湯浅さんの新刊『ヒーローを待っていても世界は変わらない』を読みました。
いまの湯浅さんの問題意識とやっていることがわかりやすく書かれています。

ヒーローを待っていても世界は変わらない
ヒーローを待っていても世界は変わらない
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以下、メモ+感想です。

民主主義という手間のかかるものを、手間をかけてやっていくために、時間と空間が必要(P.84)。そんな余裕が無い人々のために、時間と空間をつくっていく。
それは、だれか特別な人だけでやれることではなくて、津々浦々で、ごくふつうの人が知恵と時間を持ちよってやれること。
(アメリカの議論で、「貧富の格差が拡大し、民主主義の担い手である中間層が少なくなっている」というのを読んだことがあるが、そのことも思い出した)

「被災地で増えるパチンコ屋」(P.122)という印象的な項があります。
仕事をなくした、特に中高年の男性が居場所がなくて、パチンコ屋通いに走る。
「血縁」「地縁」「社縁」(就職した会社に関連する縁)が、ぶっ壊れたところで、「無縁からの縁づくり」が必要で。その「縁づくり」には、創造性が求められると湯浅さんは言います。

コミュニティで、パチンコに負けない「楽しみ」をどうつくっていけますか? それに応えることは、すごくクリエイティブなことなんですよね。これは、被災地に限ったことではない。

「人と人の関係性の結び直し」(P.149)これがキーになる。それは、単なるキャッチフレーズではなくて、スキルや経験をつみあげた担い手になる人になる/育てていくこと。それには時間がかかるし、手間もかかる。けど、そのことが民主主義を実践していくことにつながり、生きやすい社会をつくっていくことになるんだと思う。

湯浅さんは、大阪で7月に仲間たちと「AIBO(あいぼう)」という団体を立ち上げたそうです。
「AIBOでは「何かできないか」という思いを持つ一人ひとりの諸個人に寄り添い、参加のハードルを下げ、インフラ・ノウハウ・資金を提供する。「必死の生活と、そこから出てくるニーズ」を持ちながら、社会的・政治的に示すことができない、示し方がわからないとう「ふつう」の人たちが主たる対象だ。」(P.188)

これって。
「誰か決めてくれよ。ただし自分の思い通りに」という気分で、だれか"ヒーロー"に丸投げしてしまう、民主主義にうんざりしている人々が、たくさんいる。でも、その一人ひとりは、本当は「社会をよくしたい」という思いを持っていて、その思いを実現する時間も空間もスキルもないから何もしないでいることに対して、寄り添い、ささえる活動だよね。
湯浅さんがスーパーマンとして何とかしちゃう、んじゃなくて。おもしろい。湯浅さんは、とてもロジカルに、しなやかに活動している。

・AIBO - Action Incubation Box Osaka おもろい社会をカタチにするプロジェクト
http://www.aibofund.net/


湯浅さんの話はいつもわかりやすい。本質的なことを、シンプルに、わかりやすく伝える稀有な才能です。
916イベント「誰もが、つながりと優しさを感じられる社会を目指して」では、この本のお話もしてくださいます♪ 会場ワークショップで、みんなで、思いやアイデアをシェアしあえたらうれしいです。

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