■【権利擁護】中谷雄二弁護士インタビュー

 私のメールの署名には、
「\(^^)カイ君とお友だちが安心してしあわせに暮らせる世の中に!(^^)/」
 と書いてあります。
 この願いを実現するために必要なことは、「権利擁護」と「発達保障」だと考えています(ちょっと言葉がカタイですね。「どういう意味か?」は、おいおい話していきたいと思っています)。

 狭義の「権利擁護」は、知的障害者が犯罪に巻き込まれた場合に先鋭化します。知的障害者の人権擁護を担う存在として、弁護士の役割はとても大きいものがあります。

 名古屋弁護士会は、2002年9月、知的障害がある人の人権を守る手引書「知的障害者民事弁護実務マニュアル」を全国で初めて作り、2003年2月には「知的障害者110番」を開設するなど、全国的にみても進んでいます。
 私は、「知的障害者民事弁護実務マニュアル」発行記念講演会(2002年10月26日開催)を聞きにいったときに、様々な意味で衝撃を受けました。

・(1)知的障害者が犯罪に巻き込まれたときの悲惨な現状(毎日新聞記者 野沢和弘氏の講演)
・(2)名古屋弁護士会が本気で知的障害者の権利擁護に取り組んでいる

「絶望の中の光」といった感じでしょうか。このマニュアルを、地元、名古屋弁護士会が作成したことに希望を感じました。
 この活動の中心メンバー、中谷雄二弁護士のインタビューを見つけたので紹介します。

・asahi.com : MYTOWN : 愛知:
 ずばり聞きます 中谷雄二さん 知的障害者の人権を守るには何が必要?  朝日新聞(愛知総合)2003年7月16日
http://mytown.asahi.com/aichi/news02.asp?c=24&kiji=26 ←全文はこちら


Q.知的障害者の人権を守るには何が必要?
 →証言能力補う法制を

★知的障害者民事弁護実務マニュアルは一問一答方式で130ページ。具体的な相談事例や法廷対策、判例などが詳細に書かれています。
「弁護士が被害者自身や家族から相談を受け、さあ、障害者問題を扱おうという時に弁護士の中にノウハウが蓄積されておらず、どうやって手助けしていいのか、わからないということがありました。知的障害がある人の権利を守るという観点から、的確に対応できる弁護士を養成しようと考えました。養護学校や入所施設へ行き、教員や職員、家族らから実情を聞き、実態の把握から始めて3年をかけました。千部を弁護士や弁護士会などに配りましたが、好評で、今年300部増刷しました。今後は支援費制度を加えた改訂版を作る予定です」

★裁判での知的障害者への対応や認識はどうだったのでしょうか。
「弁護士になってまもなく、国選弁護人として面会した知的障害者が了解不可能な弁解をするので、おかしいと思って調べると同じような事件を何度も起こしていました。だが、かかわった警察官も検察官も裁判官も弁護士も、本人が自白したから刑務所へ送ればいいと、障害を十分に受け止めていませんでした。本人がまったくわからないままに手続きを進め、本人の弁解をまったく聞こうとしない。それを誰も疑問に思わないことに、腹が立ち、あぜんとした記憶があります。知的障害者の弁護は一番遅れていて、これまでほとんど光が当たっていなかったと言えるでしょう」

★知的障害者がかかわった裁判では、その証言能力が問題になり、裁判での弁護活動は非常に難しいようですね。
「知的障害者のほとんどは自分で被害を訴えられない。だから、法制度として、彼らの言葉を受け止める手段を確立する必要があります。ところが、実際には能力を補うような法的な制度がまったく整備されていません。例えば言葉が不自由な場合、その能力を補う人がいなければ、その人が話す意味を正確にとらえることができません。よく接している近親者や主治医であれば、障害者の訴えを的確に捕らえて説明することができるでしょう。その人たちの役割は外国語の通訳と同じだと思うのだけれども、裁判制度としては認められていません」



 実は、中谷弁護士警察プロジェクトに力を注いでくださっている森弘典弁護士の事務所は自閉症協会愛知県支部(つぼみの会)の事務所のご近所にあります。森弘典弁護士には、2003年度の総会でお話していただきました。
(↑この部分はカイパパの記憶誤りでした。総会に来ていただいたのは、中谷弁護士ではなく、森弁護士でした。お詫び申し上げます。【2004年5月22日追記】)
 つぼみの会父親部の中でも、権利擁護について勉強を始めていこうという声が出始めています。名古屋弁護士会や、生活支援ネットワーク愛知プロテクション&アドボカシー(警察プロジェクト)PA-Kpro.comとリンクして、うねりを作り出せたらいいなと夢想しています。

 難しく考えるより、一歩踏み出してみたら、意外なほど身近に「パートナー」が見つかったりするんですよね、きっと。

【参考】
・名古屋弁護士会
http://www.nagoya-ben.or.jp/

・プロテクション&アドボカシー(警察プロジェクト)公式サイト PA-Kpro.com
http://www.pa-kpro.com/

・K-PROグランプリ(2004年3月28日開催)
 2001年〜2003年の3年間に渡る厚生労働科学研究「地域生活における障害のある人のためのセーフティネット構築およびセルフアドボカシー支援」(主任研究者 白梅学園短期大学 堀江まゆみ教授)の最終報告会「k−proグランプリ」が開催され、父親部から代表世話人ryusanとH.Suzukiさん(啓発担当)の2名が参加しました。
 参加レポートは「パパのちからこぶ」(自閉症協会愛知県支部父親部公式サイト)に近日中に掲載の予定です。おたのしみに。