■afcpさんにお答えして〜「当事者からの提案書」
私の信頼する児童精神科医afcpさんが、blogで、「当事者からの提案書」について取り上げてくれています。ちょうどいいので、私の考える提案書の意義付けについて書きます。
・A Fledgling Child Psychiatrist:名古屋市への発達障害者支援センター設置に関する当事者からの提案書
http://homepage3.nifty.com/afcp/B408387254/C174902512/E1406223182/index.html
ご指摘のとおり、「優先順位・スケジュール・評価基準」は提案書には盛り込まれていません。
それは「当事者からの提案書」が、経営戦略の観点でいうところの、発達障害者支援センターの(1)ミッション・(2)ビジョン・(3)戦略を明らかにするものだからだと評価しています。
(1)と(2)は
「名古屋市発達障害者支援センターとは何者か?(自己定義)」
「他の機関と区別される理由は何か?(存在理由)」
「発達障害者支援センターは、将来どうなっていたいか?(未来像)」
を明らかにするものです。
(3)は、
「当事者の切実なニーズ(生涯に渡る一貫した支援)に応えるため、どこを連携で担い、どの点を支援センターの主要業務に位置づけるか(アプローチ、機能分担、選択と集中)」
を明らかにします。
今回の「当事者からの提案書」は(1)から(3)までを達成しています。
燦然と輝く(だれもが実現したいと願う&当事者の肉声に根拠を有する)ミッション・ビジョン・戦略があるからこそ、目的がぶれずに支援センターの実体化・実質化に着手できます。
掲げる理想は大きくて遠い。だから次に必要なのが、(4)計画・(5)管理・(6)業務です。
(4)から(6)は、実際に予算と人材を配置して行う権限と責任のある支援センターの設置主体に加えて、連携して業務を担う各機関との合意の上策定しなければ意味がありません。だから(4)から(6)の策定は、「マイ支援センター提案会議」の範疇ではなく、「名古屋市発達障害者支援体制整備検討会」の役割なんですね。
私は、この提案書が「出しっぱなし」「言いっぱなし」で終わりではないということに大きな可能性を感じます。
そもそも、市の検討会は、発達障害者支援センター開設後→解散ではなく、パーマネントなものとして想定されています
名古屋市発達障害者支援体制整備検討会の設置目的(設置要綱第1条)には、こうあります。
発達障害者支援センターだけにとどまらず、全市的・恒常的な「発達障害者への包括的な支援体制の構築」が目的なんですね。まさしく、名古屋市における発達障害者支援法の実質化です。
私もafcpさんのように「行政にいいように利用されなければいいのだけれど…」と心配したときもあったのですが、ジョーさんの話を聞いて、検討会の事務局・構成メンバーと、真の意味での「協働」ができる信頼関係が築かれつつあることを知りました。
また、もしも当事者が会議に参加できず、書面でしか意見表明ができないとしたら、(4)から(6)についても、提案書の中で主張しておく必要があります。しかし、「マイ支援センター提案会議」に参加した当事者団体の代表者が、市の検討会の委員として入っています。
こういう例は、今まで本当に少なかった。
今後は、優先順位、達成計画、さらには評価基準も含めて、検討会で議論され、文書化される(?←これはポイントだと思う)ことに注目ですね。発達障害者支援法の改正2007年を見据えての達成計画になるといいですね。「実際の業務から、法は○○のとおり改めることを提案する」という提言が各地の支援センターから集約されて国会にあがっていったらすごいことになります。
「提案書を出して終わり」ではありません。これから未来に続くプロセスに参加し、私は私にできる貢献をしていきたい。「行政に任せて終わり」という時代が変わったんだと思います。
私たちは、築き上げるプロセスに参加している発達障害者支援法の「創業メンバー」だと胸を張っていきましょう!
私の信頼する児童精神科医afcpさんが、blogで、「当事者からの提案書」について取り上げてくれています。ちょうどいいので、私の考える提案書の意義付けについて書きます。
・A Fledgling Child Psychiatrist:名古屋市への発達障害者支援センター設置に関する当事者からの提案書
http://homepage3.nifty.com/afcp/B408387254/C174902512/E1406223182/index.html
提案書は親や当事者のニーズをよく反映した、本当に素晴らしいものだと思います。その前提でここではあえて苦言を呈したいと思います。
この要望の中には近い将来実現できるもの、せねばならないものと、将来それができれば望ましいというもの、実現可能性が疑われるものまでが混在しており、項目ごとの優先順位もつけられていません。おそらくは提案会議に参加された方々は、あえてそのような重み付けはされなかったのだろうとは思いますが、これをこのまま受け取った行政側は、さてどこから手を付けたらいいのか、と途方に暮れてしまうのではないでしょうか。途方に暮れるだけならよいですが、この中の手を付けやすいところだけつまみ食いして実現していく、ということになると、ちょっとどうかなと思ってしまいます。
ご指摘のとおり、「優先順位・スケジュール・評価基準」は提案書には盛り込まれていません。
それは「当事者からの提案書」が、経営戦略の観点でいうところの、発達障害者支援センターの(1)ミッション・(2)ビジョン・(3)戦略を明らかにするものだからだと評価しています。
(1)と(2)は
「名古屋市発達障害者支援センターとは何者か?(自己定義)」
「他の機関と区別される理由は何か?(存在理由)」
「発達障害者支援センターは、将来どうなっていたいか?(未来像)」
を明らかにするものです。
(3)は、
「当事者の切実なニーズ(生涯に渡る一貫した支援)に応えるため、どこを連携で担い、どの点を支援センターの主要業務に位置づけるか(アプローチ、機能分担、選択と集中)」
を明らかにします。
今回の「当事者からの提案書」は(1)から(3)までを達成しています。
燦然と輝く(だれもが実現したいと願う&当事者の肉声に根拠を有する)ミッション・ビジョン・戦略があるからこそ、目的がぶれずに支援センターの実体化・実質化に着手できます。
掲げる理想は大きくて遠い。だから次に必要なのが、(4)計画・(5)管理・(6)業務です。
(4)から(6)は、実際に予算と人材を配置して行う権限と責任のある支援センターの設置主体に加えて、連携して業務を担う各機関との合意の上策定しなければ意味がありません。だから(4)から(6)の策定は、「マイ支援センター提案会議」の範疇ではなく、「名古屋市発達障害者支援体制整備検討会」の役割なんですね。
私は、この提案書が「出しっぱなし」「言いっぱなし」で終わりではないということに大きな可能性を感じます。
そもそも、市の検討会は、発達障害者支援センター開設後→解散ではなく、パーマネントなものとして想定されています
名古屋市発達障害者支援体制整備検討会の設置目的(設置要綱第1条)には、こうあります。
発達障害者支援法に基づき、
本市での発達障害者の実態把握、
発達障害者支援のあり方、
支援体制の整備、
発達障害者支援センターの機能と位置づけ等を検討し
発達障害者への包括的な支援体制の構築を図るため、
障害児者施設等、医療機関、教育機関、行政及び関係団体等からなる検討機関として、
名古屋市発達障害者支援体制整備検討会を設置する。
発達障害者支援センターだけにとどまらず、全市的・恒常的な「発達障害者への包括的な支援体制の構築」が目的なんですね。まさしく、名古屋市における発達障害者支援法の実質化です。
私もafcpさんのように「行政にいいように利用されなければいいのだけれど…」と心配したときもあったのですが、ジョーさんの話を聞いて、検討会の事務局・構成メンバーと、真の意味での「協働」ができる信頼関係が築かれつつあることを知りました。
また、もしも当事者が会議に参加できず、書面でしか意見表明ができないとしたら、(4)から(6)についても、提案書の中で主張しておく必要があります。しかし、「マイ支援センター提案会議」に参加した当事者団体の代表者が、市の検討会の委員として入っています。
こういう例は、今まで本当に少なかった。
今後は、優先順位、達成計画、さらには評価基準も含めて、検討会で議論され、文書化される(?←これはポイントだと思う)ことに注目ですね。発達障害者支援法の改正2007年を見据えての達成計画になるといいですね。「実際の業務から、法は○○のとおり改めることを提案する」という提言が各地の支援センターから集約されて国会にあがっていったらすごいことになります。
「提案書を出して終わり」ではありません。これから未来に続くプロセスに参加し、私は私にできる貢献をしていきたい。「行政に任せて終わり」という時代が変わったんだと思います。
私たちは、築き上げるプロセスに参加している発達障害者支援法の「創業メンバー」だと胸を張っていきましょう!
Tweet