■【働く】こんな仕事なら未来が見える!〜スワンベーカリーを題材に

【働く】これから有望な業態」へのたくさんの反応ありがとうございます!
 私は自分が働いているときはもちろん、街で、テレビで、お店で「こういう仕事ならカイはできるようになるかも?」という目でいつも「仕事」を探しています。


【ポイントとなる3条件】
(1)定型的でルーティン化(=決まった手続きにすること)できる仕事
(2)苦手なコミュニケーションを補う手段と周囲の手助け

 この2つがそろえば働けます。

 これに加えて、

(3)働いた成果が、他人が高く(!)評価してくれる(=お金を払う)ものであること

 (1)(2)(3)がそろえば、経済的な面での自立も夢ではなくなります。


◆成功例の研究――スワンベーカリー

★(3)働いた成果を、他人が高く評価してくれる!

 ヤマト福祉財団の小倉昌男さんが、パン屋を業態として選んだ理由を聞いてみましょう。
「パンなら毎日食べるし、食べ終わればなくなって、また買いに来てくれる。美味しいパンを作れば地域の人々は確実に喜んでくれるし、客から美味しいよと声をかけられたら、障害者も働きがいを持てるだろう」
『小倉昌男の福祉革命』73ページ)
 小倉さんは「毎日食べてなくなるもの」としてパンが(3)を満たす商品だから目をつけていました。

★(1)定型的でルーティン化できる!

 そして、タカキベーカリーの「冷凍パン生地」と出会うことで、パン屋が(1)定型的でルーティン化できる仕事の条件を満たすものだと確信をします。
冷凍生地とは、一次発酵を終えたパン生地を急速冷凍したもので、カチンカチンに凍った生地は店で専用の機械を使って解凍し、二次発酵した後、焼き上げる。店での工程を減らし、常に焼きたての美味しさを提供できる利点がある。(同書77ページ)
 もともとパン作りは一連の工程が明確で、ルーティン化しやすい仕事です。ただし、粉をこねるパートはかなりの熟練が必要だそうです。冷凍生地を使えば、その負担が減る。

★(2)苦手なコミュニケーションを補う手段と周囲の手助け

 スワンベーカリーは障害者と健常者(メインストリームの人)が一緒に働く職場であることがコンセプトですから、(2)の苦手なコミュニケーションを補う手段と周囲の手助けの条件を満たしています。

 (1)(2)(3)すべて満たしていますね!

【参考】
・スワンベーカリーとは
http://www.swanbakery.co.jp/profile/
 タカキベーカリーとの出会いが紹介されています。

【追記2004年11月1日】
 見逃した方は、ぜひご覧ください!
ヤマト福祉財団:お知らせ
ガイアの夜明け「金儲けで福祉を変えろ!」が11/5に再放送。
 テレビ東京で8月24日(火)に放送された、小倉昌男理事長出演のガイアの夜明け「金儲けで福祉を変えろ!」が11月5日(金)午前10時6分から再放送される予定です。


★4つめの条件――がんばれば達成できる目標がある!

 タカキベーカリーはスワンベーカリー用に開発したオリジナル製品を提供しています。
「障害をもった方々が製造しやすいことだけを考えれば、店で焼くだけの生地にすることもできたのですが、それではもの足らない。手間をかけることで障害をもった方が作る喜びを感じることができ、また自らの能力も発掘できるようなものにしたいと考えました。そして、きちんと手間をかけて愛情を込めて作っている様子が、お客様に見えること。こうしたいくつかの条件を熟慮した上で、スワンベーカリー用のパンにたどり着いたのです。」
――アンデルセン(タカキベーカリー)の児玉正治さんの言葉(同書95ページ)
 この言葉は、すごく真理をついている気がします。

できないことができるようになる喜び」は障害者にだってある――というか、障害があるから、悔しい挫折体験をたくさん積み重ねてしまっているからこそ、「本当はできるようになりたい」「できることを増やしたい」思いをいっぱい持っている。
 私たちは、傲慢にもその気持ちを踏みにじり、先回りして「できないに決まっている」とついつい決めつけてしまっていないか。
(そのあたりの親の心理を『ファインディング・ニモ』を題材にいつか書いてみたいと思っています。)

「がんばれば達成できる目標」日々の仕事の中にこれがあれば、意欲が全然ちがってきますよね! これを条件(4)にしましょう。

(4)「がんばれば達成できる目標」が日々の仕事の中にあること


【探してみよう】
 きっとヒントは私たち自身が日々の仕事で感じていることの中にも、たくさん隠れているんでしょうね。見つけて、磨いて、笑顔がいっぱい増えるようなことをトライしていきたいです。
 ぜひみなさんがやっていること・工夫・考えていることをシェアしてください。