■自閉症と偏食に関するQ&A

「自閉症と偏食」に関するQ&Aで、その的確さに感銘を受ける記事を朝日新聞の
サイトで見つけました。
 この回答をされた方は、岡山市にある大野小児科にいらっしゃいます。近辺の
方は、相談に出向くのもよいかもしれません。やはり、近くに信頼できる専門家
を見つけることはとっても大切ですからね。
 記事を全文引用します。
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[自閉症と偏食] アサヒ・コム(2003年8月30日)

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【質問】自閉症の息子が料理を食べてくれない

 9歳になる息子のことでご相談します。息子は軽度の自閉症ですが、今いちば
んこまっているのが偏食です。舌触り、におい、味に敏感で、食べられるものが
特定の食品メーカーのものにかぎられています。学校の給食はほとんど食べてい
ません。ファーストフード店、お弁当屋、ファミリーレストランにはそれぞれ一
つずつ食べられるものがあり(味がいつも同じなので安心なようです)、1日お
きくらいに利用していますが、私の作ったものは口に合わず、なかなか食べてく
れないのでとてもこまっています。とくに野菜は一切れも食べてくれません。息
子の偏食を治すにはどうしたらよいのでしょうか。


【回答】こだわりを利用して食事の仕方・内容を工夫する
   (回答者: 大野小児科感覚統合部門 作業療法士・若松かやの)


 自閉症は中枢神経障害をきたす発達障害の1種です。現在のところ原因はわ
かっていません。

 診断基準は、言語発達の遅れ、社会性の問題、固執性(いわゆるこだわり)の
3つがあげられますが、その根本にあるのが、感覚反応のアンバランスです。一
般の人とは異なり、さまざまな感覚に過敏であったり、感じなかったりします。

 見た目だけではふつうのお子さんと変わらないことが多いので、親の育て方が
悪いとか、単なるわがままにとらえられてしまいがちです。相談にあるような偏
食については「がまんして食べれば克服できる」という考え方で接してしまいが
ちです。

 しかし、それは前述したように感覚に対する反応が、ほかの人と違っているた
めです。それを強制することはお子さんにとっては、苦痛をともなうものになる
かもしれないことを知っておいてほしいと思います。

 さて、では偏食がある場合に考えなければならないことはなんでしょうか。極
端な肥満ややせすぎは栄養がかたよっているのかもしれません。また、生活習慣
病になる危険性もあります。逆に、そうでない場合は、それほど心配する必要は
ないということになります。

 ただ、学校など、周りの人々へ自閉症についての説明をしていくことは必須条
件です。いじめなどの原因になる可能性もあるからです。

 相談者のお子さんの特徴は、お弁当屋さんやレストランなどの食べ物で、一つ
ずつ食べられるものがあるということですが、これはこだわりです。このこだわ
りを利用する、つまりお店の数を増やしていけば食べられるものも増えるかもし
れません。

 また、自閉症は、ほかの感覚よりも視覚が優位にはたらくことが多いので、パッ
ケージやおかずの並び方にこだわっているのではないかとも推測できます。家で
の食事も、お弁当のようなパッケージにするとか、おかずも一つずつ区切るよう
な工夫が必要かもしれません。味が混じるのが嫌いな子どももいます。

 日本人は、いわゆる三角食べ(おかずとご飯を均一に少しずつ食べる方法)を
しますが、自閉症の場合、これがむずかしくなります。フランス料理のように一
つずつお皿に盛ってだす、極端な場合は、材料も1種類ずつバラバラに盛ってだ
すと食べられるお子さんもいます。

 また、私たちは、「食事はみんなで楽しく」という考えをもっていますが、一
人で食べるのが好きなお子さんもいますので、教室でも机の配置を変えるような
工夫もされるとよいのではないでしょうか。

 自閉症のお子さんは、彼らなりの文化をもっています。それをよく理解してあ
げてください。

 初出:『暮しと健康』(保健同人社)2003年8月号

【関連過去記事】
【食事】目で食べる  2003年11月27日