■エピソードによる批判の危険さ

「障害者支援費制度の方針(2)〜今後考えるべきことへのコメントを1件削除しました。
【理由】
 コメントされた方が見聞された障害者支援費の「不適切と思われる利用」の書き込みでした。こういった例示は、
・いつ、どこで、だれが(利用者が、事業者が)何を、どのように
・何件(←これはとても重要)
 自分が見聞したのか(もし他人から聞いたのなら情報源は信用できるか)を具体的に明らかにしないと、全体に占める割合や、実際に不適切であったかどうかの検証ができません。しかし、ここまでの情報開示はインターネットではプライバシーの侵害、名誉毀損の問題があるためできません。
 必然的に、あいまいにぼかしたエピソードの紹介にならざるを得ないのです。

 その結果どうなるか?

 私がいつも思い出すのは、「生活保護をうけながら毛皮を着て男と遊びまわっている人がいる」というエピソード的な批判(※)です。これを聞くと、見たわけでもないのに生活保護制度に対する不信感を覚えてしまいます。まさにこの「エピソード」を流した人の思惑は成功しています。
 全体に占める割合など客観データを無視したエピソードで論じることは、プロパガンダの手法としてとても有効です。
 それだけに、気をつけなければいけません。

 自分自身、ネットで発信する際の戒めにしたいと思います。

(※)このできすぎたエピソードは眉唾だと思います。しかし、「この目で見た」という主張のインパクトは強い。事実とした場合でも、その時、「じゃあそういう例は何件あって、他に、適正に給付されている生活保護世帯はどれだけあるのか?」と問うことが必要です。