カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクル

〜自閉症から広がる、チャレンジに満ちた新しい世界!〜

発達障害者支援の施策

ウェブでわかる発達障害者支援

発達障害者支援法では、第二十一条で「国及び地方公共団体は、発達障害に関する国民の理解を深めるため、必要な広報その他の啓発活動を行うものとする。」とあります。
情報発信を国が責任持ってやるということです。

これを受けて、ウェブでも、発信がされています。

(1)発達障害情報・支援センター(厚生労働省所管)
http://www.rehab.go.jp/ddis/

(2)発達障害教育情報センター(文部科学省所管)
http://icedd.nise.go.jp/
(スマートフォンサイトはわかりにくいので、パソコン版で閲覧した方がよいですね。)

この二つのサイトを活用すれば、相当程度まで、発達障害者支援の全体像、現状が把握できます。

おすすめです。

岩手県 - 被災地発達障がい児(者)支援事業実施に係る受託者の公募

こんな公募を見つけました。

・岩手県 - 被災地発達障がい児(者)支援事業実施に係る受託者の公募について
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?cd=34053
県では東日本大震災により被災した本県における発達障がい児(者)への長期的な支援体制を構築するため、県内の保育関係者、保健師、療育関係者、相談支援専門員、学校教員を対象とした専門研修及び心理的ケアへのコンサルテーションを行う「被災地発達障がい児支援事業」を実施するための受託者を募集しています。

事業内容は、
発達障がい児(者)支援の専門知識を有する学識経験者、臨床心理士等からなるチームを編成のうえ、年2回以上、本県内陸部及び沿岸部(久慈・宮古地域及び釜石・大船渡地域)にチームを派遣して次のような取組を行う。

(1) 保育関係者、保健師、療育関係者、相談支援専門員及び学校教員を対象とした専門研修の実施

(2) 保健機関、保育所、幼稚園、療育事業者、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、相談支援事業所などの発達障がい児(者)の支援機関や、JDDネットいわてなどの当事者団体からの要請に応じた専門的なコンサルテーションの実施及び被災地域における関係機関とのネットワークづくりの後方支援

(3) 上記(1)及び(2)の実施に関する岩手県総合教育センター、発達障がい者支援センター“ウィズ”及びJDDネットいわて等に対する震災後の発達障がい児(者)への長期的な支援に向けた各種助言
とのこと。

・被災地での発達障害児(者)への支援に取り組むこと 自体に加えて、
・連携ネットワークづくりを目的にしていること

素晴らしい取り組みだと思います。

詳しくは、岩手県のページをご参照ください。

発達障害者支援に関係する平成19年度の概算要求(クリップ1)

【9/2追記】
 この記事のコメント欄に、lennonさんが、厚生労働省の概算要求書からの抜粋を掲載してくれています(lennonさん、ありがとうございます!) コメント欄もぜひあわせてご覧下さい。

■発達障害者支援に関係する平成19年度の概算要求(クリップ1)

 発達障害者支援に関係する、平成19年度の概算要求が、報道から少しずつ見えてきました。
 クリップしておきます。

・中日新聞(2006年8月23日):発達障害対策予算4.4倍 厚労省、医師派遣など拡充へ
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060823/eve_____sya_____000.shtml
 厚生労働省は二十三日、自閉症や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害がある児童、生徒らへの支援を拡充するため、二〇〇七年度予算の概算要求で本年度の四・四倍に相当する十二億円の対策費を要求する方針を固めた。小中学校などから要望があれば医師ら専門家を派遣したり、卒業後の就労対策などを拡充する方針で、見過ごされがちだったこれらの障害のある子らへの支援に本腰を入れる。

 専門家の派遣は、これまではモデル的に一部の学校などだけで実施してきた。〇七年度からは体系的な事業として、要望があった場合に発達障害への対処について専門的トレーニングを受けた医師や保健師などを派遣したい考え。小中学校のほか、卒業生らが通う障害者施設も対象となる。事業主体は地方自治体で一定額を国庫で負担する方針。

 就労支援ではハローワークとも連携し、二億八千万円を要求する。

 このほかインターネットに専門ホームページを開設し、普通学校の教員や保育所の保育士らのほか、保護者や一般の人へ発達障害についての知識の普及啓発を図る。知識を分かりやすく体系的に整理する目的もある。

・読売新聞(2006年8月24日):発達障害の児童・生徒支援、教員増員方針…来年度から
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060824ur01.htm
 文部科学省は、発達障害などを抱える児童・生徒の教育現場での支援のため、来年度から教員を増員する方針を決めた。

 改正学校教育法が来年施行されるのに合わせ、全体の約6%とされる発達障害の小中学生などの教育をより支援していくことになった。

 増員するのは、主に、普通学級に在籍している学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)などの発達障害を持つ小中学生を専門に指導する教員。

 来年度からの3年間で小中学校や養護学校などに計1416人を増員し、来年度は311人を全国に配置する。

・読売新聞(2006年8月25日):発達障害に標準支援策…厚労省が拠点整備、指針発信へ
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20060825ik0d.htm
⇒〈カイパパ通信〉での評価記事はこちら
⇒同内容の報道:日本経済新聞(2006年8月29日):発達障害者の適切支援に向け拠点創設・厚労省
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060829AT1G2803C28082006.html

【関連】
・読売新聞(2006年8月24日):ニートに「発達障害」例、就労支援策見直しへ
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20060824ik06.htm
厚労省、心理専門職を配置
 仕事も通学もせず、職業訓練も受けていない15〜34歳の若者を指す「ニート」について、厚生労働省は就労支援の内容を見直す方針を決めた。

 ニートの一部に、「発達障害」の疑いのある人が含まれていることが、同省の調査で判明したため。実態をさらに把握したうえで、支援機関に心理などの専門職を配置するなど、きめ細かい支援のあり方を検討する。
 長文の力の入った記事です(全文)。

厚生労働省の「次の一手」〜標準支援策

■厚生労働省の「次の一手」〜標準支援策

 国(厚生労働省)では、発達障害対策戦略推進本部(本部長・戸苅利和事務次官。同省各局や国立精神・神経センター総長らが参加した部局横断型組織)を6月につくり、乳幼児期から養護学校、就労まで一貫した支援体制を整備できるよう検討を進めていますが、具体的な「次の一手」がひとつ出てきました。

・読売新聞2006年8月25日:発達障害に標準支援策…厚労省が拠点整備、指針発信へ
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20060825ik0d.htm
■発達障害に標準支援策…厚労省が拠点整備、指針発信へ
 厚生労働省は来年度から、自閉症や学習障害などを持つ発達障害者の標準的な支援策作りに乗り出すことを決めた。この支援策を、全国の医療機関などに発信する「発達障害対策情報センター(仮称)」も創設する。

 発達障害については、医療機関や施設、学校によって治療も対応もばらばらなのが現状。科学的な分析に基づいた支援策を普及させ、全国どこでも適切な支援を受けられる体制づくりを目指す。

 発達障害の子供は、その接し方や幼児期の治療などによって、その後の生活状態や社会への適応状況も変わるとされるが、標準的な対応方法が定まっておらず、施設や医師などによって、支援レベルも異なるという。

 標準的な支援策は、都道府県から、有効とみられる手法を吸い上げ、学識経験者や専門医らで構成する国の「発達障害者施策検討委員会」で、客観的な評価を加えて作成。最終的には支援マニュアルとしてまとめる。療育方法や、学習、就労など、様々な段階で役立つと思われる支援策が盛り込まれる。

 一方、国立成育医療センター(東京都世田谷区)に置かれる予定の「発達障害対策情報センター」では、こうして作られた支援策を医療機関や養護学校などに情報提供。一般に対しても、パンフレットやホームページなどで、発達障害への理解を深めるための情報を発信する。

「標準支援策」を国が示すことは一歩前進です。なぜなら、「標準」があれば、「現状」とのギャップ、すなわち「標準」よりもできていないか/できているかが明確になるからです。

 今は、教育や福祉の現場では、自閉症・発達障害者への支援に成果を挙げている人たちが既にいて、「こんなこと誰でも真似して取り組めるのに!」と本心からの発言も出てきています。しかし、その支援策が「標準」とされていないため、成果があがっていても「、あれはあの人だからできること」「あの人が正しいとは限らない」といった消極的なとらえ方を許し、広がっていかない難しさがあります。

 何事も、広く、多くの人に浸透させていくためには、「教科書的なもの」が必要ですよね。同じ教科書で勉強することのメリットは、共通の言語で議論ができることにあります。バラバラな自己流、勝手流から、基本(=発達障害の障害特性に合った支援)を押さえた支援に変わっていくといいですよね。そうすれば、みんながハッピーになれます。

「都道府県から、有効とみられる手法を吸い上げる」とありますが、これは発達障害者支援センターを想定していると思います。支援センターに地域のノウハウが蓄積され、それが国にも共有されていき、「ベスト・プラクティス(最も良い支援方法)」を「標準支援策」としてマニュアル化していく――流れですね。

 私たちとしては、支援センターに対して、「こういう支援がうまくいっている」といった成功事例と「これは失敗で、本人を苦しめてしまった」という失敗事例をどんどん伝えていきたいですね。

 それから、国には、「標準支援策」のできたところから、「バージョン0.1ベータ版」とかでもいいから、どんどん公開してほしいです。それに対して、私たちも実際に試して見て意見をフィードバックしたい。自閉症支援は、エライ人たちにしかわからないものではなくて、知恵は現場と家庭にあるのですから(^^)

「完全なもの」が5年後にやっと発表されたなんて、遅すぎて困ります。今、ここで、困っている人たちが、少しでもラクになれるように、現在進行形で一緒につくりこんでいきたいです。

 この記事を読んで、「国は、また啓蒙啓発めいたことしかやらないのか…」と思った方もいらっしゃると思いますが、「発達障害支援のための標準マニュアル」を一緒につくりこんでいくことができたら、期待できると思いませんか? 私は、この施策は、ユーザー(当事者とサポーター)を巻き込みながら進めていけば、可能性があるとにらんでいます。

【参考】
発達障害対策戦略推進本部の設置について(PDFファイル)
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