■【厚生労働省】今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)資料

 10月12日開催の第18回社会保障審議会障害者部会で、厚生労働省がグランドデザイン案を提示しました。

 新聞報道では全体像がよくわかりませんでした。

・毎日新聞:障害者新法:身体、知的、精神のサービス一元化へ 厚労省
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041013k0000m040035000c.html

2005年に「障害福祉サービス法」(仮称)制定へ」で紹介した以上の情報はありません。なぜだろう? と思っていましたが、配付資料をみて納得しました。この分量、内容。読み込んで取材して解説するためには時間がかかるのでしょう。

 ワムネットに、10月12日障害者部会の配付資料(PDF形式)が掲載されました。

WAM-NET:審議会など - 障害者部会 - 第18回社会保障審議会障害者部会資料

★おすすめの読み方

 まず、審議会の配付資料を印刷しておきます。

・全国障害者介護制度情報
http://www.kaigoseido.net/topF.htm

 次に、全国障害者介護制度情報サイトのトップページ中「最新情報」>「厚生省、障害福祉施策を大改定案、法改正目指す 第18回障害者部会解説」を印刷。
 この中の、「社会保障審議会の傍聴録」を、配付資料を参照しながら読む。
 論点がわかります。

 最後に、配付資料を最初から読んでみましょう。疑問や不明点を資料に書き込んでおきましょう。
 パワーポイント資料なので、口頭による補足説明を前提としています(文章になっていない)。そのため「この数値やグラフは何を論証するためのものカナ?」と深読みしながら読む必要があります。

★自分発信のすすめ

 厚生労働省が何を目指しているのかを確認できたら、今度は私たちから発信する番です。
「このグランドデザイン案が実現したら自分の生活はどう変わるのか?」をイメージしてみます。
 次のような要素で、未来予想図を描いてみる。

【将来はどうなるのか?】
 ・私たちの市町村では〜
 ・私たちの施設では〜
 ・私たちの学校では〜
 ・私たちの子どもは毎日
   ・【日中活動】○○の支援を受けて〜する
   ・【住居】どこで? だれと? いくらの生活コストで?
   ・【働く】どこで? 何を? どんな支援を受けて? いくらの収入を得る?
   ・【財産管理】金銭的には〜(給料、年金、親の支援、その他)
 ・私たち親は〜

 希望とともに不安がわいてきます。「不安」をそのままにしないで「この支援があれば大丈夫」といった目標・課題を書き出してみましょう。
 状況は刻々と変化していますが、大きな枠組みはこの1〜2年で固まりそうです。今後色々なルートを使って働きかけをしていくことになりますが、その前に自分の考えをまとめるために「自分発信」をしてみるといいかも? ノートに書き出すだけでも全然ちがいますからね。ぜひやってみてください。


【参考サイト】・障害福祉〜かざぐるま: 身体・知的・精神の3施策を一本化〜障害福祉サービス法
http://maroon.way-nifty.com/welfare/2004/10/post_1.html

 改革試案の要旨がまとめられています。

・障害者とともに...:地域依存型福祉制度?
http://blog.goo.ne.jp/himawari_info/e/42957422e367b55d0965e8a1b8ca9104

 福祉作業所職員の立場から、「応益負担」と「市町村格差」についての不安を記しています。

・kotora★blog: グランドデザイン その3
http://kotora.blogzine.jp/kotora/2004/10/post_4.html

 グランドデザイン案を、全体としては評価、しかし変化のプロセスを注視と指摘。ホームヘルパーの立場から、移動介護が「個別給付ではなく、法人への委託事業になる」部分に注目しています(この点は、私も非常に心配です)。