■選べないからしあわせ〜着床前診断に関するメモ(2)

 9月14日のメモにたくさん反応をいただきありがとうございます。

 メモの続きです。

★善悪?

・着床前診断が「できるようになったこと」「実際に受診すること」自体の善悪は論じない。
★現実に

・1人目が重い障害を持つ子だった親が、迷っていたら?
・あるいは自分たちは診断を受けることを考えていないのに周囲から(たとえば姑から)強硬にすすめられたら?
・主治医からすすめられたら?

★昔はよかった

【昔】 不可能だった頃は選択の余地がなかった。

【今】 できるようになったら「やる・やらない」が個人の選択の問題になってしまった。

 そこが苦しい。

 着床前診断に関するメモで書いた「事前にわかることなのに、やらなかったあなたの責任だ」という意識が普通になっていく?
 それは「選択可能」がもたらす→いびつな「自己責任論」が支配する世界

★選べないからしあわせ

【気づいたこと】
・選べないことのしあわせもあるんじゃないか
=オプションがありすぎて、何を選んだか(選ばなかったことも含めて)すべて己の責任だと自分を責める苦しみが増えるばかりで、窒息しそう。

 実際に人に選べていることなんて少ないのにね。

【用語】
 着床前診断は、子宮に受精卵が着床する前に診断するところが特徴。人工妊娠中絶が原理的には生じない。
 現在、日本では、日本産科婦人科学会がその会告で、着床前診断の実施を厳しく制限しているそうです。

【参考サイト】
着床前診断ネットワーク
着床前診断なら、妊娠が成立する前に検査するわけですから、中絶の可能性を考える必要がないので、女性の心身への負担はずっと軽くなります。着床前診断は胎児を殺し、母体の心身を傷つける妊娠中絶の可能性を排除できるという意味で出生前診断よりはるかに人道的な検査なのです。

 同じサイトのトップページの記述――
でも、もっと重要なことは、出生前診断の結果が意に沿うものでなかった場合、妊娠中絶を選択される女性が少なくないということです。カウンセリングの整った欧米でも胎児にダウン症があると診断された女性の 92 %は中絶を受けています。
 映画「HostTown/able2」(ダウン症の少女エイミーが主人公)を観ました。受け入れられて生きているエイミーとこの記述とのギャップに、憂鬱になりました。