■佐々木正美先生講演会レポート/メモ(2)自閉症の特性

佐々木正美先生講演会レポート/メモ(1)
 からの続きです。

◎自閉症の特性(4点)◎
 たしかに自閉症の人は「1人ずつ違う」。しかし、以下の特徴は自閉症の方みんな共通してもっている(大きい、小さいはあっても)。
 共通点を知ってから→個別対応(カスタマイズ)する。
【自閉症の神経心理学的特性】
(1)視覚的情報への親和性/具体性、規則性
   想像力の欠如/乏しさ
   =「目に入ったものはそのまま解釈する。背後の意味はわからない」 
(2)同時総合的機能の問題(障害/困難)
   全体でなく部分に関心/認識が向かう(シングルフォーカス・シングルトラック)
  (例)トランポリンは上手に飛ぶ(飛ぶことに集中)が、縄跳びは苦手(自分で回す+飛ぶ)
(3)予期せぬことへの恐れ
   スケジュール/見通しが必要
   =習慣的生活が好き。イベントは苦手。
(4)肯定が意味を持ち、否定が意味を失う
   想像力の問題。
  (例)「いけません」→どうしたらいいのか分からなくなる←「こうしたらいいよ」と教える

★否定指示は「オープンエンド(開かれた)指示」

 上記(4)の「肯定が意味を持つ」という特性について、私はこれまでよくわかっていませんでした。
「強い語気で否定されると、気持ちが落ち込むからいけないのかなあ?」とか情緒的に解釈していました。しかし、今回佐々木先生のお話を注意深く聞くうちに、ようやくわかりました。

 つまり、「Aしてはいけません」というのは、「非A」だと言っているだけで、「非A」は無限(BもCもDもEもFもGも…)にあるわけです。その意味で、開かれた指示になってしまっているのです。
 肯定指示は「Bしてください」ですから、「B」は一つしかありません。やるべきことが明確でわかりやすいですよね。
「支持は肯定的に」というのは情緒的な意味ではなくて、自閉症の特性に合った支援なんですね。

 佐々木先生はおっしゃいました。

「今日学んだ自閉症の特性を常に頭において、毎日一緒に生活している、支援に関わっている自閉症の本人の方が感じていることを想像して、工夫をしていってください」と。

「迷ったら、自閉症の特性に戻れ」という格言がありますが、「常に特性を念頭に置く」ほうが本人の笑顔にきっとつながりますね。わが身を振り返り、たくさん反省です。

佐々木正美先生講演会レポート/メモ(3)想像力の独特さ」へつづく
【このレポートについて】
 私の息子、カイは、5才になるカナータイプの自閉症です。機能的な言葉(場合に合った使い方のできる言葉)は、「イヤー」(嫌)と「イテー」(痛い)の2語しかありません。したがって、講演会を聞くときも、わが子をイメージして聞いています。

 今回アップしている講演会レポートは、何ら公式な講演録ではなく、あくまでも〈カナータイプの幼児を持つ親の学んだ、感じたこと〉をまとめているものです。
 文責はカイパパにあり、聞き間違いや言葉足らずの部分は全て私の責任であることをお断りしておきます。