カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

秋の陰

気がついたら、秋分の日。前記事から3週間が過ぎていました。
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愛してやまない、おおはた雄一さんの傑作曲『おだやかな暮らし』に
欲しいものは おだやかな暮らし
あたりまえの 太い根をはやし
好きな人の てのひらがすぐそこにある
そんな毎日
という詩があって。
わたしは、わたしのおだやかな暮らしを一日いちにち感謝して味わっています。

ブログを書く元気はなかったけれど、カイパパFacebookページにはちょこちょこ投稿をしていて。その瞬間思ったことをメモとして残しています。並べてみると、断片的だけど、今の思いがにじみ出ているなと思います。
エネルギーが少ない時は、自然と省エネするようになるんだなあと実感。
シンプルは、力んでいてはなれなくて、力が抜けた(というか力が無い)とき、見つかるのかな?
たくさんのことはできないから、ひとつだけ。ひとつずつ。──9月16日

できて当たり前と思うより、大丈夫かな?できるかな?と思いながらやるほうが、じぶんには緊張が少ないと知った。失敗がこわいのは自己イメージとのギャップがこわいからなのかな。
もしこれができたらすごい…と思いながらやることは、ある種の挑戦で、できたときは純粋にうれしい。──9月17日

1日で10できていたことが、5しかできなくなったら。
2日かけてやるか。
誰かに手伝ってもらおうか。
それとも、いっそやめて、ちがうことをしてもいいかも?──9月18日

メモが「問いかけ」になっているのは、確信でもなく、言い聞かせるでもなく、わたし自身ふたしかで、ことばにして確かめているからなのだと思います。
乗り慣れていたはずの自転車に(それはかつて身体の一部のようだった)ひさしぶりにまたがり、ペダルやブレーキを確かめるように。
当たり前に動かせていたものが、初めてハンドルを握り、どう動くのかイメージはあるのに──実際にはちがった動きをする──御しきれないしろものにかわったかのような。

LIFEはひとつしか無いから。マリオのように何度もやり直しはできない。それが人の限界。あらかじめ決められていて誰にも変えることのできないルール。
だから、できるだけ、ていねいに、リスペクトしてあつかわなければならないもの。

最近のわたしの話すことは──どこか暗いので、「陰のある男に変わったんだよ」と宣言して、笑ってもらうようにしている。

【告知】9月13日開催つぼみプロジェクト部企画会議!

9月13日に刈谷で、愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部の企画会議を開催します。
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プロジェクト部は、毎月1回程度直接集まっています。プロジェクトの提案や感じている課題を当事者、親、専門家の壁をなくして話し合える場です。

前回開催から、2か月ぶりということもあって、これからやりたい企画の提案がめじろ押しです! ただいま参加者受付中です♪

前回の企画会議の開催レポートです。
・【報告】つぼみプロジェクト部企画会議 in 豊橋!
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52541522.html

<愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部第3回企画会議>
・日時:2014年9月13日(土)15:00−18:00
・開催場所:中央生涯センター(刈谷市総合文化センター アイリス) 
 401研修室(刈谷市若松町2−104)
*JR・名鉄 刈谷駅南口よりウィングデッキ直結 徒歩3分
・参加費:500円(資料代)

・内容(予定)
1 チェックイン(自己紹介)
2 プロジェクト部の紹介
3 企画提案
 ・成年後見制度を学ぼう〜障害のある人の本人主体の成年後見制度(案)
 ・おやおや交流会〜わが子のために、夫婦の相互理解をどう実現しよう?(案)
 ・若いパパママ向け企画〜気がねなく具体的な情報交換できる場をつくりたい(案)
 ・医療との納得の行く関係を考える(案)
 ・持ち込み企画も歓迎!
4 企画会議それぞれの方向性を話し合うワーク
5 権利擁護班・教育班・交流班に分かれて話し合い
6 チェックアウト(本日のひとこと感想)

何かピンとくるものがありますか? ぜひあなたのお知恵、アイデアをお聞かせください。
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※プロジェクト部は、愛知県自閉症協会・つぼみの会の組織です。メンバーは、愛知県自閉症協会会員(賛助会員含む)であることが条件です。 本人、親、専門家をはじめ、自閉症でOK!の社会をつくりたいかたならどなたでも入会できます。
※当日おためしで参加してみてから、愛知県自閉症協会の入会申込みしていただくこともできます。

お申し込みはこくちーずからお願いします♪
http://kokucheese.com/event/index/199544/

LIFE

夏休みも今日で終わりですね。

最後の週は、涼しく秋の気配を感じる名古屋でした。

「人生の午後2時」なんてブログに書きましたが、平均寿命が80歳まで伸びようと、個々人の命がいつまで続くかなんて保証の限りではありません。平均的な平凡な人生がいくら欲しくても、それが得られないこともある。
不確実で、リスクに満ちた世界を、命ひとつで生きていくことは、とても難しい。奇跡のような幸運に恵まれて、ようやく生きていけるのだと──文字にすると月並みですが──そんなことを実感した夏でした。

遠い未来のこと、10年後や5年後のことを、考えていても、実際に今行動を起こしていなければ実現はしない。また、その時まで、自分が生きているかどうかもわからない。

「今ここ」でできることをやっていく。
そう考えると、できることのちいささ、少なさ、限界を意識します。
それは、わたしにとっては「いやなこと」でした。「もっとできるはず」と思いたい人間だったから。
けれども、できることのちいささ、少なさ、限界を見極めて、<そこに入るだけのコト>を、見定めること──そうすればシンプルに生きられるんですね。

今ここにないもの、できないことも、想像をふくらませ、時間的な制約を忘れてしまえば、なんだって「できること」に思えてくる。想像力は無限だ。
想像することはわたしの楽しみだからやめはしないけど、想像しただけで何かを成し遂げたとか、やらなければならない義務だと思いこむのは、もうやめる。

自分の足で行ける距離で、手で抱きしめられる近さで、顔を見て話せる範囲で、今ここで自分がいちばんやりたいことはなんだろう? できることはなんだろう? そして、実際に、役に立つ、ここから自分がいなくなったとき、後に残せるものはなんだろう?
それを考える。

LIFEには、「人生」という意味と「日々の暮らし」という意味がある。そして「命」という意味も。
「命」が、毎日「暮らして」その航跡が「人生」になるんですね。

先がある。未来がある。時間はたくさんある──そう思って、安心したいところだけれど。それは、誰にもわからない。保証できない。

だから、「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やる予定のことをわたしはやりたいだろうか?」と問いかけて一日いちにちを過ごす。

それが今のわたしにできることです。

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赤いスカーフがいなせだね♪ 気に入ったものを身に付けるノダ

夏休み

カイパパ通信は、夏休み期間中です。
しばらく更新はお休みします。
涼しくなった頃に、またお会いしましょう!

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空を氷結!


しあわせな白紙〜障害がわかるまでの2年間


「定型発達の赤ちゃんが到達する発達段階(の時期)との比較で、自閉症スペクトラムを早期発見しましょう」という親向けの動画(英語)です。
わが子の昔の姿に、いちいち当てはまって、うなずいてしまいました。

わたしたちの場合──

・2歳の時の健診まで、「やたらと育てにくい」とは思いながらも、「障害」を疑ったことは1ミリもなかった。
・初めての子だということもあり、定型の発達段階も全く意識していなかった。
・ナチュラルボーン親ばかなので、「大器晩成」「男の子は言葉が遅い」「こんなきれいな顔をしている」と心配はしていなかった。

あれだけ典型的な自閉症の症状を示していたのに、「知らないとこうなんだな」とふりかえって思いますが、わたしたちの場合は、「これでよかった」と今は思うのです。

障害がわかるまでの2年間。苦労はしたけれど、希望も持って、愛し、育んだこと。「障害」に注目するのではなく、「カイ」そのものを見つめてきたこと。
それは、わたしたち家族にとって、かけがえのない財産です。

今は情報があふれ、ネットでも「自閉症チェックリスト」のたぐいが目に飛び込んできます。昔のように、「しあわせな白紙」の状態で子育てを始めることは難しいかもしれません。
大切なことは、わが子をわが子として見つめ、愛を育むことだと思います。愛は、初めからそこにあるものではなくて、0歳から日々少しずつ育っていくものだから、親と子の間のストレートな関係を阻害するものは、少ないほうがよいと思うのです。

もっとも、「極端に育てづらい」原因が障害にあることを知らずに、親が自分の育て方の問題だと追い詰められ、思いつめてしまう危険性もあります。また、環境整備が遅れ、不適切な関わりを続けられることは、子どもに対する(意図せぬ)虐待です。だから、難しいのですが…。わたしたちの場合でもこれが2歳ではなく、3歳だったら? 4歳だったら?──

過剰な情報に惑わされずに、わが子を「観る」こと、
それは親だけではとても難しいので、伴走してくれるサポーターがいてくれたらいいですね。
他に二人といない、いろいろなものをあわせもった特別なわが子を、育めるように。
カイ ミニカーを整列
ミニカー整列!(過去記事

【報告】つぼみプロジェクト部企画会議 in 豊橋!

愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部の企画会議 in 豊橋を開催しました。
今回は、14名が集まりました。5名の方が初参加でした。これもうれしかったです。

タイムテーブルはこんな感じです。
<前半>
1 チェックイン(自己紹介)
2 プロジェクト部紹介
3 6月8日権利擁護入門勉強会ふりかえり(4への導入)
4 能力に応じた教育を受ける権利グループワーク
休憩
<後半>
5 新企画ワークショップ
(1)新企画提案を提案者がプレゼン
(2)企画ごとに話し合いたい人が集まり、会議
 ・おやおや交流会
 ・権利擁護
 ・教育(4に引き続き)
(3)全体共有
6 次回の日程のアナウンス(9月にやります)
7 チェックアウト(今日の感想)

写真日記風に紹介♪

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名古屋から新幹線に乗り込み

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田園風景をたのしみ

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お約束の豊橋カレーうどん!うどんの中にとろろご飯が!?うまー

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前日まで資料作ってたから、会場のコピー機でせっせと印刷

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豊橋市民センター大会議室広い!でも安い!名古屋の大体5分の1のお値段

前半は、「能力に応じた教育を受ける権利」の実現についてを全員で議論。
このワークはどこへ向かうのか?ハラハラドキドキで、ライブ感に満ちて、全員がゴール目指して力を合わせていく一体感にしびれました。
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その子に合った教育を受ける権利をどのようにして確保するか?花島さんが体験を基に、現状を端的に分析し課題を明らかにします。

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トリガーワードは「教師を育成しようにも、センスの有る無しがある。ここでいうセンスとは何か?」
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学校の先生の「子どもの能力、特性を見極める力」の向上には何をしたらよいか?
参加者の意見をこうままさんが板書しながらまとめていきます。お見事です!
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今回の成果。ここに知恵がつまっています。

今回、親だけではなく、現役の教師、福祉関係者、元市会議員など多様な経験を持つ方々が参加し、真剣に話し合えたことが大きかったです。視点が異なっていて、新鮮な気づきがありました。
教育のパートは、わたしは流れに任せて参加していました。場を信じて任せるって、ステキです。
この場にいる人たちは皆「来るべきして来た人たち」だから、化学変化の起きるライブ感。全員が、一点に集中していく感じ。鳥肌が立ちました。

こうままさんのレポートはこちら。

・こうくんを守れ!!!:一体感
http://koumama.seesaa.net/article/401626097.html

後半は、新企画の提案です。
Facebookグループ「プロジェクト部メンバーズ」で募ったアイデアをカイパパから紹介した後、親どうしの経験共有の場づくり「おやおや交流会」の企画提案です。
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おやおや交流会企画のきっかけbyらじおっくん

前半のボリュームが大きかったため、新企画の話し合いの時間はわずか10分間しかとれませんでしたが、有意義な意見交換が行われました。
(1)おやおや交流会班では、「最初からいきなり本題ではなくて、インタビューゲームなどで参加者がお互いを知り合う時間をとるといいね」など具体的なアドバイスが得られました。
(2)権利擁護班は、セミナー、勉強会企画の目的・ゴールはどこにあるのか?つぼみの会ならではの権利擁護プロジェクトは何か?使命について確認をしました。
(3)教育を受ける権利班では、現役教員の方との相互的な意見交換ができました。

わかってるんです、プロジェクト部の企画会議に参加するって、ものすごくハードルが高く緊張するってこと。
だからこそ、参加してくださる方を、「管理」するのではなく、信じて、一緒につくりあげていける。
誰かが困ったら、誰かが立ち上がり助ける。わからなくなったら、みんなで考える。時間がなくなったら、手分けして片付ける。

会の初めのチェックインの時のみんなの緊張した表情と最後のチェックアウトの時の晴れ晴れしたカオのコントラストに、いつも感動してしまいます。

今日わたしたち14名は、一緒に「今ここにしかない場」をつくりあげました。
次回の企画会議は9月に開催します。よかったら参加してみませんか?

お楽しみの懇親会パート♪

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イングリッシュ・パブ「BROWNS」素敵なお店でした。

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花男子がお迎え(嘘)※この花男子は豊橋駅にいます。

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腹の底から笑い、本音でトーク。プライスレス

7月12日にプロジェクト部企画会議を開催します

7月12日に豊橋で、愛知県自閉症協会・プロジェクト部の企画会議を開催します。

参加受付中です♪

お申し込みはこくちーずからお願いします。
http://kokucheese.com/event/index/176271/

プロジェクト部が、何を、どのようにして活動していくかを自由に話し合う企画会議を行います。
プロジェクト部メンバーになろうと思う方(一度参加してみてから決めたい方)もぜひ気軽にご参加ください。今回は、懇親会もありますよ♪
・日時 2014年07月12日(14:00-17:00)
・開催場所 豊橋市民センター(カリオンビル) 大会議室 (愛知県豊橋市松葉町二丁目63番地)
・参加費 500円
・内容(予定)
 1 チェックイン(自己紹介)
 2 プロジェクト部の紹介
 3 6月8日開催権利擁護入門勉強会の結果報告
 4 企画会議(プロジェクトの企画のもちより会議です)
 5 チェックアウト(本日のひとこと感想)


※プロジェクト部は、愛知県自閉症協会・つぼみの会の組織です。メンバーは、愛知県自閉症協会会員(賛助会員含む)であることが条件です。
※当日参加してみてから、愛知県自閉症協会の入会申込みをしていただくこともできます。

今回は、豊橋での開催です。三河方面の方、この機会にぜひのぞきにきてくださいね。初参加の方も、気楽に参加できる場です。
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こんな感じで楽しく真剣にやってます

人生の午後2時

自分の歳を3で割ると、「人生の何時」かがわかるという簡単な方法があって。
生まれてから死ぬまでを24時間で換算(0歳=0時〜72歳=24時)するというわけ。

18歳で、やっと朝の6時。夜が明けて、活動本番。子どもが成長する年代を「眠っている」とたとえているようで、味わい深い。
72歳は、日本人の平均余命からすると少し短め(特に女性は)だけど、それ以降は「夜ふかしタイム」と思えばいいのかな? なかなかイメージのしやすい換算法だ。

わたしは42歳なので、3で割ると14時になる。午後のピークタイム、働きざかり。
午前中にやった仕事の成果も出始めていて、信頼できる仲間も増えた。
ちょっぴり疲れも感じ始めているが、あと5〜6年はそれほど心配はなさそう。

その後には、黄昏時がやってくる。なんだか、近ごろ時間がすぎるのがとても速い。
チクタクチクタク──
「やったほうがいいこと」に取り囲まれているけど、やっぱり、いちばん「大切なこと」を成し遂げるため、「やらないこと」を切っていかないといけないね。

カイはもうじき朝の5時。「これから」です。
我慢とか悔しさだとかつらいだとか、そんなことは減らして、
楽しい、うれしい、青春を謳歌して欲しい!
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市毛さんへカイパパより〜「市毛研一郎さんを偲ぶ会」

今日、ぶどう社の編集者であり社長であった「市毛研一郎さんを偲ぶ会」に出席させていただきました。
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わたしの会ったことのない40代(今のわたしと同年代)の市毛さん

以下は、わたしが、市毛さんへ贈ったメッセージです。長いですが、よかったら聴いてください。

カイパパです。2005年に『ぼくらの発達障害者支援法』という本を出しました。
この場で、お話させていただく機会をいただいて、何を話そうかと。毎日市毛さんのことを思い出すことができて、とても幸せでした。
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私が思ったのは、この場は「自分たちがどれほど愛されていたか」という事実を確かめ合う場なのかなということです。
市毛さんと一緒に、私たちは「本」という子どもを生み出しました。市毛さんがここにいなくても、いつか私たちもいなくなっても、「本」は残ります。
「本」を生み出すにあたって、市毛さんは親のような存在でした。だからここでは、「自分が愛されていた」という思いをわかちあい、市毛さんを偲びあえたらと思います。
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ぶどう社市毛さんが創った219冊

最初の出会いは2004年の夏でした。市毛さんが知多にいらした時に、初めて言葉をかわし、帰りの電車をご一緒して、別れ際に、「いつか、ぶどう社から本を出しませんか?」と誘われました。すごくうれしかった気持ちを今でも鮮明に覚えています。
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その時の貴重な映像 by 戸枝さん

何年も先になるだろうと思っていたのですが、発達障害者支援法成立に向けてのキャンペーンを、ブログでやっているさなかに、コンタクトがありました。「今カイパパブログでリアルタイムで、たくさんの親たちが真剣に思いを伝え合っている。これを本にしたい」と。
「ぶどう社は、自閉症のことをずっと先を走ってやってきた自負があるけど、最近は他の出版社もがんばっている」ともらしたことがありました。少し、焦りもあったのかもしれません。「ぶどう社らしい、発達障害の本をカイパパと作りたい」と口説かれました。

この本づくりが、これほど大変なものになるとは二人とも思っていませんでした。とにかく情報とノウハウを盛りだくさんに詰め込んで。法の施行から遅れては、タイミングを逸してしまうから、タイムリミットがありました。

最後まで粘る私に、さすがの市毛さんも「この期に及んで、ここまでやるのは、ぶどう社だけですよ」とぼやきながら、一緒に粘って、完成させてくれました。
本チラシ
当時のチラシ(なつかしい…)

すごい熱量で、二人とも過集中状態で本を完成させた後、わたしは、
「いつか僕が市毛さんの物語を本に書くよ!」と言いました。そしたら市毛さんは、
「俺の想いは、今まで作ってきた本に全部込めてきたから、俺の本は要らないんだよ」と答えましたね。
それが、すごくカッコ良くて!
ぶどう社の本は、編集者一筋に生きた市毛さんそのものなんですね。

『ぼくらの発達障害者支援法』は、出版されてから反響を呼びました。今読み返しても、「いい本」です(*^_^*)



けれども、この凄さに、本で増幅された「カイパパへの期待」に、私は押しつぶされてしまいました。
講演活動などもやりましたが、違和感が大きくなって、やめました。ブログの更新も、止まってしまいました。
本を出したことで、「実物の自分」がとても小さく思えて、「他人の期待に応えられない自分」はダメな奴だと思いました。じぶんの本を見るのも嫌になってしまいました。

市毛さんとも、2006年の出版記念パーティー以降、会えなくなってしまいました。
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やっと再会できたのは、6年後の、市毛さんが病を得たとの知らせを受けてからでした。

──ここからは、今年3月に、私から市毛さんに出したメールを読ませていただきます。

市毛さんへ

ご無沙汰しています。2011年にブログを再開して、そこから長い「リハビリ」と模索の日が続き、2012年に、市毛さんにやっと再会ができました。あの日、二人で涙を流しながら、カイパパ本を出してからの苦悩を分かち合えたこと、そして、長い時間がかかったけれどもあの本と「和解」できたこと、市毛さんと対面ができるようになったことを、語り合いましたね。

二人の涙のあとの、すっきりとした笑顔を、さやさんに撮ってもらった。
その写真を、カイパパ通信に載せました。
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この3年間、わたしは、草の根ささえあいプロジェクトという、社会的孤立に陥っている人たちのことを考え、支える活動に参加してきました。
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2011年4月「穴を見つける会」第1回

この活動は、直接自閉症に関することではないと思っていたけど、知れば知るほど、社会的孤立と発達障害の関わりは深く、苦しみの根っこに障害があるのに本人も周囲も気付かずに長年放置された結果が、孤立だったということを知りました。これは、他人事ではない。だから、関わり続けようと思っています。

一方で、「親」という立場そのものに、しばられることのない活動は、他のメンバーとフラットに付き合えて、私にとっては良いリハビリでもありました。それを3年間続けて、色々な組織運営の方法やスキルを身につけることができました。成長できたと思います。
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2014年5月草の根ささえあいプロジェクト

そのおかげもあって、ようやく、親の会に、もう一度向き合い、自閉症の子を持つ親として、カイのために直接役に立つ活動を再開する覚悟と自信ができたから、
この4月から、愛知県自閉症協会に、新たに「プロジェクト部」を立ち上げて、部長として活動することに決めました。
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2014年5月プロジェクト部第1回企画会議

このことを、市毛さんに報告しようと思っていました。
本のあとの低迷を、自分にも責任があると悩み、思いやってくれていた市毛さんが、安心してくれると思って。

少し、タイミングが遅れてしまったけど、私が作った企画書を送るから、読んでください。ちょっと長いけど、もしわかりにくかったら、アカ入れてもらってもいいですよ。

【実は、このメールは、市毛さんに読んでもらうことができませんでした。市毛さんは、既に旅立たれた後で、そのことを知ってから、このメールを書き、市毛さんのメールアドレスに送ったんです。続きを読みます。】

どうかなあ?
機動性を持って、自由でしなやかな活動体にしたいと思っています。また、愛知に注目してほしいです。

この、プロジェクト部を始めるという報告が、間に合わなかったこと、とてもショックでした。
だけど、2月にこうままさんが市毛さんに、「カイパパと一緒に活動を始める」と報告してくれていたと聴いて、少し救われました。
でも、直接報告したかった。そして、市毛さんの深い声で、「カイパパの、そういうアイデアはどこから出てくるのかな…?」ってたずねて欲しかったな。

これからがいいところだから。見守っていてくださいね。

私は、空高く舞い上がり、イカロスのように地に落ちて、そこから、とぼとぼともう一度登ってきました。
昔より、おだやかに、優しく、そして弱くなりました。
つらいときには、『ぼくらの発達障害者支援法』を開いて、思い出します。
市毛さんが私に投げかけてくれた言葉、励まし、愛情を。

荒さん、さやさん、ぶどう社をよろしくお願いします。
私にできることは、ささやかだけど。市毛さんが心血を注いでくれた本の著者として、毎日生きていきます。

また、連絡しますね。ありがとうございました。

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あなたと一緒に創れたことを誇りに思う

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「統合」してスタート

6月8日にプロジェクト部「権利擁護入門勉強会」終わった後に書いた文章。ちょっと気恥ずかしいけれど、今の気持ちをあらわしているので、記しておきます。


2002年に「カイパパ」を始めてから、長い間、じぶんは「親」たち(そして自分の子ども)のことばかり考えてきた。

2011年に草の根ささえあいプロジェクトに出会い、自閉症だけじゃない、生きづらさを抱えているひとたちを近く感じるようになった。それと同時に、苦しいのは、「支援者」たちもだ。その事実に気づいた。

昔、「支援者との連携」とか「共同療育者」とか口にはしていたけど、根っこには、どこか信じ切れない、壁を感じていた。
だけど、心の底から信頼し、むしろ「親でもないのにどうしてそこまで…」と頭のさがる人たちと仲間になって、心の氷が溶けていったのだと思う。

だから、本気で、支援者たちとつながりたい、一緒にプロジェクトをしたいと思うようになった。

親としてのカイパパ(自閉症協会)と支援者としてのカイパパ(草の根ささえあいプロジェクト)、そして実名のわたしを「統合」したいと思った。2014年は、「統合」がテーマだと。

プロジェクト部の第1弾企画「権利擁護入門勉強会」を開催した。かなり難易度が高く、重いテーマの勉強会なのに、たくさんの笑顔があった。親だけじゃなく、支援者だけじゃなく、親も支援者も本人も、みんなが同じ場所で同じ時間を過ごした。
真剣に話し合い、心情をわかちあい、時には感情を揺り動かされることも。

本気で、信じてみようと思っている。
「プロジェクト部」というプロジェクトで、現実に良い影響を与えていけることを。
これまでずっと「親のエンパワメント」を考えてきたが、「みんなのエンパワメント」=ひとりひとりが自由で、しあわせに暮らせるために、じぶんの持つ力を信じて、発揮できる場と機会をつくっていきたい。

やっと、はっきりとこうして表現することができた。

仲間を集めて、一緒に考えて、苦しいときも乗り越えて、ひとつ達成できた、ここが、スタートだ。

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