■初めてわが子の自閉症の診断を受けたお父さん、お母さんへ(1)

★はじめに

 この文章は、パパのちからこぶHPに既出のものです。ドラマ「光とともに…」第1回を見て、あの頃「自分はこんなことを考えて歯を食いしばっていたなあ」と思い出し、その思いをシェアしたくなりました。
 この文章が、初めてわが子が自閉症かもしれないと思って調べている親御さんの目にとまり、ほんのちょっぴりでも救いになるといいなあと願っています。4回連載(不定期)です。
 自閉症についての解説は、こちらをご覧ください。
・【自閉症】自閉症を知ってほしい
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/25101.html



■初めてわが子の自閉症の診断を受けたお父さん、お母さんへ

 私は4歳の男の子(知的障害を伴う自閉症)の父親です。わが子は2歳4ヶ月のときに、自閉症の診断を受けました。
 そのときの気持ちは、いくら時間が経って努力して事実を受けとめてきたとしても、文章で表現しきれるものではありません。私もまだ小さい子どもをかかえて、日々の悩みや憂いの中にいます。ですから、「アドバイス」めいたものは書けないのですが、私が苦しかったときに(今も)大切にしてきた5つの言葉を紹介します。
(2003年7月16日 カイパパ 記)



★1 「今は喪中だから」

 診断の告知を受けたときに、私たちは混乱し深い悲しみに落ち込み、おぼれてしまいそうになってしまいました。
 その感情は、将来に対する不安と喪失感だったと思います。「しっかりしなくちゃ」と思うのだけど、ふとした瞬間に涙がこぼれてしまい、仕事が手につかないくらいでした。また、妻の落ち込みも激しくとても心配でした。

 そんなときに、妻が言った言葉――「今は喪中だから悲しいだけ」。この言葉の意味は、「今は喪中だから悲しむだけ悲しむ。でも時間が経って喪があければ大丈夫だから」という前向きな意味が込められていると思いました。

「悲しいときはがんばらないでいいよ」と伝えたいです。悲しいときは悲しみにくれたらいいんです。仕事だって、休めばいい。子どもの障害は、それくらい重く大事なことなんですから。
(続く)



【連載】
・1 「今は喪中だから」
・2 「全ては日常になっていく」(日常の復元力)
・3 「診断の前後で、わが子が別人になったわけではない」
・4 「子育てを夫婦だけでかかえこまないで」
・5 「他人の偏見には鈍感に。他人の親切には敏感に」
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