2003年11月23日

【虐待】障害児は虐待の被害者になりやすい

opinion
【虐待】障害児は虐待の被害者になりやすい

★「障害児は虐待の被害者になりやすい」

 1年前の記事になりますが、2002年7月26日の毎日新聞の記事で「虐待を受ける障害児は健常児の4〜10倍とも推計される」というショッキングな報道がありました。

児童虐待 障害児の被害7.2%
  児童相談所00年度受理

 全国の児童相談所が00年度に受けた児童虐待の相談中、障害児の被害は少なくと
も1008人と全体の7.2%を占めたことが、昨年度の厚生労働省厚生科学研究班
(本間博彰・主任研究者)の調査で分かった。このうち知的障害児が788人と最も
多い一方、加害者は実母が700人と69.4%に上った。児童相談所を通して障害
児の被害実態を調査したのは初めて。研究班は「虐待を受ける障害児は健常児の4〜
10倍とも推計される」と指摘している。

 研究班の細川徹・東北大大学院教授らが昨年12月、全国182の児童相談所(当
時)に郵送で調査を実施、141相談所から有効な回答を得た。それによると、00
年度に児童相談所に寄せられ、虐待として受理された相談は1万3983件で、うち
被虐待児が障害児だったのは1008件(男児588人、女児420人)に上った。

 障害別の内訳は▽知的障害児788人▽身体障害児159人(肢体不自由児87
人、聴覚障害児31人、内部障害児22人、視覚障害児19人)▽注意欠陥多動性障
害(ADHD)児91人――など。

 主な虐待内容は▽ネグレクト(養育放棄)416人(41.3%)▽身体的虐待3
98人(39.5%)▽心理的虐待65人(6.5%)▽性的虐待32人(3.2
%)。また、主な虐待者(複数回答)は▽実母が700人▽実父265人▽義父57
人――などだった。

 01年障害者白書などによると、障害児中の被虐待児割合は1000人中5・4〜
7人と推計される。一方、未成年者中の被虐待児は1000人中0.6〜0.7人と
推計され、「障害者統計にないADHD児らの存在に配慮しなければならないが、障
害児は健常児の4〜10倍の割合で虐待を受けるとも推定される」(細川教授)とい
う。

 本間博彰・宮城県子ども総合センター所長の話

 知的障害は乳幼児期に分かりにくく、親が言うことを聞かないと思ったり、障害が
判明して落胆し、養育放棄につながる場合もある。被害実態を把握することで、障害
児と親の支援につなげたい。(野倉 恵)



★なぜ障害児は虐待を受けやすいのか?〜私の考え

 それは、親にとって子どもからの「感情的なフィードバック」が得られにくいからです。「あなたは私のママ、パパ。だーいすき」というフィードバックがない、あるいは希薄です。
 また、親から伝えたいことが伝わりにくい、接し方がわからない。叱っても、それこそ体罰をしてもやめない……わが子がわからない、愛せない――「愛情」を心のよりどころにできない…。

 親になる前に、私たちはそれなりの夢やイメージを思い描きます。たくさんのおもちゃやきれいな洋服を用意して、生まれてくるわが子を待つ。生まれてきたふにゃふにゃのわが子をいつくしみ育てる――それがいつの間にか、「わけのわからない」修羅場に、子育てが化してしまっている。
なんなんだろう?? こんなはずじゃなかったのに。思っていたのと違いすぎる??

★子育ては、親だけじゃ、できない。

 私は、障害を持つ子をもつ親として、児童虐待の報道があるたびに、他人事ではない痛みを感じます。

 昨年は、自閉の疑いを持った母親が乳児を死なせてしまった事件、母親が自閉の子を殺してしまった事件がありました。愛知では、悲痛な事件が続いています。

 お前なんかが考えてどうなる、とも思うんですが、

 私にできることは、「自閉症の親ライフも悪くないよ」「この子たち、かわいいところいっぱいあるよ」と具体的に伝えていくことです。駆け出しの親にできるのは、そんなささやかなことしかできませんが。
 でも、私自身、先輩親さんたちと出会ったことで、「なんだみんな元気じゃん」と思えたことが一番の生きる支えになりました。

 このサイトもささやかではありますが、子どもたちに関わる人々に勇気と知恵を与え合う役割を果たせたらいいなあと(じつは本気で)願っています。


Posted by kaipapa2shin at 02:09 │Comments(9)TrackBack(0)虐待 

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この記事へのコメント
カイパパさん、遊びに来ました〜。相変わらず充実した内容ですね。しっかり読ませていただいてますよ。

私もカイパパさんと同じ気持ち。自閉症の子育てるのってけっこうおもしろいよってみんなに伝えたい。「たいへんだね〜」って言われるたびに「けっこう楽しいよ」と答えることにしています。私のキャッチフレーズは「すべてを笑い飛ばせ!」かな。

お互い自閉ワールド啓蒙にはげみましょう。

PS:うちのブログも少し内容増えました。カイパパさんとこみたいに充実してないけど、そろそろ解禁です(笑)。
Posted by めめ at 2004年01月19日 19:54
突然すみません。良く解らなくて悩んでいます。私の娘は小一で障害はありません
自閉症だと思われる小三の女の子に付きまとわれ一緒に遊ばないと怒られたたかれたり
つねったりされるらしいのです。まだ学校側には言ってませんが。
みなさんのような、かたがたなら、どのようにされますか?
親として子を守りたいと言う気持ちは同じだと思います。
ぜひ、力を貸して下さい。
Posted by ゆり at 2004年01月30日 01:18
ゆりさん
コメントありがとうございます。お困りのご様子、心中お察しします。

きっと娘さんもやさしいお子さんで、ゆりさんご自身も、
小3のお子さんのことを理解しようと思って、このサイトも訪問してくださったのでしょう。

具体的な事情はわかりませんし、4歳の父親としての経験しかない私には
適切なアドバイスができる自信がありません。
しかしながら、とてもお困りのご様子ですので、
「一般論として」「こういう場合はどうしたらいいのか」といった
問題提起の意味を込めて、記事の形でお答えできればと思っています。

今しばらくお時間をください。
Posted by カイパパ at 2004年01月31日 20:09
とても充実した記事で感心しました。
本間先生の厚生科学研究は継続しています。平成14年度児童虐待に対する治療的介入と児童相談所の在り方に関する研究があります。じょ
Posted by yy at 2004年02月01日 22:09
>yyさん

 はじめまして。カイパパです。おほめのことば、お恥ずかしいです(^^;。
シロートがつらつら書いているだけですので。
 教えてくださった本間先生の平成14年度の研究、とても興味があります。
 どこで入手できますでしょうか? よかったら教えてくださいね(^^)
Posted by カイパパ at 2004年02月04日 07:27
>ゆりさん

はじめまして。
私は小3の娘さん同様、学童期に障害を持った同級生につきまとわれてつらい毎日を送っていました。
かんしゃくを起こせばたたかれる対象となり、文房具や教材も一日ひとつずつどこかへ隠されます。
子供心にこういったことを「障害を持った子にいじめられている」と感じ、なぜか恥ずかしいことだと思い、先生や両親に話すこともできませんでした。
数多い学友の中からゆりさんの娘さんだけにそのような行為に及ぶのであれば、早く距離をもたせる事をおすすめします。
やめて欲しいことから逃れられない、または自己解決の機会を逃した娘さんとそういった娘さんをみつけてしまった小3の女の子。お互いの為にも接さない事が、しばらくの間でも有効かと思います。
Posted by 大和ママ at 2004年04月23日 14:13
>大和ママさん

はじめまして! コメントありがとうございます。

ゆりさんの質問にお応えした記事を書いております。

・【相談にお答えして】自閉症児(?)のつきまとい
http://blog.livedoor.jp/kaipapa2shin/archives/90599.html

よかったら、あわせてご覧くださいね(^^)
Posted by カイパパ at 2004年04月24日 06:08
★なぜ障害児は虐待を受けやすいのか?〜僕の考え

少しのサポートがあれば母親はずいぶんと子供を愛すことができます。家族は安心して過ごせます。

 僕の息子は知的障害ですが、とってもかわいいです。どんなことをしても自分の家族と自分の家の中ではすべてOKです。しかし、他人との係わり合いのなかで知らず知らず、自分の子供を憎むようになってしまうのではありませんか。よく子供を観察もせず医者から自閉症と診断されたり、療育相談に行って、よくわかってもいない保健婦からしつけ悪いだのや声かけが少ないとか言われたりしていませんか。もし、住んでいる家が借家やアパートマンションで階下の住人からいつも苦情を言われ続けたりしたら、夜眠らぬ子供を睡眠不足のお母さんが子供の首を絞めていませんか。行っても恥をかくだけの地元の小学校の就学相談や健康診断に行かされたりしていませんか。養護学校に行かせれば遥かに遠いところまで母親が毎日送っていかねばならないし、昼ごはんもそこそこに13時30分にはもう迎えに行かねばならない。佐賀県にはスクールバスもない。幼稚園より見てもらえない。
 でも、よく考えてください。少しのサポートがあればそんなことふせげるのですよ。だって医療関係者、教育委員会関係者、療育関係者がよく勉強し、真心とほんの少しのお金を使ってくれれば、簡単なことなのに。僕は障害児の学童保育をつくってもらいましたが、母親はたったそれくらいのこと(普通の小学生の帰宅時間と同じ)だけでずいぶんと子供を愛すことができます。家族は安心して過ごせます。

Posted by かがやき子のパパ at 2004年05月18日 18:05
>かがやき子のパパさん


少しのサポートがあればそんなことふせげるのですよ。
だって医療関係者、教育委員会関係者、療育関係者がよく勉強し、真心とほんの少しのお金を使ってくれれば、簡単なことなのに。


本当にそのとおりですね。
虐待をしてしまう親が「鬼」なんじゃない、
状況が虐待を作り出してしまっていること――

これだけ虐待事件が頻発するようになって、ようやく社会もわかってきたような気がします。
あとは有効なサポートに人とお金を注いでいくことですよね。

障害をもった子どもについても、2003年から障害者支援費を利用できるようになったことで、
利用している人にすごく支えになっています。
しかし、利用できる資源がなかったり、利用できること自体を知らなかったり(教えてくれる人もいない)、
みんなが十分なサポートを受けているわけではありません。

私も微力ながら、自分にできることをやっていきたいと思っています。
Posted by カイパパ at 2004年05月19日 07:48