めーぷる講演会
■【講演会】6月27日報告と講演活動ひとくぎり宣言

めーぷる講演会@安城市 2004年6月27日10:00〜12:00

 6月27日に、約70名の参加者の前で、「わが子の自閉症障害の受容から、父親たちが始めたこと〜自閉症でOKの地域を目指して〜」というテーマで1時間半お話をしてきました。
 参加者の構成は、保護者が半分、残りは専門家(保健婦、保育士、教諭など)でした。これだけの人数を、バランスよく集めることができたのも、主催団体であるめーぷるの地元活動のたまものだと思います。自閉症支援の輪が確実に浸透していますね! 素晴らしい機会を与えてくださり感謝しております。
 みなさん真剣に話を聞いてくださり、思いのこもった感想を59人の方が返してくださいました。思いは伝わるものなんだな、としみじみと感じました。

★これで講演活動はひとくぎり!
 実は今回の講演会で、講演活動はひとくぎりつけようと決めていました。

 親の立場で講演活動をされている方は何人かいらっしゃいますが、みなさんお子さんが大きくなって、これまで実践されてきた実体験をシェアされています。
 私のように「こんなふうにしたら、うまくいく――かも? しれない?(うそうそホントほんとウソ)」みたいな段階の話をしている親は他には知りません。

 私の気持ちとしては、自分のような駆け出しの父親でも、わが子の障害がわかってから、自分と同じ立場の仲間を見つけて組織をつくる――という「プロセスとノウハウ」については語ることができると思い、これまで講演を引き受けてきました。
 孤立している父親たちが、メーリングリストやインターネットサイトを活用してつながることができる、こうするとうまくいくかも! という「プロセスとノウハウ」を共有したかったのです。この「プロセスとノウハウの共有」については、自閉症カンファレンスNIPPON2003で発表することで、一応の達成ができたと考えています。

・自閉症カンファレンスNIPPON2003発表報告(カイパパ)
http://homepage2.nifty.com/tubomi-aichi-autism/papa/katsudou/confer2003/confer2003Top.htm

★「これはやっぱり健全じゃない」

「僕がやっていること、うまくいくかどうかわからない」という段階で、みなさんにお話をするのは楽しかったです。「どこにでもいる若い父親が調子のいいことを話している」みたいな感じで受け止めてもらっていた気がします。

 しかし、時間が経ち、講演を重ねていくごとに、話の受け止められ方に変化を感じるようになってきました。父親部が設立され活動も始まり、カイパパ通信も多数の訪問者を迎えるサイトに育ってきた中、「どこにでもいる若い父親」以上のものを求められているような感覚があります。

 当たり前の話ですが、しょせん4歳の子の父親ですから、自信を持ってお話できることには限りがあります。
 寝不足で、日々悩みの中にいる不安定さと、個人的な体験をさらけだすことによる消耗、家庭・仕事とのバランス、行動や主張へのリアクション――
 日曜日の講演会で発達障害をめぐる社会の動きを解説しながら、「おれはオピニオンリーダーにでもなりたいのかい?」とセルフつっこみを入れていました(^^;。――やはりこれは健全なことではありません。

 そろそろ潮時ですネ。

 カイが成長して暮らしが落ち着くまで、講演活動は休止します。これまで私のつたない話を聞きに来てくださったみなさんありがとうございました。また、「講師をお願いしたい」とお声をかけてくださった方々、お引き受けできなくて申し訳ありません。5年後10年後に、私自身、成長してお話ができるようになったらいいなあと思っています☆

【追記】
 講演会終了後、めーぷる代表のH.Suzukiさんが、めーぷるで借りている家庭菜園を見せてくれました。
 ちいさな畑には、テニスボールくらいのスイカや青いトマトが実っていました。子どもたちは、苗植えと収穫の時には全員集合。水やりのできる子は水やりをしたり、土あそびにいそしんだりしているそうです。心に、夏野菜の緑がしみこんできました。H.Suzukiさん、いつもさりげなくはげましてくださり、本当にありがとうございます。