■笑っていたね

 告別式にて。

 ずっと涙がとまらなかった。

 友人代表の弔辞を聞いて、Aさんが最期まで弱音をはかず、病魔と闘ったことを知った。
 奥様の御礼のことばで、Aさんが優しく周りを思いやり、本当にたくさんのものをみんなに残してくれたことを知った。

 私は、Aさんによく「かっこいいですねー」と言いました。Aさんは「カッコつけなの!」と笑い飛ばしていた。
 だけど、本当にかっこいいんだから仕方がない。





 最後のお別れの時、花につつまれた顔を見て、妻が涙ながらに言いました。

「Aさん笑っていたね、すごいね……」

 たしかにそうだった。口元にほほえみが残っていた。





 その言葉を聞いて、何かが吹っ切れた気がした。

 早い旅立ちに、私はすごく悔しくて「憤り」のような感情を感じて混乱していた。

 Aさんは、ほほえみながら旅立っていったんですね。
 最期までかっこよく。
 私たちに、「大丈夫だよ」とほほえみかけながら。

 Aさん、あなたがいなくて、悲しくてさびしいけれど、そのほほえみに笑顔で応えたいです。

 私は、Aさんが誇りに思ってくれるような、「かっこいい」人間になります。

 ありがとうございました。