山口県下関市「大藤園」障害者虐待の続報です。

・福祉施設で虐待の疑い 元職員に逮捕状
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150610/k10010109051000.html

・障害者施設の元職員を逮捕 山口、利用者を平手打ち容疑
http://www.asahi.com/articles/ASH6B3GPSH6BTIPE00J.html
先月28日、暴行の様子を撮影した映像がテレビなどで流れ、県警が事実確認を開始。今月5日、同園の関係者から告発を受けた。被害者保護と再発防止の観点から捜査を急いだという。複数の施設関係者が暴行する様子が映像に映っていることから、県警は、ほかにも犯行に関わった職員がいる可能性があるとみて捜査する方針。

逮捕されました。
障害のある人に対する暴行も、刑法犯に該当すれば、捜査され逮捕されるということです。

一方で、行政(下関市)の対応が適切だったのかについて、下関市議会の文教厚生委員会で6月9日に審議されています。真偽の様子が以下の記事で詳しく記されています。

・下関市議会議員 吉田真次のブログ:障害福祉サービス事業所大藤園内における施設従事者による障害者虐待について
http://ameblo.jp/s-yoshida706/entry-12037064390.html
メディアの報道を見ると、市が立入調査をしたにも関わらず、調査後も虐待が行われていたと勘違いする方もいるかもしれませんが、そのような事実は現在まで確認できていません。

あくまでも虐待は平成25年11月〜平成26年2月頃に起こったものであり、それが最近になって大きく報道されて、現在に至っています。

暴力をふるっている映像は立入調査後に市役所職員が初めて目にしたものであり、暴力をふるっている映像を見たあとに立入調査をして、虐待がなかったとしたわけではありません。

全職員に事情を聞いたにも関わらず虐待が確認できなかったのは、市の調査力不足もありますが、それ以上に大藤園の組織ぐるみでの隠蔽と調査に対して虚偽の答弁を行ったことが最大の要因です。

このブログでも指摘されていますが、組織ぐるみで隠蔽をされたため、立入検査をしても見抜けなかった。

いったい内部告発があった場合に、どうやって虐待の事実を発見していくのでしょうか。その方法が求められます。

たとえば、利用者に直接質問をするとか、保護者や施設を出入りする業者などに、「怒鳴ったり、叩いたりしているところを見たことがないか」尋ねるとか。行政の聴き取り技術の向上も、必要だと思います。

しかし、具体的にその聴き取り場面を想像してみると、「疑い」を持っている保護者も「お世話になっているから」とか「他に行くところがない」という負い目から、正直なことを口に出せなくなるのではないかと思ったりもして…

でも、そんなんじゃダメなんですよね。一番弱い立場に置かれた人を最優先で考えないといけない。