2003年12月27日

【本】優しくって少しばか

やさしくって少しばか

【本】優しくって少しばか

 読んでない本をおすすめするのもどうかと思うけれど――

 原田宗典さんという作家がいます。
 彼の『スメル男』を1989年に読んで面白くて、他にどんな本を出しているのかを探したときに、この題名―『優しくって少しばか』―に出会いました。
 しかし、手にとることはありませんでした。そのわけは、タイトルだけで「やられた!」と思ったからです。本編を読む必要もないくらい、いいタイトルだと思いました。

「優しくって少しばか」って、一つの理想的な人格だと感じたんです。ふりかえると、その対極の「厳しくって小利口」な自分がいて、そういうのがすごく窮屈だと、当時思っていました(今もその傾向はある)。

 タイトルだけで、これほど心に残る本というのも他にはありません。

 今でも時々思い出して、自分を省みたりしています。
 私は知的なものに価値をおいて、生きてきました。これまでそれなりに努力して磨いてきたつもりです。けれども、知的なもの「だけ」が価値基準っていうのはおかしいんじゃないか? そんなことぐらいはわかるようになってきました。

『優しくって少しばか』は、今でも私の心をちくちくとつきさします

 ――とここまで書いてきて、Googleで検索をして書評を見つけました。

「八方美人な書評のページ」
『優しくって少しばか』の書評

     (引用はじまり)
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ひとつだけ、言えることがある。『優しくって少し ばか』は、そのタイトルどおり、優しいのだ。他の作品は、それほど優しくはないし、内容もけっこうハードなものが多い。そして、そこに登場する男女は、たしかに「ばか」ではないのかもしれないが、同時に人間としての魅力に欠けたところが感じられるのだ。だが、『優しくって少し ばか』については、ちょっと甘ったるくなるような幸福感に満ちており、その雰囲気が、登場する男女になんとも言えない人間臭さを感じさせてくれるのである。
 そのことをもっとも象徴しているのが、ちょっと頭のたりないパン屋さんの話だ。女の家の近くにあるパン屋で働いている、時間にいつも厳格で、いつもおいしいパンを焼いて、それを売りきってにこにこしている「優しくって少しばか」なパン屋さんのことを、男は好きでたまらないのだ。
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     (引用おわり)

 ああ…!

 ここまで読んで、みなさんならピンと来るでしょう。
 このパン屋さんは、おそらく知的障害のある自閉症の人だ――。「優しくって少しばか」な人とは、自閉症のパン屋さんのことだったのです。

 私は10数年前にこの本のタイトルだけを見て、ずっとおぼえていたけど、こんな形で再会するとは……

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この記事へのコメント
懐かしい表紙!!! 学生時代に愛読していました。

あれこれ思うことがいっぱい。表紙絵にスイッチ・オンされたようです。
カイパパさん経由でニキ・リンコさんのHP行って来ました。
凄かった〜。でも、地球のホスト・ファミリーって概念、良いですね。
私には入りやすかった。学生時代、人類学みたいなことを齧っていたの。
異なる概念に触れるのって、楽しかったし、面白かった事思い出しました。
実践!家にいながらフィールド・ワーク。相手だってとことんつきあってくれるんだし、素晴らしい(笑)。
この年齢で価値観の再構築が楽しめるなんて、なかなか出来ない経験だよね。

高校時代の恩師がフェリーニの「道」という映画が好きだ。って言ってたのも
思い出した。「優しくて少しばか」っていうタイトルに通じるものがあるかな。
高校生のばか者だった私は、ストーリーを聞いて、先生はそれの何がいいのかなぁ・・・???と思っていたけれど、
今なら、ちょっと想像できるかな。
カイパパさんがいうように、ひとつの理想の人格であるっていうようなことを
先生は思っていらしたのかな、そんな気がする。

最近、「共感」ってことをよく考える。共感ですごく癒されるよね。
だから、カイパパさんのところにもよく来させてもらってるんだけど、気持ちのシェアって大事だなって思う。
反面、子供に当てはめてくると「何で?」やら「うわ〜!!」やらに囲まれて多分、快適とは言いがたい状況だよね。
親の私だって共感できる場面は圧倒的に少ない。きっとかなりのストレスだよね〜。

私はついつい、事なかれで、慣れた楽な状況を選びがちだけど、これじゃぁ、H君と気持ちをシェアできない。
私もどんどんあちこちへ出て行って、緊張したり、理解してもらう為にはどうしたらいいか考えたり、
分かってもらう困難を感じたり、驚いたり、通じた喜びを感じたりしようと思う。

ということもあって、明日は2人でチャレンジするんだよ。
いつもは車ばっかりだけど、明日は二人で電車に乗ってお出掛け。
二人でドキドキを共有するんだ!!さてさて、どんな道中になるか楽しみでもあり不安でもあり。
開くんファミリーの休日も楽しいことを祈りつつ、我が家も楽しもうと思います。

いやぁ、ともかく触発する表紙でした。









Posted by H君ママ at 2004年05月03日 05:34