つぼみパパロゴ■2月18日自閉症支援セミナー:シンポジストのご紹介

 セミナー第2部は、保護者の方、雇用されている企業の方にシンポジストとして加わっていただき、講師の宮崎さんとともに、シンポジウム形式で進めていきます。
 今日はシンポジストのお二人をご紹介します。

★シンポジスト:田所廣子さん(保護者)

 田所さんの息子さんは、2歳のとき自閉傾向の診断を受け、高校卒業後、一般企業に就労され、以来13年間勤務を続けられています。

 田所さんからは、子育ての際の工夫や、就労を続けていくためのご苦労やサポートのあり方についてお話をしていただきます。親の願いや心配など、普段感じておられることも含めて、生の声を聞くことで、「働く」ことの意味がより一層鮮明に見えてくることでしょう。

★シンポジスト:鶴田 清さん(株式会社江戸屋社長)

 鶴田さんは、大学卒業後、6年間小学校で先生をなされた後、平成元年に江戸屋クリーニングに入社され、積極的に障害者雇用をすすめておられます。
 私の手元に、鶴田さんの思いをつづった文章があります。以下はそこからの引用です。
(1)入り口 単純労働者として
 人手確保のため雇用を拡大をすすめる。そして、助成金等の存在を知り、それを活用しつつ、さらに雇用者数を増やしていく。
・バブル崩壊による他企業からの解雇者の雇用(+4名)→ワークシェアリング

(2)定着の難しさ(保護者の援助と本人の興味)
 同時に障害者の職場定着の難しさを実感することになる。この頃から、入り口だけを考えていてはダメだと考え始め、働く喜びのために障害者が余暇の楽しみを持てるといいなと思い、さまざまな行事を企画し、保護者を交えて行った。

(3)雇用の限界(当時8名雇用)
 ある時、職安からの紹介で、トライアル雇用の制度を使って一人の女の子と出会う。その子のできる仕事はあるし、本人もまじめでやる気もあるが、正規の賃金を払うのは難しく、会社の枠の中で雇用するのは、無理と判断した。しかし、

「金が欲しい訳ではないのです。毎日通う場所がほしいのです。」との保護者の言葉とその子のがんばりが忘れられなかった。なぜ、受け入れられないのか。

 また、就労している障害者の定着率は高まってきたが、加齢による作業能力の低下などの雇用の継続の難しさと向き合わなければならなくなった。いままで、がんばって働いてきて、その子の仕事はあるが、それに対して賃金を支払うことは会社に無理がきだした。でも、それだから会社から放り投げるのは・・・。現状の制度の中では・・・
 このような思いから、鶴田さんは、「障害者雇用に積極的な企業」というスタンスから一歩踏み出され、就労支援、家庭支援、生活支援にも関わっていく「サンタ村」(←ぜひクリックを!)という団体を設立されています。

・サンタ村HP:サンタ村の活動
http://www.hm8.aitai.ne.jp/~isouthx8/santa1.htm
■サンタの工場(就労支援・・・株式会社 江戸屋にて)

【趣旨】働いてお金を得る事以上に、実際の企業現場で色々な人達と混在しながら、共に働く事を通して社会のルールを身に付ける。人間的成長を目的とし、就労はその手段として考える。障害をみんなからの個性として存在する。

●【ポイント】社会性を身に付ける(脱! 囲われた空間)

・挨拶などの基本的生活に必要なコミュニケーション

共同作業を通して、ねばり・がまん・ゆずりあい・思いやりなどを学び自分一人でなく仲間の存在を知る。

・多くの仲間の存在

●【手段】

≪ナチュラルサポート≫(周りの人が→まず理解を)・・・従業員
・多くの人々と同じ空間での作業だけでなく、仕事をしながら、周りの人が自然にその子を支え、理解する。

≪ステップ就労≫(作業所以上企業未満)・・・会社
・能力に差に関係なく、その子なりの頑張りを認め、いつまでも会社の中に存在出来る就労形態

≪サポート≫(仕事の細分化・作業以外の問題)・・・職員
・現場の従業員と同じように働き、指導員としてでなく、従業員と同じ視点で
・基本的作業は周りの人が教え見守る。各個人の障害の特性に合わせて出来るように作業の工程や道具を工夫する。
・就労や生活面のトラブルを本人・家庭−会社のパイプ役として解決する。
 どうです? びっくりしませんか? 「人間尊重」を企業理念に掲げる会社は多いけれど、志や信念のようなものがないと、障害者雇用を積極的に行い、雇いつづけていくことは、やはりできないのかもしれない?という思いを私はいだきました。

 鶴田さんからは、厳しい現実とそれに立ち向かうための「サンタ村」の試みについてもお聞きできたらと思っています。

★コーディネーター:父親部部長 大森さん

 就労支援を行う宮崎さん、雇用する側であり、支援者でもある鶴田さん、親である田所さん。紹介記事を書いていて、私自身もワクワクしてきました☆

 そして、このお三方のご意見を引き出すコーディネーターは、父親部部長の大森さんです。昨年の支援セミナーでも、楽しい進行で大変ご好評をいただきました。今年は「エポックメーキングなシンポジウムになるのでは?」と本人も意気込みを語っております。

 申し込み締め切りは、2月10日(消印有効)です。往復はがきでのお申し込みが必要です。詳しくは、こちらの案内(PDF)をご覧ください。お急ぎください!