9月29日に、社会福祉法人むそうの全面協力のもと「行動援護ハウス勉強会」(告知記事)を半田市で開催しました。愛知県自閉症協会つぼみの会会員25名が参加しました。支えているご家族の年齢が「10歳から45歳まで」と幅広く、現在進行形でケアホームを建築中という方から、子どもの将来のために勉強している方までいらっしゃいました。

「行動援護ハウス」とは、法律や制度で用いられている用語ではありません。「行動障害」といわれる様々な行動上の困難さを抱えた人たちのための暮らしの場を研究し、モデルとなるケアホームをつくる事業のコンセプトをあらわしている呼称です。
 14歳の息子を持つ親(私)が、ぜひこの勉強会を実現したいと思った記述を引用します。

 〜「行動援護対象者および重症心身障害者のケアホームへの移行における住宅環境および支援システムに関する調査研究報告書」平成21年度 社会福祉法人むそう〜 より引用
 この事業は、ケアホーム(CH)という暮らしの場をつくる(建てる)ということを前提としているので、主として環境面からのアプローチとなっています。ひとりひとりの障害特性が充分にアセスメントされ、ソフト面の支援の組み立てがされていることが前提であることは言うまでもありません。適切なアセスメントに基づくソフト・ハードの環境が整えば、シビアな行動障害を起こさざるを得ない人たちも、落ち着いた暮らしを送れるようになります。(略)
 この事業のもっと大きな意義は、「行動援護ハウス」の実績を積み重ねることで、自閉症スペクトラムの人たちが必要としている環境をよりクリアにできることです。それは、「行動障害」を予防するための条件として、発達期の支援に反映できるものとなり、自閉症スペクトラムをもって生まれた子どもたちが、自宅で家族と共に安心して育ち、穏やかに安定した自立生活を送れる成人期を迎えることにつながるはずです。

 勉強会では、むそう理事長の戸枝さんから「行動援護ハウスに至った経緯や先進支援事例の話」、事務局長の瀬さんからは「アセスメントと行動援護ハウスができるまで」をお話いただきました。
 ケアホームは、施設のハード面に注目が行きがちですが、「その人」に必要な配慮が何か?という評価(アセスメント)をせずに、一律に「自閉症の人にはこういう部屋がよい」というお仕着せではうまくいきません。
 むそうでは、実際に本人と関わっている現場の職員が集まり、本人の評価と必要な環境について、時間をかけて話し合い、部屋の設計を具体化していくプロセスを踏んでいることが印象に残りました。とにかく入居前の「本人のアセスメント」と「見立て」が重要とのことでした。それこそ、入居の初日で上手くいくかどうかが、ほぼ決まるということです。

 むそうのケアホームの設計と施工を担当した積水ハウスからは、発達障害のことを勉強する中から、既成品の中にも発達障害の人にとって役立つ建材や設備を一緒に研究・発見した経緯が興味深かったです。照明や防音対策、仕切りなど、なるほど既に別の用途で開発された物が使えるんですね!

 午後からは、実際にむそうが運営するケアホームの内、三か所(セブンハウス:一般住宅型。hanabitaikai:ビルのワンフロア型。なかよしハウス:一戸建まるごと改修型)を見学させていただきました。ケアホームと一口にいっても、色々な形があるものだなぁ…と、これまた学びの連続。

 ケアホームは、人が暮らす場です。障害があってもなくても、ただ建物を建てればOKではありません。家には、そこに暮らす一人ひとりの人たちの自分らしい暮らしが映し出されるはずです。私は、ひとつひとつの部屋からそこで暮らす人を想像しながら、わが子の将来を思いました。

 今後も、住まいを考える勉強会を、継続的に開催していきたいと考えています。指をくわえてうらやましいと言っているだけでは状況は変わりません。愛知県半田市で実現している「行動援護ハウス」のノウハウをぜひとも学んでいきましょう! また企画しますのでご参加ください。

<参加者のレポート>
つぼみパパブログ(ジョーさんのレポート)
こうままさんのレポート
Surfing Life of Autism: 参加してくださったMASAさんのレポート