【虐待】障害児は虐待の被害者になりやすい
★「障害児は虐待の被害者になりやすい」
1年前の記事になりますが、2002年7月26日の毎日新聞の記事で「虐待を受ける障害児は健常児の4〜10倍とも推計される」というショッキングな報道がありました。
児童虐待 障害児の被害7.2%
児童相談所00年度受理
全国の児童相談所が00年度に受けた児童虐待の相談中、障害児の被害は少なくと
も1008人と全体の7.2%を占めたことが、昨年度の厚生労働省厚生科学研究班
(本間博彰・主任研究者)の調査で分かった。このうち知的障害児が788人と最も
多い一方、加害者は実母が700人と69.4%に上った。児童相談所を通して障害
児の被害実態を調査したのは初めて。研究班は「虐待を受ける障害児は健常児の4〜
10倍とも推計される」と指摘している。
研究班の細川徹・東北大大学院教授らが昨年12月、全国182の児童相談所(当
時)に郵送で調査を実施、141相談所から有効な回答を得た。それによると、00
年度に児童相談所に寄せられ、虐待として受理された相談は1万3983件で、うち
被虐待児が障害児だったのは1008件(男児588人、女児420人)に上った。
障害別の内訳は▽知的障害児788人▽身体障害児159人(肢体不自由児87
人、聴覚障害児31人、内部障害児22人、視覚障害児19人)▽注意欠陥多動性障
害(ADHD)児91人――など。
主な虐待内容は▽ネグレクト(養育放棄)416人(41.3%)▽身体的虐待3
98人(39.5%)▽心理的虐待65人(6.5%)▽性的虐待32人(3.2
%)。また、主な虐待者(複数回答)は▽実母が700人▽実父265人▽義父57
人――などだった。
01年障害者白書などによると、障害児中の被虐待児割合は1000人中5・4〜
7人と推計される。一方、未成年者中の被虐待児は1000人中0.6〜0.7人と
推計され、「障害者統計にないADHD児らの存在に配慮しなければならないが、障
害児は健常児の4〜10倍の割合で虐待を受けるとも推定される」(細川教授)とい
う。
本間博彰・宮城県子ども総合センター所長の話
知的障害は乳幼児期に分かりにくく、親が言うことを聞かないと思ったり、障害が
判明して落胆し、養育放棄につながる場合もある。被害実態を把握することで、障害
児と親の支援につなげたい。(野倉 恵)
★なぜ障害児は虐待を受けやすいのか?〜私の考え
それは、親にとって子どもからの「感情的なフィードバック」が得られにくいからです。「あなたは私のママ、パパ。だーいすき」というフィードバックがない、あるいは希薄です。
また、親から伝えたいことが伝わりにくい、接し方がわからない。叱っても、それこそ体罰をしてもやめない……わが子がわからない、愛せない――「愛情」を心のよりどころにできない…。
親になる前に、私たちはそれなりの夢やイメージを思い描きます。たくさんのおもちゃやきれいな洋服を用意して、生まれてくるわが子を待つ。生まれてきたふにゃふにゃのわが子をいつくしみ育てる――それがいつの間にか、「わけのわからない」修羅場に、子育てが化してしまっている。
なんなんだろう?? こんなはずじゃなかったのに。思っていたのと違いすぎる??
★子育ては、親だけじゃ、できない。
私は、障害を持つ子をもつ親として、児童虐待の報道があるたびに、他人事ではない痛みを感じます。
昨年は、自閉の疑いを持った母親が乳児を死なせてしまった事件、母親が自閉の子を殺してしまった事件がありました。愛知では、悲痛な事件が続いています。
お前なんかが考えてどうなる、とも思うんですが、
私にできることは、「自閉症の親ライフも悪くないよ」「この子たち、かわいいところいっぱいあるよ」と具体的に伝えていくことです。駆け出しの親にできるのは、そんなささやかなことしかできませんが。
でも、私自身、先輩親さんたちと出会ったことで、「なんだみんな元気じゃん」と思えたことが一番の生きる支えになりました。
このサイトもささやかではありますが、子どもたちに関わる人々に勇気と知恵を与え合う役割を果たせたらいいなあと(じつは本気で)願っています。