震災から1か月が経ちました。

ブログやTwitter、Facebookなどで、膨大な思考や感情に触れてきました。日本中で、立場や意見は違えど、同じ時間を共有して、真剣に考えている。そう実感しました。それは、重苦しくもあり、感動的でもありました。

また、仕事において、非常に微力ではありますが、震災からの回復の小さな一端を担っているつもりでいます。

ある時「復興を言うのは、早過ぎる」という言葉に出会いました。どういうことなのだろう?と思いながら、深く考えず通りすぎていました。
実感として、この言葉の意味がわからなかった自分は、やはり被災地から遠くにいる人間なんだと思います。

今日、宮城県知事が復興基本方針の素案を発表したことを報道で知りました。

素案では、2020年までの10年間を復興期間としています。

・東日本大震災:宮城知事、都市「再構築」素案を議会に提示 - 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110412k0000m040101000c.html

基本方針は、

 2011〜13年度を被災者支援中心の「復旧期」
 2014〜17年度をインフラ整備の充実などを図る「再生期」
 2018〜20年度を今後の発展に向けた戦略的な取り組みを推進する「発展期」

と区分しているそうです。

私は、この区分を眺めて、ようやくモヤモヤの正体が見えてきました。

避難生活をしている──まずは、避難所から出ることが最優先──それが実現してから、生活の「復旧」が始まる。今の時点で、「復興」は、想像の先にある。

そうか、と。

「復興」は、たしかにあるべきゴールではありますが、道筋もなく、スローガン的に叫んでも、遠すぎて実感がわかず、逆に絶望を呼びおこしてしまうものなのかもしれません。

ゴールにいたるプロセスを示すことが、どれだけ大切か。

プロセスがわかれば、今自分がどの地点にいるのかが理解できます。
ゴールまでの距離と時間を推し量ることができます。

「救助」と同時に、プロセスを描く重要な仕事があり、それを、今、被災地にいるリーダーたちが同時並行で行っている。

描いたゴールとプロセスが住民の求めるものかどうかは、これから話し合い、創りあげていく。
たくさんの時間と力と希望を注いで。

宮城県で、今日という日に素案が発表されたのはもちろん偶然ではないでしょう。この日に間に合わせようと必死で考えられたのだと想像します。
その他の地域でも、きっと同様の議論が続けられていることでしょう。

自分は、この一ヶ月、被災地の現実も知らず、近視眼的に焦りばかりつのらせていたような気がします。
けれど、やるべき人が、やるべき役割を果たしているとわかりました。

ゴールまでの「地図」を描く。

近目で見ていると進んでいないようでも、じりじりと進んでいくようなこれからが待っています。

この努力に関わっていくことは誰にとっても財産になると思います。

ここまで書いてきて、素直に言えます。
「がんばろう」