カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

自閉症スペクトラム

Accept Differenceキャンペーンが素敵だ!

うわーあぁ……
これはよみがえります(涙)

一瞬でいなくなる。人がいても関係なく、見たいもの、さわりたいものにいってしまう。この世には本当に「白い目」というものがあるんだと知りました。
経験者も、渦中にいる人も、そして、町中で「へんな子がいる」と思うかたも、見てほしいです。


動画のなかのセリフ(カイパパ訳)
「障害は、見て明らかものばかりではありません」
「時々、普通とは違う行動によって明らかになることがあります」
「あなたの(冷たい)反応は、いつも明らかです」
「私にできることはありますか? そう声をかけてください」
変化を起こそう。違いを受け容れよう。──Make a difference. Accept difference.

■このキャンペーンは素敵!

このTVコマーシャルは、Accept Differenceキャンペーンの一環で、目に見えない障害に対する理解を求め、オーストラリアのニューサウスウェールズ州のなかのMid North Coast地域(シドニーの北の沿岸部)で流されたものだそうです。
内容は、自閉スペクトラム症の子どもを持つ母親の体験をもとにしています。ですが、他にも目に見えない障害はたくさんあるので、あくまでも一例としてみてほしいと説明文にありました。

動画の最後に、Accept Differenceのサイトに誘導するアナウンスが流れます。このサイトを見てみたら、実によかったので紹介します。

・Accept Difference Understanding Disability and Inclusion
http://acceptdifference.org.au/accept-difference/

このキャンペーンの目的は、Mid North Coastのビジネスとコミュニティーをもっとインクルーシブ(包摂的)にするために、実践的な助言をシェアするものです(ビジネスが入っているところに注目!)。

Inclusive Businessのページでは、ビジネス一般、医療、スーパーマーケット、映画館、観光などに向けたアドバイスが書かれていて、相談できる機関へのリンクが紹介されています。企業にとって気づきのある先進事例や法律、研修の教材などのリストをまとめたPDFもあります。

いいな、と思ったのは、「私の企業は、インクルーシブです」という宣言をした企業がマップに掲載されていること。まだ数は多くないけれど、自ら手を上げる仕組みがウェブサイト上につくられています。

ただ「理解してください」というだけじゃなくて、実践的な実例を示す──
日本でも障害者差別解消法が施行されたけれども、こういう勇気と知恵を与え合うキャンペーンを企画して、実現できたらいいな!と思います。

「困っていることやできないことはありますか?」

Facebookで障害の区分判定のエピソードに出会い、なるほど!と思ったことを紹介します。

■困っていることはありますか?

障害の区分判定の検査の際に、「困っていることやできないことはありますか?」と尋ねられて、ハイティーンの自閉スペクトラムの子を持つ親御さんは、思いつかず、答えられずにいたそうです。すると、

「周りの同年代の子にはできていて、お子さんにはできないことは全部そうなんですよ」と説明されて、そういうことかと合点がいきました。

障害の子をもつ家族は、何年もかけて、学び、サポート体制を整えて、日々平穏に暮らせるところまでどうにか、たどり着きます(たどり着けず苦しみが長年続く場合もあります…)。

だから現時点では、日常のくらしについて「困りごと、できないこと」を訊かれても、とっさに何を聞かれているのかわからなかったりします。

■ひとりでできますか?

でも、たとえば同年代の子にはできることで言うと、
休みの日に親は外出をして、高校1年生の子どもがひとり留守番をする日に、「お昼は自分で食べてね」とお金を置いていったとします。

同年代の子どもは
・出かけて
・店を選んで入り
・席に案内してもらい
・メニューを読んで
・食べたいものを決めて
・注文をし
・食べて
・レジへ行き
・お金を出して
・釣り銭をもらい
・帰ってくる
これだけのことを「ひとりで」できるでしょう。

うちの子の場合は、ことごとくハードルがあり、「ひとりで」行うことは不可能です。
「外食して帰ってくる」を実現するためには、「付き添い」が必要です。
けれども、「付き添い」を得て、「外食をして、美味しかったと満足する」結果はおなじように得ることができています。困ってはいない。

それは、「支援があれば」困ってはいない、ということです。

■どれだけの支援が必要ですか?

障害程度を判定する目的は「どれだけの支援があれば困らないか」を知るため。
だから、「支援を外した」単独状態で、できること/できないことを評価するんですね。

そこを、周りにいるわたしたちは理解しておく必要がありますし、
判定にかかわる専門家は、「支援を組み立てて、生活を成り立たせている人」に対して、「支援がないとしたら、何が不便か? 何ができないか?」と伝えて欲しいと思いました。

それから、しぶとく、たくましく、くふうをして、くらしを成り立たせている家族たちを、ねぎらってもらえたら本当にうれしいです!

「DSM−5病名・用語翻訳ガイドライン」が公開されました

「DSM−5病名・用語翻訳ガイドライン」が公開されました。
日本精神神経学会会員 各位

 日本精神神経学会精神科用語検討委員会は、精神科関連15学会・委員会の代表者とで、日本精神神経学会精神科病名検討連絡会を組織し、総計17回にわたり連絡会議を開催し、DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン(初版)を作成いたしました。

・公益社団法人 日本精神神経学会:DSM−5病名・用語翻訳ガイドライン
https://www.jspn.or.jp/activity/opinion/dsm-5/index.html#maintitle

気になる、自閉症に関しては、
Autism Spectrum Disorder 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害

/(スラッシュ)の後ろは、旧病名が普及している場合の併記だそうです。いずれスラッシュの後は無くなるのかな? それとも併用され続けるのかな?

わたしの予想は、「自閉スペクトラム症、長くて言いにくいから、略して『自閉症』」って、一般的には、変わんないかも。

実は、このブログにとっても、影響があります。タイトルが、「自閉症スペクトラム」をもじって「自閉症スペクタクル」なので。

「カイパパ通信blog☆自閉スペクトラム症スペクタクル」はちょっと…。「カイパパ通信blog☆自閉スペクタクル症」だともう別物だよね! 固有名詞だからヨシとしよう。そうしよう。

【勉強会】1月25日大阪にて「これからの自閉症スペクトラムを考える」

おはようございます。カイパパです。
今日は、信州大学医学部特任助教の東島仁さんからご紹介いただいた勉強会の情報をお知らせします。

タイトルは「これからの自閉症スペクトラムを考える」と普通ですが、サブタイトルが「アスペルガー障害・広汎性発達障害がなくなるって本当?」と、えぇ?となりますね。

以前カイパパ通信でも紹介した、アメリカ精神医学会が制定している『精神障害の診断と統計の手引き』第5版(DSM-5)が新しくなり、その中から診断名として、アスペルガー症候群や広汎性発達障害がなくなりました。

・『精神障害の診断と統計の手引き』第5版(DSM-5)が承認
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52446983.html

その影響が、日本ではどう出るのか?を含めて、専門家のお話を聴き、その後じっくりと話し合うことができる勉強会です。

カイパパも非常に興味があります。大阪ですが、日程調整がつけば参加したいです。
というのも、自閉症、発達障害の勉強会には大きく2つのタイプがあり、ひとつは福祉的なテーマのもの、例えば、具体的な療育を教えてくれるもの、権利擁護について考えるもの、当事者のピアサポート(自助グループ)などです。もう一つは、医学的なアプローチのものです。今回ご紹介するのは、後者の医学的アプローチの勉強会です。こちらのタイプは、実は、医学関係者以外が参加できる機会があまりないので、今回は貴重です。
しかも、講演会の後に、参加者同士の話し合いの場を設けるものは非常に珍しいです。

ぜひ関西地方のみなさまはチェックしてみてください。参加費は、無料です。

以下はイベント情報ページから引用
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これからの自閉症スペクトラムを考える
-アスペルガー障害・広汎性発達障害がなくなるって本当?-

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 2013年5月、自閉性障害やアスペルガー障害の診断基準として世界各国で用いられている精神障害の診断と統計の手引き(DSM)が19年ぶりに大きく改訂されました。
 新しい精神障害の診断と統計の手引き(DSM-5)では、これまで使われてきた自閉性障害やアスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害などの代わりに、自閉症スペクトラム、そして社会的コミュニケーション症という名前が登場し、診断基準も変わりました(注)。これからは日本でも、DSM-5に基づいた診断が行われ始めるかもしれません。
 このような変化は、あなたの、そしてあなたの周りの人々に、どのように影響するのでしょうか。どのような人が自閉症スペクトラムとして、どのような人が社会的コミュニケーション症として診断されるのでしょうか。そして、これまでアスペルガー障害や広汎性発達障害、自閉性障害と診断を受けた人たちは、今後、どうなるのでしょうか。

 「これからの自閉症スペクトラムを考える-アスペルガー障害・広汎性発達障害がなくなるって本当?-」は、講演会と話し合いを通じて、これからの自閉症スペクトラムについて考えるイベントです。

『イベントの詳細』---------------------------------------------
■日時: 2014年1月25日(土) 
・午前の部(講演会)  10時〜12時15分
・午後の部(話し合い) 13時30分〜16時頃

■場所: 大阪大学中之島センター(大阪府大阪市北区中之島4-3-53)  
午前の部(講演会)703 / 午後の部(話し合い)303

■定員: 
・午前の部(講演会)  90名程度 (講演会のみで申し込めます)
・午後の部(話し合い) 28名程度 (講演会とセットで申し込んでください)

・お子さんやご家族など身近な方、あるいはご自分が自閉性障害やアスペルガー障害、広汎性発達障害をもつ皆さん、教育や支援に携わっている皆さんなど、どなたでもご参加頂けます。

■講演会・午前の部 
講演者:
 佐藤弥 先生 (京都大学霊長類研究所白眉プロジェクト) 
 船曳泰子 先生 (京都大学医学部)
 石原孝二 先生 (東京大学・大学院総合文化研究科) 
 浦野茂 先生 (三重県立看護大学看護学部)

■話し合いの部(午後の部) 
・おひとりで気軽にご参加いただけます。
・人の話を聞く姿勢をお持ちの方であればどなたでもご参加いただけますが、特別な配慮が必要な方はあらかじめご相談ください。 
※話し合いの部に参加なさる方は、講演会にも参加してください。
※話し合いでは飲み物やお菓子がでますが、お昼ご飯はでません。 

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■興味を持たれた方に・・・ 
-専門家の話を聞いてみたい方は、講演会(午前の部)にお越しください。講演会では、まず「自閉症スペクトラムの生物学的な仕組み」や「自閉症スペクトラムをはかる方法」の研究者が、今までに分かったこと、そして分かっていないことを話します。続いて2名の研究者が、「DSM(精神障害の診断と統計の手引き)とは何なのか?どんな風に変わったのか」を解説し、そのような「疾患定義の変化が人々の生活にとってどのような意味をもつのかを考える研究」を紹介します。 

-専門家の話を聞くだけでは物足りない方、他の人の意見が聞いてみたい方、自分の意見を伝えてみたい方は、午後の「話し合い」の部にもご参加ください。「話し合い」ではグループに分かれて、これからの自閉症スペクトラムについて考えてみます。班ごとに、スタッフが話しやすい雰囲気づくりをお手伝いしますので、どうぞお気軽にご参加ください。

注 DSM-5の日本語版は現在、作成途中です。「自閉症スペクトラム(Autism Spectrum Disorder)」や「社会的コミュニケーション症(Social Communication Disorder)」などの訳語は、今後変わる可能性があります。

◇申込み 
・下記ウェブサイトからお申し込み下さい。

http://kokucheese.com/event/index/135098/ 

・上記サイトから申し込めない場合は、jhigashi@shinshu-u.ac.jp まで、
(1)お名前(仮名で構いません)

(2)メールアドレス

(3)参加なさる時間(1.午前の部のみ、2.午前の部と午後の部)

(4)自閉症・アスペルガー障害・広汎性発達障害との関係(1.自分が持っている、
2.身近な人が持っている、3.教育・支援職、4.その他)

を沿えてお申し込み下さい。

『精神障害の診断と統計の手引き』第5版(DSM-5)が承認

アメリカ精神医学会で『精神障害の診断と統計の手引き』第5版(DSM-5)が承認されたと、wired_jpの記事が速報しています。

・精神疾患のマニュアルが改訂:病気の定義とは
http://wired.jp/2012/12/21/mentalhealth/ 
(元記事は、WIRED NEWS (Italian))

以下が、DSM第5版の主要な(そして議論の的となっている)点のいくつかである。WIRED.ITでは、そのいくつかを数カ月前に予想していた。

まず、自閉症だ。DSMの新版では、自閉性障害の項目から、より一般的で総括的な自閉性スペクトラムへと移行する。診断書をつくる医師たちの助けとなるように、DSMはこのスペクトラムに含まれるさまざまな精神障害に関係する基準に適合する患者たちの、具体的な例を記載している。

この見直しにおいて最も論議を呼んでいる点が、アスペルガー症候群である。これは社会生活への適応に関する精神障害のごく軽度なもので、第4版では独立した番号(299.80)をもっていたが、自閉症スペクトラムに組み入れられるようになった。…

この他、「特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)」も、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)に組み入れられるようです。

日本では、2005年施行の発達障害者支援法が、「発達障害」を定義を第2条第1項で次のように定めています。
この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発言するものとして政令で定めるものをいう。

日本にも、影響はあるのでしょうか?

・アメリカ精神医学会のDSM-5のホームページを見ると、2013年5月に正式リリース予定のようです。
http://www.dsm5.org/Pages/Default.aspx

上のWIRED記事で少し触れられている、今年1月のNew York TimesのDSM改訂の影響についての記事について、ベムさんが検討記事を書かれています。

・DSM-5:自閉症スペクトラム障害の診断基準変更に伴うインパクトに関する報道について - ベムのメモ帳Z
http://d.hatena.ne.jp/bem21st/20120122/p1


■New Definition of Autism Will Exclude Many, Study Suggests-New York Times
(新たな自閉症の定義は多くの人を締め出すと研究は示唆します)
http://www.nytimes.com/2012/01/20/health/research/new-autism-definition-would-exclude-many-study-suggests.html?_r=0

長年、現在の診断基準の曖昧さが自閉症とその関連障害の診断率上昇に寄与したと多くの専門家が指摘してきたということであり、DSMが第4版から第5版に改訂されるに当たっては、専門家の多くが自閉症の診断基準が明確になるとともに、それに伴ってその範囲が狭くなることを予想しているとのことです。

ちなみに、ベムさんはブログを引越しされて、現在のブログは、ベムのメモ帳V3です。

また、障害区分に関しての記事ではありませんが、afcpさんが、DSM-5についての興味深い考察を書かれています。

・DSM-5における「V軸」の扱いー国際生活機能分類(ICF)への接近?ー - A Fickle Child Psychiatrist
http://www.afcp.jp/entry/2012/06/09/213209
…ICFは医学的モデルにとどまらない社会的モデルをも包含した分類を提唱しています。ICFでは人の生活機能を健康状態、心身機能・身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子の相互作用としてコーディングしていきます。このうち健康状態は主に国際疾病分類(ICD)によってコードされ、ICFがその他の部分の分類を規定しているのです。

このように disorders と disabilities を分けていくやり方、そこに環境と個人の因子の寄与を考慮していくやり方は、医師には比較的馴染みのないものだと思います。DSM-5の体系にこうした評価が入ってくると、日本でも精神科医の教育は多少変わってくることになるのかもしれません。

診断への影響については正直よくわかりませんが、障害概念の変化は興味深いです。

米国での診断基準のガイドラインの変更が、日本の医療にどのように影響するのか? そして、それが障害者福祉にどのような影響を与えるのか? さらに、わが子やこの障害をもつ人たち、そしてこれから診断される人たちにどんな影響があるのか?

正式リリースも来年5月ですから。専門家の解説と予想を待ちたいと思います。

(追記)
DSMの"Autism Spectrum Disorder"を訳すと、"自閉症スペクトラム「障害」"となりますが、日本での診断名は、「自閉症スペクトラム」だけの方向で行くといいなあと思っています。

(蛇足)
ちなみに、このブログタイトルは、お察しのとおり「自閉症スペクトラム」に「スペクタクル」をかけています。すみません、これで10年やってきています(^^;

・HPタイトルの由来について
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/26415.html

<告知>
カイパパFacebookページ、ほぼ毎日更新中!
https://www.facebook.com/kaipapa2shin

睡眠

ベムさんから過去記事【記事】乱れた睡眠、幼児の脳発達に悪影響?…5歳児調査にTrackbackをいただきました。

・愛知県:乳幼児期の規則正しい睡眠のリズムが脳機能の正常な発達に重要であることを実験的に証明しました
http://www.pref.aichi.jp/0000042725.html
心身障害者コロニー発達障害研究所では、乳幼児期の不規則な睡眠のリズムが脳のネートワーク(シナプス)形成を促進する蛋白質(脳由来神経栄養因子)の日内リズムを乱し、シナプス形成不全を引き起こすことを動物実験で明らかにしました。また、自閉症モデルマウスでも同様の脳機能障害を解明しました。
この結果は、不規則な睡眠のリズムが自閉症様の症状を引き起こす可能性があること、そして、乳幼児期に早寝早起きの規則正しい生活をすることが脳の発達に大切なことを実験的に示した世界初の発表で、このたび、国際的学術専門誌に評価されました。

この研究の発表について、Facebookでも話題になって、私が書いたことを載せておきます。

うちの子は、睡眠障害が本当に激しかったです。寝なかった。すぐにリズムが崩れた。
脳の機能障害が原因で、睡眠障害が結果だと思います。
「眠れない」ことが、さらに脳の発達に悪影響を与えていることは、そのとおりだと思いますが。

「A:自閉症の原因(=影響を与える)遺伝子あるいは素因が特定された」
「B:しかしながら、その遺伝子で説明できる自閉症は◯分の1である。」
「C:自閉症スペクトラムという症候群を惹き起こす原因は、種々あり、複雑に作用しあっている。」

どうしても、Aばかりがフィーチャーされて吹聴されてしまう。そのため誤解が生じて、多くの人を傷つける影響が生じる。
Aの解明自体は悪いことではないのだが、「新発見」があるたびに、感情的に構えてしまいますね。
BとCのことを、必ず、添えて欲しいです。

今回の、愛知県コロニーの研究成果は、睡眠リズムに関するもので、親が操作可能(?)なものを指さして、「原因だ」と述べるもの。じゃあ、うちの子を、なんとかして寝かせることが出来ていたら自閉症は「治っていたの?」と、やっぱり思いますし、「睡眠が原因じゃない。結果だろう」と思います。

と同時に、うちの子の場合、低身長症の治療のため、成長ホルモン注射をするようになってから、睡眠時間が伸びました。身体の発育とともに、脳も発達しているのかな?と思うことはあります。
(成長ホルモンも全然足りていなかったから、ものすごく不利な条件で、成長をしようとしてきたんだよね、と思う。「ごめんね」と思う。)

うちの子のことしか、わからないけれど。(成長ホルモンを補うことが他のお子さんの睡眠障害が改善するかどうかはわかりません)
睡眠は大事。本当にそのとおり。
本人のためにも、親の健康のためにも。緩解させる方法が見つかるといいです。その方法を見つける研究をぜひ進めて欲しい。

このコメントを書いたあとに、妻にこの研究の話をしたら、「マウスに自閉症がいるの?」と訊かれました。もっともな疑問。

「実験用に作ったんだって」と私が言うと、
「まずそこが気に食わない」と言う。

「ヒトとマウスじゃちがうからね」と私。
「っていうより、マウスは最初から多動でしょ」

あ、そこか…!

──以上は、カイパパの感想に過ぎないのですが、ベムさんの考察はぜひ読んでいただきたいです。

・ベムのメモ帳Z:自閉症に関する科学報道について
http://d.hatena.ne.jp/bem21st/20110705/p1
自閉症マウスについても、触れられています。
まず、自閉症モデルマウスが本当に自閉症のマウスなのかという疑問がありますね。自閉症モデルマウスというのは遺伝子を操作するなどして作り出すのですが、現在、自閉症の原因となる遺伝子はしっかりと同定されているわけではないでしょう。だからやや無理をして作ったうえで、その行動が人の自閉症に似ている(例えば鳴き方の発達の遅れをコミュニケーション障害などと「診断」しているようです)からということで自閉症と見なしているのではないかという想像がはたらきます。



次に、仮に自閉症モデルマウスが本当に自閉症だと認めた場合であっても、それを使って確認できたことは、人の自閉症にもそのまま当てはめられるのかという疑問があります。このことは自閉症に限らず他の病態モデル動物全体にも言えることですが、当然限界が指摘されています。私が説明するよりもこちらのブログをご覧いただいたほうが説得力があるでしょう。

■病態モデル動物の限界。-薬作り職人のブログ
http://kentapb.blog27.fc2.com/blog-entry-1923.html


lessorさんのこの記事もあわせてどうぞ。(強調部分はカイパパが装飾)

・「睡眠リズムは脳に大切」で終わらせたくない人たち - lessorの日記
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20110706/1309960100
そもそも記者発表資料を見る限り、この研究結果から「睡眠の乱れが原因で自閉症になる可能性」を読み取るのは、かなり無理があるように思う。

前提 普通のラットの睡眠のリズムを乱すと、脳由来神経栄養因子(BDNF)濃度に見られるはずの日内リズムが乱れ、シナプスが減る。

前提 人間でいう自閉症っぽい行動を示すモデルマウスではBDNF濃度にリズムがない。

結論 (人間の)睡眠リズムの乱れは自閉症の原因になる。

 こんな飛躍の多い、雑な論法は成立しない。実際、研究者による記者発表資料でも書かれているのは、

1)自閉症児のBDNFの日内リズムを人為的に正常に近づけることで症状の改善に繋がる可能性、
2)自閉症児の睡眠バランスを薬物療法で改善することで臨床症状を緩和できる可能性

であり、これらは睡眠の乱れと自閉症「発症」との因果性について何も主張していない。自閉症児の「症状」改善にとって睡眠リズムが大事という話である。「原因(睡眠の乱れ)」→「結果(自閉症)」という時間的な前後関係を示そうとしたようにも見えない(論文全文を読まなければわからない部分もあるけれど)。
ひとくちに「睡眠障害」と言うけれど、その程度も様々です。
ただその苦しみは──誰かが「地獄」と表現していたけれど。想像してみてください。生まれたばかりの赤ちゃんは昼も夜もなく短時間で目を覚まし、親が睡眠不足でつらい時期がありますよね。それが延々と何年も続き、終わりが見えない状況を……。親は健康を崩します。精神面も追い詰められます。

だから、私は、睡眠障害を軽減する方法を見つけて欲しいと切に願います。

「寝かさないから、自閉症になった」かのような口ぶりで、今苦しんでいる親や過去を後悔してしまう親を叩くのではなく。

自閉症スペクトラム本人が開設するサイトのリンク集(募集)

■自閉症スペクトラム本人が開設するサイトのリンク集(募集)

【募集の趣旨】

 カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルは、自閉症から広がる新しい世界をテーマにしています。
 私は、カナータイプの自閉症の幼児の父親の立場から発信をしていますが、アスペルガー症候群、高機能自閉症、軽度発達障害、ADHD、広汎性発達障害といった自閉症スペクトラムの「淡い層」の方たちの思いや考えも知りたいと思っています。
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【本】自閉症研究の到達点を知るために


自閉症の理解―原因・診断・治療に関する最新情報

■【本】自閉症研究の到達点を知るために

 メディアで自閉症についてとりあげられることが増えています。もともと自閉症は誤解を受けがちな障害なので、認知度が高まることは基本的に歓迎です。しかし、なかにはセンセーショナルな取り上げ方もあります。
 親として、専門家として、「自閉症研究はどこまで行っているのか?」を知っておくことの重要性を痛感しています。
 そのために、私にとって、非常に役立った2冊を紹介します。
続きを読む

【本】自閉症スペクトル〜最初の一冊

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【本】自閉症スペクトル〜最初の一冊

★1 はじめに

 カテゴリー「自閉症スペクトラム」では、しばらくの間、自閉症を学ぶための
書籍・映画などを紹介していきます。

 まず第一弾は、これ以外にないでしょう。自閉症を学ぶ際の、教科書だと思っ
ています。

★2 『自閉症スペクトル 親と専門家のためのガイドブック』

『自閉症スペクトル 親と専門家のためのガイドブック』
ローナ・ウィング 著
東京書籍 2,400円

(1)著者について
 ウィングさんは、イギリスで1970年代の初めから自閉症研究の第一人者として
活躍されています。そして、自閉症の娘をもつ母親でもあります。

(2)私とこの本との出会い
 私は、カイの障害の診断を受けた頃、様々な本やインターネットの情報を読み
漁りました。その頃の私は、心にまったく余裕がなくて、親以外の専門家の書い
たものが、冷たくて、読んでいるうちに苦しくなってきて、読めませんでした。
 そんなときにダダ父通信で紹介されていた『自閉症スペクトル』と出会いまし
た。
 専門家が書いているのに、なぜこんなにあたたかく伝わるのか?――前書き
にある日本で自閉症の子どもと出会った時のエピソードから最後まで――不思議
なほど素直な気持ちで読めました。
 あとで「ウィングさんは母親でもある」ことを知って大いに納得しました。

(3)内容
 この本は、自閉症研究の到達点とイギリスの現状を、正確で中立的に説明して
います。ウィングさん自身の言葉で要約すると――

引用はじまり(同書p.324より)
=======================================================================
成人になったときの状態は、児童期の能力と密接に関連する。しかし、どのよう
なレベルであっても、教育を通して、生活の質を改善することができる。
自閉症スペクトル障害は、脳の一部の生物学的異常による発達障害である。
複雑な遺伝的要因は原因として重要ではあるが、しかし自閉症に導きうる他の身
体的原因もある。それらを合わせて、自閉症障害の全てのレベルの人の出現率は、
おそらく1000人に約9人である。多くの方法が開発されても未だ治癒はない。
しかし今では、教育の方法、まだどのようにしてスキルを増やし障害や問題とな
る行動を軽減するか、環境と日々のプログラムをどのように構造化するかについ
ての多くの知識が蓄積されている。
=======================================================================
引用終わり

 この要約で述べられている一つ一つの意味・根拠が本書で解説されています。
すごいと思う点は、ライフステージごと、本人、家族、専門家全て、さらに利用
できる社会資源について、幅広く目配りされ簡潔明瞭な解説がなされている点で
す。

 そして、この本が解説するイギリスの状況は、日本には足りない支援サービス
の目標となるものです。「イギリスはいいなあ。じゃあ、私たちの住むところに
は何が必要なんだろう?」と考えるヒントになります。

★3 最初の1冊にしてほしい
 この本は、難しそうで少し高めなので、他の薄い入門書を手に取りがちですが、
けっきょくは遠回りになる場合があります。

 最初の1冊にぜひどうぞ!

【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ

スペクトラム

【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ

 カイパパ@4歳自閉症男の子の父です。
 このサイトは、「自閉症スペクタクル」と題し、「自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!」をテーマにしています。
 その一歩として、「自閉症を知らない人に、まず知ってほしい」という思いがあります。「自閉症を知ってほしい」と題して火曜日に連載しています。5回連載の予定で、今回が最終回です。
 連載をまとめて読みたい方は、ページ左側にある「カテゴリー別」から「自閉症スペクトラム」をクリックしてください。


★もともと私たちが敏感なこと
 医師の書いた本の中で、「自閉症の診断は経験をつんだ医師なら難しいものではない。なぜなら、自閉症が端的に現れる社会性・コミュニケーションの特異性には、もともと私たちが敏感だからだ」と書いてある記述が印象的でした。

 たしかにそのとおりだと思います。私が、他のお子さんと出会って、自分の子どもと違う面もあるのだけれど、やはり共通していると感じるのはコミュニケーションの希薄さです。

 ごく当たり前のことのように「自閉症はコミュニケーションの障害です」と説明されるけれど、その言葉の重みを実感できる人は少ないかもしれません。
「ああ、人づきあいが苦手なのね」ぐらいに受け止められてしまう。

★涙が出るほど、、
 想像してみてください。

・落ち着かない環境のなかで、何をしたらいいのかわからず自傷行為を繰り返す。
・お腹に激痛があるのに「痛い」ということを伝えられずに腹膜炎を起こして亡くなってしまう。
・「やめてください」が伝えられず、暴力で人を傷つけてしまい、犯罪者になってしまう。
・注意書きの意味がわからず、道路に飛び出し、事故にあう。

 こういった危険と常に背中合わせで私たちは生活をしています。コミュニケーション障害……親としては、その深刻さに泣けてきます。

 もしもコミュニケーションの手段(わかるように伝える・わかるように伝えてもらう)を身につけていたなら、避けられたかもしれないことです。
「コミュニケーションの障害」という整理でわかった気になって思考停止になっているかぎり、自閉症の人の幸せは絶対に実現しないのだと思います。

「どうしたらいいのか…」途方にくれている親と一緒に考えてみてほしいのです。

★おわりに
 連載「自閉症を知ってほしい」はいったんここまでで一区切りです。自閉症のこと、見えてきましたか?
まだまだ「ぼんやり」としたイメージですよね。力量不足で申し訳ありません。
このブログサイトをやりながら、ベターな伝え方を模索し続けていきたいと考えています。感想などお寄せいただけたらとてもうれしいです。

 次の火曜日からは、自閉症の参考図書を紹介しながら、自閉症の紹介を続けていきたいと思います。

【連載記事】
【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ(2003/12/30)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録(2003/12/23)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて(2003/12/16)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム(2003/12/09)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)(2003/12/03)

【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録

スペクトラム

【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録

 カイパパ@4歳自閉症男の子の父です。
このサイトは、「自閉症スペクタクル」と題し、「自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!」をテーマにしています。
 その一歩として、「自閉症を知らない人に、まず知ってほしい」という思いがあります。「自閉症を知ってほしい」と題して火曜日に連載しています。5回連載の予定で、今回は第4回です。連載をまとめて読みたい方は、ページ左側にある「カテゴリー別」から「自閉症スペクトラム」をクリックしてください。

 今回は、自閉症のことをさらに詳細に理解するための専門家の講演を紹介します。
次の講演録をご一読ください。


講演録 「自閉症スペクトラムについて」 講師 門 眞一郎 先生

 ↑クリックすると講演録が開きます(※PDFファイルです)。詳しくてしかもわかりやすい内容です。(42ページあるので、印刷して年末にゆっくり読むといいかも?)

 私も門先生の講演を一度聴いたことがあります。その時に語られた、「自閉症児にとってわかりにくい環境に置き続けることは、心理的虐待に他ならない」という言葉を胸に刻みました。親だって、同じことをしがちだから。

 クールな語り口の中に情熱が見え隠れしてレベルの高い素晴らしい講演会でした。時々「ダジャレ」が混じって、聴いてる側は「…これは、笑っていいのだろうか?」と戸惑うことしばしばでした

「すでにわかっているヨ」という方も、新たな発見があると思います。ぜひご一読ください

(続きます)


【連載記事】
【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ(2003/12/30)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録(2003/12/23)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて(2003/12/16)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム(2003/12/09)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)(2003/12/03)

【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて

スペクトラム

【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて

 カイパパ@4歳自閉症男の子の父です。
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 その一歩として、「自閉症を知らない人に、まず知ってほしい」という思いがあります。「自閉症を知ってほしい」と題して火曜日に連載しています。
 5回連載の予定で、今回は第3回です。連載をまとめて読みたい方は、ページ左側にある「カテゴリー別」から「自閉症スペクトラム」をクリックしてください。

★親の育て方が原因ではありません
 かつて(といってもホンの30年前ぐらいまで)、「自閉症の原因は冷たい親の育て方にある」という説が主流でした。しかし、疫学的研究や様々な療育の実践の結果から、自閉症は先天的なもので、脳の器質的障害が原因と結論付けられました。

 その根拠は以下のようなことがあげられます。

(a)同じ親が育てた兄弟でも、自閉症ではない場合がある。(育て方が原因の否定)
(b)「てんかん」と自閉症との高い相関関係(脳の機能障害を推測させる)
(c)自閉症を持つ兄弟の高い発症率(遺伝的・先天的原因の推定)
(d)男児の発症率が有意に高い(同上)
(e)世界中で、人種に関わらず生じている(同上)

 私たちの実感としても、
・カイは生まれた時から少し変わっていた…
・大切に愛して育ててきたことは誰に対しても胸をはれます。

 これまでどれだけ親が他人から非難され「自分のせいだ」と自分を責め、傷つけられてきたことか……ホンの少し想像力を働かせて、正しい理解をしていただきたいです。

★「ひきこもり」ではありません
 「自閉症」という名称の印象から、「自分の殻に閉じこもっている」と誤解されがちです。「わたしも昔自閉症だったわよ」なんていうセリフを聞いたことはありませんか? 「ひきこもり」と同じと誤解されているんですね。

 自閉症は、以下の三徴候が3歳までに認められたときに診断されます。

a 人づきあいの質的異常あるいは社会性の問題
b コミュニケーションの質的異常
c イマジネーションの障害(こだわり)

 この障害は生涯にわたって続くもので、病気が治癒するという意味で治癒することはありません。

 専門的な診断はともかく、そもそも3歳の「ひきこもり」ってナンセンスだと思いませんか?
(参照:【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム2003年12月9日記事

(火曜日に続きます)

【連載記事】
【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ(2003/12/30)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録(2003/12/23)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて(2003/12/16)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム(2003/12/09)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)(2003/12/03)

【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム

スペクトラム

【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム

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 その一歩として、「自閉症を知らない人に、まず知ってほしい」という思いがあります。5回連載の予定で、今回は第2回です。連載をまとめて読みたい方は、トップページ左側にある「カテゴリー」から「自閉症スペクトラム」をクリックしてください。
 私は医療関係者でも専門家でもありません。子どもの障害がわかってから2年間で私なりに学んだことを紹介していきます。詳細かつ正確な知識については、参考文献に直接当たってくださいね!

★自閉症の診断

 自閉症は原因によって定義された障害ではありません。下記の三つの異常(三徴候)が3歳までに認められた場合に自閉症と診断されます。

(参考)診断は以下の三つをチェックする。
a 人づきあいの質的異常あるいは社会性の問題
b コミュニケーションの質的異常
c イマジネーションの障害(こだわり)

参考HP:ダダ父通信「自閉症マメ知識」 

★自閉症といっても、現れ方は十人十色〜スペクトラム(連続体)というとらえ方

 ところが、連載第1回で述べたように「認知のプロセス」の〈どこ〉に、〈どの程度〉の障害があるかによって、自閉症の特徴の現れ方は様々です。
 ですから、「自閉症はこういう人です」と単純に記述することはできません。ローナ・ウィングさんは著書『自閉症スペクトル』p.34の中で、次のように述べています。
……診断のためにこれまで提案されたシステム(引用者注:ICD(国際疫病分類)、DSM(精神障害の分類と診断の手引き))は、いずれも社会的相互交渉の障害、コミュニケーションの障害、そして想像性の障害ならびに硬直した反復的な行動パターンが、診断的特徴として不可欠であるとする点で一致しています。このように基本的な一致点はあるのですが、個々の子どもや大人を診断する際には次に述べるような多くの理由から診断の不一致が起こります。

(1)障害は多様な姿で現れ、そのなかには微妙なものもあれば気づきにくいものもある。
(2)自閉症スペクトル障害は、一般知能の最重度障害から平均よりずっと上に至るまでのいかなる水準においても起こりうる。
(3)自閉症スペクトル障害は、何らかの身体障害や他の発達障害を伴うこともある。なかでも、てんかん発作はとりわけ起こりやすいものである。
(4)加齢とともに、行動パターンが変化することがある。
(5)環境によって行動が変わりうる。よく組織だっている学校やクリニックにおけるよりも、家庭では往々にしてよくない。というのは、家庭では親が自分たちに注意をひこうとあれやこれやの要求をするからである。
(6)どんな人が一緒にいるかによって行動が異なってくる。(略)
(7)教育は、行動パターンに影響を与える。
(8)個々人のパーソナリティは、行動に反映されるとともに行動に影響を与えもする。

 つまり、三つの基本的な徴候(これについても重い・軽いはある)は共通しているが、(1)から(8)のように、現れ方が人によってとても違っている。(その理由は、先に述べたとおり脳の認知プロセスのどこに・どの程度の障害があるかによると解釈すると理解しやすいと思います。)
 そのため、ウィングは、自閉症「スペクトラム」=「連続体」と障害を定義しました。

★自閉症からメインストリームの人までのスペクトラム(連続体)

 もっと言うと「自閉症スペクトラム」の人とそうでない人(メインストリームの人)も連続していて、どこかで線引きができるわけではなく、虹のように色彩がグラデーションのように連続したものなんだということがイメージができるように思います。
 ありがちな言い方ですが「パーフェクトに正常な人ってどんな人?」ということですね。とはいえ、「程度問題」では片付けられない「質的異常」の深刻さを忘れてはいけません。難しいですね。

3に続きます!

【連載記事】
【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ(2003/12/30)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録(2003/12/23)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて(2003/12/16)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム(2003/12/09)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)(2003/12/03)

【参考記事】
自閉症スペクトラムについて」@Tamago Blog
 自閉症スペクトラムのイメージについて図示されていてわかりやすい。


自閉症スペクトル―親と専門家のためのガイドブック

【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)

スペクトラム

【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)

★はじめに
 カイパパ@4歳自閉症男の子の父です。

 このサイトは、「自閉症スペクタクル」と題し、「自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!」をテーマにしています。
 その一歩として、「自閉症を知らない人に、まず知ってほしい」です。これから数回に分けて、自閉症が何かについて連載をしていきたいと思います。

★自閉症についての一般的な説明

 自閉症は生まれつきの脳の器質的な障害といわれています。その原因・部位はまだわかっていません。
 脳内の情報処理の仕方に障害があるため、見たり聞いたりすることや感じ方が普通の人と異なり、同じように理解することができません。
このため、コミュニケーションがとても苦手です。

★自閉症は、「認知(=情報のインプット+処理+アウトプット)の障害」

 認知のプロセスに障害があるため、情報の処理がうまくできず、

・目に映ったものを「そのもの」として理解する。そのものに含まれる「意味」が理解しにくい。
・周りで起こっている「状況」がわかりにくい
・特に、「目に見えない情報」(音声言語、時間、空間の意味、約束ごと…)がわからない
・次に何が起こるか、「見通し」を持つことが難しい

 そのため→不安・恐れと緊張をかかえて生きています

 象徴的な表現が許されるなら、「耳は聞こえる。けれど、イミ(意味)が聞こえない」障害なのです。

続きます

参考HP
「自閉症Q&A」 PDFです。

【連載記事】
【自閉症】自閉症を知ってほしい(5)〜コミュニケーション障害の深刻さ(2003/12/30)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(4)〜門先生の講演録(2003/12/23)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(3)〜誤解を解いて(2003/12/16)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(2)〜スペクトラム(2003/12/09)
【自閉症】自閉症を知ってほしい(1)(2003/12/03)
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