■「愛知県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議」に障害者委員は入れない

★千葉県「障害者差別禁止条例」制定へ
 まず、千葉県に喝采を!

・朝日新聞(2004年7月8日):障害者差別、条例で禁止 千葉県、全国で初
http://www.asahi.com/politics/update/0708/001.html
千葉県の堂本暁子知事は、障害者差別を禁止する全国初の条例を制定する意向を固めた。10月には、「中核地域生活支援センター」を新設し、24時間態勢で相談を受けて権利侵害を救済する態勢を整える。障害者や、その家族も交えて1年間協議したうえで、県議会に条例案を提案する見通しだ。

 私はこの記事「愛知県社会福祉審議会:コロニーのあり方検討開始」で堂本知事の姿勢を疑うような発言をしたことを反省しています。

★「愛知県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議」に障害者委員は入れない
 ひるがえって、地元愛知の動き――愛知県コロニーの見直し検討について、残念なニュース。
・愛知県コロニーの見直しを諮問 県知事会見
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/447294.html
 ↑ここから始まった。

 私は「愛知県社会福祉審議会:コロニーのあり方検討開始」の記事で、研究会議のメンバーに障害者本人がいないことを指摘していました。
 愛知県重度障害者団体連絡協議会が「本人を委員に加えること」を愛知県に対して申し入れを行い、その対応を注目をしていました。7月5日に県からの回答――

・朝日新聞(2004年7月6日)(愛知県):愛知県コロニー検討機関 障害者を委員に入れないと回答(全文)
 県社会福祉審議会(委員長・大沢勝・日本福祉大総長)と「県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議」(座長・堀内守・名大名誉教授)は5日、同調査研究会議の委員に障害者を入れないと、県重度障害者団体連絡協議会(名古屋市、岡崎章会長)に回答した。
・知的障害者の保護者である県知的障害者育成会副会長が委員になっていること、
・同コロニー入所者やその保護者から意見を聴くこと
などを理由に挙げている。
 同会議に障害当事者が1人も入っていないのは「障害者施策は障害者が主体となって自己決定する原則に反する」として、委員に加えるよう県重度障害者団体連絡協議会が求めていた。

【私の意見】
 審議会の回答は、「障害者施策は障害者が主体となって自己決定する原則」に対して答えていません。

(1)親委員、意見聴取+「障害者本人」委員を選任することは可能
 「親」委員がいること、「入所者」と「保護者」の意見を聴取することを行いながら、障害者本人を委員とすることは対立しません。

(2)親の利益=本人の利益ではない
 また、審議会のスタンスには、もっと根源的な問題をはらんでいます。それは、「親」は「本人」ではないということです。時に、親は、「本人」の意思・利益より「親」の利益を優先する抑圧主体となる場合があります。

(3)コロニーのあり方は、愛知県の知的障害者全てに関わる問題
 審議会が、コロニー入所者と保護者の意見聴取を自らの決定の正当性の根拠にしていますが、コロニーのことをコロニー関係者だけで決めていいのでしょうか? 
「愛知県コロニーの見直しを諮問 県知事会見」で紹介したとおり、コロニーの予算は巨額です。愛知県全体の福祉予算の配分も含めて、コロニーのあり方の検討は、県民全員の利益に関わることです。私たちの意見も聴いてほしい。

(4)同調査研究会議は非公開とされてしまった
 さらに、AJU自立の家グループHP(参考サイト)によると、同調査研究会議の審議は非公開とされてしまったそうです。つまり、私たちが傍聴したくてもできない。議論のプロセスを知ることができないということです。
 プライバシーに十分配慮して議論はできるはずです。当事者委員も不在で審議も非公開で、議論と意思決定の正当性はどうやって保障するのでしょう。

 本人不在、県民不在のプロセスでつくられた答申で、愛知県の知的障害者福祉の未来を神田愛知県知事は決められるのでしょうか? 千葉県は条例制定を1年間かけて障害者本人も含めて検討していくそうです。この差をなんとか縮めたいと考えています。

【参考サイト】
・AJU自立の家グループホームページ
http://www.aju-cil.com/index.html

・障害当事者を無視する愛知県社会福祉審議会のあり方について抗議と質問
http://www.aju-cil.com/crisis040627c.html

・『福祉の未必の故意による犯罪』-4.28社会福祉審議会への憤り
http://www.aju-cil.com/crisis040627d.html