【番外】入院日記3 ペイフォワード

日記2からの続きです)

 誰だって永遠に若く健康でいたい。だけどそうはいかない。しかし、強い状態の時は「弱者になった自分」を想像することは難しいです。

 私や妻も歳をとっていきます。
「元気なうちに備えよ」と言われるけど、
私は「元気な時に人助けを」というのもリアリティがあるんじゃないかと思います。
 カイの障害がわかってから私たちは、家族、友人、多くの自閉症の家族をもつ先輩方やヘルパーさん、ボランティアさん、専門家たちに助けられてきました。その体験から、
「困ったときはお互い様」
「情けはひとのためならず」(巡り巡ってかえってくるよ!)
ということばの意味を骨身にしみて実感しています。
 いま動けるうちに、困っている人の助けになる。それが当たり前になれば、いつか不自由な将来が訪れても、きっとだいじょうぶ、と安心して受け入れられるようになる。ペイフォワードですね。
 理想論に聞こえるかもしれないけど、これは別に新しいアイデアでも特別な考え方でもなく、昔から人類はそうしてきたんじゃないかなあと思います。
「他人の笑顔が自分のエネルギーになる」そんな本能が組み込まれているからこそここまでたくさん人間が増え、「ブログにおけるTrackbackのあり方」なんていう先端的(でも今はマイナー)な議論を見知らぬ人たちとかわしたりできる。
 人間には元からそういう温かさやたのしさがそなわっている。それは信頼していいんだと思います。

 カイパパ通信blogも今の私にできること(=学んだこと・体験したことのシェア)をやってみたくて始めました。
 これは、私達が絶望していたときに出会った「ダダ父通信」HPが希望をあたえてくれたことへのささやかなペイフォワードでもあります。また私が勇気と知恵を与えてもらった「つぼみパパメーリングリスト」「T-AICHIメーリングリスト」へのペイフォワードでもあります。
 いま私の中にある元気が弱ったら休みます。そのときにはこのブログから「勇気と知恵をもらったブログ」が元気にたくさん走りまわっていたらいいな!
 なんてそんなことをささやかに妄想しています。

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