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■【虐待】家庭事件に見られる児童虐待とその特徴
 家庭裁判所調査官研修所の虐待に関する分析が掲載されています。
「家庭事件に見られる児童虐待とその特徴」最高裁判所HP

「虐待を認めない心理」と「虐待の悪循環」の二つの観点から分析しています。

「3 虐待への適切な対応の在り方」のまとめを引用してコメントします。

 虐待は,家庭という閉じられた空間で発生し,次第に深刻化するため,児童
福祉機関が介入する端緒を発見しにくいことが特徴として挙げられます。それだけ
に,虐待を早期に発見し,適切な初期対応をとることが,虐待の深刻化に歯止めをか
けることにつながると考えられます。

 児童相談所に勤める友人の話――
「児童虐待事件の報道で、住んでいる家の映像が出る。既視感を覚えるくらい他
の事件とよく似ている。市営や県営の集合住宅で近所づきあいは薄い」
 孤立してしまう危険な状況には共通点があるのかもしれません。

 地域全体で子どもを育てるという意識を持ち,地域において見過ごせないよう
な状況に気付いたときには,子どもの福祉にかかわっている身近で最も連絡しや
すい機関,例えば,児童相談所,地域の民生・児童委員,市町村役場の福祉相談
窓口,保健所,警察,虐待が疑われる子どもが通っている保育所や幼稚園・学校
などに速やかに連絡することが大切です。

 「○○さんの子ども」ではなくて「みんなの子ども」という意識を持てば、勇
気がでますよね。そして、通報を受ける機関の、通報した人の気持ちを損なうこ
とのない受け止め方が求められます。

 そして,ここで紹介した虐待の深刻化のメカニズムを理解する視点等を踏まえ
て,時機を誤らずに子どもを保護できるように,日常から,児童福祉機関のほか,
保健所,保育所,学校等の子どもを取り巻く各機関が相互に連携を図ることも大
切であると考えられます。

 日常から関係機関の連携は、自閉症などの発達障害をかかえる子どもにも不可
欠なことです。現状は、それぞれの機関からの引き継ぎも全く不十分であり、生
涯にわたって子どもの成育歴をフォローし続ける機関は存在しません。
 2002年から各地に設立されはじめた自閉症・発達障害支援センターがその
役割を担うことが期待されています。これからに期待したい。

【参考ホームページ】
愛知県自閉症・発達障害支援センター