昔の話。

私よりも、ふたまわり以上年長のかたで、よく、パンをくれる人がいました。
障害者の授産所の移動販売を見かけるたびに、食べ切れないくらいたくさんのパンを買っていたようです。
月に何度も。

会話のはしばしに「もしかして」と思うことがありました。
カイの障害がわかってから、「○○さんのご家族に、障害のあるかたはいますか?」とたずねました。その人に相談ができたら、と思って。

その時の彼の答えは、「自分の家族に、『障害』のある者はいない」というものでした。
ああそうか……、と思って私は話題を切り上げました。



その後しばらくしてから、仕事のイベントに、彼が息子さんを連れて見に来てくれました。
高校を卒業して就職をしたばかりと言っていました。お父さんに対して、「完璧な敬語で、早口に話す」息子さんを見て、私は「……ああ。そうだったのか」と思いました。



──今日は、他のことを書こうと思っていたが、このことを思い出して書いておきたくなった。


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おいしいよ、わっぱんのパン