■佐々木正美先生講演会レポート/託児(3)〜親としての反省


 「佐々木正美先生講演会レポート/託児(1)〜物理的構造化の工夫」
 「佐々木正美先生講演会レポート/託児(2)〜スケジュールの工夫」
 からの続きです。
 講演会内容レポートは「佐々木正美先生講演会レポート/メモ(1)全体の感想」から連続掲載しています。


★親としての反省点

 カイはこれまで4回ほど託児でお世話になっており、ある程度慣れていると思っていました。そのため、親として油断していた点などがありました。
(1)帰る際のボランティアさんとの確認

 カイのボランティアさんは、その日の活動をメモにして渡してくれました。何時から何時まで何をしていたか一目瞭然でありがたかったです!
 私は、
 ・サポートブックを受け取る確認を忘れました!
 ・おやつをどれだけ食べたか確認をしませんでした←その日の食べる量を調整するために必要な情報
 =あわてていました。もう少し落ち着いて、カイの託児での様子を聞き取って、新しい発見ができたらよかったです。

(2)カイを不安にした〜見通し×

 今回は長時間なのが気にかかっていましたが、お弁当の時間を間にはさむので大丈夫かなあと楽観していました。
 しかし、カイは「お弁当の後、私と帰るんだ」という見通しをもっていたようです。
 たしかに、これまで他人に預けた際に「迎えに来たら→帰る」というパターンしか体験していません。「間に1回パパが来て→また預けられる」のはパターン崩しであり、カイにとっては「もう二度と迎えに来ないかもしれない」不安をいだかせてしまったようです。

 クールで感情が表情に出にくい子なので、大丈夫だと過信しがちなのですが、お弁当の後のお別れのときは、私を追いかけてきました。午後の部は、内心かなり不安だったかもしれません。
 帰りに迎えに行ったとき、私の顔を見ようとしませんでした(これは怒っているときにします)。
 それでも、「まあたのしかったのだろう」と安易に思っていましたが、カイは、その夜ものすごく激しく泣いて目を覚ましました。日中の苦しさが、夢でフラッシュバックしたんだと想像します。その後3〜4日「突然泣き」をしていました…。

 時間が長かったことが問題ではなくて、「迎えに来たのに、帰れなかった」ことが、カイの不安を引き起こしたと思います。

★「1対1対応」

 今回の講演会で、佐々木先生が「1対1対応しかできないこと」を口をすっぱくして繰り返されていたことを思い出します。
 「1対1対応」とは、自閉症が、想像力が乏しいため、「1つのパターンをマスターするとそのパターンで(固執して)毎回処理しようとする」ことを意味します。

たとえば、
【モノの名前】
 園長先生は「園長先生」と呼び名を理解すると(1対1)、同じ園長先生を「○○先生」(1対2)と呼ぶバリエーションは許容できない。

【人の役割】
 このボランティアさんは「遊んでくれる人」で「お勉強をする人」ではない。

【場所の意味】
 この机は「ごはんを食べる場所」で「お絵かきをする場所」ではない。

 この1対1対応が崩されると激しい混乱や不安を招くことがあります。
 今回、カイの中に預けられたとき、「パパ(ママ)迎えに来る→帰る(=だから安心)」という1対1対応があることを認識しました。

 今後、スケジュールをある程度理解できるようになれば、「お弁当パパと食べる→ボランティアさんと遊ぶ→パパ迎えに来る」といった見通しを持てるようになると思います。まだその点ができていないことを考えて行動しなければ、と夜中にカイの号泣を聞きながら、痛感しました。

 託児がよかっただけに、親として「配慮が足りなかったなあ」と反省しました。カイ君ゴメン。


【後日談】
 ボランティアのNさんから写メールをもらいました(ありがとう!)。
 はなちゃんという女の子と午後からほとんど一緒に過ごしました。すごく仲良く2人手をつないで遊んでいました!
 開君すごく楽しそうでした!!はなちゃんもすごく楽しそうでした!!

ハナちゃんと

 わかるかなあ〜? カイの「写真撮られるのはイヤ。でもたのしい」という横顔が。どれだけうれしそうか、親にはわかります。
 不安はあったけど、楽しんでもいたのですね。託児スタッフ&ボランティアのみなさん本当にお世話になりました!


「佐々木正美先生講演会レポート/おまけ」へ続く。次でおしまいです。