2006年03月09日

「明石洋子さんの本の完結をお祝いする会」でお話したこと

■「明石洋子さんの本の完結をお祝いする会」でお話したこと

 時間があいてしまいましたが、2005年12月11日開催の「明石洋子さんの本の完結をお祝いする会」で、私がしたお祝いのスピーチを紹介します。
(過去記事:今週末の予定:明石洋子さんウィークエンド

★自己紹介

 カイパパと申します。6歳になる自閉症の男の子カイの父親です。カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルというインターネットのホームページを2年前からやっていまして、「カイパパ」というのは、インターネットで使うペンネームのようなものです。

 9月にぶどう社から『ぼくらの発達障害者支援法』という本を出しました。カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルで取り組んできた「発達障害者支援法の成立を応援するアクション」と「法律のわかりやすい解説」と「これから法律を私たちのものにしていくための具体的な提案」を盛り込みました。そこ(舞台前の机)に何冊か置いてありますので、よろしければご覧ください。

★明石さんとの出会いと交流

 これまで明石さんとお会いした回数を数えてみました。初対面は、2002年の自閉症カンファレンスです。その後、つぼみの会父親部キックオフ会に特別ゲストとして来ていただいたりして、先週までで「4回」お会いしていていました。「意外と少ない」と思いました。
 ところが今週だけで、火曜日 土曜日、そして今日と3回お会いして、私の「明石ポイント」は一気に3つもアップしました。

★明石さんの前に道はない

 火曜日の名古屋市人権週間記念シンポジウム「発達障害について考える」で、香川大学の坂井聡さんがコーディネーターとして明石さんに質問をしました。
「明石さんが、これまでモデルにしてきた目標とする地域とかはありますか?」
 このときの明石さんの反応がとても印象的でした。質問に意表をつかれたみたいにびっくりした顔をして、一生懸命記憶の糸をたぐるように考えた末に、
「色々な実践や町を見てきましたが、〈モデル〉というのはありません」とお答えになりました。

 私は徹之さんとほぼ同じ年齢です。だから、明石さんたちがどんな時代を生きて来たかわかる。明石さんの本に登場する写真には、とても懐かしい既視感がある。あの時代に、「自閉症の支援」なんて、そもそもの原因からして色々なことが言われていてわからなかったわけです。「ありのままの子育て」は、何か「お手本」があって、その真似をしていけばよいというものではなかった。明石さんの「モデルはなかった」という答えは正直なところところなのでしょう。

 つまり、明石さんの前に道はない。明石さんの後に道が出来るなんですね。(笑)

 今さらこの会場にいらっしゃるみなさんには繰り返すまでもなく、私たち若い世代の親にとって明石さんは目標であり道標です。

★ご恩送り

 私は、昨日の川崎市でのシンポジウムには出席する予定はなかったのですが、火曜日の名古屋の会の後にお話をした時の明石さんは、いつもと違って、あわてて困っている様子でした。講演での朗らかで堂々としていて、若い親たちに優しく真摯に応える自信に満ちた姿ではなかった。
 聞くと、川崎市のシンポジウムへの出席の集まりが悪くて主催者として成功を危ぶんでいるということでした。

 それを聞いて、自分もいかなくちゃ、と思いました。明石さんが、発達障害者支援法のシンポジウムをやる。福島豊さんも来る。私は『ぼくらの発達障害者支援法』の著者だ。

 私は「ご恩送り」という言葉が好きです。「恩返し」はなかなかできない。恩を受けた人に直接恩を返すことは、実は難しい。例えば親 親孝行をしたって返し切れるものじゃない。だから、自分が子育てするときに「恩を送っていく」んですよね。

 私は明石さんから沢山のエネルギーと希望をもらってきた。この恩を「ご恩送り」するつもりでカイパパ通信で毎日発信している。

 今回明石さんは、私の本を参考にして川崎でも様々な立場の人を巻きこんで発達障害者支援法の実践をつくりあげると言っている。
 自分の本が明石さんの役に立つなんて思っていなかった。こんなうれしいことはない。川崎にいくことは、なかなかできない「ご恩返し」になるのかなあと思った。

★川崎市でのシンポジウムの感動〜次回作のプラン

 シンポジウムその場で感じたこと。講演会でみる明石さんではなかった。自分の、地元で、明石さんはこれからまた「道なき道」を切り開いていこうとチャレンジしている。それが伝わってきました。私も一緒にがんばっていきたい。

 今回の会は明石さんの3部作の「完結を祝う会」なのですが、先程からみなさんから「まだ終わりじゃない。次回作を楽しみにしています」というお話が出ていますが、次回作はカイパパと共著で 「ぼくらの、わたしたちの発達障害者支援法」という本を出すということで。(笑)

 これからもますますのご活躍を期待しております。今後ともますますよろしくお願いします。

 本日はおめでとうございました。


【関連記事】
・「ご恩送り」について書いた記事/2005年12月15日
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/50308404.html

・【報告】「明石洋子さんウィークエンド」に行ってきました!(1)/2005年12月12日
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/50301864.html

・今週末の予定:明石洋子さんウィークエンド/2005年12月08日
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/50293238.html

・名古屋市人権週間記念講演会に行ってきました/2005年12月07日
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/50290934.html

・「明石通信」で紹介されました!/2006年01月25日
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/50390385.html

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この記事へのコメント
東京中野の児童館職員です。川崎のシンポジウムでカイパパさんのお話を伺い、「ぼくらの発達障害者支援法」の中の「耳をすませば」で、多くの方々の切実な思いを実感しました。2月下旬私の勤務する児童館に明石さんが講演に来てくださり、新聞、テレビ、著書でしか触れることのできなかったご本人を目の前に、涙する方々もいました。わが子の将来に希望をもてるようになったお母さんも何人もいました。多くの人がもっと関心をもち、思いやりがもてる地域であるよう頑張ります。カイパパさんが東京近辺にお住まいでしたら、すぐにでも来ていただきたいのですが・・・お父さんたちにもっとパワーをあげたい!
Posted by NUNG at 2006年03月09日 21:55