■【水銀原因説?】親の気持ち
昨日書いた「【TBS報道特集】自閉症=水銀原因説を論じる」への反響は大きく、3月9日のアクセス者数は、553名、訪問ページ数は、1,895ページでした。もちろん過去最高です。
記事へのコメントもたくさんいただいています。本当に励まされます。コメントへのお返事も書きますが、特に必要と思うものについては、記事の形でお答えしていきます。
※昨日の記事に、3(5)「自閉症とワクチンは因果関係がない」論文リンクを追記しました(takayanさんありがとう!)。ご参照ください。
★Bluepixyさんからのコメント
ご感想ありがとうございます。励まされます!
ご指摘はごもっともです。水銀原因説を主張する専門家に対しては、疫学的な調査をきちんとやってくださいと言いたいです。また既に発表されている「予防接種と自閉症の関係を否定する」調査結果を受けて、自説の検証を行っていただきたい。
しかし、私は、親なので親の気持ちを考えてしまいます。
冷静になれば、一般論としての因果関係の検証や自分の子どもの状態(たとえば水銀の体内蓄積度、予防接種の受診時期、自閉症状に気がついた時期など)を検証できるようになります。
しかし、記事本文にも書きましたが、「自責の念」に苦しむとき、そんな余裕はありません。
特に、自閉症の診断を受けたばかりの頃は、相談できる先輩や友人、専門家もいません。そんな状態のときにあの番組を見れば、
「テレビでも放映されている」
「番組に登場していた子どもは改善していた」
「ネットを調べるとキレーション療法を実施してくれる業者もある」
「自分の子にもやってあげたい! 今やらなければ手遅れになる!」
と飛びつきたくなるのは自然だと思います。
私は、そんな気持ちがわかるから、親御さんを批判する気は起きません。ただ、子どもの体へのリスクを心配します。
せめて、
・できるだけ相反する情報も検討し、リスクを検討したうえで、
・子どもの体への影響に細心の注意を払って、
・専門家のアドバイスも聞いて
・少しずつ、試すこと
をすすめたい。
そして、私が一番言いたいことは、
「自閉症は文化だ。自閉症は忌避すべき災厄なんかじゃない。自閉症をもつ子の親ライフも、悪くない」
ということに尽きます。
わが子が、少しでも生きやすく成長してほしい、と願わない親はいません。
様々な療法を試す気持ちも理解できます。
ただ、決して忘れていけないのは、「親のエゴで子どもを操作してはいけない」ということです。
「正しい支援ができているかどうかの答えは、子ども本人が教えてくれます」
私たちにできることは、勉強を続け、支援の工夫をし、よく観察することです(こんな立派なことを言って実際に自分にできているかといえば、恥ずかしい限りなのですが)。
私の判断は――「魔法の薬」は現在はない。日々の生活の中で、環境の側からもカイに歩み寄りながら、力をつけて成長していくんだ――と思っています。
将来はわかりませんが、今はそう考えています。
【関連記事(連載)】
・(1)【TBS報道特集】自閉症=水銀原因説を論じる
・(2)【水銀原因説?】親の気持ち←現在ご覧の記事です。
・(3)【水銀原因説?】体質の問題?
・(4)【水銀原因説?】TBS報道特集への反響リンク集
・(5)【本】自閉症研究の到達点を知るために
・(6)【水銀原因説?】自閉症協会からのコメント
・(7)【水銀原因説?】TBS報道特集で「注意の呼びかけ」2004年3月14日放映
昨日書いた「【TBS報道特集】自閉症=水銀原因説を論じる」への反響は大きく、3月9日のアクセス者数は、553名、訪問ページ数は、1,895ページでした。もちろん過去最高です。
記事へのコメントもたくさんいただいています。本当に励まされます。コメントへのお返事も書きますが、特に必要と思うものについては、記事の形でお答えしていきます。
※昨日の記事に、3(5)「自閉症とワクチンは因果関係がない」論文リンクを追記しました(takayanさんありがとう!)。ご参照ください。
★Bluepixyさんからのコメント
一つ疑問に思ったのは、
ここでも書かれているように水銀の蓄積について調べることができるということです。
自閉症:水銀蓄積説を唱えるのであれば当然、
その蓄積量との相関が問題になっているはずなのに、問題になっていないように感じました。そういうことなしに水銀中毒と症状が似ているからとかっていうのはナンセンスだと思うのですが。
ご感想ありがとうございます。励まされます!
ご指摘はごもっともです。水銀原因説を主張する専門家に対しては、疫学的な調査をきちんとやってくださいと言いたいです。また既に発表されている「予防接種と自閉症の関係を否定する」調査結果を受けて、自説の検証を行っていただきたい。
しかし、私は、親なので親の気持ちを考えてしまいます。
冷静になれば、一般論としての因果関係の検証や自分の子どもの状態(たとえば水銀の体内蓄積度、予防接種の受診時期、自閉症状に気がついた時期など)を検証できるようになります。
しかし、記事本文にも書きましたが、「自責の念」に苦しむとき、そんな余裕はありません。
特に、自閉症の診断を受けたばかりの頃は、相談できる先輩や友人、専門家もいません。そんな状態のときにあの番組を見れば、
「テレビでも放映されている」
「番組に登場していた子どもは改善していた」
「ネットを調べるとキレーション療法を実施してくれる業者もある」
「自分の子にもやってあげたい! 今やらなければ手遅れになる!」
と飛びつきたくなるのは自然だと思います。
私は、そんな気持ちがわかるから、親御さんを批判する気は起きません。ただ、子どもの体へのリスクを心配します。
せめて、
・できるだけ相反する情報も検討し、リスクを検討したうえで、
・子どもの体への影響に細心の注意を払って、
・専門家のアドバイスも聞いて
・少しずつ、試すこと
をすすめたい。
そして、私が一番言いたいことは、
「自閉症は文化だ。自閉症は忌避すべき災厄なんかじゃない。自閉症をもつ子の親ライフも、悪くない」
ということに尽きます。
わが子が、少しでも生きやすく成長してほしい、と願わない親はいません。
様々な療法を試す気持ちも理解できます。
ただ、決して忘れていけないのは、「親のエゴで子どもを操作してはいけない」ということです。
「正しい支援ができているかどうかの答えは、子ども本人が教えてくれます」
私たちにできることは、勉強を続け、支援の工夫をし、よく観察することです(こんな立派なことを言って実際に自分にできているかといえば、恥ずかしい限りなのですが)。
私の判断は――「魔法の薬」は現在はない。日々の生活の中で、環境の側からもカイに歩み寄りながら、力をつけて成長していくんだ――と思っています。
将来はわかりませんが、今はそう考えています。
【関連記事(連載)】
・(1)【TBS報道特集】自閉症=水銀原因説を論じる
・(2)【水銀原因説?】親の気持ち←現在ご覧の記事です。
・(3)【水銀原因説?】体質の問題?
・(4)【水銀原因説?】TBS報道特集への反響リンク集
・(5)【本】自閉症研究の到達点を知るために
・(6)【水銀原因説?】自閉症協会からのコメント
・(7)【水銀原因説?】TBS報道特集で「注意の呼びかけ」2004年3月14日放映
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自閉症水銀説は3年前に文献を読んで知っていました。しかし、現在はそれに反論する研究もありますし、お薬の専門家としては、無理矢理にくっつけただけの感じがあって、当時から否定的な意見を持っていました。
おとといまで東京で研修だったのでTV番組は見ていませんが、昨日の記事をよませていただいて、何だか大変だったんだなあ、ということは察しがつきました。
さて、ADHDがそうであるように、自閉症を薬で治そうとする試みはこれからも何度も出てくると思います。しかし、薬はあくまでも問題行動や症状の一部を緩和させるだけであって、cureではありません。大切なことは、ご指摘の通り療育や支援の質であり、その子らしい成長を促せるかどうかだと思います。
コメントがとても多かったので、こちらに書き込みをさせていただきました。