・asahi.com(朝日新聞社):障害者施設利用者の預金2千万円不明 神奈川県警が捜査 - 社会 http://www.asahi.com/national/update/0622/TKY201106220229.html
横浜市のNPO法人が運営する知的障害者のグループホームとケアホームで、複数の利用者の預金が無断で引き出され、少なくとも約2千万円が使途不明に なっていることが神奈川県の調査でわかった。県は法人の管理責任を問い、月内にもグループホームなどの指定を取り消す方針を固めた。同県警は業務上横領容 疑での立件を視野に捜査を始めた。

このような犯罪が繰り返されるたびに思うことだが、「人間は弱い」という冷徹な認識が必要だ。

少額なら、気の迷いが起きることはなくても、数百万、数千万円が目の前にある、自分のものにしてしまってももしかしたら誰にもわからないかもしれない…という状況で、しかも、多額の借金がある、あるいは事業運転資金でどうしても金が要るという動機がプラスされたら──自分を抑えることが至難の業になる。

横領や詐欺をする人間が、特別に性悪なのではない。
「第三者のチェックが入らない条件下で、他人の大金を自由に扱える」状態をつくってはいけないんだ。

銀行は相互チェックを徹底している。
会社でも、出金手続きは別部署が行うことでチェックを入れるのが普通だし、お店でも売上金の複数での確認は基本中の基本。

同一法人の内部手続きによるチェックでは足りない。「第三者(この場合は、後見人でしょう)が明日にもチェックしにくる」という状況によって、犯罪発生を未然に防ぐことができる。

第三者チェックの仕組みは、弱い人間を、犯罪者にしないために必要なんだ。

親としては、できるだけ多くの財産を子どもに残したい。が、そのことがかえって横領などの犯罪の危険性を高めてしまうことにジレンマを感じます。
だから、こういった信託の仕組みがあることを勉強しておきたい。

・特定贈与信託 - 信託協会
http://www.shintaku-kyokai.or.jp/trust/trust01_08_12.html
特定贈与信託は、特別障害者(重度の心身障害者)の生活の安定を図ることを目的に、その親族や篤志家等が、信託銀行等に金銭等の財産を信託するものです。

信託銀行等は信託された財産を管理・運用し、特別障害者の生活費や医療費等にあてるため、信託財産の一部から定期的に金銭により支払います。

「多額の現金を管理させない」という方法での抑止です。