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【用語】「障害者」

 カイパパ@4歳自閉症男の子の父親です。カテゴリー「オピニオン」では、私が考えている意見や視点をささやかに表明します。

これまでの関連記事

(1)2003年12月7日記事 【用語】メインストリームの子どもたち
(2)2003年12月14日記事 【用語】言葉に「におい」がしみつく

reiさんのblog(lame)で12月14日記事への感想をいただきました。ありがとうございます

★これまでの記事のふりかえり
 12月7日記事で、私は「健常児」という呼び方を「メインストリームの子どもたち」(多数派、主流の子どもたち)と呼ぼうと提案しました。
 12月14日記事では、「いくら中立的な表現でも、差別的な意味を込めて使い続ければ言葉ににおいがしみついて差別語になっていく」認識についてお話しました。

★「障害者」という呼び方をどう考えるか
「障害者という呼び方にはネガティブな意味が込められていて不愉快だ」と言う方がいます。これは「害」という漢字の印象が大きく作用しているようです。そのため、障碍者、障がい者、しょうがい者など用字を置き換える動きにつながっています。

 私なりに、これは分析してみると、「障害者」という表記を不愉快に感じる理由は、

 障害者=社会にとって、障害に「なる」人→邪魔な存在

 と読めるからじゃないでしょうか。

 しかし、

 障害者=機能に障害の「ある」

と読めば、これは、「ハンディがある状態の表現」ですから、中立的です※。こちらがもともとの意味でしょう。ところが、邪魔な存在として排除されたり差別されたりする歴史を経て、「におい」がついてしまった、というのが私の仮説です。

※「害」という字そのものを使うな、という主張は残るとしても。

★私のスタンス
 どちらかというと、私も「障害者」という言葉は好きではありません。
 しかし、用字を置き換えたり、「障害者」と表記する相手をとがめようという気はありません。なぜかというと、「障害児の親」という党派性(立場)に立った人間(つまり私)がそういった言い換えを行うと、周囲は過剰に気を使ってしまうと思うからです。
「あの人は障害者と表現してほしくないんだ」「障害について話題にするのは避けたほうがいいかもしれない」
 過敏な反応をすると、ただでさえ遠慮しがちな周囲をさらに萎縮させてしまって自由な話ができなくなってしまいます。そういう経験ありませんか? やさしい日本人ですから

 また、「障害者」という用語、表記は、法律用語です。国や地方自治体と話をする際に、共通の用語として使ったほうが対等な立場で議論ができると思います(余計な気遣いやいたわりを避けるという意味です)。

 以上の理由から、障害者という言葉を使う場面ではこの用字を使っていこうと私は考えています。

 ただ、言葉は場面によって自由に使い分けられます。障害者という手あかのついた言葉じゃなくて、もっとステキな表現を、次回紹介します。

(続きます!)