二十日鼠と人間 [DVD]
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「二十日鼠と人間のレニーのような」という表現で、引照されることを何度か目にしていたけれど、1937年にスタインベックが書いた原作を読むガッツはなくて(スタインベックは『怒りの葡萄』を読んで読書感想文を書いた)、そのままになっていた。

ゲイリー・シニーズとジョン・マルコビッチのコンビで映画化された1992年の作品を観た。

レニーは知的障害がある。ジョージはレニーの世話をしながら、二人コンビで農場で働く労働者だ。トラブルが起きるたびに、別の農場に逃げていく生活を続けている。

レニーは、知的障害&イノセンスで、怪力の持ち主。その力は仕事で役に立つが、突発的な出来事に対して、力の抑制ができずにトラブルにつながってしまう。
「性根の良い人間だが、危険」という存在が、社会の中でミスフィットを起こす。レニーを大切にしながら、「手に余る」という思いを抱えつつレニーの世話をし続けるジョージ──古典の中に描かれている葛藤は、そのまま現代でも本質は変わらずに色々な場所で続いている。

『アルジャーノンに花束を』や『レインマン』よりも、はるか昔に書かれた作品だが、非常にパワフルだ。後に続く作品への影響も感じさせる。

観終わった衝撃を抱えたまま、この記事を書いている。強くおすすめ。