■マイ施策提案会議☆7月4日に何が提案された?(2)【施策編】
発達障害者支援法☆マイ施策提案キャンペーン!(10)

7月4日に何が提案された?(1)【アイデア編】からの続きです。

 アイデアの分類後、グループで1つだけ「マイ施策」を決めて、いよいよプレゼンテーションです!
■マイ施策プレゼンテーション☆
 写真はクリックで拡大。文字が読めるようになります。生のプレゼン資料をあわせてご覧ください。

★1 民間療育通園施設(教室) by おひみどグループ
発表OM
1 内容
 早期療育を受けたくても、受け皿が不足していて大切な2年3年を無駄にしてしまう現状を解決するため、民間運営の療育通園施設(教室)を整備する。

2 ポイント
(1)民間が担い手
 なぜ? 行政に働きかけて実際に制度ができるのは、最低でも3年はかかる。行政もカネがない。だったら、民間のイニシアチブで作って、法20条を活用した自治体からの補助制度などで行政は財政面での支援をするようにする。
(2)人口5万人に必ず1つ
 地域間格差をなくし、空白地を埋めていくため。
(3)収益源として、大学からの実習費(保育士や小児看護師の実習受け入れ)をあげている点がユニーク。

3 質疑・意見交換
【質問】通園「施設」とあるけれども、それは建物をイメージしているのか? やることは公立通園施設と同様か?
【答え】
→「ハコモノ」でイメージしてほしくない。
 このアイデアは、町の「子育てサポートサークル」(先輩お母さんや現役子育て世代の互助グループ)からヒントを得ている。こういった「子育てサークル」に専門家の派遣など、専門的サポート機能を付加して、難しい子育てに悩み苦しむ若い親をサポートするイメージ。場所は公民館や児童館でもいい。
→療育の内容までは今日は議論できなかった。

【意見】
「通園施設」という言葉に既に固まったイメージがあるので「教室」という名称がいい、と会場から声がありました。

★2 コンビニ型支援センター by Tamagoグループ
発表OG
1 内容
 自閉症・発達障害支援センターが県レベルで確固として機能していることを前提として、
 24時間・必要なときに必要なサービスになんでも対応できるコンビニセンターを各地に展開
←発表者はやましんさん♪

2 ポイント
(1)コンビニだから、最高級のおすしは手に入らないけど、手巻き寿司など一応の物がそろう。
(2)気軽に行けて、気軽に聞ける
(3)コンビニセンターでは対応が難しければ自閉症・発達障害支援センターの応援を頼むことができる。(機能分担)

3 質疑・意見交換
【質問】「なんでも」ってどんなイメージ?
【答え】
 自閉症スペクトラム診断をうけているRosamondeさんが答えてくれました。
 私たちにとって、今回このアイデアとしてポストイットに貼り出したものすべてが「必要なもの」なんです。ひとつだけ選ぶなんてできない。たとえば、
・「そんなことが」と言われるような、生活のささいなことでつまずいている人が多い。
・日常生活の中で恋愛や結婚、子育てのやり方がわからなくて、困っている人たちがいる。気軽に聞ける人、自分たちの考えを通訳してくれる人、そんなサービスが必要。

【意見】ひきこもりの小学生のメール友達になる学生ボランティアの話を聞いたことがある。「ともだち」制度みたいなのはどうか? コンビニの店員でもできる?

【意見】看護学の専門家から、「町の保健所」(だったかな?)のコンセプトに似ているとサジェスチョンがあった。たとえば郵便局に看板を出しておいて、健康相談などに応じることができる職員がいるようなイメージ。
 郵政公社が、このサービスを展開したらどうだろう! 郵便局ならどんな町にもあるぞ、なんてアイデアにも展開しました。刺激的!

【参考】
TamagoBlog: ■【報告】発達障害者支援法案マイ施策提案会議
 グループ司会Tamagoさんによるグループワークの詳しい解説が読めます。

★3 はじめの一歩〜診断から就学までの基礎構築 by H.Suzukiグループ
発表S
1 内容
 健診システムを改善し、専門家の関与を増やす。
 障害発見後に確実に子どもと保護者をフォローする仕組みを作る。
 すべての市町村どこでも同じ仕組みを作る。情報ネットワークの形成と発信。

2 ポイント
(1)「専門家の再教育」
(2)「アフターフォロー体制の充実」
 特にアフターフォローの際の、家族の心理的ケアの必要性を強調したい。心理士、カウンセラーなどによる家族ケアを制度的に行うべきだ。

3 質疑・意見交換
【質問】施策としたい「ポイント」は何?
【答え】「一歳半検診」などで、疑いのまま「あいまいに放置されてしまう」の問題
 それは、専門家の力量不足と「発達障害を発見した後のフォロー」が貧困が理由。

【指摘】保健師が「あいまいにしかいえない」ことには、「診断は医師しかできない」限界があることについて会場から指摘がありました。

【意見】実は、虐待に関しても「発見」まではけっこうできている。しかし、どこまで踏み込むのか、だれに通知するのかができていない。保健師や児童相談所のマンパワーの深刻な不足の解決も不可欠。

★4 自閉症・発達障害支援センターのコーディネータ機能強化 by さえ父グループ

※このグループは、メンバー全員がなかなかそろわなかった不利もあって、プレゼンテーションをまとめきることができず口頭での説明となりました。

1 内容
 自閉症・発達障害支援センターのコーディネーター機能の強化

2 ポイント
 専門家には、それぞれの壁や「正しさ」があるため、連携が自然発生することは期待できない。
 自閉症・発達障害支援センターは、困っている本人のニーズに応えるため、地域のリソース(資源)を把握し、「ニーズ」と「サポート」のコーディネートをしなければいけない。

3 質疑・意見交換
【意見】このグループの指摘は、極めて重要。
 これまで、センターは厚生労働省の施策に過ぎなかった。発達障害者支援法が成立すれば、この法が発達障害者基本法としてセンターの全都道府県への設置を義務付け、センターが法の実現の主な担い手になることを規定することになる。
 現在の、支援センターは方向性の模索段階にあり、明確な自己役割分析やコンセプト固めができていないように見受けられる。
「センターが果たすべき役割はコーディネーターである」ということを明確に打ち出す提案は意義深い。

「施策編おまけ」につづく