■【光とともに】ドラマ第1回をきっかけに

★1 初回視聴率は16.3%

 「光とともに」初回視聴率は16.3%だったそうです。野球中継が延長したにもかかわらず、大健闘ですね。録画した方も多いでしょう。
 感想を、知人に聞いてみました。ウェブでも見て回ってみました。
 好評のようです。「泣きながら観た」という方も多くいました。よかったです!

 妻と一緒に見終わって、話していたのですが、

・私たちの自閉症をテーマにしたドラマの見方はすっかり変わってしまっている
=初めてドラマとして見る人の感じ方がわからない

 ということを確認しました。

 やはり、私は、ドラマ「光とともに」を語るには適任ではないようです。
 カイパパ通信blog☆自閉症スペクタクルでは、ドラマをきっかけにして、私たち自身の体験や思いを語り合えたらいいなあ☆と考えています。

【体験談を募集しています!】
・【あの頃】「わが子の障害がわかるまで」体験談募集http://kaipapa.livedoor.biz/archives/387768.html
 ぜひ書き込みを!

★2 第1回 光(?)の独白をきっかけにして語る

 ドラマの第1回でのシーン――
 お葬式で光がパニックを起こした後、外で黙々と石をならべて遊ぶ姿を光ママが見つめる。
(光の声で)

「ぼくは、ママには夢がいっぱいあったことを知っています。
ぼくと一緒にお散歩したり、おしゃべりをしたり、ぼくといっしょにいろんなことをしたかったんだよね。
ぼくが生まれてくることを本当に、本当に、たのしみにしていたんだよね。
でも、ごめんね、ママ。ママの思っていたような子どもじゃなくて、みんなと同じじゃなくて、ごめんなさい。」

 このシーンで涙した方も多かったようです。
・自閉症でもいいよね: 「光とともに」 第一回
http://saesuke.cocolog-nifty.com/saenosinsaetarou/2004/04/post_3.html
光くんが「期待していた子と違ってごめんなさい」というところはきつかった。

 私は、不思議少年館のあーこさんの感じ方に近かったです。

・不思議少年館:ドラマ「光とともに・・・」第1話
http://blog.livedoor.jp/ah_co/archives/398155.html
気になった点は、光くんの心の声みたいな物を付け加えていたこと。そんなもんは、私達の想像でしかない。ホントの光くんの言葉じゃないよ〜・・・と思ってしまった。

 あのセリフは、光の心の声ではなく、ママ自身の願望を光に投影したセリフだと解釈しています。

★3 「パパの思っていたような子じゃなくてごめんね」?

 カイが自閉症なのかそうでないのか、はっきりしなかった時期に、カイがニコニコ笑って私に話しかけてくる夢を何度も見ました。夢の中で「なーんだ、カイ君、お話できるじゃん! 心配したよー」と大喜びして目が覚めて、がく然としました。思い出しても、切なくなります。

 今、私は、「パパの思ったような子じゃなくてごめんね」なんてことを、決してカイには思わせないぞと心に決めています。

 自閉症スペクトラムの子どもたちの「感情」について考えたことがありますか?
 感情表現が不得意なこの子たちは、痛いとき悲しいときでも顔が笑ってしまっていたり、うれしいときでも表情が変わらなかったりします。そのため、周囲からは、まるで感情がないかのように誤解されてしまいがちです。
 しかし、わかりにくいけれども、この子たちには感情がある。自分が他の子たちとちがうことや、どうしてもうまくできない自分の不器用さや惨めさも感じています。傷つきやすい心をもっているのです。表現が苦手で、私たちがわかってあげられないだけで。

ローナ・ウィング『自閉症スペクトル』:障害の自覚
能力の高い子どもは、青年期に達するまでに自分の障害にかなり気づいている可能性があります。彼らはそれを自分なりの方法で表現しています。ある少年は、何かに失敗すると、とても悲しそうによくこういいます。
「できないよ。脳みそがないんだ」。
また14歳の少女はある日母親にこう言いました。
「お母さん、神様が私を創られたとき、なぜちゃんと創ってくれなかったの?」

 言語能力が低く自分の気持ちを言葉にできない子どもも、同じように「不器用な自分」の自覚はあります。それはカイからも感じるときがあります。

 私たちは、「そのままでいいんだよ。カイはパパとママの大切な宝物なんだよ」ということを、いつもどんなときでも伝え続けたい。
「生まれてきてごめんなさい」なんて、絶対に思わせません。

【追記】2004/4/22
・【光とともに】ドラマ第1回をきっかけに(2)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/429637.html
 この記事で伝え切れなかったことを整理してまとめました。

【本の紹介】

・『お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい』の紹介
http://www.books-ruhe.co.jp/recommends/2002/06/okaasanbokugaumaretekitegomennnasai.htm

 1975年に無くなった脳性マヒの障害をもつやっちゃんの詩です(ファシリテーティッド・コミュニケーションの疑問点はあります)。悲しく切なくなります。


お母さん、ぼくが生まれてごめんなさい

 この本だけでは悲しすぎるので、明石洋子さんの子育てを紹介します。

ありのままの子育て―自閉症の息子と共に〈1〉