■こうだったらいいな!〜自閉症アニメ「あした・きらりん」
「ブログにおける議論の波及」@カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル(2004
年01月04日)」で、自閉症をテーマにしたアニメが製作される話題について触れま
した。
「ブログにおける議論の波及」@カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル(2004
年01月04日)」で、自閉症をテーマにしたアニメが製作される話題について触れま
した。
★1 新聞記事
「自閉傾向持つ宝塚市の女子中学生がアニメの声優オーディションに挑戦 福島区/大阪」@毎日新聞(大阪)(2003/12/24)
※元記事は、既に削除されているので、全文を引用します。
【参考ブログ】
NWatchとさすらいblogに参考記事――この新聞報道が「いじめで自閉症になる」
とミスリードする内容であることを指摘しています。必見です。
★2 雨にも負けず……美談?
ここからが本題です。
この記事で報道されているアニメのストーリーを読んで、「こんなふうだった
らいいな」と思ったことを書きます。脚本を読んだわけではないので、私なりの
勝手なリライト(書き直し)提案になっているかもしれませんが「願い」という
ことでお許しを。
このストーリーのクライマックスは、「自閉傾向」の少女が雨にも関わらず学
園祭の準備をする姿にクラスメートが感動し、団結することができた部分です。
「雨にもかかわらず準備を続ける姿」というのは、リアルで、いかにもありそう
なことです。でもこれは「美談」でもなんでもない。かなしいエピソードです。
なぜかというと、自閉症の人は、決まったスケジュールをくりかえすことに強
いこだわりがあります。
その理由は、自閉症が脳の認知のプロセスに障害があるため、物事の理解する
ことが困難な面があり、常に不安をかかえて生きている。そのため、固定したパ
ターンに頼ることで心の平安を得る傾向があるのです。
ですから「午後2時から4時まで学園祭の準備作業」とインプットされていたら、
たとえ、雨が降ろうが台風が来ようが、決まりきった行動をしないではいられな
い。もしそれを妨げられると大きな混乱を起こしてしまう。
よく言えば「律儀」――しかし、親としては「変更のききにくい固さ」に深い
悲しみを覚えます。
★3 こうだったらいいな!
私が、自閉症のサポーターの立場からストーリーを書くなら――
「なんであいつは雨なのに作業に行ってしまうんだ」とクラスメートが疑問を持ち、
みんなで考え、
・自閉症の特性を知り、
・わかりやすく視覚的にスケジュールの変更を伝える工夫を、
教諭とクラスメートがひとつになって取り組み、主人公とのコミュニケーショ
ンとスケジュール変更の手立てを少しずつ身につけていく
――こんなふうにします。
どうでしょうか? 啓蒙的ですばらしいアニメになると思うんですが。

【参考文献】
『光とともに 第3巻』P.88〜100
光君が、決まった時間にトマトの苗に水やりをするスケジュールを守り、雷雨
の中1人で畑へ行ってしまうエピソードが紹介されています。
「自閉傾向持つ宝塚市の女子中学生がアニメの声優オーディションに挑戦 福島区/大阪」@毎日新聞(大阪)(2003/12/24)
※元記事は、既に削除されているので、全文を引用します。
自閉傾向持つ宝塚市の女子中学生がアニメの声優オーディションに挑戦 福島区/大阪
自閉傾向の高校生を中心に文化祭に取り組む姿を描いたアニメ番組の声優オー
ディションが23日、福島区であった。府立門真西高の佐藤功教諭(43)の体
験に基づいた小説が原作で、2日間で中高校生ら計約170人がテストを受けた。
いじめなどで自閉傾向を持つ宝塚市の女子中学生(14)も「声優になる夢をつ
かみたい」と挑戦した。
佐藤教諭が航薫平のペンネームで書いた「あした・きらりん」。大阪市が人権
作品を募集した00年のヒューマニティ大阪市長賞最優秀賞に選ばれ、来年3月
にテレビの30分番組として放映予定。
ストーリーは、文化祭で空き缶を使った巨大な壁画を展示しようとする高校生
たちが、自閉傾向の女子生徒「彩子」との交流を通じて成功するまでを描く。黙
々と作業を続け、台風で壁画をつり下げるのが難しくなってもただ一人希望を失
わない彩子に、他の生徒たちがひきつけられていく。
女子中学生は、車椅子でオーディションに臨んだ。パニックを起こした経験も
あるが、堂々と読み合わせを披露。彩子役を希望する理由を聞かれると、「自分
に似ているから」と答え、声優になる夢を打ち明けた。養護学校の生徒ら数人も
「障害に負けたくない」とオーディションを受けた。
佐藤教諭は「ハンディを持つ者も持たない者も同じ場で精いっぱい自分を表現
しようとする姿が光っていた。参加者は自閉症について理解してくれたはず」と
話した。女子中学生は現在入院中で許可を受けて出ており、「病院の屋上で練習
した成果を出せた。夢の手がかりをつかめてうれしい」と笑った。年内に合否が
決まり、合格者は自閉症の人に会う研修も受ける。 【井上大作】(毎日新聞)
【参考ブログ】
NWatchとさすらいblogに参考記事――この新聞報道が「いじめで自閉症になる」
とミスリードする内容であることを指摘しています。必見です。
★2 雨にも負けず……美談?
ここからが本題です。
この記事で報道されているアニメのストーリーを読んで、「こんなふうだった
らいいな」と思ったことを書きます。脚本を読んだわけではないので、私なりの
勝手なリライト(書き直し)提案になっているかもしれませんが「願い」という
ことでお許しを。
このストーリーのクライマックスは、「自閉傾向」の少女が雨にも関わらず学
園祭の準備をする姿にクラスメートが感動し、団結することができた部分です。
「雨にもかかわらず準備を続ける姿」というのは、リアルで、いかにもありそう
なことです。でもこれは「美談」でもなんでもない。かなしいエピソードです。
なぜかというと、自閉症の人は、決まったスケジュールをくりかえすことに強
いこだわりがあります。
その理由は、自閉症が脳の認知のプロセスに障害があるため、物事の理解する
ことが困難な面があり、常に不安をかかえて生きている。そのため、固定したパ
ターンに頼ることで心の平安を得る傾向があるのです。
ですから「午後2時から4時まで学園祭の準備作業」とインプットされていたら、
たとえ、雨が降ろうが台風が来ようが、決まりきった行動をしないではいられな
い。もしそれを妨げられると大きな混乱を起こしてしまう。
よく言えば「律儀」――しかし、親としては「変更のききにくい固さ」に深い
悲しみを覚えます。
★3 こうだったらいいな!
私が、自閉症のサポーターの立場からストーリーを書くなら――
「なんであいつは雨なのに作業に行ってしまうんだ」とクラスメートが疑問を持ち、
みんなで考え、
・自閉症の特性を知り、
・わかりやすく視覚的にスケジュールの変更を伝える工夫を、
教諭とクラスメートがひとつになって取り組み、主人公とのコミュニケーショ
ンとスケジュール変更の手立てを少しずつ身につけていく
――こんなふうにします。
どうでしょうか? 啓蒙的ですばらしいアニメになると思うんですが。

【参考文献】
『光とともに 第3巻』P.88〜100
光君が、決まった時間にトマトの苗に水やりをするスケジュールを守り、雷雨
の中1人で畑へ行ってしまうエピソードが紹介されています。
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「あした・きらりん」がどんな内容か知りませんが
「光とともに・・・」をアニメ化してくれれば
な〜んにも問題ないどころか、一気に自閉症に対しての
理解が深まるのにね!
はじめて「光とともに」を読んだ時なんて、
「あ〜、ある!ある!そうなんだよねぇ〜」って何回
思ったことか。あまりにも自分の体験とダブル内容に
「みんな似たような体験するんだ」って妙に納得したもんです。