■知的障害者の年金、月2万円寄付させる 神奈川の施設

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知的障害者の年金、月2万円寄付させる 神奈川の施設@asahi.com
 
神奈川県藤野町の知的障害者入所施設「薫風(くんぷう)学園」(芳我衛学園長)
が、入所者に国から支給される障害基礎年金の中から毎月2万円ずつ寄付させて
いたことが、県の監査で分かった。集めた金額は少なくとも千数百万円に上ると
みられる。県は「入所者らの同意を得ていたとは確認できない」として、社会福
祉法に基づく改善指導をし、全額返還を求める方針。

【問題意識】
・知的障害者は本人の意思表明が全くできないか、困難な場合が多い
・知的障害者の家族は、世話になっている施設・人に対して立場が弱い
・社会福祉法人だからといって、すべてが「高いミッション」を持っているとは
限らない
・必要なのは、利害関係のない第三者による厳しい「監視」。監督官庁だけでは
なく、理事・評議員、監事の監視もあったはず。それらが「身内」で機能しな
いとすれば、「責任」を問うことに加えて、公認会計士や弁護士などの「監視」
を義務付けるべきではないか?
・親たちのために(親亡き後のためにも)権利擁護のための組織(NPOなど)も
必要だ。

【記事全文】
知的障害者の年金、月2万円寄付させる 神奈川の施設
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 神奈川県藤野町の知的障害者入所施設「薫風(くんぷう)学園」(芳我衛学園
長)が、入所者に国から支給される障害基礎年金の中から毎月2万円ずつ寄付さ
せていたことが、県の監査で分かった。集めた金額は少なくとも千数百万円に上
るとみられる。県は「入所者らの同意を得ていたとは確認できない」として、社
会福祉法に基づく改善指導をし、全額返還を求める方針。

 県福祉部によると、学園を運営しているのは社会福祉法人「ラファエル会」。
芳我氏が理事長を務めている。入所者は重度の知的障害者約60人で、国から1
人あたり年間80万〜100万円ほどの障害基礎年金を受けており、入所者の個
人口座に振り込まれている。

 県が問題視している寄付は、入所者の保護者らでつくる「後援会」の会費名目
と、芳我氏が会長を務める任意団体が設置した障害者支援の研究所への研究委託
費名目の2種類。いずれも入所者のほぼ全員から毎月1万円ずつ徴収している。

 入所者のうち十数人は保護者や親権者、後見人の意向で通帳の管理を学園に委
ねており、預かっている通帳の口座などから学園がおろしている。学園ができた
93年から続けているという。

 県福祉部はこの十数人の寄付について、「入所者側が趣旨まで理解したうえで
寄付に同意していたとは確認できない。同意があったとしても、利用者に過大な
負担を求めており、適正でない」と話している。

 後援会会費は主に学園施設の建設の際の借金返済に充てられていた。研究所は
入所者に音楽を聴かせて心身機能の向上を図る療法に取り組んでいたという。

 また県は年金の管理を委ねていない入所者から寄付を集めていることについて
も、「子どもたちを預けている保護者側からすれば、施設側の依頼は断りづらく、
寄付の強要に近い」と判断。保護者たちに寄付の意思を改めて確認し、返還の要
請があれば応じるよう指導する方針だ。

 とくに研究所への寄付は「本来なら施設で行う事業を肩代わりしているだけ。
寄付を集める必要がない」とし、今後はやめるよう指導する方向で検討している。

 厚生労働省によると、全国に知的障害者の入所施設は約1600ある。02年
に岩手県の社会福祉法人が、施設の利用者から管理を委ねられた年金を無断で株
式投資につぎ込んでいたことが発覚するなどしたため、同省が施設の設備や運営
に関する基準を作成。入所者やその家族に寄付金を強要したり、あいまいな名目
で不適切な金銭の支払いを求めたりすることを禁じると明記した。

 同省は今回のケースについて「利用者の十分な同意があれば、施設が寄付を募
ることは構わない。ただ、施設の借金返済に充てるための寄付が同意を得られる
かは疑問だ」としている。
    ◇
 〈芳我学園長の話〉 サービスを向上させて入所者に還元しようと寄付を集め
ていた。私的な流用はいっさいなく、保護者側からも文書で同意を得ていた。た
だ誤解を招く点もあり、問題を整理して改善したい。 (02/14 06:47)
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