2004年01月28日

こうだったらいいな!〜自閉症アニメ「あした・きらりん」

■こうだったらいいな!〜自閉症アニメ「あした・きらりん」

「ブログにおける議論の波及」@カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル(2004
年01月04日)」で、自閉症をテーマにしたアニメが製作される話題について触れま
した。

★1 新聞記事
「自閉傾向持つ宝塚市の女子中学生がアニメの声優オーディションに挑戦 福島区/大阪」@毎日新聞(大阪)(2003/12/24)
 ※元記事は、既に削除されているので、全文を引用します。

自閉傾向持つ宝塚市の女子中学生がアニメの声優オーディションに挑戦 福島区/大阪
 自閉傾向の高校生を中心に文化祭に取り組む姿を描いたアニメ番組の声優オー
ディションが23日、福島区であった。府立門真西高の佐藤功教諭(43)の体
験に基づいた小説が原作で、2日間で中高校生ら計約170人がテストを受けた。
いじめなどで自閉傾向を持つ宝塚市の女子中学生(14)も「声優になる夢をつ
かみたい」と挑戦した。
 佐藤教諭が航薫平のペンネームで書いた「あした・きらりん」。大阪市が人権
作品を募集した00年のヒューマニティ大阪市長賞最優秀賞に選ばれ、来年3月
にテレビの30分番組として放映予定。
 ストーリーは、文化祭で空き缶を使った巨大な壁画を展示しようとする高校生
たちが、自閉傾向の女子生徒「彩子」との交流を通じて成功するまでを描く。黙
々と作業を続け、台風で壁画をつり下げるのが難しくなってもただ一人希望を失
わない彩子に、他の生徒たちがひきつけられていく。
 女子中学生は、車椅子でオーディションに臨んだ。パニックを起こした経験も
あるが、堂々と読み合わせを披露。彩子役を希望する理由を聞かれると、「自分
に似ているから」と答え、声優になる夢を打ち明けた。養護学校の生徒ら数人も
「障害に負けたくない」とオーディションを受けた。
 佐藤教諭は「ハンディを持つ者も持たない者も同じ場で精いっぱい自分を表現
しようとする姿が光っていた。参加者は自閉症について理解してくれたはず」と
話した。女子中学生は現在入院中で許可を受けて出ており、「病院の屋上で練習
した成果を出せた。夢の手がかりをつかめてうれしい」と笑った。年内に合否が
決まり、合格者は自閉症の人に会う研修も受ける。 【井上大作】(毎日新聞)

【参考ブログ】
 NWatchさすらいblogに参考記事――この新聞報道が「いじめで自閉症になる」
とミスリードする内容であることを指摘しています。必見です。

★2 雨にも負けず……美談?
 ここからが本題です。
 この記事で報道されているアニメのストーリーを読んで、「こんなふうだった
らいいな」と思ったことを書きます。脚本を読んだわけではないので、私なりの
勝手なリライト(書き直し)提案になっているかもしれませんが「願い」という
ことでお許しを。

 このストーリーのクライマックスは、「自閉傾向」の少女が雨にも関わらず学
園祭の準備をする姿にクラスメートが感動し、団結することができた部分です。

「雨にもかかわらず準備を続ける姿」というのは、リアルで、いかにもありそう
なことです。でもこれは「美談」でもなんでもない。かなしいエピソードです。
 なぜかというと、自閉症の人は、決まったスケジュールをくりかえすことに強
いこだわりがあります。
 その理由は、自閉症が脳の認知のプロセスに障害があるため、物事の理解する
ことが困難な面があり、常に不安をかかえて生きている。そのため、固定したパ
ターンに頼ることで心の平安を得る
傾向があるのです。

 ですから「午後2時から4時まで学園祭の準備作業」とインプットされていたら、
たとえ、雨が降ろうが台風が来ようが、決まりきった行動をしないではいられな
。もしそれを妨げられると大きな混乱を起こしてしまう。
 よく言えば「律儀」――しかし、親としては「変更のききにくい固さ」に深い
悲しみを覚えます。

★3 こうだったらいいな!
 私が、自閉症のサポーターの立場からストーリーを書くなら――
「なんであいつは雨なのに作業に行ってしまうんだ」とクラスメートが疑問を持ち、
みんなで考え、
・自閉症の特性を知り、
・わかりやすく視覚的にスケジュールの変更を伝える工夫を、
 教諭とクラスメートがひとつになって取り組み、主人公とのコミュニケーショ
ンとスケジュール変更の手立てを少しずつ身につけていく
――こんなふうにします。

 どうでしょうか? 啓蒙的ですばらしいアニメになると思うんですが。


光3
【参考文献】
『光とともに 第3巻』P.88〜100
 光君が、決まった時間にトマトの苗に水やりをするスケジュールを守り、雷雨
の中1人で畑へ行ってしまうエピソードが紹介されています。

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カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルの『こうだったらいいな!〓自閉症アニメ「あした・きらりん」』の記事に対して、原作&シナリオ担当の航薫平(わたりくんぺい)さんからコメントが書かれていました。  ※人のblogへのコメントに対して記事を書くのはどうかな?と
■「あした・きらりん」の原作者 航薫平さんからのコメントに対して■【Tamago Blog‐ It's a picture world】at 2004年02月06日 18:24
この記事へのコメント
こんにちは!Tamagoです。
「あした・きらりん」がどんな内容か知りませんが
「光とともに・・・」をアニメ化してくれれば
な〜んにも問題ないどころか、一気に自閉症に対しての
理解が深まるのにね!

はじめて「光とともに」を読んだ時なんて、
「あ〜、ある!ある!そうなんだよねぇ〜」って何回
思ったことか。あまりにも自分の体験とダブル内容に
「みんな似たような体験するんだ」って妙に納得したもんです。

Posted by Tamago at 2004年01月29日 00:35
 カイパパさん、tamagoさん、こんにちは。
「あした・きらりん」、原作&シナリオ担当、航薫平(わたり・くんぺい)と申します。
 
 ネット初心者(と言うより、「中毒」になりそな自分がコワイ)ゆえ、今までこのサイトに出会わなかったことを不幸に思っております。

 ぜひ、「あした・きらりん」のシナリオをみていただけませんか。
 必ずしも「最適」ではないと思います。が、議論の中で、「チャレンジに満ちた世界」は広がると思います。
 
「不勉強」だった監督と私の2人が、「勉強しながらつくる」をモットーに、専門家の方をまわったり、養護学校、保護者の会など見学させていただきながら、取り組んできました。「上演時間27分」という限界が厳然とあり、8度ほど改稿(もともとは50分ものの話です)し、その都度、専門家の方に見てもらってきました。主人公が複数いる「青春群像劇」であり、「自閉症がテーマ」に特化してはいません(「自閉」ということばは劇中には出ません)。でも、どの登場人物も「正しく」描こうと努力し、「広汎性発達障害」は大きなテーマの1つです。「わからないから勉強して」でやってます。ぜひ、このあたりもカイパパさんやtamagoさんのご意見ください。

 オーディションで選ばれた12名の中高生とも、毎回、専門家の方や広汎性発達障害を持つ子どもさん&保護者の方たちと勉強しながら、練習会をやってます(もちろん、「光とともに…」は必読テキストにしてますよ、tamagoさん)。ぜひ、カイパパさんの上記「こうだったらいいな」は、彼らとの意見交換に使わせてください。お願いします。

 毎日新聞にはすぐ「そりゃあ違うよ」という申し入れをしました。
 当事者の中学生とおかあさんがショック受けるのではないか、と心配しましたが、良心的な記者さんだったということもあり、おかあさんご本人は「よくあること」と言っておられました。フォロー記事をお願いしてます。

(PS)「「ほぼ」毎日更新」という「無理ない」「(いい意味での)イイカゲン」な更新スタイル、賛成です。惜しむらくは、カイパパさん個人のメールアドレスを、トップページに欲しかったな(シナリオ添付させていただいてもいいなら、アドレス教えてください)。

「やりたがり」「口はさみたがり」がこうじて、シナリオ書きやってる高校教員です。だから、「時間決めて」「土日はパソコンさわらない」というカイパパさんのルール、賛成です。「可能なときに」で、返信ください&させてください。ちなみに、「航薫平」は長男(航太郎・9歳)、次男(薫平・5歳)の名前という「ちゃんりん」、です。
  
Posted by 航薫平 at 2004年02月06日 12:10
はじめまして。今回偶然ネットを見ていたらこの通信が目に飛び込んできました。
私もこの話しとはちょっと違ってしまうのですが生まれながら心室中核欠損症という病気をもっています。そのせいかは、小学時代の友達には「あなた病気なんだから近寄らないで!」と何度も言われ、時にはいじめにもあったことがあります。中学生になってからは、誰一人として私のことを普通の人とは見てくれずいつも間にかに「あの人にちかずくと病気がうつるから」と変な噂がたつようになりました。そして、噂がたった二・三日後先生も私のことを病人扱いのように、体育の時間や陸上記録大会では、自分では普通の人と同じなのにと思っていたのに先生の口から「病人なんだから何もやらないで見学してていいから」と言われたことがあります。私はその時自分には何も出来ない人間なんだと悩んでしまい。時には何度も自分なんか誰も必要とされていないんだと思ってしました時期がありました。
  しかし、高校に入ってからの私は、自分がみんなと同じなんだと一生懸命何にでもチャレンジし、その結果 私には新しい友達がたくさん増え、親友と呼べる友達を作ることが出来ました。
 そして、今私自身 人に感動や歓びを与える仕事がしたいと思い「声優」道を選びバイトをしながらではありますがひび練習しています。
 私は、どんなに辛い思いしても、悲しい思いをしても何かを一生懸命やっている自分を誰かはきっと見てくれとそう思うように心かげて毎日を過しています。 
 
Posted by 櫻 由依 at 2005年03月08日 16:17