「光とともに…」既刊5巻セット

■【TV】光とともに 公式サイトオープン!

 日本テレビ系列で、2004年4月14日(水)22:00から放映開始予定のドラマ「光とともに… -自閉症児を抱えて-」の公式サイトがオープンしました(こうままさんから教えていただきました)。

・光とともに・・・ -自閉症児を抱えて-
http://www.ntv.co.jp/hikari/index2.html

 掲示板もあります。みなさん、応援メッセージをどうぞ!

★ドラマをどうみます?
親はつい自分の子供と比較して「ちがうっっ」って思っちゃうかもしれないですが、一般大衆向けのドラマであることを肝に銘じて、その視点で見たいなぁと思っています。


 こうままさんが上記コメントで書いてくれたように、親はわが子と比較して、
「光君は恵まれている。うちの子はあんないい先生にめぐり合えていないし、状態もよくない。あんなテレビの中だけの絵空事で、自閉症という障害を軽くみてほしくない!」
 と悲痛な絶望感をいだくことさえあるかもしれません。実際、原作である漫画を読んだ方の「あれは理想であって、現実は全然違う」という感想を聞いたことがあります。
 下手をするとドラマは、「希望」ではなく、ねたみを伴う苦しい思いを引き起こす可能性があります。

★原作漫画では

 原作漫画では、光君が生まれて保育園を卒業するまでを描いた第1巻第2巻がとにかくリアルでした。
 思いつくままに列挙すると――

・育てにくい赤ちゃん
・周囲(特に姑)の無理解、偏見
・非協力的な夫
・障害の告知のショック
・知的障害児通園施設での出会い=仲間づくり
・保育園での先生、お友達のサポート

 苦しい時期、家族ごとつぶれてしまいそうな状況をきちんと描ききっているので、「この漫画は私たち家族のことを描いてくれている」という共感を生みました。
 この共感のベースがあるので、その後のストーリーは、光君が恵まれた状況になっても、「こういう状況ではこう対処したらいいんだ」というノウハウとして受け止められていると思います。

★ドラマ成功のカギは?

 ドラマは、小学校を主舞台となるようです。幼児期を演じられる子役がいない、という現実的な判断だと思いますが、一番苦しい幼児期をたんねんに描いた漫画に比べて不利があります。
 ドラマが、自閉症に関わる人たちの信頼を勝ち得るカギは、「苦しい時期をどう描くか」にあると思います。

○一番苦しい時期
・育てにくいわが子をぶってしまった悲しみ、恐怖
・障害を知ったときの絶望感
・「なぜ私の子だけ?」という恨み、孤独感
・他人の偏見…

 この部分を、いかに描き出せるか?
 そこを説得力を持って伝え、共感のベースを築いた上で、

○ハッピーライフの手引き♪
・同じ立場の仲間の存在、支えあい
・わが子はわが子のままでいいんだ(周りが変わればいいんだ)
・ゆっくりとユニークなペースで成長する実感
・具体的なサポートのアイデア

 を伝えてくれた最高ですね。あー、ごめんなさい。いつも私はぜいたくすぎますね。

★テレビの影響力はすごい

 先日のTBS報道特集「自閉症=水銀原因説?」でも実感しましたが、テレビの影響力はすごいです。
「光とともに」原作が、自閉症理解に果たした役割を思うと、「今度は連続ドラマだ!」と期待が過剰にふくらむきらいがあります。
 しかし、ドラマ「光とともに」がどれだけ素晴らしいできばえであったとしても、いくらかの誤解は生むでしょう。
 特に「自閉症=光君の状態」という固定観念が生じるのは避けられません。「自閉症スペクトラムは広い幅がある」と注釈が入っても、映像のインパクトは強いですからね。高機能自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害に対する理解は、別の話になってしまうでしょう。
 私たちが、続けなければいけないことは、自閉症についての啓蒙・啓発をマスメディアにまかせきってしまうのではなく、ドラマをネタに、身近な人たちに「自閉症って〜。うちの子って〜」と語りかけることだと思います(笑顔でね)。

★この時期だからこそ

 水銀原因説や「自閉隊」発言で、なんだか、「自閉症は暗くて怖いもの」というイメージが広がったと心配しています。自閉症協会のすばやい抗議行動は必要なことでしたが、まったく無関係な人の目には「コワイ、過敏な圧力団体」と映ったかもしれません。
 こんな時期だからこそ、ドラマ「光とともに」は「チェックしてやる」というスタンスではなく、「自分のときはこうだったよ〜♪」みたいな会話が広がるキッカケとしたいと思います。
「親ライフは、大変なこともあるけれど、そんなに悪くないよ。この子たちは、かわいいトコあるから」ってね。
 そんな会話が日本中で広がるといいですね☆