■燃え尽きずに生き抜くために

★3か月達成のごあいさつ
 今日で、カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルを始めてから丸3か月が経ち
ました。「ほぼ毎日」更新を続けてこれたのは、読んでいただいている実感と
〈勇気と知恵を与え合うつながり〉のひろがりを感じてこれたからです。
 本当にありがとうございました。

 明日から2月の終わりまで、3か月達成記念リフレッシュ休暇をとります。
3月1日から再開の予定です。よろしくお願いします。
 この区切りをきっかけに、このサイトを続けていく意味について考えてみまし
た。
★1 瀬戸内寂聴さんと明石洋子さん
 カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルのコンセプトは、「about me」にある
とおり、「自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界」を共有していく
ことにあります。
 しかし、「これだけのために自分はやっているんじゃないな」とわかってきま
した。

 まず、瀬戸内寂聴さんが、中日新聞での連載「あしたの夢」(2003年12月5日
夕刊)の中で、書いていた言葉をお読みください。

■「ショーケンのパワー」
(ショーケンこと萩原健一さんが十三年ぶりでライブツアーを行い、そのコンサー
トにおいて)
 …
 二時間半、全身全霊でたっぷり歌い続けたショーケンは、楽屋であうとまだぜいぜい息を切らしていた。体中の毒素を吐き出した達成感のため、清潔な少年のようないい顔になっていた。
(略)
 ショーケンは今度のコンサートで大きな脱皮をした。私は二時間半、立ちっぱなしで全く疲れを忘れていた。いつもはパワーを吸い取られてばかりいる私が、この夜はショーケンの死に物狂いの舞台から熱いパワーを存分に貰っていた。
 …

 私は、「いつもはパワーを吸い取られてばかりいる私」という寂聴さんの言葉
に胸を衝(つ)かれました。寂聴さんは、81歳(!)。今も、たくさんの連載
や対談をこなし、講話の会も行っています。傍から見ていて、「超人的にすごい
人」のように見えていました。
 そんな方のこの一言――

 もう1人、私の敬愛する明石洋子さんのことば(「明石通信」2004年1月1日号)
■「あけましておめでとうございます」
 …
「能力が無い、故に役に立たないと思われてしまう(残念ながら現実です)知的障害者が、屈辱感を味わう事なく、人としての尊厳を認めてもらうためには、誰かが実践して見本(人という支援あっての共生、本人はそのままでも、周りの受け止め方が変われば可能という例)を示さなければ、合意も共感も得ることはできないのは残念です。
異質なものを排除し、知的障害者を下に見る、日本社会では、障害を持って生きていくには、まだまだ壁は厚く、シンクロ(スイミング)のように、水面上の笑顔の下には、沈まないように手足を盛んに動かす努力が必要のようです。
権利と共感を両輪として地域社会で生きるのは、「前例が無い、では前例になればいい」を実践した徹之にとって、まだまだ人一倍頑張らないと、沈んでしまいそうな毎日です。
 …

 明石洋子さんのこれまでの活動については、いずれ詳しく紹介しますが、私に
とって明石さんは「みちしるべ」であり目標の存在です。

 明石さんのすごさは、どこにいても、太陽のような明るさと大洋のような広さ
で、支援のネットワークの、種まきと人を育てることを実践し、やり遂げてしま
うところです。明石さんの歩いた後は、そのまま「ライフステージに渡る支援ネッ
トワーク」の実現になっている――本当にすごい人です。
 明石さんとお話をすると、こちらがどんどん元気になってくる。温かさと頭の
切れで、若い親たちが不安に思っていることや恐れをいつのまにか取り除いてく
れてしまうような、そんな方なのです。
 その明石さんが、上のようなことばを吐露されている。私は、ショックでした。

 寂聴さんや、明石さんは、私から見たら「雲の上にいるスーパーウーマン」で
す。
 そんな素晴らしい・すごい人でも、傷つき、疲れてしまうときがある――
 当たり前のことかもしれないけれど、私にとっては、「なんとも言えない感覚」
がありました。
 うまく言えないけれど、寂聴さんも明石洋子さんが疲れるときもありながら、
それでもフロントラインに立ち続けている事実――それも生半可な期間じゃない。
人生をかけている真摯さ、切実さ――なんだか、安易に「エネルギーを貰いまし
た!」なんて言えない凄さを感じたのです。(今日の竹中ナミさんにも共通しま
す)

★2 私の場合
 私なんかは、駆け出しの新米父親なのですが、個人サイトを作ってみたり、表
に出てきているので、「がんばっている」「熱い、熱心だ」「障害児がいるのに
エライ」なんて見られたりします。

 けれども、こんなふうにくくられるのは本当はイヤなんです。

 私は、
・がんばってる→たのしいからやっている
・熱い、熱心だ→やりたいからやってるだけ、淡々とやっているつもり
・障害児がいるのに…→カイがいなかったら今の私はない。当たり前のこと
 と機会があるごとに自分の思いを説明してきました。

 けれども、この「たのしいからやっている」と言い続けること・やり続けること
はエネルギーが要ります。
 実際には「やせがまん」になってしまった瞬間もある。

★3 なんでかな?
(1)何かのミッションのために力を尽くそうと考えている(ミッションがある)
(2)自分にはできることがある! と信じている(己の才能を頼りにしている)
(3)このミッションは自分の責任だと感じている(責任感)

こういう人間が、
 ←ただし、そのミッションの達成は時間がかかる(短期間でのガンバリズムでの達成は不可能)
 ←また、他人との協働が不可欠(自分1人ががんばれば何とかなるものではない)

この状況下で、
 →燃え尽きずに、サバイバルするにはどうしたらいいのか?
 →私は、燃え尽きたくないし、仲間が燃え尽きるところを見たくありません。

★4 燃え尽きずに生き抜くためのヒント
 答えは手元にはありません。
 ただ、このサイトを続けることで、ヒントを見つけた気がします。
 ポイントは、「プロセスを楽しもう!」だと思います。

(1)発信し、一方通行じゃなく訪問者とコミュニケーションを築くことでエネルギーをもらう
(2)与えることで、与えられる(例:情報は発信しているところに集まる)
(3)自分の存在を認め、支持してくれる「仲間」を目に見える形で感じる(評価を形にすること)
(4)目標とする先輩=「太陽」を見つけること! そして、どんなに、すごい人でも、
 悩むとき・へこむときがあるということ(私だけじゃない)を知ること
(5)疲れたら、休むこと。オーバーペースになったら、ペースダウンすること
(たのしい時、充実している時が危ない)

「今はスランプです。スランプは永久には続きません。これから回復します」

 この言葉は、1月の志賀利一先生の講演会で、高機能自閉症の青年に対する
「悪い状態はずっとは続かない」ことを教えるために使っている言葉として紹介
されました。私にも、すごく効く言葉です。

※私は現在スランプではありません。どちらかといえば、好調です。でも、こう
いうときに「燃え尽き」を気をつけなければいけないと考えています。

★5 しぶとく生きのびる
 いい時も悪い時もありながら、「燃え尽きてしまわずに」しぶとく生きのびる
ためにどうしたらいいか?
 経験の少ない駆け出し父親としては、試行錯誤を続けていくしかないんだよな
あとつぶやいています。

 しょせんはまだまだ4歳の男の子の父親なんです。大したことはできません。
ただ日々の暮らしを続けていくだけ。
 そのための試行錯誤に満ちた実践を、共有していけたらうれしい。それを通し
て、勇気と知恵を与え合えたらステキだと思っています。

 カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルの根底に流れるテーマは、
「燃え尽きずに生き抜くにはどうしたらいいか?」
 なんですね。

 さて、どこまで行けるか? どんな風景に出会えるのか、「ピカピカの一年生」
のように、どきどきワクワクしています。


【謝辞】
・明石洋子さん、瀬戸内寂聴さん、やっぱりお二人は私にとっての太陽です。
・2月21日この区切りの日に、竹中ナミさんの講演を聴き、直接お話をさせてい
ただき、もう一つの太陽を見つけました。紹介してくださったさとままさんに
感謝です。
・「プロセスを楽しもう!」は私の恩師宮地祐司さんがまとめられた「〈何かを
はじめる中心メンバー〉の心得マッキーノ」から、いただいています。私の生
き方、発想は宮地さんから多大な影響を受けています。
・また、トヨタグループのマネージメント手法「MAST」に関するわが友みけんの
レポートにあった「プロセスを重視する」ことからもインスパイアされました。
・Atopic Informationの松岡さんから、いただいた問題提起は、この文章を書く
きっかけになりました。

★いつもありがとうございます★