【TV】この子と生きる〜ダウン症〜命の記録で紹介した「NHKスペシャル この子と生きる〜ダウン症〜命の記録」を観ました。『たったひとつのたからもの』の秋雪くんのドキュメンタリーだと思って観たのですが、秋雪くんだけではなく、ダウン症を持って生まれ、日々を支えあって懸命に暮らす、たくさんの子どもたちと家族の記録でした。

 番組の終わりに、ダウン症の子どもたちと家族の映像とともに、詩が朗読されます。

「ようこそ、この世界へ」 玉井邦夫(日本ダウン症協会)
『ようこそダウン症の赤ちゃん』より
 お誕生おめでとう。
 初めて見る世界は、まぶしいでしょう。
 今、お母さんのおなかの中から出てくるという大仕事を成し遂げて、安心して眠っているのでしょう。

 あなたには、ダウン症という形容詞が与えられることでしょう。
 あなたには、まだわからないだろう。世の中の人たちはダウン症という言葉に、「知的障害」とか「可愛そうな子」、「不幸な子」という言葉を重ねたりします。
 だから、もしかすると、あなたのお母さんは、今頃声を殺して泣いているかもしれない。
 お父さんは、そんなお母さんにかける言葉も無く立ちすくんでいるかもしれない。
 もしもあなたが、たった今しゃべることが出来たとして、こんなことを言うかもしれません。「やめてくれよ。どうしてぼくが、わたしが生まれるとみんなが泣くのさ?」
 そのとおり。

 でも、私たちは、そんなあなたに心から「ようこそ」と言います。
 私たちは、あなたと同じダウン症の子どもとの出会いを通して、人は必ず誰かに支えられて生きているのだ、ということを学びました。
 あなたと同じダウン症の子どもと暮らす毎日を通して、だれにでもだれかを救う力があるのだということを信じられるようになりました。

 そして、ダウン症の子どもなら生まれてこない方がいいと思っているたくさんの人たちへ。私たちの暮らしがどんなに「ふつうの暮らし」なのかを知ってほしいと強く感じるようになりました。

 あなたのお母さんは、今も泣いていますか? お父さんは今も困り果てていますか?
 私たちは自信をもって言うことができます。あなたがダウン症だと聞いて、涙を流したり、言葉をなくしたりするのは、ただただダウン症のことを知らないからだけなのです。

 あなたの名前はなんと言うのですか?
 何も知らない人たちは、あなたのことを「知的障害児」と呼ぶのでしょうね。ちょっと理解している人は「ダウン症児」と呼ぶでしょう。でもそれはどちらも違います。
 あなたはあなた。あなたは自身の名前を持った、ただ1人のかけがえのない人――
 そのことを知っている人たちは、あなたのことを名前で呼びます。

 今、私たちは心から呼びかけます。
 これから何人もの人たちに勇気を授けてくれることになるあなたに。
 お誕生おめでとう! ようこそこの世界へ!


 同じ気持ちです――それ以外、何もつけくわえる言葉はありません。

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ようこそダウン症の赤ちゃん