スペクトラム

【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム

 このサイトは、「自閉症スペクタクル」と題し、「自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!」をテーマにしています。
 その一歩として、「自閉症を知らない人に、まず知ってほしい」という思いがあります。5回連載の予定で、今回は第2回です。連載をまとめて読みたい方は、トップページ左側にある「カテゴリー」から「自閉症スペクトラム」をクリックしてください。
 私は医療関係者でも専門家でもありません。子どもの障害がわかってから2年間で私なりに学んだことを紹介していきます。詳細かつ正確な知識については、参考文献に直接当たってくださいね!

★自閉症の診断

 自閉症は原因によって定義された障害ではありません。下記の三つの異常(三徴候)が3歳までに認められた場合に自閉症と診断されます。

(参考)診断は以下の三つをチェックする。
a 人づきあいの質的異常あるいは社会性の問題
b コミュニケーションの質的異常
c イマジネーションの障害(こだわり)

参考HP:ダダ父通信「自閉症マメ知識」 

★自閉症といっても、現れ方は十人十色〜スペクトラム(連続体)というとらえ方

 ところが、連載第1回で述べたように「認知のプロセス」の〈どこ〉に、〈どの程度〉の障害があるかによって、自閉症の特徴の現れ方は様々です。
 ですから、「自閉症はこういう人です」と単純に記述することはできません。ローナ・ウィングさんは著書『自閉症スペクトル』p.34の中で、次のように述べています。
……診断のためにこれまで提案されたシステム(引用者注:ICD(国際疫病分類)、DSM(精神障害の分類と診断の手引き))は、いずれも社会的相互交渉の障害、コミュニケーションの障害、そして想像性の障害ならびに硬直した反復的な行動パターンが、診断的特徴として不可欠であるとする点で一致しています。このように基本的な一致点はあるのですが、個々の子どもや大人を診断する際には次に述べるような多くの理由から診断の不一致が起こります。

(1)障害は多様な姿で現れ、そのなかには微妙なものもあれば気づきにくいものもある。
(2)自閉症スペクトル障害は、一般知能の最重度障害から平均よりずっと上に至るまでのいかなる水準においても起こりうる。
(3)自閉症スペクトル障害は、何らかの身体障害や他の発達障害を伴うこともある。なかでも、てんかん発作はとりわけ起こりやすいものである。
(4)加齢とともに、行動パターンが変化することがある。
(5)環境によって行動が変わりうる。よく組織だっている学校やクリニックにおけるよりも、家庭では往々にしてよくない。というのは、家庭では親が自分たちに注意をひこうとあれやこれやの要求をするからである。
(6)どんな人が一緒にいるかによって行動が異なってくる。(略)
(7)教育は、行動パターンに影響を与える。
(8)個々人のパーソナリティは、行動に反映されるとともに行動に影響を与えもする。

 つまり、三つの基本的な徴候(これについても重い・軽いはある)は共通しているが、(1)から(8)のように、現れ方が人によってとても違っている。(その理由は、先に述べたとおり脳の認知プロセスのどこに・どの程度の障害があるかによると解釈すると理解しやすいと思います。)
 そのため、ウィングは、自閉症「スペクトラム」=「連続体」と障害を定義しました。

★自閉症からメインストリームの人までのスペクトラム(連続体)

 もっと言うと「自閉症スペクトラム」の人とそうでない人(メインストリームの人)も連続していて、どこかで線引きができるわけではなく、虹のように色彩がグラデーションのように連続したものなんだということがイメージができるように思います。
 ありがちな言い方ですが「パーフェクトに正常な人ってどんな人?」ということですね。とはいえ、「程度問題」では片付けられない「質的異常」の深刻さを忘れてはいけません。難しいですね。

3に続きます!

【連載記事】
【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ(2003/12/30)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録(2003/12/23)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて(2003/12/16)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム(2003/12/09)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)(2003/12/03)

【参考記事】
自閉症スペクトラムについて」@Tamago Blog
 自閉症スペクトラムのイメージについて図示されていてわかりやすい。


自閉症スペクトル―親と専門家のためのガイドブック