2006年10月24日

Yes

■Yes

今度の日曜日に、学齢期前の、まだ我が子の障害がわかって間もないお父さんたちを相手にお話をします。
スライドも準備して話す内容も考えてあるのだけど、何か違うような気がして、考え続けています。

4年前の自分だったら、どんな思いで会場に来て、どんな気持ちで話を聞くだろう?
「その時の自分」に立ち戻って、情景を想像してみると、きっと何が話されたか、その内容より、誰が話したかの方がずっと重い気がする。
「がんばってる/がんばってきた父親の典型」みたいにエラソーに話す「ナニパパだかなんだか」の言葉は、あの頃の自分に響くだろうか?

3年前のカイパパが話したらよかったかも。
まだ先の見えないアガキとしての、チャレンジ、がんばっていた頃の話なら、我が身に即してイメージができるし、リアリティを伴って受け入れられただろう。

これまで必死でがんばってきたことは私の誇り。あれだけやってこんなもんか、とも思うけれど、達成できたと思うことは少しはある。

でも、そんな苦労話がお父さんたちの聞きたいことだろうか?
当時こんがらがっていた自分は、何を知りたかったかな? 

思い起こしてみる。

自分は「明るい未来」の話が知りたかったな。
具体的に我が子がどう成長していくのか知りたかった。
周囲が、社会がどう受け入れてくれるのか、この子に居場所があるんだろうか? それが知りたかった。
希望という「ウソ」の絵空事じゃなく、専門家のする他人事の話じゃなく。

私は、明石洋子さんのお話を聞いたときが、一番衝撃的にうれしかった。

カイパパには明石さんのような「実現した将来」の体験を話すことはできない。子どもの年齢は、お話する方たちと3歳と違わない。

ジョン・レノンが、ヨーコと出会ったのは、ヨーコの展覧会を見に行ったときだ。会場にハシゴがあって、のぼれるようになっている。ジョンがのぼって、天井を見ると、そこには、

Yes

とだけ書いてあった。

その頃のジョンは、精神的に危機的状況にあってボロボロだった。「そこに書いてあったのが、Yesで良かった。Noだったら、自分はダメになっていた」とジョンは言っている。

自分の子に障害があるとわかることは、強烈な「×=否定」をくらったような気持ちだ。
何をしてても心が落ち着かず、希望はどこにもない気がしていた。

あの頃自分が渇望していたのは、Yesという肯定だった。

そうだった。

伝えるべきことが見えてきた気がする。

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どこともつかないところに彷徨いいでて、しばし波間か雲間を漂うかのような心地を感じてまいりましたけれど… 一転、地上に舞い降りて…目の前の、課題について考えてみましょう。 ということで、今日は、お知らせしたきことなど、お話させていただきます。 ひとつめは...
地に足をつけて・・・【Little Tree】at 2006年10月29日 08:05
この記事へのコメント
こんにちは。
お役に立てるか分かりませんが

私の所属する軽度発達障害の親の会で、
小学校1〜2年の保護者と、未就学児の
保護者の懇親会がありました。
お子さんを成人に育て上げた方の意見も
参考になりますが、これからお子さんを
学校に入れる親御さんとしては
最近の学校事情に詳しい
カイパパさん位の親御さんのアドバイスや
経験談が一番聞きたいそうで、また
とても参考になったそうです。

今、目の前にある不安を軽くするお手伝いは
私達1年生の親でもできると思います。



Posted by deer at 2006年10月24日 11:04
こんばんは。
私がカイパパさんのブログをお訪ねするようになったのは、夫の気持ち、父親としての気持ちが知りたかったからでした。

診断を受けてから夫は長い期間、混乱の中にいました。夫婦で乗り越えれば良かったのですが、私達はお互いを気遣う余裕すらなかった。それでも母親は日々子供と向き合い、次々おこる問題行動に対応しながら療育を進めていかなければなりません。おかげで早い時期に現実と向かい合い、冷静さを取り戻しましたが、夫は自問自答の繰り返しで煮詰まるばかりでした。

夫は言います。「子供を通して自分自身を否定された思いがした。妻の前向きな明るさも疎ましかった。皆と違っていい、違う生き方が確かに存在して、それでいいんだ。まず自分自身の今日までの、そして明日からの生き方を認めて欲しかった」と。
Posted by ほし at 2006年10月24日 21:04
今晩は。私事ですが・・・。

子どもが発達障がいとわかって3年ほど経ちますが
未だに、障がいを受け入れることは出来ません。

でも、ある、お母さんが言われた言葉。
「障がいを受け入れなくても 先には進めるよ。」
と言ってくださったのです。

正直、すごくほっとしました。

今は、子どもがどんなことにつまずいているのか?
悩んでいることがあったら、
親の私でよかったら力になるよ。という気持ちで
頑張っています。

やっと思えるようになった。

「 私流の子育ての仕方 」

さらに、上達できれば・・・。と思っています。

Posted by スマイル71 at 2006年10月24日 23:41
先日、相談支援ができる人材育成のためのセミナーで、私は「子どもの障害を受容することなど、一生できません。それは当たり前の事です」とお話ししました。
こうくんに障害があることを辛いとも悲しいとも今現在は感じていないし、自閉症が治らないことも重々承知しています。
それでも、障害がなかったら・・と思うのが親でしょう。
そんなの当たり前じゃん。
矛盾してたって何だって、そう思うんだからそれでいいのよ。
Posted by こうまま at 2006年10月25日 01:01
「子どもの障害をどう受容するか―家族支援と援助者の役割」中田洋二郎著、大月書店
保育所や施設の職員向けに書かれた本ですが、とても心に響きました。1晩でさらっと読めます。
きっと参考になると思います。もしご存じだったらごめんなさい。
Posted by めぐちゃん at 2006年10月25日 02:25
>deerさん


今、目の前にある不安を軽くするお手伝いは
私達1年生の親でもできると思います。


そう! そうですね! 日曜日は、できるだけ双方向でお話を「しあいたい」と思っています。男たちは中々心を開くまでに時間がかかるので、工夫が要るなあと考えつつ(^^)

>ほしさん

いつもコメントありがとうございます。
毎回読むたびに、「聡明な方だなあ」と感心していました。


私がカイパパさんのブログをお訪ねするようになったのは、夫の気持ち、父親としての気持ちが知りたかったからでした。


うっ…。そうなんですか?
自分が、「父親の気持ちの典型」だとは思えませんが、「一例(ある意味極端な)」と見ていただけているならよいのかな。

でも、ほしさんの伴侶の気持ち、うまくいえないけれど、切なく、共鳴しました。
Posted by カイパパ at 2006年10月26日 20:59
>スマイル71さん

はじめまして。カイパパです。


でも、ある、お母さんが言われた言葉。
「障がいを受け入れなくても 先には進めるよ。」


ああ! そうだった。そのとおりですよね。

私の場合は、受容なんて全くできていない初期も初期(風が吹けば涙がこぼれるような時期)に、「ここで、つぶれてしまわないように、これまでの人生があったんだ!」と(なぜか)歯を食いしばって、外に飛び出してました。

どうかしてたと思います。が、それが私なりの「先に進む」やり方だった気がします。

スマイル71さんが教えてくださったこの言葉、大事にします。ありがとうございます。
Posted by カイパパ at 2006年10月26日 21:06
>こうままさん

コメントありがとう。あったかいね。


それでも、障害がなかったら・・と思うのが親でしょう。
そんなの当たり前じゃん。
矛盾してたって何だって、そう思うんだからそれでいいのよ。


そうだよね。

昔、時々私が「もしもカイくんが自閉症じゃなかったら」という話を妻にした時に、いつも彼女は「自閉症じゃないカイくんは想像できない」と言いました。

そうなんだよね。

僕らが「受容」しているのは、「障害」ではなくて、「カイくん」なんだよね。
Posted by カイパパ at 2006年10月26日 21:06
>めぐちゃんさん

「子どもの障害をどう受容するか―家族支援と援助者の役割」中田洋二郎著の紹介ありがとうございます!

本の存在は知っていました。が、タイトルから、「ちょっとどうかな?」と思って引いていました。
良い本なんですね(^^)

読んでみます。ありがとうございます。
Posted by カイパパ at 2006年10月26日 21:08
カイパパさんのおひとりおひとりへの
心からのコメント・・・本当にあたたかい♪

そんなお心遣い きっと セミナーにいらした
お父様方に伝わると思います!
そして、何よりも経験者の言葉は心に響きますから・・・

みんな
「誰かに聞いて欲しい」し、「わかって欲しい」し
「わかりたい」と思っていると私は思うので

だから・・・いつもカイパパさんのブログ楽しみに
してるんですよカイ君の成長とともに☆
Posted by すぎかば at 2006年10月27日 00:34
初めまして♪
いつも楽しく拝見しております

息子は今、11歳です
夫の場合を想い出しました
夫は障害がわかった時、
仕事以外で長年活動している
「バンドを辞める」といいました

受容、そのプロセスときは
悩んだり苦しんだりしていい
そんな自分を許していいんだと・・・想います


そして、きっと子供から教えてもらえると想います「お父さんも、お母さんも楽に生きていいんだよ」と
必ず新しい価値観を取り込んで
暮らしを再構築し、自分らしさを取り戻す時が来ます

で、今も夫はバンドを続けています!
(この間、名古屋のブルーノートに縁あって出演)

絵本作家ターシャさんの言葉
『幸せは心の持ち方にあるのだから』
とても大好きな言葉です
Posted by ★ちゃん at 2006年10月27日 09:37
唐突にも、メールをお送りし、失礼致します。小社は『現代のエスプリ』という月刊誌を、発行しています出版社です。小誌の特集として「スペクトラムとしての軽度発達障害」号(編集 香川大学医学部  石川 元先生)を企画しております。
つきましては、その中の執筆者の吉川佳余先生(茅ヶ崎市青少年教育相談室)のご論文「インターネットにおける軽度発達障害」の中に、貴サイト「カイパパ通信」のアドレスを 掲載させて頂きたくお願い申し上げます。
お手数をお掛けしますが、この掲載のお願いにつき、不都合な場合にはご返事を頂きたく、お願い申し上げます。
至文堂 『現代のエスプリ』編集部 梅田光恵 
電話03−3268−2201
Posted by 『現代のエスプリ』編集部 at 2006年10月27日 20:08
>すぎかばさん

ずーっと、コメントに対してコメントが返せずにいました。

でも、記事をエントリするたびに、コメントがつくと本当に本当にうれしくて、何回も噛み締めて読んでいるんですよ。コメントが一つもつかなかったときは、「書くんじゃなかった」なんて、はかなんでみたりして(^^;

もともと、カイパパ通信は、勇気と知恵を与え合う!がコンセプトです。愛読者のみなさまから、私はいつも勇気と知恵をいただいています。

私はといえば、週1回の記事エントリが、精一杯だったりしますが、また最近意識が変わってきて、もうちょっと、双方向に踏み出してみようカナ?なんて思っています(*^^*)
Posted by カイパパ at 2006年10月27日 20:36
>★ちゃんさん


夫は障害がわかった時、
仕事以外で長年活動している
「バンドを辞める」といいました


あーーーっ、すごくわかります。
私は、「福祉関係の仕事に変わる」ことを思いました。

でも、そのことを妻に話すと「あなたは向いてない」と言われました。「自分が楽しいと思う仕事、イキイキと輝けることをやっていてほしいよ」「カイがいるから、というふうに生きて欲しくない」彼女はいつもそう言います。

子どものことが転機となって、「自分の天職」を見つける人もいて、人によってみんな違うと思うのですが、


「お父さんも、お母さんも楽に生きていいんだよ」と


このことは、「ぼくがいるから、ということを、言い訳にしないで」というメッセージでもあるような期がします。

時間がかかっても、子どもも、私たちも……
という生活にたどりつきたいです。ほんとに。
Posted by カイパパ at 2006年10月27日 20:41
>『現代のエスプリ』編集部 梅田光恵様

URL紹介の件、光栄です。どうぞお使いください。

エスプリさんは、これまでも、アスペルガーのこと等も真面目なスタンスで取り上げてくださっているので、こんどの特集号も、とても楽しみにしています(^^)

ご丁寧にご連絡ありがとうございました。
Posted by カイパパ at 2006年10月27日 20:44
ご無沙汰してました!!

お元気にご活躍のご様子、ほんとうに素晴らしい限りです!!

私のブログでカイパパさんのことをご紹介しましたので
よかったら、TBさせてください。

こちらも身近なフィールドで
ポチポチですけど、やっています!!

どうぞヨロシク願いいたします!!
Posted by 風待人(TOMOはは) at 2006年10月28日 01:45
「あなたは、わが子の障害を受容できていますか?」って聞かれたら、うまく返事ができないような気がします。何だか受容って言葉が、わが子の障害を受け入れることを表現するにはあまりにも言葉足らずというか、うまくヒットしないというか、そんな感じです。
考えてみれば、自分をことを自分自身がすべて受け入れているかというと、そんなことはないんですよね。でも最近やっと、ありのままの自分を受け入れられるようになりました。父親であり、主夫であり、世間ずれしたへんなおやじであることを。
わが子も障害児である前に、わが子ですから、そういう受け止め方なのかなあって思ったりしています。(*^_^*)

Posted by ふみちち at 2006年10月28日 01:47
今日は、はじめまして37歳のアスペルガーの息子の母です。
>あなたは、わが子の障害を受容できていますか?」

自分では受容していると思いますが、時に言葉に惑わされて障害を受け入れずに
お互いに傷つけあうような喧嘩をしてしまいます。
ありのままの息子を受け入れる努力を
続ける至らない母です。
よろしくお願い致します。
Posted by マハル at 2006年10月29日 13:00
今でも僕は未来のことが知りたいと思ってます。
未来っていうか、将来の可能性かな?

専門家の先生の講演会や勉強会に参加していますが、原因や脳の機能などの話が多く、問題行動について対応策をたずねても原因論に終始したり・・・

いい勉強にはなるのですが、しゅううんの可能性を実感したかったり、元気になりたかったりしたいときには、子育て経験者の話を聞きに行くことにしています。

カイパパさんは、そのお父さんたちに「Yes」といってあげられるのではないでしょうか・・・。
Posted by しゅううんパパ at 2006年10月31日 12:09