5月26日に下村博文衆議院議員(親学推進議員連盟事務局長)が書かれたこの記事について、

発達障害を予防する伝統的子育てとは | 下村博文

私は、「親学推進議連は、大阪維新の会の条例案を巡る批判を全く理解していないようだ」とTwitterで批判しました。
下村氏の上記記事のコメント欄には批判的コメントが集まっていましたが、6月2日に反応記事が出ました。

5月26日「発達障害を予防する伝統的子育てとは」のブログの​コメントに対して | 下村博文

内容は、長くないので全文をお読みいただけたらと思います。

日本自閉症協会会長の見解を引き、「発達障害は脳の機能的な障害であり、予防という概念が当てはまらないという。そしてこの医学的見解が一般的である」と認め、
次回の「親学推進議連では、このようなことから金子保氏と逆の立場の医学専門家や発達障害児のための団体の代表の方をお呼びし講演をしていただくことにした…。」(この「…」には何が込められているのでしょう…?)と対応をとることについても明らかにしています。

この対応は、「親学」主唱者が撒き散らした「母原病」を想起させる説に染まった頭を、少しでも中和させる意味があると思いますので、評価します。

それから、この一文。
また今後、「家庭教育支援法」を制定し、必要な家庭の支援を国や自治体、またNPO等の民間団体が行えるようにしたいと考えているが、発達障害は家庭教育支援法から除き、関係者の方から他の要望があれば対応すべきこととした。
「家庭教育支援法」案を見てみないことにはわかりませんが、大幅に理念を変えてくるのか? それとも、「伝統的子育て」価値観を強調したもののままなのか? 注目し続けたいと思います。

下村博文議員は、ディスレクシアのお子さんをお持ちとのことを初めて知りました。

なんとも言えない苦さを感じながら、毎度思うことですが、
当事者だから、親の立場だから、といって発言がすべて正しいわけではありません。
ことに、発達障害のあるかたへの支援は、今も試行錯誤の過程にあります。

「発達障害」がひとくくりにはできないこと、
「親」だからとひとくくりにはできないこと、
「政治的信条」は様々だということ(当然のことながら)。

だから複雑。
科学的な見識とプラグマティックなアプローチを基に行動していくしかありません。


<大阪維新の会「家庭教育支援条例案」に対する声明>
 学術系の団体からも声明が出ています。

・2012.05.14 「大阪維新の会」に対する声明文をUPしました。 | 日本児童青年精神医学会
http://child-adolesc.jp/topics/2012.05.14-%E3%80%8C%E5%A4%A7%E9%98%AA%E7%B6%AD%E6%96%B0%E3%81%AE%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87%E3%82%92up%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82.html

・大阪維新の会・大阪市会議員団が提案した「家庭教育支援条例案」に関する日本小児神経学会の見解
http://child-neuro-jp.org/visitor/iken2/20120525.html