昨日、講演会の後、二人になった時に、ジョーさんが「なんか気持ち悪いんだよね」と言った。

私が震災の二日後に書いた、「西日本からできること」の記事のことだった。

ジョーさんが話したこと。
自分もあの記事に「同感」とコメントをつけたんだけど。
あの後ずっと考えていて…記事の言わんとすることはわかる。わかるけど、早すぎないか?ということ。
被災していない地域が支えていかなければならないのはわかるけど、あれだけの被害が起きていて、たくさんの人が命が失われた。
経済のことは自分にはよくわからないけど、その時は、その事実を共に悼むことが日本的な「よさ」なんじゃないかと。
カイパパの記事は、すごく早かったよね。

「たしかにそのとおりだ」と私も話した。
あの記事を書いた時の心理状態を思い出しながら語った。

──あの時点では、絶望的な気持ちだった。
特に、東京がどれほどの被害なのか。
被災地を復興するための力が、日本に残されているのかどうか──

被災していない西日本がこれまで以上にがんばらないと大変なことになる……
と私なりに、気負った覚悟をして、書いた。

ジョーさんの「気持ち悪さ」の感想は、甘んじて受けたい。
自分自身も、あのタイミングで、あの記事を公にしたことがよかったのかどうか。
その後書き続けた記事が、あれでよかったのどうか。
迷いと葛藤は、ずっとある。

これは、この「気持ち悪さ」は、おそらく震災後もブログを書き続けている人たち(いや、もっと広く、ふだんどおりの活動をしている人たち)に共通していることなのかもしれない。
何も直接的にできない無力感と、今自分がやっていることが「こんなことしていていいのか?」という疑問。

鉄道の記事は、書けてよかったと思っている(震災の3日後)。あの時あの瞬間に、少しでも日常のよろこびを取り戻せたら、それは希望になると信じた。
同時に、一定期間「何も書かずに、悼む」こともできたのに、、、とも思う。

気負った悲壮感をもって、「日常」的な発信を続けた。
勇気と知恵を与え合うこのブログの目的にかなっていると思ったから。

震災の被害を、軽んじたり、忘れ去ったりは、していない。
自分の仕事を通してできること。このブログだからできること。それしかできない。
迷いと葛藤を抱えながら。



先月から、Tumblrを始めています。(参照:いまさらだけど『Tumblr』ってなに? - スクラップが便利なシンプルブログ
この頃は、震災関連のウェブのクリップが多くなっています(関係ないものもあります)。私が読んで参考になると思ったもののリンク集になっています。
私には、提供できない有益な情報が、少しは伝えられるかなと思い、お伝えします。
よかったら、のぞいてみてください。

・カイパパ通信Tumblr
http://kaipapa.tumblr.com/


最後に、震災後いちばん共感した記事を紹介して終りにします。

・ホームページを作る人のネタ帳:今回の東北地方太平洋沖地震で感じる様々な事
http://e0166.blog89.fc2.com/blog-entry-867.html
今回の地震は日本のみならず世界から多くの支援がある。そして多くの応援もある。遠く離れた人が「この地震は確かに日本で起きたが、被災地は地球だ。だから支援する」というツイートがあった。

同じだ。日本中の人が日本が被災地だとみんなが感じているから多くの人が支援している。

明日からは、再び「平常通り」にもどります。