地下鉄電光掲示板

★【ヒント】外出時:心の支えをもつ

 自閉症スペクトラムの子どもたちにとって、環境の変化は大きなストレスです。

 外出や旅行などいつもの生活パターンと違うため、混乱して、奇声や多動が起きた
り、迷子になったりと心配ごとがつきません。
 親は「どうやって乗り切るか」と頭を悩ませる場面です。「いっそ出かけるのをや
めようか」とあきらめてしまうことも珍しくありません。想像するだけで疲労しきっ
た気持ちになりますから。
 それでも、帰省など、どうしても必要な場合もあります。子どもの生活範囲やおで
かけスキルを広げていくためにも、外出は大切なチャレンジです。

 慣れない環境、新しいチャレンジをする際には、いつも慣れ親しんでいるものが
「心の支え」になります。

★地下鉄の電光掲示板
 カイの場合、たとえば、地下鉄では、各車両についている電光掲示板が心の支えで
す。掲示板をじっと見つめて、「←」マークが出ると隠れたりして楽しんでいます。
電光掲示板がよく見える席を自分で選んで座ります。
 逆に、ある地下鉄路線で、電光掲示板がついていない電車に乗ってしまって、
カイは非常に落ち着かなくなってしまったことがありました。彼にしてみれば、
地下鉄なのに掲示板がないことが納得のいくことではなかったのでしょう。

★新幹線の長旅〜食いしん坊バンザイ?
 新幹線に乗るような長旅の場合には、まずは「飲み食い」ですね。このときばかり
は、普段以上に食べさせてあげることで満足してもらいます。それから、カイが好き
な「シール貼り」を存分にやってもらいます。
 好きな絵本も持って行くのですが、「この絵本は家の部屋で見るものだ」といった
決め事が彼の中にあるようで、絶対に見ようとしなかったりと新しい発見がありま
す。

★ダダ君の旅行
 ダダ君のエピソードで、ダダ母さんが新幹線の席を立つときに、一人で待てるよう
にリボンを座席に張って「ここから出ません」と決めてうまくいった話が出てきま
す。その中で、「このリボンがダダにとって、自分が出て行かないということより
も、他人がここから入ってこないという心のよりどころになっていたようだ」と書い
てあって、この子たちの心細さが少しわかるような気がしました。

★「心の支え」を作る工夫
 お子さんの中にはノートに文字を書いたりお絵かきをしたりして時間をすごした
り、通過した駅を斜線で消していくことでゴールに近づいていることを確認したり
と、それぞれにあった「心の支え」を作る工夫をしているようです。不安を少しでも
打ち消し、外出が楽しい時間になるような工夫を考えていきたいですね。

 よかったら、みなさんの知っている「心の支え」のヒントを教えてくださいね。

写真:地下鉄の電光掲示板←お世話になっております