
【支援費】財源問題:介護保険との統合を検討(厚生労働省)
朝日新聞 2003/12/26記事
「介護保険と障害者支援の統合検討へ 徴収年齢引き下げも」
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(引用始まり)
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厚生労働省が介護保険制度と障害者福祉の統合について検討に入ることが、2
5日わかった。来年1月中旬にも省内に「介護制度改革本部」を設置、協議する。
統合で障害者支援費制度の財政難を解消し、現在40歳以上が負担している介護
保険料の徴収年齢を20〜30歳に引き下げることで財政の安定を図る狙いがあ
るが、国民の負担増につながるほか、障害者団体にも慎重な意見があり、議論を
呼びそうだ。
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(引用終わり)
現在、障害者支援費制度は、一般財源(つまり税)を財源としています。2003
年4月から制度を実際に動かしてみて、厚生労働省の当初の見込みよりも遙かに
ニーズがあることがわかりました。ニーズに対して、財源措置は講じていかなけ
ればならない、そのための1つの方向性として、高齢者介護保険制度との統合を
検討するという動きを報じるものです。
私は、まだ自分自身が不勉強なため、「何が問題なのか?」をこれから調査し
ていく段階ですので、この検討開始については、賛成・反対の意見は保留します。
ただ、厚生労働省が2003年暮れに突如「支援費単価切り下げ案」を提案した際
に「支援費単価を介護保険単価と同一にする」という発想をしていたことに強い
危機感を覚えています。
なぜかというと、もしも、高齢者と障害者、特に動きのある知的障害者(多く
は自閉症者)のサービスの単価(これは時間当たりの単価になります)が同じだ
としたら、比較的マンパワーがかからない高齢者介護を行う事業者は順調に増え
ても、障害者支援に取り組む事業者は増えないのではないか? という疑問・不
安が消せないからです。
保険制度の一部に統合することが、すなわち介護保険(高齢者)と支援費制度
(障害者)の単価も同一にするというわけではありません(私は、そうであって
はいけないと主張します)。
知的障害者支援事業者に対して適正なサービス単価が支払われるように、
方向性を誤らせないよう、注視していきます。
そして、支援費を利用する側の視点から、何が、どのように、必要であり、事
業者として必要なレベルやサービスの質、そして適正な単価について議論・論証
をしていけるように真剣に取り組んでいきたいと考えています。
知的障害者の何より不利なところは、「本人の声」が発することができな
いか、極めてかぼそいため、無視されがちなところです。何よりも「本人の
声」が説得力があって尊重されるので。私たちは親としては、精一杯「本人の代
弁者」として声を上げていきたいです。
私は、障害者支援費制度、特にホームヘルプ(居宅介護)事業が始まったとき
に、「これからはこの子たちが施設入所ではなく、地域で暮らす時代が本当に来
るんだ」と夢を信じました。そのために、カイは小さい今のうちから、親以外の
人のサポートを自然に受けて、人に対する信頼感や自尊心とスキルを身につけな
がら育てていくんだと心に決めています。
もしも、制度の改悪によって、知的障害者の支援費利用が(事業者が参入しな
いため)理念倒れの、画に描いたモチになってしまうのであれば――施設入所か、
家族による支援(=終わりがない……親亡き後が見えない)しか途がなくなって
しまいます。
そんなことにはしないために、今できることに取り組んでいきましょう。知恵
と勇気を出し合えば、私たちだって捨てたもんじゃないです。2004年は、本当に
大切な年です。きっと、将来ふりかえって「あの時が転換点だった」と言われる
年になるでしょう。
危機感を持って、お互い真剣にやっていきましょうね。何よりも、情報共有を
大切にして。
***関連する過去記事は、「カテゴリー別」の「支援費制度」をクリックして
ご参照ください。
★手軽に支援費制度を理解する解説
【支援費】支援費制度をまったく知らない人のための早わかりガイド
カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル 2003/12/16記事
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すみません。だぶってしまいました。
私は現在保育園に勤めているものです。
blogってこんな風に使えるんですね。
日記よりももっと深めることができますね。