大阪維新の会で提出が検討された「家庭教育支援条例(案)」に関して、参考記事をまとめておきます。

 カイパパ通信で書いた記事は以下の3つです。
 
・大阪維新の会「家庭教育支援条例(案)」に反対します(2012年5月6日)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52395036.html

・「家庭教育支援条例(案)」高橋史朗氏緊急声明に思う(2012年5月8日)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52396482.html

・怒りではなく(震え、こわばり、緊張)(2012年5月9日)
http://kaipapa.livedoor.biz/archives/52396714.html

 ここからが参考記事。まず、lessorさんの記事から。

・大阪市「育て方が悪いから発達障害になる」条例案について - lessorの日記
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20120502/1335985207
 私が最初に条例案の存在を知った記事です。この記事に込められた、やるせないぐらいの憤りが胸に突き刺さりました。

・たとえ85000回読まれたって - lessorの日記
http://d.hatena.ne.jp/lessor/20120506/1336325304
 lessorさんのTwitterやFacebookで拡散され、条例案の存在を広く知らしめましたが、この記事が書かれた5月6日時点ではマスコミ報道はほとんど無く、そのことに対する絶望感が綴られています。マスコミは、大阪維新の会が「白紙撤回」した5月7日の後に一斉にテレビ・新聞ともに報道をしました。マスコミは、「絵」になる、はっきりした「事件」が必要ということでしょう。

・維新の会大阪市議団へ要望書提出〜家庭教育支援条例案〜|zyzysanのブログ
http://ameblo.jp/makami1968/entry-11244745351.html
 要望書を提出するという行動の意味を実感しました。この記事で、要望書の全文を読むことができます。

・日本自閉症協会:大阪市会大阪維新の会への要望書
http://www.autism.or.jp/report05/youbousyo/20120506.pdf
 日本自閉症協会から5月6日付で出された要望書です。

・JDDネット:大阪維新の会 大阪市議会議員団への要望書
http://jddnet.jp/index.files/archives2012/pdf/ishinnokai_youbou.pdf
 日本発達障害ネットワーク、全日本手をつなぐ育成会、日本発達障害福祉連盟、全国児童発達支援協議会の連名で提出された要望書がこちら。

・大阪維新の会のエセ科学的「家庭教育支援条例(案)」逐条批判 (松永英明) - BLOGOS(ブロゴス)
http://blogos.com/article/38257/?ignore_lite
 条文は、なかなか一人では読み通すことは難しいのですが、これは、条例案について、全条文をひとつずつ批判をした記事。意見を参考にしながら、自分の意見をまとめることができます。(全文を読み通すことができる効果が大きいです)

・【堺からのアピール】教育基本条例を撤回せよ : こんなものいらない!維新「家庭教育支援」条例案:住友剛さん
http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/6436771.html
 大阪市が既に、次世代育成支援対策推進法にもとづいて、大阪市としての行動計画が策定されており、そこでは子育て支援策や虐待防止策などについてもプランが練られているにも関わらず「なぜこの条例案が必要か」という指摘。政策を立案・実行するために必要なプロセスをすっ飛ばしていきなり条例ではないという至極もっともな批判です。

 ここからは、高橋史朗氏に関して。
 条例案の問題性がネット上で議論されているなかで、親学推進協会とその理事長である高橋史朗氏の存在がクローズアップされていきました。

・トンデモ教育論「親学」を推進してる人たちの話 - 俺の邪悪なメモ
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20120504/p1

 5月8日に高橋氏は「緊急声明」を出しました。

・親学推進協会理事長 高橋史朗氏「家庭教育支援条例案に対する緊急声明」(2012年5月8日)
http://oyagaku.org/userfiles/files/rinnji20120508.pdf

・「親学推進協会理事長 高橋史朗」さんという人の「家庭教育支援条例案に対する緊急声明」に対して: 裕子ねーんね
http://yuuko-nenne.seesaa.net/article/269144540.html
 この声明に対して、私も記事を書きましたが、こちらの記事が世界保健機関の「国際生活機能分類(ICF)」に照らして丁寧な批判をされています。おすすめです。

・立岩真也「障害学」における「社会モデル」(social model):arsvi.com:立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点
http://www.arsvi.com/ds/smd.htm
 こちらは参考。「障害学」における「社会モデル」を専門的に学ぶためにどうぞ。

・服巻智子公式ブログ:大阪維新の会の家庭教育の条例案撤回に思う。
http://tomokoworkdiary.sagafan.jp/e502852.html
 「親学」が広まっていることについて、服巻さんが伝え聞いたことを紹介した記事です。「短絡的に親を責める空気だけは無くなってほしい」のことばに共感。

・4/5政経倶楽部:高橋史朗氏「富に処する教育〜親学の視点から」講演まとめ - Togetter
http://togetter.com/li/284063
 4月5日にエントリされていた千葉市議会議員 田沼隆志氏による、高橋史朗氏の講演まとめ。服巻さんの記事にあるような親学の研修会で、どのような内容が話されているのかが想像できます。

・教育再生・東京円卓会議:第3回(平成24年 4月11日)会議録
http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/kyouikusaisei/pdf/kaigiroku_3.pdf
 東京都公式ウェブサイトに、よりはっきりと高橋史朗氏の思想がわかる会議録がありました。4月11日に東京都が開いた教育再生・東京円卓会議です。出席者は、石原慎太郎都知事、猪瀬直樹副知事、乙武氏、中原徹氏、そして高橋史朗氏。読んでいて、私は寒気がしてきました。「親学」が──というより、この人たちの「信念」が恐ろしい。長いですが、一読をおすすめします。

 最後に、高橋氏の声明に対する切れ味鋭い批判記事を紹介。ここまで論理的に書ける知力もさることながら、丁寧に「付き合う」ための労力とエネルギーに敬服します。

・親学の高橋史朗氏による緊急声明に関して - ベムのメモ帳Z
http://d.hatena.ne.jp/bem21st/20120511/p1
「蛇足の蛇足」にある指摘は、胸が痛いです。
「自閉症が先天的な障害」であるとしたら…? 遺伝? 胎児期のアクシデント?──について、考えたことのない親はいないのでは。しかし、わが子に関して「既に起きたこと」は考えてもしようがないと。タブー化してきた「ツケ」として、疑似科学や代替医療につけこまれるリスクは確かにあるのでしょう。

 以上です。


「見たくもない」、「聴きたくもない」気持ちのときは、耳をふさぎ、目を背けておくべきだと私は思っています。大切なのは、心の平安。

 ただ、この「家庭教育支援」に関する件は、いつか参照する必要が出てくると予想しています。




<大阪維新の会「家庭教育支援条例案」に対する声明> 2012年6月2日追記
 学術系の団体からも声明が出ています。

・2012.05.14 「大阪維新の会」に対する声明文をUPしました。 | 日本児童青年精神医学会
http://child-adolesc.jp/topics/2012.05.14-%E3%80%8C%E5%A4%A7%E9%98%AA%E7%B6%AD%E6%96%B0%E3%81%AE%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%A3%B0%E6%98%8E%E6%96%87%E3%82%92up%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82.html

・大阪維新の会・大阪市会議員団が提案した「家庭教育支援条例案」に関する日本小児神経学会の見解
http://child-neuro-jp.org/visitor/iken2/20120525.html