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■LD児支援など検討へ 盲ろう養護学校見直しも (共同通信) 2004年2月17日
 河村建夫文部科学相は17日の閣議後会見で、学習障害(LD)や注意欠陥多動性
障害(ADHD)などの子どもに対する支援を検討するほか、現在の盲・ろう・養護
学校制度を見直すため、中央教育審議会に特別委員会を設置する方針を明らかにし
た。

 特別委は今月中に設置、夏ごろの中間報告を経て年内に答申する見通し。

 河村文科相は「LD、ADHDを含め障害が多様化しており、障害がある児童生徒
の教育の充実が必要」と述べた。

 検討される課題は(1)障害種ごとに合わせた現在の盲・ろう・養護学校を、障害
の重度、重複に合わせた制度へ転換(2)通常学級にいるLDやADHDなどの児童
生徒への支援(3)教員免許制度の転換─など。
 これだけでは何のことだかわかりませんね。
★これは、障害児教育の戦後最大の改革と言われる「特別支援教育」への移
行に伴うもの


 中央教育審議会特別委員会は「夏ごろ中間報告」ということですから、すでに
文部科学省サイドでは答申の詳細が決定しているのでしょう。
 注意してフォローしていきましょう。
 特別支援教育@今日のオススメ!(おえかきのぺーじ)に、東京都の特別支援
教育に関する最終まとめの紹介があります。
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【参考記事】
〈障害児〉対象5倍増、どうなる「特別支援教育」@朝日新聞 2004年2月2日
 障害児教育が戦後最大の変革期を迎えようとしている。文部科学省が、LD(学習
障害)など軽度発達障害の子どもを含めた「特別支援教育」への転換を打ち出したか
らだ。対象の子どもは約5倍に膨らむ。だが、教員や予算の措置は不透明だ。「枠組
みを変えるだけで、障害児教育がよくなるのか」。学校現場や保護者らは戸惑いも見
せる。

●1割の小中でモデル事業

 東京都内の公立小学校で今月半ば、1年生の算数の授業で、先生のほかに1人の若
い女性が教室を歩き回って、子どもに声をかけていた。ある男の子の隣に立つことが
多い。プリントにその子の名前を書いた。「はい、この文字を上からなぞって」。こ
うして、ひらがなの書き方を教える。引き算は、手の指を使って丁寧に指導した。

 女性は、特殊教育を専攻する大学4年生(21)。通常学級で学ぶ、LD、ADH
D(注意欠陥・多動性障害)、高機能自閉症などの軽度発達障害の子どもの支援のた
め、昨年12月から週2日、同校に来る。文科省が全都道府県で今年度から試験的に
始めたモデル事業の一環だ。

 女子学生が重点的に面倒を見ていた男の子は、ADHDの傾向があり、授業に集中
できない。

 入学直後から授業中に床の上をはいずり回った。大声をあげ、教室から突然、飛び
出してしまうこともあった。週2日は、別の小学校にある、情緒障害児のための通級
指導教室で集団での生活方法や学習の指導を受けているが、残りの時間は通常学級で
過ごす。

 この子のような軽度発達障害とみられる子どもは、この小学校に数人いる。校長は
「対象の児童が目立たないように、ほかの子にも声をかけてもらっている。最初は学
習を拒否していた児童も落ち着いてきて、学級全体が授業に取り組みやすくなった」
と語る。

●4年以内に全校で試行へ

 落ち着きがなく集団になじめない。特定の学力が極端に低い。こんな子どもの問題
が近年、学校現場で表面化している。軽度発達障害に起因するケースも少なくない。

 こうした子どもたちは、従来の障害児向けの特殊教育の対象外だった。文科省が3
年前に設置した調査研究協力者会議は、軽度発達障害のある子どもが全体の約6.3
%にのぼると推計し、こうした子どもを対象に含めた「特別支援教育」に転換すると
の最終報告を昨年3月に出した。

 報告は、盲・ろう・養護学校の障害種別を取り払って「特別支援学校」を創設する
▽特殊学級や通級指導教室の制度を改め、通常の学級に在籍して必要な時間だけ「特
別支援教室」に通う形にする――などとしている。

文科省は学校教育法改正を経て、数年内に実現したい考えだ。

 報告を受けて始まったのが、支援のための校内委員会設置や、専門家による巡回相
談などのモデル事業だ。今年度から全国の約1割の小中学校が対象となった。文科省
は07年度までに全校に広げたいという。

●「特殊学級なしで大丈夫か」戸惑う親、学校も不安

 文科省の方針転換に、学校現場や保護者の間では、戸惑いや不安も広がっている。

 軽度発達障害と診断された生徒が十数人いる神戸市立中学校。今年度から、こうし
た生徒への指導の研究を始め、状況に応じて週に1〜15時間、別教室での個別指導
を行う計画を立てた。だが、まだ実施できない。

 「ほかの子に障害のことは絶対に伏せてほしい」と求める保護者もいたからだ。学
生ボランティアについても、生徒には「先生の補助」としか説明していない。

 市教委の長谷照彦・特別支援教育課長は「適切な指導がしたくても、子どもを障害
児として扱われることに抵抗を持つ保護者が多い。慎重にやらないと人権問題になり
かねない」と話す。

 文科省の会議の最終報告は、教員や予算は現状のままでやりくりする方針を打ち出
している。支援の対象は、義務教育段階で全児童・生徒の約1.5%から、7〜8%
に膨らむ。いまは、子ども2.2人に1人の割合で教員がいるが、約10人に1人に
なる計算だ。

 特別支援教室の設置も各自治体に委ねられる見通しで、地域差が出る可能性があ
る。

 神奈川県藤沢市の会社員(43)の小学校5年生の次男は算数が極端に苦手で、L
Dの傾向がある。現在、学校内の通級指導教室で1、2年生レベルの算数の指導を受
けているが、週1回1時間だけだ。回数を増やしてもらえるよう何度も市に頼んだ
が、「対象者が多くて無理」と断られた。

 「財政の保障がないまま見切り発車で特別支援教室を始めても、現状がよくなると
思えない」

 小学校1年生の長女を知的障害の特殊学級に通わせている東京都江東区の主婦(4
0)は「普通の学級の先生が障害児の面倒まで見きれるのか。特殊学級を残してほし
い」と訴える。

 清水貞夫・宮城教育大教授(障害児教育)は「諸外国に比べて貧困な教育条件しか
提供されてこなかった障害児教育を改善することが改革の目的であるべきで、財政負
担を軽減しようとするためのものであってはならない」と話す。

    ◇      ◇

●種類・程度で場を分けた戦後の特殊教育、転換へ

 戦後の特殊教育は、障害の種類や程度に応じて、盲・ろう・養護学校、小中学校に
おける特殊学級、通級による指導など特別な教育の場で指導が行われてきた。

 47年に制定された学校教育法で、知的障害者や肢体不自由者を対象とする盲・ろ
う・養護学校や、小中学校の特殊学級の設置が規定された。79年に施行された養護
学校の義務制で、就学猶予などの名のもとで学校から排除されてきた重度の障害児に
も特殊教育が保障されることになった。

 93年には、通常の学級に籍を置きつつ、時々、別の場で指導を受ける通級による
指導が制度化された。言語障害、情緒障害、難聴などの6種類の障害が対象で、指導
時間は週8時間以内だ。

 こうした特殊教育の対象となる子どもの比率は近年増えている。93年度の0.9
65%から昨年度は1.477%になり、計約16万4700人。それでも学習困難
児まで特殊教育の対象にしている米国や英国などと比べて、割合は著しく少ない。L
D、ADHDなど通常の学級に在籍する軽度発達障害の子どもにも対応するため、文
科省が特別支援教育への転換を打ち出したのは、こうした背景もある。

    ◇      ◇

 〈軽度発達障害〉 知的水準には著しい発達の遅れがないが、学習や対人関係に困
難を示す障害。LD、ADHD、高機能自閉症などがこれにあたる。これまで定義が
明らかでなかったこともあり、早期発見や適切な指導態勢が不十分だった。
(04/02/02 11:40)