カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

施設からもう少し豊かな暮らしへ

【告知】5月30日開催「障がいのある人のくらしとお金」セミナー

<残席少なくなってきています>
5月30日開催「障がいのある人のくらしとお金」

又村あおいさんが、使える制度、必要な費用を具体的な例を挙げてわかりやすく解説してくださいます。
「うちの場合はどうかな?」を考えるためのシートもご用意しています。
ぜひこの機会に、将来設計を立ててみませんか?

・日時:平成27年5月30日(土)13:30〜17:00 (受付13:00より)
・会場:なごや人権啓発センター研修室
・参加定員:50人(先着順) 
・申込期限:5月23日まで
・参加費:愛知県自閉症協会会員 1,000円  会員外 2,000円

詳細・お申込はこくちーずからどうぞ♪
http://kokucheese.com/event/index/286001/

袖ヶ浦福祉センター養育園 両親が手記を発表

袖ヶ浦福祉センター養育園で、殺害された若者の親の手記が公表されました。

・NHKニュースウェブ:知的障害の息子暴行死で両親が手記
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140226/k10015551781000.html

この記事の動画を見てください。4分ほどです。左上の画像をクリックすると動画が始まります。

この手記の内容から、「親は異変に気づきながら、放置していたのか」という批判が起きることを心配しています。

子どもを預かってもらっている「負い目」と、県立の社会福祉事業団が運営している施設への「信頼」が、あったのだと思います。そのことは責められるべきことではありません。

私はここで、「親を責めるのは間違っている」と宣言しておきたい。

悪いのは、加害者です。
なぜ障害者の入所施設で虐待され、殺されなければならないのか? その危険性を予期する責任が親にあるのか? 責任があるのは、虐待した職員であり、それを見過ごした管理者であり、法人であり、県です。

──とはいっても、親は自分を許せないでしょう。自分の選択を責めて悔いていると思います…
私は、その気持ちに寄り添いたいです。
無念を晴らしたい。

アウトプット宣言

こんばんは。カイパパです。今日はお通夜に行って来ました。とおりいっぺんのことしか言えませんでした。他にかけるべき言葉があったんじゃないかと考え続けているのですが、見つかりません。他人であるじぶんにはかける言葉がない…そのために、とおりいっぺんの言葉が決まっているのかもしれません…。


12月8日の勉強会のレポートをコツコツと書いてきて、ようやくゴール(次回最終回)が見えてきました。最終回の記事はまだ一文字も書いていませんが、ここで一拍おいて、今感じている想いを書き留めておきます。

日々大量の情報に接し、インプットをしています。──情報が好きなのでしょう。新しい情報、心を動かす文章、物の見方が変わる考察、「意味」を問う哲学などなど。わたしの興味関心をひく情報は、「これは、Aさんに伝えたいな」「これは、Bさん喜ぶんじゃないか」「これは、自閉症の支援者に伝えたい」という基準に引っかかるものです。

けれども、アウトプットしなければ他人に伝わらず、効果を発揮することができません。
逆に言えば、アウトプットを少しずつでも日々積み重ねていけば、インプットに見合っただけの効果が期待できます。

あきらめないこと。
変化や反応が見えないからと言って、「意味が無い」と思わないこと。
自分が知っていることが「大したことない」と卑下せず、他人の役に立つかもしれないと思って発信を続けること。
アウトプットしたものは残る。波紋は広がり、いつか自分のところへ返ってくる。

アウトプットするためには、時間がかかります。エネルギーも必要です。質を要求すると特に。「ゼロ」よりは不完全でも出したほうがよい。間違っていたら誰かが訂正してくれると信じて。

「ケアホームを考える勉強会」の報告を書いていたら、千葉県の袖ヶ浦福祉センター養育園(知的障害者入所施設)の事件の報道が入ってきました。これは自分にとって偶然ではないと感じました。

権利擁護とケアホーム、それがこれからのわたしのライフワークになっていくのでしょう。2014年はその幕開けの年。

わからないことばかりだから、ひとつひとつ人に教えてもらって学んでいきます。学びの過程を、ブログでシェアしていきます。
無知や不勉強をさらすことは勇気がいります。アウトプットは「自分はこれだけわかっている=これだけしかわかっていない」限界を明らかにすることなんですね。恥ずかしいけど、だからこそ、意味があるとも思うのです。

みなさん、どうかわたしに教えてください。
そして、ぜひ一緒に学び、しあわせな「当たり前の生活」をつくりあげていきましょう。
よろしくお願いします!

【報告】「ケアホームをみんなで考える勉強会」(その3)

「ケアホームをみんなで考える勉強会」報告その3です。
これまでの記事は、その1その2です。順に読んでいただくとわかりやすいと思います。次回が最終回です。

グループワークでは、

私たちの子どもが、親元を離れて、幸せに毎日を暮らしていく「ホーム」をつくるために 
・できていること/足りないこと
・よくわからないこと

を話し合ってもらってから、グループで1つ「シンポジストに、会場参加者に問いかけたい質問」を出してもらいました。
写真は、各グループから出た9つの質問です。
carehome1

質問を4つにグループ分けしてみました。

【グループホーム立ち上げ】
・親が立ち上がるために何からスタートすればよいのか?
・グループホームを立ち上げるにあたって、行政、事業所の無理解など親の立場でどうすればよい?
・地域の協力者を得た際にどのような戦略を使ったか?

【親離れ、子離れ】
・親が元気なうちに、本人・親もできることは何か?
・親の立場として、親離れのタイミングは? どんな条件がそろえばいい?

【世話人の人材確保】
・どうすれば、本人にあった支援ができる人を確保できるか?
・本人の意思をどこまで尊重すべきか?(ルールをどこまで決めるか)

【そもそも】
・グループホームって普通の生活ができるの?
・「グループホームありき」でいいの?

それぞれ、じっくりと話し合いたいテーマですが、残された時間は20分を切っていました。限られた時間の中で登壇者がどうしても言っておきたいことを話していただきました。

※記憶に基づいた紹介ですので、文責は全てカイパパにあります。

【世話人の人材確保】について。小林信篤さんから──
まず、そもそも人材の採用に苦労している現実がある。就職説明会をがんばっても、内定を出しても辞退されてしまう。福祉業界全体が不人気。
そして、人材育成も試行錯誤をしている。良い方法があれば自分も知りたい。

ひとつ言えることは、個人での対応には限界があるということ。グループホームの世話人が一人で抱え込まず、バックアップする仕組みが大切。組織として支えることが必要と考えている。

carehome2

【そもそも】については、戸枝さんから──
「グループホームは普通のくらしか?」は、「どこまでが普通のくらしか?」という問いに言い換えられる。
入所施設しか選択肢が無い状況がずっと続いてきて、「地域でも暮らせる」となった時に出てきたのがグループホーム。
入所施設との比較で言えば、行動障害がシビアな人から地域で「個別化」すべき。入所での大人数での集団生活の環境によって、ますますこじらせていってしまう。
ノースカロライナ州アルバマーレ市でみたグループホームの一室のエピソードを紹介したい。壁が全部「黒板」の素材になっていた。お絵かきが好きな人が入居。描きたいだけ描いて、「味わい尽くしたら堪能して次へ進める」という方針にもとづいている。「描けないように禁止する」発想ではない。これも、グループホームが個室だから個別化してできること。

だが、「グループホームだけしか選べない」のかといったら違うと思っている。
現実問題、受け皿のキャパシティとして愛知県内のグループホームの数は全然足りていない。すぐに増えるとも思えない。それを家族介助で何とかしているのが今の現実。
ホームヘルプを入れて、一人暮らしが出来る人もいる。その選択肢もある。
在宅でホームヘルプを使いながらやっていくことはできる。ではグループホームの特長は何か? 世話人が24時間常駐していること。最終的な「看取り」もできる。グループホームは、シビアな方が使うコアなセンターとしての役割を担っていくのではないか。

【親離れ、子離れ】について。
質問を振る前にカイパパから「親の気持ち」として、こんな話をしました。
先日ショッキングな文章を読んだ。
「知的障害のある子に対して、親はあたかも親は死なずにずっと一緒にいられるかのように振る舞うことは、子どもをだましているのではないか?」という内容だった。
親も必ずこの世からいなくなるのに、そのことを知らされず、信じたまま暮らしている。そして、ある日突然いなくなる──それは、子どもにとって、裏切りのようなものではないのか? そのことがずっと胸に残っている。
今、自分たちはとっても幸せに暮らしている。この暮らしがずっと続けばいいと願っている。だけど、そうも行かない。どうすればいいのか。

戸枝さんから。
血のつながった親子だから、頭に血が上ってしまって、うまくいかないこともある。親も子どもも高齢になって、新しいことを始めるエネルギーが無くなってから環境を変えるのはつらい。
いきなり、グループホームで100%時間を過ごすようにしなくていい。距離を置くだけ。グループホームに泊まりに行くというところから慣らしていったらよい。週末には実家に帰ったらいい。

親離れの時期について言えば、「30歳になったら」と考えたらどうか。なぜなら30歳はみんなに来るから。「何かができるようになったら家を出る」とハードルを要求する必要はない。

今まで自分が見てきて、グループホームに入居するご本人の「家を出たプライド」のようなものを感じることがある。変化が、成長のチャンスになっている。

時間切れで、【グループホーム立ち上げ】についての具体的なお話はできませんでしたが、戸枝さんから
「障害のある人の暮らしをノーマルなものにしていくための、こういった親や支援者の取組み、そして本人の思いを、どれだけ『社会化』できるか?」という問題提起がありました。
障害のある人の暮らしが、「関係者だけのコップの中の嵐」であるかぎり、地域は知らん顔で通りすぎていってしまう。そこにある努力や涙そして願いを、知ってもらうことからだというヒントだとわたしは受け取りました。

最後に、積水ハウスの大倉さんに、わたしから「なぜ積水ハウスは民間企業であるにもかかわらず、そこまで真摯に、地主を説得してまでグループホーム開設に協力しているのですか?」と質問を投げかけたときの答えを記しておきます。

大倉さんはこう答えられました。
「青い」と言われそうですが、積水ハウス株式会社の社是は「人間愛」なのです。私も入社以来30数年叩き込まれてきました。建築会社として早い時期からバリアフリー住宅に取り組んできました。日本の建築企業で唯一国連から表彰をされています
積水ハウスができることがある。支援者や親にできない部分でお役に立てることがある。ぜひお手伝いさせて欲しい。
(大倉さんからは、「積水ハウスにできること」の具体的な中身もお聞きしました。いつか記事にしますね。素晴らしいよ!)

──こうして思い出すだけで、濃い勉強会だったとしみじみ思います。このままではもったいないですね。続きをやりたいです。

カイパパの感想、考えていることは、次回最終回で書きます。
あと一回お付き合いください。

知的障害者入所施設での虐待を防ぐために〜Saussure氏の考察

袖ヶ浦福祉センター養育園での虐待死事件に関連してつぶやかれた、知的障害者入所施設の構造的な問題、職員の心理、資質、処遇について現場からの声をまとめさせていただきました。Saussure(ソシュール)さんは、神奈川県で長年障害者福祉にたずさわっていらっしゃる方です。私がTwitterを始めた早い時期からずっとフォローをさせていただいています。

・Togetter:知的障害者入所施設での虐待を防ぐために〜Saussure(@mamiyac330)氏の発言を中心として
http://togetter.com/li/609355

このまとめを読んで、わたしが思ったことは──

そもそも「入所施設が必要とされ、それ以外の選択肢がない」という状況を変えるしかない。
今現在入所されている方々にはそれぞれに理由がある。既に身寄りがない人も多い。それは事実。だがしかし、難しくても、あるべき姿を諦めてしまっては現状が固定化されてしまう。
一方で、すぐに、入所施設がゼロになるわけがない(ゼロがよいとも思わない)。だとしたら、今ある施設について、"弥縫策"と批判されても、少しでもマシな対策をしていかなければ、その努力すらしなかったら、「障害者は「棄民」として捨て去られ、忘れ去られた存在だ」という異議申し立ては、全く過去のものになっていないということだ(実際そうだ)。
Saussure氏の「現場を知って」という提起は、そのための議論だと認識しています。

そして、同じくSaussure氏の秀逸な批判的考察を、合わせて読んでいただきたいです。

・Togetter:「社会福祉法人における「公設民営」と「指定管理制度」の問題」
http://togetter.com/li/609874

こちらは少し長いですが、上記まとめで描かれる職員の閉塞感の背景にあるものを明確にシてくれています。内容は、

(1)知的障害者入所施設で威圧的指導が常態化する理由

(2)重度知的障害者の施設が、不人気職場故の人事異動の偏り(就職したばかりの若手をあてがう等)

(3)県営施設を指定管理に出す根源的弊害

が指摘されています。

わたしが見聞きしてきたことと指定管理者制度(*)について思っていたことが、端的にえぐりだされています(残念な実情として)。

このまとめは、問題提起です。解決策は書かれていません。そもそもどこからどう手を付けたらよいのか、暗澹たる気持ちになります。これまで延々と抜本的な改革がなされずに来たことには、その原因があるはずです。
それは、そもそも入所施設が、「そのようなものだから、そのようになってしまう」とさえ、思ったりもします…
でも、それは思考停止です。現実の虐待を止めることができません。具体的に考えないと。

12月30日の記事「千葉県立袖ヶ浦福祉センター養育園について」と合わせて、お読みいただけたらと思います。

*指定管理者制度とは、小泉内閣の時の行財政改革の目玉のひとつとして2003年に導入されたものです。
それまで、国や地方自治体が設置した公の施設は、直営か、特別な第三セクターの団体しか運営ができないとされていましたが、民間事業会社やNPOなどが参入できるようになりました。多くの場合、公募をしコンペによって受託者を決定しています。

千葉県立袖ヶ浦福祉センター養育園について

おはようございます。今日は元気が無いカイパパです。辛いこと、元気がなくなることは、目にしたとしても、深く考えないようにして、やり過ごして暮らしている毎日です。しかし、昨日は、千葉県の入所施設での虐待死事件について考えていて、眠れなくなってしまいました。不安と恐怖と無力感を感じました。
こうままさんが「「行き場がない」ことの意味するところはとても大きい。」と感想を書かれていました。そのとおりだと思います。千葉県での出来事と言っても、愛知県に住む私たちが無関係であるわけじゃない。自分で被害を訴えることができない一番弱い立場の者たちが置かれている危険は構造的なものだから。
だから、書きます。


昨日、職員による入所者の虐待死が疑われている千葉県立袖ヶ浦福祉センター養育園に関する続報を2つ読みました。

・毎日新聞2013年12月27日:19歳少年死亡:千葉の障害者施設 暴行職員は13人
http://mainichi.jp/select/news/20131228k0000m040082000c.html
入所者の19歳少年が職員の暴行を受けた後に死亡した千葉県立障害者支援施設「袖ケ浦福祉センター養育園」(同県袖ケ浦市)の虐待問題で、県は27日、新たに職員3人の暴行の事実を確認し、さらに2人に暴行の疑いが浮上したと発表した。疑いも含め、暴行したとされる職員数は計13人に増えた。
 
・毎日新聞2013年12月28日:袖ケ浦の少年死亡:障害者施設虐待 理事「情報知っていた」 管理者側、隠蔽か /千葉
http://mainichi.jp/area/chiba/news/20131228ddlk12040222000c.html
職員の暴行が次々発覚する袖ケ浦市の県立障害者支援施設「養育園」。3度目の立ち入り検査後にあった27日の県の記者会見では、運営法人「県社会福祉事業団」の田村邦夫常務理事まで暴行の目撃情報を知っていたことなどが明らかになった。園にまん延していた虐待を、管理者側が隠蔽(いんぺい)していたとの疑いが強まっている。

この報道からは、この施設で虐待をしていたのは例外的な一部の職員だけではなかった、そしてその事実を上司である施設長、法人の常務理事まで認識していたという救いようがない現状が伝わってきます。組織的に虐待が「容認」されていたと見るしかなさそうです。

ところが、現在、施設の設置者である千葉県がとっている処分は、「新規利用者の受入を停止する」ことだけです。
私が疑問に思ったのは、この施設に入所している人たちはどうしているのか?です。どうやら、養育園に留まったままのようなのです。

以下で紹介する記事は、なぜ入所者は保護されず、今も同じ施設に留まったままなのか? そのシンプルな問いから語り起こされた文章です。

・もうひとつの福祉:袖ヶ浦福祉センター養育園利用者への虐待についての考え
http://mouhitotsunofukushi.seesaa.net/s/article/383830279.html

今、書かれるべくして書かれた素晴らしい記事です。長文ですので、僭越ながら、カイパパなりに要約して紹介させていただきます。ぜひ全文も合わせてお読みいただけたらと願っています。

筆者はまず、「なぜ虐待されていた利用者は、自分が虐待されていた現場に住まわされ続けているのか」について、考えつく理由を一つ一つ検証していきます。どれも合理的な理由ではない。
そして、「強度行動障害は養育園へ、という迷信」が、他へ移されない真の理由であり、その迷信、思い込みが正しいかどうかの検証もされずに放置されていることについて、批判を加えていきます。
  • 『虐待を受けていた人たちは強度行動障害と言われる、対応の難しい人たちだ。そして養育園は強度行動障害に対応する、一種特別な施設なのだ。だから他の施設に保護するよりも、本人のためにはこのまま養育園にいることが幸せなのだ』
  • これが理由として成立するためには、虐待されていた利用者たちが、他の施設では対応が不可能な人たちであるということの論理的な説明が必要になります。しかしそんなものは欠片もありません。
  • 強度行動障害者について一般的な障害福祉施設では対応できないというようなことはない、そう断言できます。さらに付け加えるなら、強度行動障害と一口に括っても、実際には一人ひとり異なるので、逆に他の施設の方が合っているような場合も想定できます。

にもかかわらず、いったいなぜ、彼らは強度行動障害という理由で保護をされないのか。保護したくても保護先の施設が無いというためには、
  • 千葉県内のすべての入所型の施設を行政の担当者が訪れて、事情を説明し、保護としての措置入所(ショートスティでもかまわないのです)が可能かどうかを打診することが必要でしょう。
  • そうした努力をしないまま「強度行動障害者は難しい→一般の施設では無理→養育園にいるのが本人のため」というような判断になったと推測されます。
  • 保護先は入所施設に限らないのです。グループホームやケアホームという制度上にある施設であれば、保護させることは可能です。

以下は、直接引用します。
 しかし、虐待を受けた利用者は、どこにも保護されていないという現実。
 …
 千葉県内に多くの障害者施設がありながらも、強度行動障害者については養育園だとみんなが思い込み、それを不思議に思わないようにしているこの構図は、実は現在の障害者の置かれている差別の構造と、まったく同じなのです。「福祉のことは行政の仕事だ」とか「障害者は福祉の専門家に任せておけばいい」みたいな国民全体に蔓延している差別の空気と同じものが、差別内差別のように障害福祉の中で起こっているのです。「強度行動障害者のことは養育園に任せておけばいい」と。

 障害者の暮らす場としてこの地域社会が想定されていないように、強度行動障害者の暮らす場として一般的な障害福祉施設は想定されていないのです。

強度行動障害は他に行く所がないという思い込み…。ここで、読んでいて涙が止まらなくなりました。
 養育園と他の施設との関係は、一昔前の障害福祉施設と地域社会の関係に似ています。一昔前の障害福祉施設では、今では考えられないような、それこそ命の危険にも繋がるような虐待が行われていました。そのころの虐待の姿に、養育園の虐待の姿が重なるのです。それはつまり他に行き場の無い人たちに対して行われた虐待だということです。その虐待は、障害の重さを理由としているのではなく、他に行き先が無いというその人たちの、社会から、あるいは一般の福祉施設から棄てられた度合いによる虐待なのです。他に行き場が無い利用者だということが、職員の頭と心の中からその利用者の人間性を薄めさせていくのです。

 暴行をすれば、嫌になって他の施設に移っていく人に対する虐待ではなく、どんなに暴行をしても他に行くところが無い人に対する虐待はどんどんエスカレートしていきます。他に行き場のない人の方が、人間としての価値が低いような、人間性が希薄なような錯覚が、職員を残忍にさせていくのです。

 こうした古い時代の障害福祉施設での虐待は、地域移行が進む現在は無くなりつつあると思います。虐待されたなら他に行くぞ、という権利と自由の獲得が、障害者の人間性を回復させているからです。職員は目の前に立つ利用者が人間としての尊厳に溢れていたなら、虐待などできないのです。

 虐待ができるということ。しかもそれが残忍であり、恒常的であり、場合によっては死に至るほどにエスカレートするということの根底には、対象者の人間としての尊厳が失われているという状況があるのでしょう。つまりそれが、虐待をされても、暴行を受けても他の場所に保護されることの無い養育園に暮らす強度行動障害者の置かれている状況なのです。

そして、筆者は解決の道を主張していきます。
  • 本当にこうした虐待を無くしたいと考えるならば、何よりも大切なことは、養育園に暮らすすべての利用者について、強度行動障害であったとしても、人間としての尊厳を取り戻させること。
  • そのためにもっとも有効であり、必要なことが、つまり強度行動障害であったとしても養育園を出て行くことができる自由の回復。すなわちそれは施設職員や管理者、行政など、福祉に関わるすべての人たちが、「強度行動障害者は養育園だ」という無知蒙昧を棄てることなのだろう。
  • 養育園での、古典的な狂気に支配された虐待を防ぐために、最初にやらなければならないこと。それは虐待の被害者でありながら保護されない人たちを、保護すること。
  • 養育園で虐待された人たちを本気で護りたいと考える人たちが、彼らに「君は行き場の無い人ではないんだ、僕のところに来てくれ」と叫び、それを実践すること。このことをおいて他に、彼らの人間としての尊厳を回復させる手段は無い。

筆者は呼びかけます。
 そのためにできること。入所施設でもグループホームでも、あるいは個人でもかまいません。本気で彼らを護りたいと思っているのなら、彼らが尊厳を持つ人間であることを意地でも証明したいと願っているのなら、「私の施設を保護先として使ってください」「僕のグループホームで、一人だったら受け入れ可能です」「私の家に来させてください」ということを、行政の担当課に対して、そして広く社会全体に対して表明することです。

 もちろん、それによって本当に保護されることがベストです。しかし仮に保護がされなかったとしても、彼らが行き場のない人だという嘘を暴いて、国民全体の思い込みを覆す力にはなっていくはずです。

ぜひこの訴えを届かせたい。
千葉県の福祉関係者、全国の福祉関係者から「自分の所で、受け入れる」という声があがってほしい。

記事はこのように結ばれています──
 そして、願っています。
 一日も早く、虐待を受けていた人たちが、それを助けもせずに見て見ぬふりをしていた職員たちから離れられるように。
 虐待をされた現場である部屋や建物の中で眠りにつかなければならない夜が少しでも早く無くなるように。
 自分を叩いた箒で部屋の掃除をさせられる屈辱と悲しみから解放されるように。

亡くなった方は、まだ19歳でした。あんまりじゃないか。

(2013年12月31日追記)
・千葉県公式サイト:袖ヶ浦福祉センター養育園利用者の死亡事件等について
http://www.pref.chiba.lg.jp/shoufuku/press/2013/youikuen-jiko2.html

(2014年1月2日追記)
合わせて読みたい。

・知的障害者入所施設での虐待を防ぐために〜Saussure氏の考察
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52513648.html

【報告】ケアホームをみんなで考える勉強会(その2)

おはようございます! カイパパです。昨日は運転免許証の書きかえに行って来ました。久しぶりに市バスに乗りましたが便利ですね。
今日は、草の根ささえあいプロジェクト主催講演会「誰ひとり孤立しない社会を目指して〜伴走型支援の現場から〜」が開催されます。13:45から北九州ホームレス支援機構奥田知志氏講演会のTwitter実況を行います。@yoshimi_deluxe を中心に、@etsuko_anuenue@kaipapa2shin がつぶやきます。ハッシュタグは、#孤立しない1 です。会場に来られない方もお楽しみください♪


前回(その1)に続いて、12月8日に開催した「ケアホームをみんなで考える勉強会」の報告をします。
今回は、勉強会の構成とワークショップの具体的な進め方をご紹介します。

当日のプログラムは、以下のとおりでした。

(1)「アメリカ・ノースカロライナ州アルバマーレのGHA Autism Support視察から学ぶ〜自閉症支援とケアホーム」小林信篤氏(社会福祉法人やまびこの里・発達障害者支援センター長)

(2)「地域生活支援の実践 社会福祉法人むそうの事例から」戸枝陽基氏(社会福祉法人むそう NPO法人ふわり理事長)

(3)シンポジウム「ケアホームを増やそう」!

カイパパの役割については主催者からは、シンポジウムで、「発達障害の子どもたちが地域で暮らす上での課題〜今思うこと〜」について、親の立場から、支援者に望んでいることや現状をどう感じているかなど話してもらいたいと頼まれていました。

「うーん。なかなか難しい」と悩みました。
これだけインプットの多い勉強会ですし、「みんなで考える」とあるので、ぜひ参加者全員が参加できるような時間をつくりたいと思いました。そのためには、シンポジウムというよりワークショップかな、と。
しかし、「さあ、話し合ってください」と言われても戸惑うばかりで中身のある話し合いにはならないでしょう。
さあ、どうしようか。

当日の朝になって、カイの今の家での暮らしを見てもらおうと決めました。
何かを考える際に、「お勉強」だけでは「いいお話でした」とか「感動しました」みたいな上面で終わってしまいます。「自分事」として考えるには、リアルな人を目の前にして「何ができるか?」を考える必要があります。
そう決めたことで、勉強会の組み立てが明確になりました。

(1)ノースカロライナ州での「暮らし」を中心として、「働く」「余暇」を組み立てている先進事例を学び、「世界ではここまでできているじゃないか」を知り、
(2)(でも日本じゃムリでしょ…)の心の声には、愛知県半田市での戸枝さんのむそうのケアホームの実践を見て、「日本でもやっている所はやっている」と衝撃を与え、
(3)今、中学生の自閉症児の暮らしの様子を見て、「どうしたら、この人が地域で幸せに暮らせるようにできるか?」を考える。
⇒自分の言葉で話し、他の人の意見も聴いて、全体にも共有する。シンポジストがそれに応える。

大切なのは、「問いかけ」です。考えるに値する質問を場に投げかけること。
わたしが、みなさんに投げかけたのは次の問いかけです。

カイの暮らしの映像を見た上で──
ものすごく手前勝手なお願いですが…
「私たちの子どもが、親元を離れて、
幸せに毎日を暮らしていく「ホーム」を
つくってください」

この問いかけに対する答えを、次のような項目で、紙に書きだしてもらいます。
その「ホーム」をつくるために 
・できていること/足りないこと
・よくわからないこと

*できていること/足りないことが書きにくいかもしれないので、例として、
•理念、ビジョン
•ノウハウ
•担い手(人)
•土地、建物
•資金
•コミュニティー
を示しました。

個人で書いた後に、グループワークの時間を取ります。
このような流れで話し合ってもらいました。
(1)自己紹介
(2)これまでのお話を聞いての感想
(3)ホームをつくるために、
・できていること/足りないこと
・よくわからないこと

そして、全体に共有するために、
グループでひとつ
シンポジストに、会場に、
問いかけたい(話し合いたい)質問
を考えて、紙に書いてもらいました。

後は、時間との兼ね合いです。ワークショップは、時間があればあるほどくふうもできて、語り尽くした満足感があるのですが、十分な時間があることのほうがマレです。当日のわたしのメモがこれです。見ていただくとわかるとおり、前の講義の終了時刻によって、時間を調整しなおしています。(写真の中で<投げかけ>と書いてある言葉は、カイパパの心の叫びです。実際には場に投げかけていません)
timetable

発表時間は、1グループ2分間にしました。グループから全体に「問いかけたい質問」の紙を見せながら、「なぜこの質問になったか、グループでの話し合い内容」を合わせて話してもらいました。
書いてもらった紙は、ホワイトボードに貼り出していきます。これは、後でシンポジストが答える時に一覧できるようにするためです。

長くなりましたので、続きは次回に書きます。

【報告】12月8日「ケアホームについてみんなで考える勉強会」に登壇しました(その1)

おはようございます! カイパパです。
昨夜は、12月28日に開催する草の根ささえあいプロジェクト主催イベントの準備会に行って来ました。資料印刷も100部だと時間がかかりますね。
北九州ホームレス支援機構の代表をされている奥田知志さんの講演会なのですが、印刷の間に資料を読ませていただいて「これは凄い!」と感動しました。
人間存在の在り方(実存)そのものが、貧困や孤立によって脅かされた、その時、その後、どうやって人間の尊厳を回復していくのか(それは単に経済的な条件では必要十分ではない)について、追求し、実践されているお話なのです。
講演会は既に満員御礼なのですが、当日はTwitter実況を予定しています。興味のある方は、草の根ささえあいプロジェクトFacebookページをチェックしてみてください!


さて、本題です。

むそうの戸枝さんにお声がけをして頂き、12月8日に登壇させていただいた「ケアホームについてみんなで考える勉強会」。私はワークショップ&シンポジウムパートを担当しました。
非常に情報量が多く、密度も濃く、熱量も高い勉強会でした。戸枝さんが主催する会はいつもそうですね。みなさんの真剣なやりとりをお聴きして私もエネルギーをもらいました。色々と思うところがあり、なかなか考えがまとまらず、時間ばかりが経ってしまいました。

親も支援者も、悩むところは共通していて。だけど、一歩先を歩いている人たちがいる。後に続く者たちもいる。ひとりぼっちではないんですよね。私の感じたことを書き留めておく意味もあるだろうと思うので、ひとつの記事では難しいので、何回かに分けて書きたいと思います。

まず、今日は、勉強会の全体像とイメージを掴んでいただくため、感想レポートを書いてくださったみなさんの記事を紹介します。

まず、私が「心の姉」と慕う、こうままさんの感想から。

・ケアホームを考える
http://koumama.seesaa.net/article/382215317.html
今日、学んだこと。

…民犹楡澆篦冥蟷楡澆脳綣蠅帽渋げ修靴董△修海如嵳遒礎紊い董廚い襪世韻犬祕嫐がない。だって、地域で生活していくのだから。

⊃討蓮⊂祿欧里△觧劼匹發法∈の生活がず〜〜〜っと続くと錯覚させてはいけない。だって、親はいなくなるんだから。

J〇禊愀玄圓犬磴覆た佑魎き込んでいかないとイケナイ。逆に、関係ない人の方が実は助けになる部分があるのかも。

ぅ哀襦璽廛曄璽爐筌吋▲曄璽爐なくてすむならその方がいいにきまってる。でも、必要なんだから、今ある資源で何とかするしかないじゃん。

次に、田原のあらいさんのレポートです。懇親会も熱かったようですね。行きたかったな!

・ケアホーム考
http://feel1999.cocolog-nifty.com/lallapallooza/2013/12/post-8caf.html
最終プログラムは、シンポジウム「ケアホームを増やそう!」です。が、シンポジウムと称するには、あまりにも濃く、深いものでした。愛知県自閉症協会 つぼみの会 父親部 カイパパの進行で。

まずは、障害のある方の住まいを支える取り組みに尽力されている積水ハウス株式会社 大倉課長より、これまでの労苦を含めた実践報告。それを受けるカタチでカイパパからの提案のグループワーク。カイパパ家の様子?工夫?の紹介があった後、で、この後「どうしましょ?」や「ところで、どうなの?」ってな問い掛けを、今日の出演者皆さんに答えて頂こう!ってもの。

これ。実に盛り上がりました〜!ランダムなグループ編成だったから、逆によかったのだと思いますが、親御さんの思い、支援者の思いが、ブッチャケ!で語られる様にメチャクチャ勉強させて頂いたというか、相談支援専門員としてではなく、一人の福祉人としてのミッションを再確認させて頂く時間となりました!感謝、感謝でございます。m(__)m

実は、あらいさんは、お昼の打ち合わせにも同席されていて、そこで、「単に、いい勉強できました、と帰って何もしないで終わる会にしたくない」の言葉があり、奮い立ちました。

あらいさんのことをお見かけは何度かしていましたがやっとお会いできて嬉しかったです。これからどうぞよろしくお願いします。

最後に、かいさんの感想レポートです。
あたたかく、ニュートラルな優しさを感じる記事です。
ぜひお読みください。

・JCCI主催「ケアホーム・グループホームについて、みんなで考える勉強会」
http://ghome.exblog.jp/21610831/
障害のある方にとって、おそらく永遠の課題であろうと思われる「親離れ」の問題を改めて考えさせられました。
私たちが普通に親から離れて暮らすことを思い描き、それを親は最初のうちは否定しつつも承諾し、独り立ちしていくのがほぼ当たり前の一生のサイクルの中に組み込まれているのに、「障害がある」ということで、そのサイクル通りに事がなかなか運ばない。社会的な側面から見ると、そういう当たり前のサイクルから0歳の段階で外れてしまっている方もいる。2歳くらいで何だかおかしいと思われるようになって、親が思い描いていた将来像がくずれてしまってからは、当たり前のサイクルではなく、親がいろいろと悩み苦しみ勉強して、本人の生きている姿そのものよりも、自分の陥った人生のサイクルにまず心が揺さぶられ、そうして、通園施設、特別支援学校(特別支援学級)、一般就労か福祉的就労かなどということを考えなければならず、そういうことを一生懸命考えてきた親だからこそ、「子離れ」はとても難しいのだなと思う。

それぞれ読み応えのある記事なので、ぜひリンクから飛んで全文を読んでいただけたらと思います。

参加された方のコメントに触れて、自分が思う以上に、大きな意味とインパクトのある勉強会だったのかも?と感じています。その一部を担えたこともうれしいですし、わたし自身の気づきと将来へのヒントをいただけたことに感謝します。

ちょうど、この勉強会が終わった数日後に、このつぶやきを見て、朝からうるっときてしまいました。

やっぱり支援者と親との間には、見えない川が流れている。それは、否定しても仕方のない事実であり、立場の違いをプラスに変えられるようにしたいと思いました。
この「川」のことについては、あらためて考えをまとめてみたいと思っています。

報告その2に続きます。

本日まで!愛知県のパブリックコメント「既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)」

もう出しましたか?

本件に関するlessor 氏のブログ記事。読み応えがあります。

http://d.hatena.ne.jp/lessor/20131126/1385395449
 そのような中、愛知県が画期的な案を打ち出した。関係者のあいだでは少し話題になっている。

既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)に対する意見の募集について

http://www.pref.aichi.jp/0000065776.html

 内容としては要するに「グループホームについて建物の規制を厳しくするのではなくて、防災や避難対策のほうに力を入れる方向に転換しよう」である。パブリックコメントの募集は明日で終わる。おそらく愛知県に限らず、各地の福祉関係者から賛同の声が多く寄せられていることであろう。

 自分が暮らしてきた家が取り壊されて駐車場になるのではなく、福祉用に転用されて、誰かに使い続けられることを喜べる人も世の中にはたくさんいるはずだ。高齢者でも障害者でも保育でも、地域に小さな場所の必要性は増す一方なのだから、このグループホーム規制緩和によって切り拓かれる展望は明るい。

【訂正】愛知県:既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)の適用されない市

昨日の愛知県パブリックコメントに関する記事のなかで、今回の愛知県の取り扱い方針が「適用されない」市について、私の建築基準法に関する知識が不十分だったため、不正確な記述となっていました。
お詫びして訂正をいたします。

重要な訂正なので、別記事を立てます。

まず、今回の取り扱い(案)の組み立てをもう一度確認をします。

戸建て住宅をグループホームにしようとした場合を想定しています。

つくろうとしているグループホームの面積が100屬魃曚┐訃豺腓砲蓮建築物の用途が「寄宿舎」となります。
「住宅」から「寄宿舎」へ、建築物の用途変更する場合には、「建築基準法の建築確認の権限を持つ機関=特定行政庁」に対して確認申請を提出し、確認を受けることが必要です。
ほとんどの住宅の場合、「寄宿舎」として要求される建築物の設備基準を満たすためには、改修が必要です。

今回の愛知県の取り扱い(案)は、一定の対策を条件として、建築基準法上の用途変更の確認申請は不要とするものです。つまり、「住居」のまま、グループホームをつくれるようにする構成になっています。

注意が必要なのは、この取り扱い(案)は、「愛知県知事」が自ら「建築基準法上の特定行政庁」として建築確認をする場合についての方針だということです。

したがって、建築基準法上の特定行政庁として権限を持っている市(市長)については、適用されるものではありません。それぞれの市で、県の方針を参照し、取り扱いを定める必要があります。
この度、愛知県建築指導課にお電話をして、建築基準法上の「特定行政庁」「限定特定行政庁」について教えていただきました。親切なご対応に対して感謝申し上げます。

前回の記事で、「市が、建築確認権限を持っている政令指定都市(名古屋市)と中核市(豊橋、岡崎、一宮、春日井、豊田市)」と書いた記述について、以下のとおり訂正します。(春日井市と一宮市を中核市と書いたのは完全なミスです)

<重要なこと〜政令指定都市と中核市への適用適用されない市について>
 この愛知県の施策は、特定行政庁となっている市(※一部の小規模な建築物に関しては限定特定行政庁となっている市も含む)には適用されません(具体的な市は愛知県のリストを参照してください)。これらの市にお住まいの方は、それぞれの市に対して愛知県の建築基準法の取扱い変更について、市として方針を検討していただくよう働きかけが必要です。

■愛知県内の建築確認受付窓口(特定行政庁・民間確認検査機関一覧)
http://www.pref.aichi.jp/kenchikushido/kensei/shido/madoguchi.htm
特定行政庁
・名古屋市
・豊橋市
・岡崎市
・一宮市
・春日井市
・豊田市

および小規模な建築物(4号建築物)に関しては、
限定特定行政庁
・瀬戸市
・半田市
・豊川市
・刈谷市
・安城市
・西尾市
・江南市
・小牧市
・東海市
・稲沢市
・大府市

■4号建築物とは次の)瑤廊△両魴錣謀てはまるものをいいます。
〔畋い両豺隋覆垢戮討乏催)
・2階建て以下
・延べ面積500岼焚
・高さ13m以下かつ軒の高さが9m以下
¬畋ぐ奮阿両豺隋覆垢戮討乏催)
・1階建て
・延べ面積200岼焚
※劇場など不特定多数の人が出入りするような用途の部分が100屬魃曚┐訃豺腓砲蓮↓,筬△乏催していても4号建築物になりません。

以上重ねてお詫びするとともに、訂正させていただきます。

意見募集! 愛知県が提案する、既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)について

【11月13日:訂正箇所あります】
※※訂正記事書きました。※※
・【訂正】愛知県:既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)の適用されない市
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52505970.html

愛知県自閉症協会の会報に書いた原稿をブログにも載せておきます。

<愛知県がパブリックコメントを募集中!>
 愛知県が既存建物活用のホーム設置基準を「建物規制から安全対策重視に変更」する案を策定し、パブリックコメントを募集しています。11月27日(必着)締め切りです!

・愛知県HP:既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)に対する意見の募集について
http://www.pref.aichi.jp/0000065776.html

 これから、超少子超高齢化が進み、人口が減っていくわけです。その中で「自分の力だけで、住居を確保し、毎日の暮らしを立てていく」ことができない人たちが確実に増えていきます。今回の愛知県が策定した施策は、介護を必要とする人たちのためのケアホーム、グループホームを、既存建物を活用してつくりやすくする規制緩和です。
 現状では、一定面積以上のグループホームは、建築基準法上「寄宿舎」として扱われるため、防火設備が新たに要求されます。既存建物をグループホームにするためのコストが新築よりも高くつくことがあり、既存建物のホーム転用をあきらめる現実がありました。しかし、それでは、将来さらに増えていく住む場所を求める人々のニーズに応えられません。
 言うまでもなく、グループホームの安全性は確保されなければなりません。それに対しては、ソフト面での安全対策を徹底することで対処する(この面では規制強化)ことを条件として、「寄宿舎」への用途変更を不要とする施策の構成になっています。
 詳しくは、ご自身の目で、愛知県HPをご確認ください。
 この案について、現在パブリックコメントを受付中です。ぜひ当事者である私たちの意見を愛知県に伝えていきましょう。

<重要なこと〜政令指定都市と中核市への適用適用されない市について>
 この愛知県の施策は、市が、建築確認権限を持っている政令指定都市(名古屋市)と中核市(豊橋、岡崎、一宮、春日井、豊田市)特定行政庁となっている市(※一部の小規模な建築物に関しては限定特定行政庁となっている市も含む)(※11月13日修正)には適用されません(具体的な市は愛知県のリストを参照してください)※11月13日追記。これらの市にお住まいの方は、それぞれの市に対して愛知県の建築基準法の取扱い変更について、市として方針を検討していただくよう働きかけが必要です。
訂正記事で詳しく説明をしています。ご参照ください。

<わたしの願い>
 住む場所は、家庭=ホームと同じくらい安全であってほしい。
 建築基準法の規制をクリアするための金銭や用地を確保できないなどの理由でホームをつくることができない、その結果、家族同居が延々と続く現状を、どう脱却できるのでしょうか?
 ホームを必要とする人たちの豊かな暮らしを実現する為の知恵を出し合っていきたいと思います。

<ケアホーム・グループホームについて、みんなで考える勉強会のお知らせ>
・日 時: 2013年12月8日(日) 13:30〜18:00
・会 場:TKP名古屋ビジネスセンター(名古屋市中村区椿町1-16 井門名古屋ビル)
・参加費:資料代1,000円(*参加費は当日、受付にてお支払ください)
・主 催・申込み先:日本地域共生協議会 http://kokucheese.com/event/index/126613/
・内 容:自閉症支援の先進地である米国ノースカロライナ州のケアホーム紹介と愛知県でのケアホームの充実を考える勉強会です。

♪パブリックコメントは11月27日締め切りなので、意見を出してから、勉強会に参加してくださいね♪

■愛知県内の建築確認受付窓口(特定行政庁・民間確認検査機関一覧)
http://www.pref.aichi.jp/kenchikushido/kensei/shido/madoguchi.htm
特定行政庁
・名古屋市
・豊橋市
・岡崎市
・一宮市
・春日井市
・豊田市

および小規模な建築物(4号建築物)に関しては、
限定特定行政庁
・瀬戸市
・半田市
・豊川市
・刈谷市
・安城市
・西尾市
・江南市
・小牧市
・東海市
・稲沢市
・大府市

■4号建築物とは次の)瑤廊△両魴錣謀てはまるものをいいます。
〔畋い両豺隋覆垢戮討乏催)
・2階建て以下
・延べ面積500岼焚
・高さ13m以下かつ軒の高さが9m以下
¬畋ぐ奮阿両豺隋覆垢戮討乏催)
・1階建て
・延べ面積200岼焚
※劇場など不特定多数の人が出入りするような用途の部分が100屬魃曚┐訃豺腓砲蓮↓,筬△乏催していても4号建築物になりません。

「行動援護ハウス勉強会」開催レポート

 9月29日に、社会福祉法人むそうの全面協力のもと「行動援護ハウス勉強会」(告知記事)を半田市で開催しました。愛知県自閉症協会つぼみの会会員25名が参加しました。支えているご家族の年齢が「10歳から45歳まで」と幅広く、現在進行形でケアホームを建築中という方から、子どもの将来のために勉強している方までいらっしゃいました。

「行動援護ハウス」とは、法律や制度で用いられている用語ではありません。「行動障害」といわれる様々な行動上の困難さを抱えた人たちのための暮らしの場を研究し、モデルとなるケアホームをつくる事業のコンセプトをあらわしている呼称です。
 14歳の息子を持つ親(私)が、ぜひこの勉強会を実現したいと思った記述を引用します。

 〜「行動援護対象者および重症心身障害者のケアホームへの移行における住宅環境および支援システムに関する調査研究報告書」平成21年度 社会福祉法人むそう〜 より引用
 この事業は、ケアホーム(CH)という暮らしの場をつくる(建てる)ということを前提としているので、主として環境面からのアプローチとなっています。ひとりひとりの障害特性が充分にアセスメントされ、ソフト面の支援の組み立てがされていることが前提であることは言うまでもありません。適切なアセスメントに基づくソフト・ハードの環境が整えば、シビアな行動障害を起こさざるを得ない人たちも、落ち着いた暮らしを送れるようになります。(略)
 この事業のもっと大きな意義は、「行動援護ハウス」の実績を積み重ねることで、自閉症スペクトラムの人たちが必要としている環境をよりクリアにできることです。それは、「行動障害」を予防するための条件として、発達期の支援に反映できるものとなり、自閉症スペクトラムをもって生まれた子どもたちが、自宅で家族と共に安心して育ち、穏やかに安定した自立生活を送れる成人期を迎えることにつながるはずです。

 勉強会では、むそう理事長の戸枝さんから「行動援護ハウスに至った経緯や先進支援事例の話」、事務局長の瀬さんからは「アセスメントと行動援護ハウスができるまで」をお話いただきました。
 ケアホームは、施設のハード面に注目が行きがちですが、「その人」に必要な配慮が何か?という評価(アセスメント)をせずに、一律に「自閉症の人にはこういう部屋がよい」というお仕着せではうまくいきません。
 むそうでは、実際に本人と関わっている現場の職員が集まり、本人の評価と必要な環境について、時間をかけて話し合い、部屋の設計を具体化していくプロセスを踏んでいることが印象に残りました。とにかく入居前の「本人のアセスメント」と「見立て」が重要とのことでした。それこそ、入居の初日で上手くいくかどうかが、ほぼ決まるということです。

 むそうのケアホームの設計と施工を担当した積水ハウスからは、発達障害のことを勉強する中から、既成品の中にも発達障害の人にとって役立つ建材や設備を一緒に研究・発見した経緯が興味深かったです。照明や防音対策、仕切りなど、なるほど既に別の用途で開発された物が使えるんですね!

 午後からは、実際にむそうが運営するケアホームの内、三か所(セブンハウス:一般住宅型。hanabitaikai:ビルのワンフロア型。なかよしハウス:一戸建まるごと改修型)を見学させていただきました。ケアホームと一口にいっても、色々な形があるものだなぁ…と、これまた学びの連続。

 ケアホームは、人が暮らす場です。障害があってもなくても、ただ建物を建てればOKではありません。家には、そこに暮らす一人ひとりの人たちの自分らしい暮らしが映し出されるはずです。私は、ひとつひとつの部屋からそこで暮らす人を想像しながら、わが子の将来を思いました。

 今後も、住まいを考える勉強会を、継続的に開催していきたいと考えています。指をくわえてうらやましいと言っているだけでは状況は変わりません。愛知県半田市で実現している「行動援護ハウス」のノウハウをぜひとも学んでいきましょう! また企画しますのでご参加ください。

<参加者のレポート>
つぼみパパブログ(ジョーさんのレポート)
こうままさんのレポート
Surfing Life of Autism: 参加してくださったMASAさんのレポート

【12月8日開催】ケアホーム・グループホームについて、みんなで考える勉強会

12月8日「ケアホーム・グループホームについて、みんなで考える勉強会」の告知です。

わたしは、シンポジウムに出ます。
小林先生と戸枝さんと席を並べて何を話すんでしょう? シロウトの親として専門家に質問をして、疑問を解いていきたいです。

・日時: 2013年12月8日(日) 13:30〜18:00
・会場:TKP名古屋ビジネスセンター(名古屋市中村区椿町1-16 井門名古屋ビル)
・参加費:資料代1,000円(*参加費は当日、受付にてお支払ください)
・内容:
  13:00〜 受付
  13:30〜 講演:小林信篤氏(社会福祉法人横浜やまびこの里・発達障害者支援センター長)
「アメリカ・NC州アルバマーレのGHA Autism Supports視察から学ぶ自閉症支援とケアホーム」

  15:00〜 シンポジウム 「ケアホームを増やそう!」
   小林 信篤 氏(社会福祉法人横浜やまびこの里・発達障害者支援センター長)
   鈴木 淳 氏 (カイパパ)
   戸枝 陽基 氏(社会福祉法人むそう・理事長)

こくちーずから申し込みできます→ http://kokucheese.com/event/index/126613/

ちらしで、本名出ちゃっていました。でも、もういいです。これからリアルで活動していく上で、避けられないから。これを機に、気にせず行こうと決めました。
カイのために、なることをしていこう。

大切な未来につなげるための勉強会になります。
私は、子どもたちの将来の「ホーム」を真剣に考えている親御さんにたくさん参加していただきたいです。
よろしくお願いします。

支持します!愛知発:既存建物活用のホーム設置基準を「建物規制から安全対策重視に変更」する案

カイパパは、愛知県が提案する、既存建物活用のホーム設置基準を「建物規制から安全対策重視に変更」する案を支持します。

・愛知県HP: 既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)
http://www.pref.aichi.jp/0000065776.html

これから、超少子超高齢化の社会がやってくる。人口が減っていくわけです。
そんな中、「自分の力だけで、住居を確保し、毎日の暮らしを立てていく」ことができない人たちが確実に増えていきます。

今回の愛知県が策定した施策は、介護を必要とする人たちのためのケアホーム、グループホームを既存建物を活用してつくれるようにする画期的な規制緩和です。

現状は、建築基準法消防法(11月10日修正)で「寄宿舎」として扱われるため、防火設備が新たに要求されるため、既存建物をホームにするためのコストが新築よりも高くつくため既存建物のホーム転用は諦める現実がありました。

しかし、今現在も、そしてこれからさらに増えていく住む場所を求める人々のニーズに応える必要があります。

もちろん、グループホームの安全性は確保されなければなりません。それに対しては、ソフト面での安全対策を徹底することで対処しようとする(この面では規制強化)施策の構成になっています。
詳しくは、ご自身の目でぜひ愛知県HPでお確かめください。

・既存の戸建て住宅をグループホーム等として活用する場合の取扱い(案)
http://www.pref.aichi.jp/0000065776.html

そして、この案は、現在パブリックコメント受付中です。
賛同頂ける方は:意見記入様式に意見を記入して送ってください↓

http://www.pref.aichi.jp/cmsfiles/contents/0000065/65776/ikenyoushiki.pdf

↓こちらが送付先です。

ファクシミリ 052-954-6920

電子メール shogai@pref.aichi.lg.jp

この施策について、当初から粘り強く、具体的に提案を続けてきた戸枝さんの解説記事をぜひ合わせてお読みください!

・愛知発:既存建物活用のホーム設置基準を「建物規制から安全対策重視に変更」する案: Hiromoto@toeda.blog.org
http://hiromoto.seesaa.net/s/article/379529512.html

〈わたしの願い〉
住む場所は、家庭=ホームと同じくらい安全であってほしい。
規制に適合したホームがつくれない=家族同居が延々と続く現状を、どう脱却するのか?
ホームを必要とする人たちの豊かな暮らしを実現する為の知恵を出し合ってほしいと思います。

【感想】幸せの太鼓を響かせて〜INCLUSION〜

映画「幸せの太鼓を響かせて〜INCLUSION〜」を観てきました。

ドキュメンタリーです。生身の人間に密着した撮影をしています。

太鼓が凄い。

でも、映画の中で、少年刑務所の受刑者からの感想文にもあったように、年間130公演もこなし、プロとしてお金を稼いでいる人たちに対して、「すごい」とか「上手い」とか言うのは失礼な気がしますね。
子どもの頃から練習を積んで、技術を磨いてきて今があるのだな、と尊敬します。

映画は途中から、瑞宝太鼓(グループ名)のリーダー河本さんのお子さん、四歳のゆうき君にフォーカスが置かれていきます。
それは、監督が、映画を撮り始めた最初からの意図ではなかったんじゃないかな?と私は想像します。
瑞宝太鼓を取材していくうちに、カメラがぐんぐんとゆうき君に近づいていく──印象を受けました。

知的障害のある両親から生まれた子──発達が気になる子。
本人はいたって明るく元気いっぱい!
両親の努力、優しさ。見守る周囲の人々のまなざし。

保育園の保育士さん、発達支援のSTさんやOTさんたちは、共通した表情をしていました。

ゆうき君がこれからどれだけ発達をしていくのかわからないけど、自分たちにできる支援をやれるだけやろう。
容易ならざる道を想像はしてしまう。けれど、幸せを祈ってやまない。
──そう語っているようでした。

知的障害のある両親による子育て。とても「特別なこと」に思える。
でも、きっと誰もが、一度しかない人生を、薄氷を踏むような思いをしながら前に進んでいることは同じだ。
たくさんのひとに、支えられて生きていることも。






ああ、これは。

コロニー雲仙解体後、施設を出て、「ふつうの場所で、ふつうの暮らしを」するようになって、今どうしているか?を活写した映画なんだ。
──ということに、エンドタイトルで「田島良昭」さんの名前を見て、やっとはっきり気づきました。

「INCLUSION」のサブタイトルは、その意味が(も)込められているのか…

田島良昭さんはこういうかたです。↓
ふつうの場所でふつうの暮らしを―コロニー雲仙の挑戦〈1〉くらす篇 (コロニー雲仙の挑戦 (1 くらす篇))
ふつうの場所でふつうの暮らしを―コロニー雲仙の挑戦〈1〉くらす篇 (コロニー雲仙の挑戦 (1 くらす篇))
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たのしく働き、いきいき暮らす―コロニー雲仙の挑戦〈2〉はたらく篇 (コロニー雲仙の挑戦 (2 はたらく篇))
たのしく働き、いきいき暮らす―コロニー雲仙の挑戦〈2〉はたらく篇 (コロニー雲仙の挑戦 (2 はたらく篇))
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驚いたことに、私は、この映画の主人公である岩本友広さんに既に出会っていました。
平成16年3月、やはり私たちが親になっている岩本友広君という、彼はプロの和太鼓集団「瑞宝太鼓」の団長なのですが、彼が10年間恋愛して、結婚しました。
田島良昭著『施設解体宣言から福祉改革へ』P.19から引用。

今、本をパラパラ見ていて気が付きました。7年前にぶどう社の市毛さんからいただいた本です。


この映画は、「知的障害者の太鼓グループの感動物語」として観ることももちろんできますが、観ればきっと気づきます。
ものすごく、様々な、生きることの喜びや悩みやつまずきや、ひとの優しさや強さやかなしみをつつみこんでいるんです。
テーマはしぼりこまれていません。観るひとによって、感じることは違うでしょう。(私のこの感想記事も、著名人のコメントと比べると、あまりにも違っていて、「あれ?」とセルフつっこみしたくなります。)

でも、それは、現実の暮らしに、個々の人間に密着しているからですね。「テーマ」に沿って生きているわけではないもの。

以上が、映画の感想です。




でも、極私的なことを言うと──映画の最初から最後まで、「うちの子の知的障害は重いんだ…」と思い続けて観ていました。

あらためて、愕然としました。

懸命に働く友〜うれしい知らせ

■懸命に働く友〜うれしい知らせ

 親友に、知的障害者入所施設で働く男がいます。彼とは、2002年6月の講演会(講演記録:高橋脩先生講演レポート「本気で地域で暮らしていこうと思っていますか?」)で初めて出会いました。

 以来、たくさん語り合い、TEACCHトレーニングセミナーなどの仕事も一緒にやってきました。

 彼は、1年前に、地域移行の仕事をするために岐阜から長野の施設へと自ら選んで移っていきました。私は、「いつか帰ってこいよ」と武者修行に出すようなつもりで見送りました。

 8月に久々に再会したとき、彼は激ヤセしてイライラしていました。3時間ぶっとおしで彼はひたすら話した。「自分の無力さが、悔しい」と涙を流す彼を前に私は呆然としていました。
 たしかに、夏の時点の「結果」だけ見ていたら、「結局だれがやっても無理なんだよ」という評価になるかもしれない。でも、涙は胸のうちに燃え続ける炎の証なんだ。あきらめなければゲームオーバーにはならない。すぐに結果を出そうとするのはよそう。昔みたいに、段階を踏んで仲間を増やしていこうよ。そんな話をしたように覚えている。

「眠れないんだ」とつぶやいた彼のことがずっと気がかりでした。

 春になって、うれしい知らせが届きました。「初めてのグループホームをオープンした」と。

・信濃毎日新聞(2005年3月28日):重度自閉症の人向けグループホーム 県内初、三水に 
http://www.shinmai.co.jp/news/20050328/KT050317FTI090019000022.htm
 社会福祉法人「林檎(りんご)の里」が、上水内郡三水村倉井に、重度知的障害で自閉症の人を対象にしたグループホーム「ひこうき雲」を開設し、4人が暮らし始めている。知的障害者を対象にしたグループホームに軽度の自閉症を伴った人が入居するケースはあるが、自閉症を入居の対象とするのは県内初。パニックなど行動障害がある人でも自立した生活が送られるよう、施設職員の経験者が支援している。

 ひこうき雲は、木造2階建て約170平方メートル。5つの個室やリビング、浴室などがある。定員5人で、職員は常駐と補助が1人ずつ。建設費は2730万円で県の補助を受けた。

 入居者は5人とも既に決まっており、20代から40代までの男性。いずれも同法人が村内で運営している入所施設「あおぞら」で暮らしていた。出身地は北信3人、中信と東信から1人ずつ。ホームヘルプサービスなども利用して生活しながら、仕事や日中活動の場を探すという。

 こうしたグループホームに対し、本年度から自治体が運営費を補助する制度もスタート。支援費で支給される額に加えて、1人当たり月額8万5000円を県と市町村で半額ずつ負担する。北安曇郡池田町の社会福祉法人「信濃の郷」が準備している自閉症の人対象のグループホームもこの制度を利用する。

 「ひこうき雲」設置にあたり、地元の反対はなかったという。管理責任者の藤村出さん(47)は「山間地でも知的障害者を受け入れてくれる時代になった。重度の人でも希望すれば地域で暮らせることを示したい」と、張り切っている。
 「まだひとつめ。これからもっと自分は働く」という親友の決意表明にしびれました。
 意外と人間はしぶとい。仲間がいれば支え合える。
 自己満足じゃなく、苦しくても「結果」を追い求めて、僕らはやっていこう。

 彼からのメール(許可を得て抜粋引用)――

 やればわかる
 でればわかる
 
 出る前はいろいろ心配されたけど、

 グループホームに移り住んだ
 みんながとてもいい表情で暮らしている
 
 その姿がうれしくもあり、 
 今までどんな思いで暮らしていたかを思うと
 胸が痛くもある

何か大切なものを忘れていませんか?〜愛知県コロニーの今後のあり方中間報告書

■何か大切なものを忘れていませんか?
  〜愛知県コロニーの今後のあり方中間報告書


 ブログ休暇に入る前に、書いておかなければならないこと。

 2005年2月6日に「中間まとめ発表:愛知県心身障害者コロニーのあり方見直し」という記事を書きました。このときは、「愛知県心身障害者コロニーの今後のあり方調査研究会議の検討状況」報告書原文を見ておらず中日新聞の報道だけで論じました。

 その後、報告書が公開されました。

・愛知県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議の検討状況について(報告書)
http://www.pref.aichi.jp/hsc/topic/hokoku/hokoku.html
(17ページの短い報告書です。ぜひ全文に目を通して以下をお読みください。)

★「中間まとめ」に対する違和感

 読後、なんともいえない「違和感」が残りました。私は「現実」を知らない幼児のイチ親に過ぎませんが、1点だけ根本的な疑問を書き記しておきます。
 コロニーの持つ施設間の有機的な連携、職員の優れた指導力を生かし、入所者が地域で生活できる力を身に着ける努力を続けてきたが、
それを受け入れる地域基盤が地域によっては脆弱であったこと、
また、コロニーは民間社会福祉施設で処遇が困難な重度の障害のある人たち(自閉症などの強度行動障害を伴う最重度児者や濃密な医療が必要な重症児者など)を受け入れてきたことから、
結果として入所者の在籍期間が長期化し、高齢化している。(報告書3ページより。改行はカイパパが挿入)

 すみません。私の心が曲がっているからかもしれませんが、

・職員は優秀で、コロニーに問題はない。
・地域移行が進まなかった理由
(1)地域が育っていないから
(2)入所者が重症だから

――だと中間まとめは言っているように聞こえます。

 なんだか、「悪いのは、地域と入所者だ」と言っているみたいに響きます。

 本当に、それでいいんでしょうか?

 愛知県コロニーで働く職員の方を直接何人か知っていますが、職場の話をするとき、いつもどこか苦しげな表情を見せるような気がしていました。職員の方も苦悩しているんだと感じています。報告書では、コロニーでの処遇の「質」(入所者はどのような暮らしをしているか?)についての検証がありません。
 この報告書を読んで職員の方々自身も違和感を感じているのではないかと想像します。私が思うのは、この報告書は、日夜矛盾と葛藤を抱えながら、それでも何とか良い方向へ、目の前の本人のために真摯に取り組んでいる職員に対して「白々しさ」を感じさせるものではないか? ということです。

★大切なものを忘れていませんか?

「みやぎ知的障害者施設解体宣言」をまとめる中心となった田島良昭さん(宮城県福祉事業団理事長)の言葉を紹介します。

田島良昭著『施設解体宣言から福祉改革へ』ぶどう社 P.60〜61 
*「ごめんなさい」が抜け落ちていないか
 一方で、われわれが平成十四年十一月に「船形コロニー施設解体宣言」を出し、浅野知事が平成十六年二月に県内全体の施設の解体宣言、「みやぎ知的障害者施設解体宣言」を出して。この間にいろんな議論がされてきて、施設解体に対する関心が広がってきたし、理解も相当深まってきました。

 しかし私は、どうも「施設解体宣言」に対する社会の皆さんや関係者の人たちのとらえ方が焦点がズレてきているよう思うのです。それは、宣言の最初のところの「ごめんなさい」が抜け落ちていることです。

 われわれが施設解体をしようとした一番の原点は、利用者の皆さんに対して、非常に劣悪な環境の中で長い間、あなたたちの人生の大部分をすごさせてしまったのは「申し訳なかった」ということなのです。

 なぜなら、「船形コロニーのあの四人部屋に、あなたは入りたいですか?」と聞いた時に、喜んで「入りたい」と言う人はまずいません。知的障害の人だけじゃなくて、職員の人や親・家族、あるいは地域住民の皆さんに聞いても、100パーセントの人が「私は入りたくない」とおっしゃる。皆さんがそうおっしゃるようなものの中に、何十年も生活させてきたことに、お詫びを言っているのです。

 今の施設は四〇年前とか三〇年前につくられました。戦後の非常に貧しい時代から、やっと東京オリンピックをめざして、わが国がワアッと浮上しようとしていた頃です。しかしその頃は、まだまだ食べ物も着る服も住む家も、みんな貧しかった。その時代の社会を基準にして施設がつくられ、しかもその時考えられた処遇がそのまま現在まで続いてきたのです。例えば、一部屋に六人とか四人の人がひしめき合って暮らしている姿など、今では入所施設以外どこにもないでしょう。

 それを「ごめんなさい」と言わずに、何を「ごめんなさい」と言うのか。私はそう思います。

 ところがその「ごめんなさい」が抜け落ちて、地域移行はいいか悪いかとか、どういう方法でやるかとか、財源はどうするとか、そういう議論になっている。相変わらず障害をもつ人たちの幸せとは別の世界の議論になってしまっている。それは違うのではないかと思うのです。

 たしかに、「みやぎ知的障害者施設解体宣言」の冒頭にこうあります。
 宮城県福祉事業団は、平成14年11月23日、船形コロニーを2010年までに解体し、入所者全員を地域生活に移行させるという、「施設解体みやぎ宣言」を発した。宣言を発するに至った背景としては、知的障害者本人の希望と関わりなく、施設入所を当然のこととしてきたのではないかという疑問があった。施設運営に関わる職員としては、自分たちの仕事の意義に対する、真剣な反省である。

 中間まとめ報告書2ページによると、愛知県心身障害者コロニーの今後のあり方調査研究会議では、「地域生活移行を積極的に行っている宮城県福祉事業団から講師を招いてその実践過程で当面した問題も参考にし、以上全体を総合的に検討」されたそうです。どんな検討がされたのでしょうか?

 これからコロニーが真剣に地域移行へ取り組んでいくためには、それぞれが「本当の思い」を「自分の言葉で」語り合わなければどうにもならないんじゃないでしょうか?
 つらい過程になるでしょう。
 それでも、「今の、このままでいいんだろうか?」という根源的な疑問を封じ込めてしまったら何も変われないんじゃないでしょうか?

 そう思うのです。

中間まとめ発表:愛知県心身障害者コロニーのあり方見直し

■中間まとめ発表:愛知県心身障害者コロニーのあり方見直し

★愛知県心身障害者コロニーの将来像を検討する愛知県社会福祉審議会の中間まとめが出ました

「中間まとめ」そのものは、まだ愛知県のHPにもコロニーのHPにも掲載されていません(2005年2月6日現在)。
 以下の考察は、中日新聞での報道にもとづいたものです。

【追記】2005年4月7日
・何か大切なものを忘れていませんか?〜愛知県コロニーの今後のあり方中間報告書
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/17900953.html

 この報告書に対する「違和感」について論じました。

【追記】2005年2月8日
「中間まとめ」報告書が、愛知県心身障害者コロニーHPに掲載されました。

・愛知県心身障害者コロニー:コロニーのあり方調査研究会議の検討状況
http://www.pref.aichi.jp/hsc/topic/hokoku/hokoku.html

 情報提供は、NPOで・ら・しえんのみるすきさんです。ありがとうございます(^^)


【参考過去記事】
 流れを理解していただくためにご一読を願います。

・2004年4月26日:■愛知県コロニーの見直しを諮問 県知事会見
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/447294.html
・2004年5月14日:■愛知県社会福祉審議会:コロニーのあり方検討開始
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/597860.html
・2004年7月8日:■「愛知県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議」に障害者委員は入れない
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/4077391.html


★新聞報道

・中日新聞2005年2月1日:県心身障害者コロニー:「地域」めぐり意見交換:審議会部会中間まとめ:5月中旬に最終答申
(※Web掲載なし。以下引用)
■県心身障害者コロニー:「地域」めぐり意見交換:審議会部会中間まとめ:5月中旬に最終答申

 県心身障害者コロニー(春日井市)の将来像を検討する県社会福祉審議会31日、名古屋市東区で開かれた。名称の変更も視野に「施設から地域へ」の方向性を示す専門部会の中間まとめが報告された。障害者を受け止める「地域」の形をどう考えればいいか。出席した20人の委員が意見をぶつけ合った。(福田 要)

 中間まとめでは「地域」を「障害者が住みたいと希望するところ」とし、出身市町村と一致しないケースも想定した。
 これに対し「仲良しと一緒に住みたいという希望もあり得る。親ではなく好きなおじさんやおばさんがいるのも地域では」。矢沢久子委員(県社会福祉協議会委員)が問題提起した。
 太田和子委員(県女性団体連盟会計監査)は「入所者の希望を聞くと言うが、地域の施設などを本人がどうやって把握できるのか」と、福祉情報の伝達が十分ではない現状を指摘した。
「地域に戻っても、家族だけが面倒を見るなら問題解決にならない」と西山八重子委員(金城学院大教授)。「従来の施設より高い水準のサービスを提供することを目指し、家族ではない『地域』を」と意見を述べた。

 コロニーは重症心身障害児入所施設や養護学校など10施設があり、利用者は計約1300人。県内の障害者福祉の中核だったが、入所期間の長期化など問題点が浮上し、「集住」方式など従来の運営方針を大きく見直す必要に迫られている。審議会はさらに専門部会で検討を重ね、5月中旬に県へ最終答申する。

 下記の夕刊記事の方が、中間まとめの内容に触れているのであわせてお読みください。

・中日新聞2005年1月31日夕刊:「地域生活への移行」重点:愛知県心身障害者コロニー
全文)←必読!

★私の意見

 方向性には賛成します。
 中間まとめでは、入所者の地域生活への移行を推進する機能を強化▽地域生活への移行で空いた定員枠に、原則として新たな入所者を受け入れない▽計画的に施設の規模を見直す−などを提案。速やかな移行が困難な入所者には、今後もサービスを提供するとした。

 大切なのは、
(1)「地域でどんな生活が待っているのか」(西山八重子委員の「担い手」に関する指摘は極めて重要)
(2)「地域生活へ移行するためのプロセス」
 が今後どのように提案されていくかです。
 長野県西駒合の場合は、西駒郷基本構想策定委員会を立ち上げ、4つのワーキンググループを設けて検討し、基本構想をまとめています。

【参考】
・長野県公式ホームぺージ:「西駒郷基本構想について」
http://www.pref.nagano.jp/syakai/fukusi/nkoma/top.htm

「西駒郷基本構想素々案」では、年次計画と数値目標が提示され、実行に着手されています。
 今回の愛知県社会福祉審議会の中間まとめでは、まだ方向性の提案だけのようです。

 愛知県においてコロニーの存在は大きい。
 具体的な数値目標や地域移行のスケジュールと今後のコロニーが担う機能(たとえば、一時避難のシェルターとしての機能や医療研究の拠点としての役割は残っていくのでしょうか?)のビジョンの叩き台を審議会で示して広く議論をしていくことを期待します。

★言っておかなければならないこと〜「わたしたちのいないところで、わたしたちのことを決めないで」

・中日新聞2005年1月31日夕刊(再掲)
 今回の検討は、福祉の専門家や医師、障害者の親の会などで構成する専門部会が進めてきた。しかし、議論が非公開だったことや、委員の中に障害者がいないことに障害者団体が抗議するなど論議も呼んだ。

 引用記事のとおり、この検討会議は非公開で、当事者本人は委員に入っていません。今後「中間とりまとめ」が公表され、議論がされることになります。意見や批判に対して、愛知県知事は真摯に受け止め、施策に反映させていくことを望みます。

 ――それにしても、「わたしたちのいないところで、わたしたちのことを決めないで」という「当たり前の話」に対する冷淡な対応がこのままでいいのでしょうか。たしかに知的障害のある人は、意思表出の力は弱いかもしれない。しかし、サポートがあれば自分の意思を示すことはできる。時間や手間を省いて、効率的な審議ばかり優先していませんか? 入り口から差別されてしまっては、どうしようもない。

【参考】中日新聞2005年1月31日夕刊より
愛知県心身障害者コロニー:
 重度の知的障害と肢体不自由が重なる重症心身障害児の入所施設や授産施設、養護学校、職業訓練校などを備えた総合福祉施設。1968年に開所し、10の施設がある。入通所者と生徒は計1327人。愛知県健康福祉部職員の67%に当たる882人が働いている。



【紹介】
 これからの愛知県での地域生活支援を担っていく事業者・個人のネットワーク、生活支援ネットワーク愛知の代表の顔が傍聴者の写真に写っていました(^^)

 生活支援ネットワーク愛知からの発信・提言も待っています。応援してます☆

・生活支援ネットワーク愛知
http://shien-net-aichi.web.infoseek.co.jp/
・生活支援ネットワーク愛知 blog
http://blog.livedoor.jp/shien_net/

「愛知県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議」に障害者委員は入れない

■「愛知県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議」に障害者委員は入れない

★千葉県「障害者差別禁止条例」制定へ
 まず、千葉県に喝采を!

・朝日新聞(2004年7月8日):障害者差別、条例で禁止 千葉県、全国で初
http://www.asahi.com/politics/update/0708/001.html
千葉県の堂本暁子知事は、障害者差別を禁止する全国初の条例を制定する意向を固めた。10月には、「中核地域生活支援センター」を新設し、24時間態勢で相談を受けて権利侵害を救済する態勢を整える。障害者や、その家族も交えて1年間協議したうえで、県議会に条例案を提案する見通しだ。

 私はこの記事「愛知県社会福祉審議会:コロニーのあり方検討開始」で堂本知事の姿勢を疑うような発言をしたことを反省しています。

★「愛知県心身障害者コロニーのあり方調査研究会議」に障害者委員は入れない
 ひるがえって、地元愛知の動き――愛知県コロニーの見直し検討について、残念なニュース。
続きを読む

【TV】きらっといきる:施設よ、さようなら

■NHK教育「きらっといきる」施設よ、さようなら〜長野・西駒郷の取り組み〜

 障害者支援費制度がない時代から、知多半島で在宅のサービスを根付かせた立役者山田優さん。2003年から長野県へ移り、知的障害者総合援護施設 西駒郷(定員500名)で地域移行への仕事に取り組んでいます。

・知的障害者総合援護施設 長野県西駒郷
http://www.pref.nagano.jp/xsyakai/nisikoma/

 今夜の「きらっといきる」では、その西駒郷での取り組みを紹介します。
 カイパパのイチ押しです! 見ましょう。録画しましょう。

・BIGLOBEテレビ番組
http://tv.biglobe.ne.jp/20040522/P18/comment.html#Z04772000
解説: 知的障害のある人たちが地域社会と離れて暮らす、長野県の入所施設「西駒郷」。入所者はおよそ四百人で、平均入所期間は十五年だ。ここで今、行政の主導で入所者を地域へ返そうという取り組みが始まっている。この春施設を出て、地域のグループホームで暮らし始める女性の姿を追うとともに、支援体制づくりを進める長野県の取り組みを紹介する。

【確認】
NHK教育 きらっといきる
放送 5月22日(土)20時00分〜20時29分
再放送 5月24日(月) 5時30分〜 5時59分

【謝辞】
 この情報は、つぼみパパメーリングリストで、なかくきさんから教えていただきました。ありがとうございました!

【追記】2004年5月23日
 番組の要点を以下のページで読むことができます(kyonさん、情報ありがとうございます!)。

・NHK教育きらっといきる:新しいばんぐみ
http://www.nhk.or.jp/kira/04program/04.html

■愛知県社会福祉審議会:コロニーのあり方検討開始

■愛知県社会福祉審議会:コロニーのあり方検討開始

★コロニーのあり方調査研究会議を設置

 2004年4月26日記事「愛知県コロニーの見直しを諮問 県知事会見」でとりあげた愛知県心身障害者コロニー(コロニー)のあり方に関する検討が、4月28日、愛知県社会福祉審議会で始まりました。愛知県知事の諮問を受けてのものです。
 審議会内に調査研究会議を設置し、2004年秋をめどに中間報告を審議会に提出。年度内に審議会が県知事に対して答申のスケジュールです。

・中日新聞(愛知県内版)2004年4月29日:県社会福審に会議設置――県心身障害者コロニー施設のあり方検討
 県社会福祉審議会(委員長・大沢勝県社会福祉協議会副会長)が28日、名古屋市の県自治センターで開かれ、県心身障害者コロニー(春日井市神屋町)のあり方に関する神田真秋知事の諮問を受け、審議会内に調査研究会議を設置することを決めた。
 同コロニーは1968年6月に開所。県内の障害者福祉の中核的な役割を担ってきたが、施設利用者の高齢化、入所期間の長期化、症状の重度化が進み、近年の福祉施策で重視されている地域療育や地域生活の充実が滞るなどの問題点が指摘されていた。
 調査研究会議は、同コロニーだけでなく、地域療育が可能となる県内全域での施設整備や社会復帰のための職業訓練など検討事項が多岐にわたり、専門性も高いため設けることになり、医療、福祉、有識者、NPO(民間非営利団体)などの専門家で構成する。同会議が今秋をめどに中間報告を審議会に提出。修正点を協議したうえ、年度内の答申を目指す。

★カイパパの注目ポイント

(1)疑問――本人委員は入れないの?
 多様な専門家を委員に加えることはよいでしょう。しかし、本人のことは本人が一番よく知っている。

「わたしたちのことをわたしたちがいないところで、決めないで!」

 この訴えに対して、愛知県は答えられるのでしょうか?

「知的障害者は自己決定ができない」と決め付けて、「だから専門家が代わって、本人にとって何がいいかを決める」というのは横暴です。意思決定への関与と選択の自由を認めて欲しい。

 ――「せめて、親の立場の委員を」と言いたいところですが、「親の利害と本人の利害は対立する(こともある)」という事実を決して忘れてはいけません。本人は本人、親は親の立場で参加すべきでしょう。

 少数の「専門家」で、コロニーのあり方を決めていくことは、今後どのような方向性を選ぶにしても意思決定の過程に「本人参加」「住民参加」がないために禍根を残すことになります。慎重な人選を望みます。

(2)「あり方の検討=施設から地域へ」ではない?

カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル:愛知県コロニーの見直しを諮問 県知事会見
 答申についての予想ですが、現在の流れからすると「施設入所から地域生活支援へ」という方向性が出てくるのは間違いがないと思われます。国の施策が転換していますから。
 神田知事の決断は、愛知の障害者福祉を変える歴史的なものとなるかもしれません。注目しましょう。

 と私は書きましたが、神田知事自身は「施設が不要になるわけではないが、社会生活の中で心身障害者が生活できる環境づくりが課題だ」(朝日新聞2004年4月20日報道)と語っています。
 検討会の人選方針を見て、必ずしも「地域へ」大きな舵を切る決断にはならないかもしれないと思い始めました。

 というのも、堂本暁子千葉県知事の厚生労働省社会保障審議会障害者部会での発言を読んで、地方自治体の長の一般的な感覚を垣間見た気がしたからです。

・社会保障審議会障害者部会(第6回)(2004年3月17日開催) 議事録
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/03/txt/s0317-1.txt

【堂本委員発言】
(略)私ども千葉県では、誰もがありのまま、その人らしく地域で暮らすことができる新たな地域福祉像を提唱しております。
 しかしそのことの阻害要因としてなっているのは、まだ非常に縦割りでございます。
3障害の間の縦割り、高齢者との間の縦割りで、それが一つの小さな村とか町に下りた場合に、個別にそういうことの生活的なサービスができないということがひとつございます。
 もう一つは、いま北岡委員がいわれたように、千葉ではとても施設解体という宣言はできません。なぜならまだ知的障害の方は袖ヶ浦に500人のコロニーがあるわけです。
その500人の方が地域に戻れるような地域でのサービスが作れるのかというと、これはほとんど不可能です

 ですので、そのためにはもう少し入所と居宅という二者択一ではなく、どうしても居宅で試みたが、それができない場合にはまた入所するとか、それから自分の体調ということもあると思います。いろいろな形でそこにいろいろな選択肢がもう少し自由に入ってくる。その意味では中央からは大変に縦になっている。そして補助金の使い方というものも縦割りになっている。
(略)


 袖ヶ浦福祉センターの知的障害者500人が地域に戻れるような地域でのサービスは作ることはほとんど不可能――だそうです。

・千葉県社会福祉事業団 概要:袖ヶ浦福祉センター
http://www1.ttcn.ne.jp/~fukushi.or.chiba/gaiyou/gaiyou.html

 堂本知事は、県の障害者計画策定のプロセスへの当事者や県民の意見反映に本気で取り組んでおり、私も評価しています。その方でさえ、「地域移行は不可能」と本音で言ってしまう。これが現実なのかもしれません。

 いやいや言葉尻に反応してはいけない。堂本知事は「施設は全廃できない。シェルターあるいは訓練の場としての機能が残る」と言いたかったのかもしれない。それなら私も同じ意見です。発言の真意がそこにあると願いたい。

 果たして、神田愛知県知事はどのようなリーダーシップを発揮するのか(しないのか)注目し、私も意見を伝えていきたいと思います。

【参考】
・第三次千葉県障害者計画骨子案について
http://www.pref.chiba.jp/syozoku/c_syoufuku/keikaku/0213kotusi.html
2.経緯
 (1) 作業部会での議論
・「健康福祉千葉方式」に基づき、昨年8月、計画を策定するための「作業部会」を設置。これまで15回開催。

当事者の参加が多いのが特徴(23名の部会委員のうち5名、22名のヒアリング対象者のうち11名)

・会議自体を公開するとともに、県庁HPに議事概要を掲載し、広く議論を公開。

愛知県コロニーの見直しを諮問 県知事会見

■愛知県コロニーの見直しを諮問 県知事会見

★コロニーのあり方を諮問

 愛知県知事が、愛知県心身障害者コロニーの今後のあり方について諮問することを決めました。「ついに」といった感じですね。県コロニーは巨大な施設です。その名称「コロニー」が表すとおり、障害者は特別な施設で暮らすのが当たり前という理念の時代に作られました。
 愛知県の知的障害者福祉を考える際に、コロニーのあり方は無視して通れません。平成16年度の県コロニーにかかる予算(心身障害者コロニー費)は88億円です。ちなみに、障害者居宅生活支援費補助金は6億2千万円。

【参考】
・愛知県 平成16年度予算の重点施策の概要:1 生き生きと暮らせる健康・福祉社会づくり 
http://www.pref.aichi.jp/zaisei/16/4-1.pdf ←PDF文書です

 答申についての予想ですが、現在の流れからすると「施設入所から地域生活支援へ」という方向性が出てくるのは間違いがないと思われます。国の施策が転換していますから。
 神田知事の決断は、愛知の障害者福祉を変える歴史的なものとなるかもしれません。注目しましょう。
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地域での普通の暮らし−支援者−地域生活支援=入所施設

■地域での普通の暮らし−支援者−地域生活支援=入所施設

 私の子どもは4歳です。自閉症の診断を受けてから2年半しか経っていません。将来のことを考えてみるのですが、はっきりと「こうする」という結論は出てきません。

★施設から地域へ

「入所施設から地域へ移行する」「ノーマライゼーションの理念の実現」といった話をよく聞きます。
 一方で「入所施設は必要だ」という意見も聞きます。現実に入所施設は増え続けています。
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