■【映画】戦場のピアニスト
★はじめに〜見始める前は
映画『戦場のピアニスト』を見ました。ナチスドイツに占領された第二次世界大戦のポーランドを描いた作品です。
主人公はユダヤ人のピアニスト。
昨冬かなり話題になった映画で、映画賞もとっているので、ハズレはないだろうと
は思っていました。が、題名が『海の上のピアニスト』や『戦場のメリークリスマ
ス』(どちらも好きな映画です)のミックスのようで、戦争におけるピアノを通した
お涙ちょうだいドラマなのかな? と先入観をもって見始めました。
★先入観は打ち破られ……
ところが、内容は全然違っていて――
人が、あっけなく殺され、死んでいく。
雑踏の中で、飢え死にした子どもがごみのように放置されている。それこそ死
体がごろごろ転がっているのに人々は足早に道を急ぎ、立ち止まる人もいない。
自分のことに必死です。
ピアノを弾く場面は本当に少ないんです。主人公は生き延びるため、必死で逃
げ回り隠れ、水や食べ物を探す。鼠のような生活。
ゲットー街でのユダヤ人の蜂起、ポーランド人のレジスタンスの場面もあるのです
が、いずれも主人公はなすすべなく見ている。
映画の途中で気がつきました。
『戦場のピアニスト』(原題は"The Pianist")は、「役に立たない人」と同義
なんだと。抵抗するヒーローになったりできない。傍観者として見続ける存在と
して、主人公に選ばれたんですね。
描きたかったものは、戦争そのもの。それが伝わりました。
★私の感想
「社会福祉なんていうのは、平和が前提のものなんだな」ということ。
戦時においては、老人、障害者、女性、子どもは「役に立たないもの」として
一番に切り捨てられていく。
自閉症カンファレンスNIPPON2003の講演で、英国自閉症協会の方が話していたこと
を思い出しました。
――私たちから見たら夢のように恵まれた自閉症者に対する支援を行っているイ
ギリスでさえも(だからこそ)、危機感をもっているんですね。
たしかに、どれだけ理念が大切でも、余裕がなければ実現されない現実がありま
す。それをきちんと認識しておく必要があります。
私は、平和で豊かな社会をつくっていくため、働けるうちは能力・才能を発揮して
「国富の増大」につとめたいです。こんな言い方は反感を買うかもしれませんが、
でも、国、地域が豊かであることはわが子たちのためには必要条件だと思うので
す。切実です。
見てよかったと思う映画でした。
【推奨記事】
「ニッポンが軍国化するかどうかは「政・官・業の癒着」度合いにかかっている」
@……それが問題だ。
【参照記事】2004/01/23追記 takayanさんから教えていただきました。
「戦場のピアニスト」@ARTIFACT―人工事実―
人が、あっけなく殺され、死んでいく。
雑踏の中で、飢え死にした子どもがごみのように放置されている。それこそ死
体がごろごろ転がっているのに人々は足早に道を急ぎ、立ち止まる人もいない。
自分のことに必死です。
ピアノを弾く場面は本当に少ないんです。主人公は生き延びるため、必死で逃
げ回り隠れ、水や食べ物を探す。鼠のような生活。
ゲットー街でのユダヤ人の蜂起、ポーランド人のレジスタンスの場面もあるのです
が、いずれも主人公はなすすべなく見ている。
映画の途中で気がつきました。
『戦場のピアニスト』(原題は"The Pianist")は、「役に立たない人」と同義
なんだと。抵抗するヒーローになったりできない。傍観者として見続ける存在と
して、主人公に選ばれたんですね。
描きたかったものは、戦争そのもの。それが伝わりました。
★私の感想
「社会福祉なんていうのは、平和が前提のものなんだな」ということ。
戦時においては、老人、障害者、女性、子どもは「役に立たないもの」として
一番に切り捨てられていく。
自閉症カンファレンスNIPPON2003の講演で、英国自閉症協会の方が話していたこと
を思い出しました。
「現在の福祉は自分たちが勝ち取ってきたものだが、このレベルの支援を保つ国
力を将来もイギリスが保っていけるか心配している」
――私たちから見たら夢のように恵まれた自閉症者に対する支援を行っているイ
ギリスでさえも(だからこそ)、危機感をもっているんですね。
たしかに、どれだけ理念が大切でも、余裕がなければ実現されない現実がありま
す。それをきちんと認識しておく必要があります。
私は、平和で豊かな社会をつくっていくため、働けるうちは能力・才能を発揮して
「国富の増大」につとめたいです。こんな言い方は反感を買うかもしれませんが、
でも、国、地域が豊かであることはわが子たちのためには必要条件だと思うので
す。切実です。
見てよかったと思う映画でした。
【推奨記事】
「ニッポンが軍国化するかどうかは「政・官・業の癒着」度合いにかかっている」
@……それが問題だ。
【参照記事】2004/01/23追記 takayanさんから教えていただきました。
「戦場のピアニスト」@ARTIFACT―人工事実―
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単なる気晴らし日記なのに来てくださって嬉しかったです。
カイパパさんは ヤヌシュ・コルチャック博士をご存知ですか? 記事を拝見してつい思い出してしまって・・・
小児科医でワルシャワのユダヤ人の孤児院の院長であった彼は何度も脱出する機会があったにも関わらず、子供たちとともにナチスの収容所でガス室に入りました。 子供のことこそ全てに優先されるべきだと言っていたそうです。 老人・障害者・女性は役に立たないものでしょうか? わかるんです。 カイパパさんのおっしゃること。 でも そうじゃない感性の豊かな人たちもちゃんといて、そういう人たちが尊敬されるなら、人間もまた捨てたものではないと、コルチャック博士みたいな人が増えたら・・・と願わずにはいられません。 児童文学なのですが、コルチャック博士の「子どものための美しい国」を読み返したくなりました。