います。

<セミナーの構成>
1 話題提供「自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?」 吉川徹先生
2「聞きたい、知りたい医療Q&A」 吉川徹先生 聴き手:カイパパ

はじめに吉川先生から「話題提供」をしていただいた後、参加者からの質問をカイパパが聴き手となって対談スタイルでお聞きしていく2部構成です。
内容のすべてを報告することは手に余るので、どんな話題が出たのかだけでもお伝えできたらと思います。文責はカイパパにあります。
話題提供

■パート1 話題提供「自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?」
(1)診断をめぐって
 ・診断基準を使う目的
 ・「自閉スペクトラム症」の構造
   レット症候群を例に⇒遺伝子で原因がわかったもの。自閉症から切り分けられていく。
 ・画像による診断
 ・遺伝子による診断

<カイパパのメモ>
自閉症の原因は、「これらが関連していると思われる」レベルしかわかっていない。関係あるかも?と言われている遺伝子が100〜1000くらいある。しかも、それが「組み合わせ」だとしたら、ものすごい数だ。それを遺伝子検査で判別することができるようになるのだろうか?
自閉症は、原因で定義された障害ではなく、症状群として診断基準に当てはまれば「自閉症」と診断されている。
「原因と症状」の対になった関係が判明した場合⇒「自閉スペクトラム症」とは別の「XXX症候群」と切り分けられていく。
それでも最後まで、原因がわからない「オリジナル自閉症(のようなもの)」が残るだろう。

【2014.11.23追記】
「×××症候群」のところがわかりにくいので、情報を補足しておきます。
当日少しご紹介があったのですが、SFARI Gene というサイトがあります。自閉症に関連しそうと考えられている遺伝子」のより専門的な情報について参考になります(英語サイト)。
そこに gene scoreing というページがあって、自閉症に関連しそうな遺伝子を、推測されている関連の強さに従って分類しています。この中で syndromic として挙げられているものなどが、すでに「×××症候群」として、切り分けられているグループ、あるいはその候補と言えるそうです。──が、英語が読めても、この部分は暗号のようで解説なしでは理解は難しいです。医師、研究者向けですね。

(2)治療をめぐって
・「対症療法」と「根治療法」⇒風邪薬のたとえ:風邪の原因に効く薬はまだない。風邪薬は、熱を下げる、吐き気をおさえる、下痢を止めるなどの対症療法。自閉症もその本体に効く根治療法はまだ見つかっていない。
・現在使用されている薬(統合失調症の薬だったりADHDの薬だったりする)は、本人が苦しいとき、環境との不適合が拡大しつつあるときに用いている。
・新しい薬の開発手順:「治療」が定着するまで
・プラセボとノセボ:偽薬を飲むと、一定割合で「効果」が出る(プラセボ)/「副作用」も出る(ノセボ)!
・併存症の治療⇒自閉症とは別のものとして、併存症に対する薬を使う。
 
<カイパパメモ>
話題になっているオキシトシンは、身体の中にあるホルモンのひとつ。既に製品化された薬があり、子宮収縮薬や陣痛促進剤として用いられている。
現在、東京大学、金沢大学、名古屋大学、福井大学が共同で行っている「自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験」は、薬の「治験」でいうと第2相「少数の患者を対象に効果、安全性を調べる」段階に似ているが、「治験」そのものではない。
オキシトシンに期待されている効果はこちらのページ参照

(3)家族や支援者はどのように医療と付き合っていくのがよいのか
・医療とのつきあい方
 ⇒医者は診断のために優先的に使う。診断は、「支援の入場券」となるから。少しでも早く、一人でも多くの初診を。
・医療を利用するコツ
 ⇒医師を絶対視しない。
 ⇒診療時には、現状のアセスメントと行なっている対応や効果を簡潔に伝える(分量は、A4 2枚が限界!)
 ⇒薬物療法に過大な期待をしない。かといって、過小評価もしない。
 ⇒医師は、長期的な見通しは得意。短期的な対応は苦手。

<カイパパメモ>
吉川先生は、「医者は、成功するための方法を実はよく知らない。なぜなら、症状がよくなったら医者に来なくなるから」と言っていました。たしかに。しかも、自分のところに来なくなったからといって、治療がうまくいったとは限らない(他の医者に変えたかもしれないから)。
そのかわり、多くの患者を診てきた経験がある。将来、どのような状態に成長していくか、といった見通しは得意。そして、どんなことで失敗するかをみてきているので、失敗しないための方法は知っている。そうお話されていたのが印象的でした。

次回は、「聞きたい、知りたい医療Q&A」の報告です。

<全3回連載>
【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)←今回
【報告】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)
【感想】『医療と上手に付き合う方法〜自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)

合唱大カイ

中学最後の合唱大会を観に行きました。
今回は舞台上で先生は付かないと聞いていたので、どうなることやら…

おっ、ステージにあがる。クラスメートと一緒に、同級生が手を引いてくれている。おとなしくついていっている。

ひときわ目を引くのが、黄色いイヤーマフ。今まではステージにはイヤーマフをつけてあがっていなかった(そのかわり、歌の間、手で耳ふさぎをしていた)。たしかに、カイにとっては歌声はうるさすぎる。先生、思いきったな。

イヤーマフのおかげか、表情に余裕があった。耳ふさぎもしなかった。

歌の最後まで、先生が出てくる必要はなく、ほほえみながらそこにいられた。
これまで合唱大会ではいろんな、ユニークなことをしてくれたから(全部いとおしい思い出だ)成長したなとじんわりあたたかい気持ちになった。

イヤーマフつけての合唱大会も十分ユニークなんだけど。必要な配慮を受けた参加だから、わたしはうれしかった。

時々、空に文字を書く姿が、まるででかいヘッドホンつけたDJがレコード回すみたいだった。
イヤマフ

回復のきざし

しばらく不調でした。
ようやく回復してきたかな?
さむいのはニガテ。あたたかくしていかなくちゃ。

これは友だちからもらった写真。勝手にタイトルつけた。

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「サーカスナイト」
上がったり下がったりジェットコースターみたい


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