2006年11月27日

広島での事件

■広島での事件

・母親が5歳と3歳の息子を殺害 - 社会ニュース : nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20061106-113630.html
母親が5歳と3歳の息子を殺害
 6日午後5時40分ごろ、広島県警府中署に女が「子どもを殺した」と自首してきた。同署が女が乗ってきた車を調べたところ、車内から5歳と3歳の息子2人の遺体が見つかった。
 同署は殺人の疑いで、同県F市、無職I容疑者(34)を逮捕。遺体を司法解剖して死因を調べる。
 調べでは、I容疑者は6日、福山市内の山中に止めた車内で長男(5)と二男(3)の首を手で絞めて殺害した疑い。
 同署によると、息子2人はともに自閉症で、I容疑者は「育児に悩んでいた」と供述。家族は「ノイローゼ気味になっていた」と話しているという。先月27日には泉容疑者が二男を連れて一時行方が分からなくなり、家族が同署に「自殺するかもしれない」と捜索願を出した。[2006年11月6日22時47分]

 これは以前起きた事件の再報道では?と既視感を覚えてしまう事件。
 いや違う。同じ境遇で、新たに消されてしまった別の命。また起きてしまった。

 TPblogへの光彦の母さんのコメントでこの事件を知りました。愛知県では報道されたのかわかりません。

 いじめ自殺が頻発している今、世間は「犯人探し」と対策の議論を熱心に交わしている。

 一方で、自閉症の子どもが犠牲になった事件は、語られることなく、ひっそり葬り去られていく。
 繰り返し、繰り返し起きていることなのに。
「お気の毒に」のひとことだけで、原因や対策や責任を追究されることもなく、流されていってしまう。

 その心の底には、

(障害児の家庭の事情があるのでしょう)
(仕方のないことだ)

 という特別視があるのかな?

 私が我が子の障害を知ってから5年。当時に比べたら、ずいぶんと支援の充実が進んだと思っている。障害者支援費制度(現在は障害者自立支援法)が画期だった。
 しかし、制度があっても、存在や使い方を知らされていない、近くにサービス事業者がいない、市町村が厳しい支給制限をかけていたり、あるいは家族の反対や心理的抵抗があって利用できないと実際に利用できなければ、つらさは変わらない。

 ある市では、「就学前の介護給付を無し」としている。理由は、「幼児を親が見るのは、健常の子でも同じだから」ということだ。しかし、事件発生の年齢を調べてほしい。幼児の頃と、親の死期近くの両極に偏っているはずだ。

 自閉症の子の幼児期は、多動、睡眠障害、異食、パニックが激しく出るもっとも厳しい時期なのだ。

 天災や、避けられない事故で亡くなったのではない。
 これまでも繰り返されてきて、一歩手前で踏みとどまった人たちも数知れずいる。「子殺しは、防止できる」前提に立って、サポートを真剣に考えるべきだ。

 こういった事件を知るたびに、気がふさぐ。なんだか、自分も「ひっぱりこまれそうな感覚」があるからだ。これが自分だったかも、、、という思いは消せない、だから、私たちは、同様の立場の親たちは、息をひそめ、事件を話題にすることも避けるのかもしれない……


 私が、この詩「スカイダイビングの悲劇」を書いた時、ひどく落ち込んでいた。でも、ブログにエントリして、みなさんがコメントすることで、この詩のメッセージが変容した。

自動で開くパラシュート
大きな大きなネット

 いいよね、こういうのをみんなで創れたら。

 うっかり死なないように、指切りげんまん!

 ブログから、こんなこと言うくらいしか、できないけれど、みんな一緒に、もう少し先を見にいこう。


【参考】
・中国新聞 社説福山の2児殺害 発達障害 追い詰めるな
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200611090212.html
 福山市で三十四歳の母親が長男(5)と二男(3)を殺害した。発達障害の二男の子育てに悩んだのが動機とみられる。「私だってこの子を殺して死のうと何度思ったことか。みんなも同じ」と広島県東部子どもの療育を守る親の会のメンバーは言う。障害の子を持つ親が追い詰められない社会はどうしたらつくれるのか。(全文を読む

 この問いの立て方は正しい。非常に思いのこもった社説です。ぜひお読みください。

 私が、この社説に加えるとしたら、命を奪われた子どもたちに「詫びる気持ち」です。自閉症を、殺される理由にしてはならない。

・A Fledgling Child Psychiatrist:福山の2児殺害 続報
http://homepage3.nifty.com/afcp/B408387254/C174902512/E20061109234030/index.html
 わが戦友AFCPさんのブログ。語りにくい出来事にも、いつも逃げずに語ってくれています。


Posted by kaipapa2shin at 06:15 │Comments(8)TrackBack(3)虐待 

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カイパパ通信さんの ■広島の事件 を読みました。 障害をもつお子さんがいるお母さんが悩み苦しんだ結果、心中を図ったり、お子さんの命を奪うことが、時々起きてしまいます。 脳性マヒという障害をもつ横塚さんというかたが「母よ! 殺すな」(すずさわ書店・1975年)と叫ん....
■ストローおばちゃん【ひなっぺた通信】at 2006年11月28日 00:48
先月初め、広島県福山市で、母親が2人の子どもを殺めるという事件がありました。この事件のことが、最近、いくつかの発達障害関連ブログで取り上げられています。(うちのリンク先では、satosho先生のブログとカイパパさんのブログが事件を詳しく紹介し、コメントしておられ...
「共感」と「肯定」と「時間」【Haenschen Klein〜小さなハンス】at 2006年12月01日 13:22
カイパパさんblog 自閉症スペクタクル 広島での事件
他人事では片付けてはイケない気がする…【凛のココロ☆ 凜のHP⇒http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=kasei_no_mainas】at 2007年01月04日 03:25
この記事へのコメント
福山もそうでしたが、先日札幌でもありまして、7歳の知的障害の息子の将来を悲観して殺害というものです。

親が子供に手をかける。虐待でないとしたら、この母親にはよほどのことがあったに違いないのです。母親だけを責めるのは事態を好転させることにはなりません。

しかも、知的障害に言及していたのは北海道新聞を含め地元のテレビニュースでは報道があったのですが、大手全国紙はこの事実を伝えていないことに非常に悲しさを覚えるのです。

障害児を抱えたからどうこうしていいということにならないのは当然ですが、その事実関係が語られなければただこの母親は責められて終わるわけです。

どこにぶつけていいのかわからないだけに、辛く、悲しいです。
Posted by 牛乳たか at 2006年11月27日 10:13
我が家にも2人の知的障害を伴う自閉症児がいます。子供たちが3,5歳の頃、私、どうしてたかなあと今振り返っても、「記憶が抜け落ちてる感じ」で、よく思い出せません。子どもが健常者なら、一番可愛い時期なんでしょうけど。写真もあまり撮ってなくて。ただ早く一日が終わってくれることばっかり考えていた。
今は本当にいろいろな支援グッズや支援の方法も紹介されていて、制度も使うことができます。まず親がそういったことを知ることができるように、ためらうことなく使うことができるように、「最悪の選択」をしなくてすむようになっていって欲しいです
Posted by こもも at 2006年11月27日 11:43
このニュースは当日の夜、愛知でも夜9時前にやる
数分のニュースで報道されていました。
あたしが見たときはこどもが自閉症で数日前に
家出をしてご主人が捜索願を出して見つかって
帰ってきて数日後の出来事だったそうです。
制度等も以前に比べればよくはなってきてると
思いますが...幼児を親が見るのは、健常の子でも同じだからと言うのは今住んでいるO市で何人もの友達が言われています。地域によってもすごく進んでいる所と差がありすぎるかなと最近感じます。
あたしもある時期本当に辛くて
相談する場所もなく孤独感でいっぱいでした。
社説の文章内にある
>「ああこれが好きなのね」と渡してくれた。母親>は泣くほどうれしかったという。
こういう対応をする人はそうそういないかと
思うけれど、これによって救われるお母さんもいたから...周りに一人でも二人でも支えになれる人が
いたらと思います。
Posted by かあこ at 2006年11月27日 18:09
この記事。
広島のことではなく、
今、自分の住んでいる町で。
自分と関わりのある人が。
と思いなおして読みました。

うちの地域では絶対に起こらない
とは、絶対に言い切れないはず。

まだきこえていない声が
あるはずなんだと
思いながら仕事をしよう。

そう思えました。
Posted by JT at 2006年11月28日 02:38
自閉症ではなかったけれど、2人のハンディを持った子どもと心中してしまった友へ。当時、自閉症がわかったばかりで、自分のことに必死で、ちゃんと話も聞いてあげなくて、本当にゴメンネ。
そして今、苦しみの渦中の友へ。飲み会ぐらいしか出来てないけど、はけ口になれているかな。どうやったらもう少し楽になるのかな。
つないだ手がもっと増えて、丈夫なネットにできるといいのにね。

カイパパさんへ。なぜか、ここではどうしても吐露したくなってしまいました。ありがとう。
カイパパさんやつぼみパパ達が、支えあって精力的に社会貢献している姿に、勇気をもらっています。

Posted by しゅしゅ at 2006年11月28日 05:57
ヤフーの方でブログをさせていただいてます。
友人から、この記事を紹介してもらい、読ませていただきました。私も自ブログで、虐待等に関しての記事をアップしており、是非、この記事を紹介させていただきたいのですが、よろしいでしょうか?

私自身が、親に虐待されて育ちました。
只今、5人の子を育てながら、まともな子育てとは何か?、子どもを可愛がるという事はどういう事か?全て手探り中です。
親と同じ過ちを繰り返さないために・・・
Posted by こみち at 2006年11月29日 00:30
半年ほど前位、仙台では高齢の母親が知的障害の娘を殺してしまったというニュースが報道されました。

このようなニュースはいつも他人事とはとても思えずにいました。自分も子供もみんなに否定されどこにも行き場所がなくなり・・・何度同じ事を考えたでしょうか。そんな時にカイパパさんのブログに出会い、同じ悩みを持った仲間がいること、手をつないでもらえることにどんなに救われたことか。

教えてあげたかった、お母さんが1人でないことを。死ななくていいことを。私たちの子供達は「世界にたったひとつのだけの花」であることを。
髪の毛や肌の色や言語がいろいろあるように、みんながちょっとずつ違っていることが普通である社会になって欲しい・・・
Posted by すぎかば at 2006年11月29日 00:57
滋賀で又・・・
二人の障害のあるお子さんと父親が。
自立支援法施行後の負担増が影響・・という記事を読んで、事務所で不覚にもボロボロ泣いてしまい。
どうしてこんなことが起こってしまうのか。
Posted by こうまま at 2006年12月08日 00:01